月経を早める方法とは?ピルの飲み方・受診タイミング・注意点を解説

「旅行やイベントと月経が重なりそう」「当日に生理痛や経血を気にしたくない」と月経移動を検討している方もいるでしょう。

月経を早めるには、ピルを使って「月経移動」を行う方法が一般的です。
ずらしたい月経のひとつ前の周期からピルを飲み始め、10〜14日ほど服用して中止することで、予定より早く月経(消退出血)を起こします。

ただし、事前の準備や受診タイミングを誤ると希望どおりに調整できないかもしれません。
この記事では、月経を早める仕組みやスケジュールから、メリット・デメリット、低用量ピルを服用中の方の注意点までまとめて解説します。
イベント当日を月経で悩むことなく思い切り楽しみたい方は、最後までお読みください。

 

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※対面診療をご案内する場合もございます。

 

月経を早める「月経移動」とは?

月経移動とは、ピルを短期間服用して月経が来るタイミングを一時的にずらす方法で、早める方法と遅らせる方法があります。

そのうち月経を「早める」場合は、避けたい月経のひとつ前の周期にピルの服用を開始し、早めに月経を起こしておくことで、本来の予定日をずらします。

ピルを服用して月経を早める仕組み

ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)が含まれており、服用することで体内のホルモン環境を変化させ、排卵を抑えつつ子宮内膜を維持します[1]

通常の月経は、ホルモン分泌の低下により子宮内膜が剝がれ落ちることで起こります。しかし、ピルを飲んでいる間はホルモンが補充され続けるため、子宮内膜が剝がれにくく月経が起こりません。

そこで、一定期間ピルを服用したあとに服用を中止するとホルモンが急に低下し、子宮内膜が剝がれて「消退出血」という形で月経様の出血が起こります[1]

この仕組みを利用して服用開始日と中止日を調整することで、月経が来るタイミングを早めることが可能です。

月経移動で服用するピルの種類

月経移動には主に中用量ピルが用いられ、状況によって低用量ピルが処方される場合もあります。

<中用量ピルの特徴>

  • エストロゲン量が低用量ピルより多く、短期間でしっかりとホルモン作用を得られる
  • 月経移動の目的で主に処方されるお薬で、プラノバールが代表的。
  • 吐き気・頭痛・むくみなどの副作用が低用量ピルと比べて起きやすい傾向がある

<低用量ピルの特徴>

  • エストロゲン量が少なく、副作用が中用量ピルより少ない
  • 避妊や月経困難症の治療で長期的に服用するケースが多い

すでに低用量ピルを飲んでいる人では、シートの途中で中止するなどして月経のタイミングを調整する方法が使われます。

どのピルを服用するかは、体質や既往歴、イベントまでのスケジュールなどを踏まえて医師が判断するため、詳しい状況を説明できるよう準備しておきましょう。

月経を早める具体的なスケジュール

月経を早めるためにはひとつ前の月経から服用開始する必要があるため、スケジュール管理が欠かせません。

服用開始日や服用する日数など、詳しい服用スケジュールを立てるのに、しっかり把握しておきましょう。

月経を早めるときの服用開始日と日数

月経を早めたい場合、一般的には「早めたい月経の1つ前の月経」の開始から5日目までに中用量ピルを飲み始め、10〜14日間連続で服用します[1]

たとえば4月20日にイベントを控えている場合で、中用量ピルで月経移動するときの服用例は、以下のようになります[1][2]

<服用例>

時期
・日付
行動
・状態
目安となる日数
3月20日(前回月経1日目と想定)月経開始を確認する月経1日目
3月20日〜24日中用量ピルの服用開始月経開始から5日目までに開始
3月20日〜4月2日頃毎日同じ時間に中用量ピルを服用連続10〜14日間服用
3月29日〜4月2日頃指示された日数を飲み終えて服用を中止中止日が「早める月経」の起点
中止後2〜5日(例:3月31〜4月7日頃)消退出血(早めた月経)が始まる服用終了後2〜5日で出血開始
出血終了後〜4月20日月経なし
・ピル服用なしで過ごせる期間
イベント当日には月経が終わっている想定

上記のように、月経を早める場合は事前準備が必要です。イベントから逆算してスケジュールを組んで受診するタイミングを逃さないようにしましょう。

受診タイミングと準備しておきたい期間(1周期前〜)

月経を早めるには、「イベントと重なりそうな月経」の1周期前から準備が必要です。そのため、以下を目安に医療機関を受診しましょう。

  • 早めたい月経の1つ前の月経が始まる前、または始まってすぐ
  • イベント予定日の1か月以上前

月経開始から日数が経つと排卵に向けてホルモン環境が変化し始めるため、遅れて飲み始めると月経を早める効果が十分得られないことがあります。

イベントの日程が決まったら、できるだけ早めに医師に相談して自分に合った計画を立ててもらいましょう。

月経を早める方法のメリット

月経を早める方法には、イベント当日にピルを服用する必要がないうえ、副作用の影響を受けにくく月経を気にせず過ごせるというメリットがあります。

詳しくみていきましょう。

イベント当日にピルを服用する必要がない

月経を早める方法のメリットのひとつは、イベント当日にピルを服用する必要がないことです[1]

月経を遅らせる方法の場合、イベント期間中も月経を起こさせないためにピルを飲み続けなければなりません。旅行中や試験当日などに、決まった時間にお薬を飲むのは、スケジュールによって負担に感じることもあるでしょう。

一方、月経を早める方法では、イベント当日までにピルの服用を終えて消退出血を起こしておくため、お薬を持ち歩いて決まった時間に飲む必要がありません。

海外旅行などで時差がある場合も、服用時間を気にせずイベントに集中できるのは大きな利点といえます。

イベント当日に副作用の影響を受けにくい

中用量ピルは吐き気や頭痛、むくみなどの副作用が出ることがありますが、月経を早める方法ではイベント前に服用を終えるため、当日に副作用が続くリスクを少なくできます[1]

月経を遅らせる方法ではイベント期間中もピルを服用し続けるため、副作用が出た場合にはイベントを楽しめなくなる可能性があります。とくに中用量ピルはエストロゲンの含有量が多く副作用が出やすい傾向があるため、そのリスクは早める方法よりも高いといえるでしょう。

万が一ピル服用中に副作用が出たとしても、イベント前に対処する時間的余裕があるのも、早める方法のメリットのひとつです。

月経を早める方法のデメリットと失敗を防ぐポイント

月経を早める方法にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点もあります。

ピルの服用で月経移動する際は、デメリットを理解したうえで失敗しないための対策を講じましょう。

事前に準備期間が必要である

月経を早める方法は、イベント直前に思い立って対応することが難しい点がデメリットです。

早めたい月経の1つ前の周期から準備を始める必要があり、ピルの服用期間と消退出血が起こるまでの数日を考えると、イベントの約1か月以上前から計画しなければなりません。

そのため、急に決まった予定や直前まで日程が確定しない場合には、月経を早める方法が適さないケースもあるでしょう。

 

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※対面診療をご案内する場合もございます。

 

月経移動を失敗しないためのポイント

月経を早める方法を成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント理由
服用期間を十分とる一般的に10〜14日間の連続服用が推奨され、短すぎるとホルモン効果が不十分になる可能性があるため
飲み忘れを防ぐ毎日同じ時間に服用することでホルモン濃度を安定させやすいため
副作用がつらいときは自己判断で中止しない自己判断で中止してしまうと十分な効果が得られないため

どの方法でも確実に思いどおりに調整できるとは限らないため、余裕をもったスケジュールで準備することが大切です。

服用方法や副作用など、少しでも気になることがあれば医師に相談しましょう。

低用量ピル服用中の方が月経を早める方法と注意点

すでに低用量ピルを服用している方は、シートの服用スケジュールを調整する方法で月経を早められます。

ここでは、低用量ピル服用中の方の月経の早め方と注意点について解説します。

月経を早めるにはシートを途中で中止する

多くの低用量ピルは「21日間の実薬+7日間の休薬(または偽薬)」のサイクルで、休薬中に消退出血が起こる仕組みです[1]

そのため、月経を早めたい場合は、飲んでいるシートの実薬を通常より早いタイミングで中止します[1]

服用中止後、通常は数日以内に消退出血が起こるため、それを「早めた月経」として扱います。

ただし、いつ中止するか、再開はどうするかは、ピルの種類や個人の状況によって異なるため、自己判断ではなくかならず事前に医師に相談してから調整してください。

低用量ピル服用中の方が月経を早めるときに注意すべきポイント

低用量ピル服用中の方が月経を早める際には、以下のような注意点があります。

注意点詳細
避妊効果が低下する可能性シートを途中で中止すると、その周期の避妊効果が十分でなくなる可能性がある
一時的な不正出血服用パターンを変えることで、不正出血が起こる場合がある
次のシートの開始タイミング基本は7日間の休薬後に次のシートの服用を再開するが、避妊目的や症状コントロールの観点も踏まえて医師に指示に従う

自分が服用しているピルの特性を理解し、医師の指示に従って対応することが大切です。

月経を早める方法と遅らせる方法の違い

月経のタイミングを調整する方法には、遅らせる方法もあります。

早める方法が適していない場合に備えて、遅らせる方法の特徴も知っておきましょう。

項目月経を早める方法月経を遅らせる方法
目的イベントより前に月経を終わらせておきたいイベント期間中の月経を先送りしたい
受診
・準備のタイミング
「早めたい月経」の1つ前の月経が始まったらすぐ受診「ずらしたい月経予定日」の5〜7日前までに受診
服用開始の目安前周期の月経開始〜5日目までに中用量ピルなどを開始次回月経予定日の5〜7日前から中用量ピルを開始
服用期間10〜14日程度連続服用し、その後2〜5日で消退出血月経を避けたい期間中ずっと服用し、イベント後に中止
準備のしやすさイベントの約1か月以上前からの計画が必要。急な予定には対応しづらい比較的直前の予定にも対応しやすい(受診が間に合えばOK)
イベント当日の服用イベント前に服用終了。当日は服用不要イベント期間中も毎日服用が必要
副作用への影響服用はイベント前に終わるため、当日に副作用の影響を受けにくいイベント中も服用が続くため、その期間に吐き気
・頭痛などの副作用が出る可能性がある
コントロールのしやすさ排卵タイミングの影響を受けやすく、スケジュール管理がやや難しい服用を続けているあいだは出血を抑えやすく、一般にコントロールしやすいとされる
向いているケースの例予定が早めに決まっていて、当日にお薬を飲みたくない、副作用を避けたい予定が直前まで読めない

上記のように、「早める方法」は当日の負担が少ない代わりに準備とタイミング管理が重要です。一方「遅らせる方法」は直前の予定にも対応しやすいですが、イベント中も服用が必要なため副作用のリスクをともないます。

どちらが自分に合っているかは、予定の決まり方や体調、これまでのピルの副作用の出方などによっても変わるため、診察の際に医師と相談しながら選ぶようにしてください。

月経を早めたい方はクリニックフォアのオンライン診療へ

「忙しくて医療機関に行く時間がない」「近くに相談しやすい医療機関がない」という場合は、オンライン診療を利用して月経移動について相談することも可能です。

クリニックフォアでは、月経移動の相談にオンラインで対応しており、医師が問診したうえで適切なピルの種類や飲み方を提案します。処方されたお薬は自宅に配送されるため、忙しい方でも準備を進めやすい点がメリットです。

なお、月経移動で処方されるお薬はすべて自由診療となります。以下をご参照ください。

項目料金(税込)
診察料1,650円
お薬代中用量ピル(プラノバール):5,478円低用量ピル(マーベロン):6,556円
配送料550円/回

 

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※対面診療をご案内する場合もございます。

 

月経を早める方法に関するよくある質問

月経を早める方法について、多く寄せられる質問にお答えします。

スムーズに対応できるよう、ひとつでも多くの情報を集めておきましょう。

Q.月経を早める方法と遅らせる方法、どちらが確実ですか?

どちらの方法も、飲み始めるタイミングや月経周期との相性によってうまくいかないことがあり、「こちらの方が確実」とは言い切れません。

一般的には、予定の直前でも調整しやすいのは遅らせる方法、イベント当日にピルを飲みたくない・副作用を避けたい場合は早める方法が選ばれる傾向です。

自分の月経周期や予定の決まり方、これまでのピルの副作用の出方などによっても向き・不向きは変わります。

「どちらが合うか」はかならず医師に相談して一緒に決めるようにしてください。

Q.月経を早めたあと、次の月経はいつ来ますか?

早めた消退出血のあと、次の月経は個人差がありますが、おおむね通常の月経間隔前後で来ることが一般的です。

周期が乱れた場合や不安がある場合は、医師に相談しましょう。

月経移動で予定日を早めたいならオンライン診療も検討しよう

月経を早める方法は、うまく活用すれば「大切な予定と月経が丸かぶりしてしまう」ストレスを減らす有効な選択肢になり得ます。

一方で、事前の準備や服用タイミングを誤ると、期待どおりに調整できないこともあるため、自己判断ではなく医師と相談しながら進めることが重要です。

対面の婦人科受診が難しい場合は、オンライン診療を活用して早めに相談することで、選べる方法の幅が広がります。

イベントや旅行、試合などの予定が決まった段階で、余裕をもって計画を立てましょう。

 

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※対面診療をご案内する場合もございます。

 

参考文献

  1. Health Management for Female Athletes Ver.3|東京大学医学部附属病院
  2. 産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2023|日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会
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