デュタステリドの効果【DHTを抑え脱毛の進行を防ぐ】
デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)治療において、脱毛の進行を防ぐ効果が期待できるお薬です。
日本皮膚科学会のガイドラインにおいて推奨度A(行うよう強く勧める)に分類されており、AGA治療で広く用いられています[1]。
デュタステリドのおもな作用は「脱毛の進行抑制」です。抜け毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑えることで脱毛を防ぐ「守り」の働きをします。
DHTは、男性ホルモンであるテストステロンから変換されて作られるものです。
デュタステリドによりDHTの生成が抑えられることで、毛包がDHTの影響を受けにくくなり、ヘアサイクルの乱れを防ぐ効果が期待できるのです。
効果が出るまでの目安
デュタステリドの服用を開始すると、3〜6か月程度で変化を感じ始める方が多いとされています。
乱れていたヘアサイクルが整うまでには時間がかかるため、効果の実感には一定期間の継続が必要です。
すぐに変化を感じることは少ないものの、「なんとなく髪質が変わった」など、間接的な変化をきっかけに実感することもあります。
一方、見た目の変化を判断するには、少なくとも6か月以上の継続が目安です。
添付文書でも「投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6か月間の治療が必要」と記載されています[2]。
短期間で「効果がない」と判断して中断すると、本来得られるはずだった効果を確認できない可能性があります。
効果を評価する際は、適切に継続したうえで医師とともにおこなうことが大切です。
効果が出やすい部位
デュタステリドの効果は、AGAの影響を受けやすい「前頭部」や「頭頂部」で実感しやすいとされています。
AGAの発症には「5αリダクターゼ」という酵素が関わっています。5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部の毛包に多く分布しており、DHTの生成に関与する酵素です。
デュタステリドは5αリダクターゼの働きを抑えることでDHTの生成を抑制するため、これらの部位で効果が現れやすくなるのです。
毛包の活動がまだ保たれている部位では、AGAの進行抑制や髪質の変化を実感しやすい傾向があります。
一方、長期間にわたって薄毛が進行し、毛包の機能が大きく低下している部位では、変化を感じにくい場合もあります。
AGAは進行性の脱毛症であるため、十分な効果を得るためにも、できるだけ早い段階で治療を始めることが重要です。
デュタステリドとフィナステリドの違い
デュタステリドとフィナステリドは、どちらも5αリダクターゼを阻害してDHTの生成を抑えるお薬です。違いは、阻害する酵素の種類にあります。
フィナステリドが5αリダクターゼ2型のみを阻害するのに対し、デュタステリドは1型と2型の両方を阻害します[1]。
この違いから、デュタステリドはより広い範囲でDHTの生成を抑えると考えられています。
| 項目 | デュタステリド | フィナステリド |
| 作用する酵素 | 5αリダクターゼ1型・2型 | 5αリダクターゼ2型のみ |
| 作用範囲 | より広範囲 | おもに頭頂部・前頭部 |
国際共同臨床試験(男性917名対象・24週間)では、デュタステリド0.5mg群はフィナステリド1mg群と比較して、頭頂部の毛髪数がより多く増加したことが報告されています[3]。
毛髪幅の増加も確認されており、デュタステリドの方がより高い効果が期待できると考えられています。
ただし、効果の現れ方や感じ方には個人差があります。
どちらのお薬が適しているかは、症状や体質によって異なるため、医師と相談しながらご自身に合う治療を見つけることが大切です。
デュタステリドとミノキシジルの違い
デュタステリドとミノキシジルは、AGAに対する作用の仕組みが異なります。
デュタステリドが、抜け毛を抑える「守り」の働きをするのに対し、ミノキシジルは発毛を促す「攻め」の働きをもつお薬です。
ミノキシジルは、血管拡張作用や毛包への直接作用などにより発毛効果を発揮すると考えられています。
| 項目 | デュタステリド | ミノキシジル |
| 作用 | DHTを抑制し脱毛を防ぐ | 血流を促進し発毛を促す |
| 効果 | 進行抑制 | 発毛促進 |
| お薬の種類 | 内服薬 | 外用薬 ・内服薬 |
デュタステリドとミノキシジルでは、作用の仕方が異なるため、組み合わせて治療することも可能です。
併用することで「脱毛の進行を抑えつつ発毛を促す」という、より高い効果が期待できます。
デュタステリドの効果が出るまでの経過
デュタステリドを服用し始めてから効果が安定するまでには、段階的な変化がみられる傾向があります。
焦らず治療を継続するためにも、一般的な経過を把握しておくことが大切です。
ここでは、服用開始から効果が安定するまでの経過について解説します。
【3か月目】早い人で脱毛の改善がみられる
服用開始から3か月頃になると、早い方では抜け毛の減少や髪質の変化を感じ始めることがあります。
12週時点で写真評価を行った臨床試験では、デュタステリド0.5mgを服用した人は、服用しなかった人と比べて前頭部・頭頂部ともに発毛の改善が確認されました[5]。
「シャンプー時の抜け毛が減った」「髪にコシが出てきた」といった間接的な変化から気づく方もいます。
ただし、3か月では見た目に大きな変化として現れにくい傾向があります。
この時点で変化を感じられない場合でも、焦らず治療を継続することが長期的に効果を得るためのポイントです。
【6か月】治療効果を評価する
デュタステリドの効果を判定する目安は、服用開始から6か月とされています。これは、DHTの生成が抑えられても、ヘアサイクルが整い髪が成長するまでには時間がかかるためです。
添付文書でも「治療効果を評価するためには、通常6か月間の治療が必要」と記載されています[2]。
6か月時点での治療効果は、国際的な臨床試験において有意な差として示されています。
デュタステリド0.5mgを服用したグループは、頭頂部の直径2.54cm円内の毛髪数が平均89.6本増加しました[5]。一方、プラセボ群は平均4.9本減少しており、統計学的に有意な差が認められています。
専門家による写真評価でも、デュタステリドを服用した人では頭頂部・前頭部ともに改善が確認されました[5]。
なお、効果の感じ方には個人差があります。ご自身では変化を実感しにくい場合でも、客観的には改善が認められることもあります。
そのため、治療効果を評価する際には、医師から専門的な評価を受けることが重要です。
【1年】太い毛が増え効果が安定する
服用開始から1年が経過すると、効果が安定し、太い毛が増えてきたと感じる方が多くなります。
国内で実施された52週間の長期投与試験では、頭頂部の毛髪数がベースラインから平均68.1本増加したことが確認されました[5]。
硬毛数(太い毛)も平均76.9本増加しており、変化を実感しやすいと考えられます[5]。
ただし、服用を中止すると効果は失われ、AGAの進行が再び始まる可能性があります。
1年を過ぎた後も効果を維持するためには、長期的な視点で治療に取り組む姿勢が重要です。医師と相談しながら服用を続けていきましょう。
デュタステリドの効果を実感しにくいと感じる3つの理由
「デュタステリドを服用しても、効果を感じない」と不安になる方もいるでしょう。
効果の感じ方には個人差がある一方で、実感しにくいと感じる背景にはいくつかの理由も考えられます。
とくに以下は代表的な原因です。
- 服用期間が6か月未満で効果を判断するのが早い
- 正しい用法用量で服用できていない
- AGAではなく別の脱毛症の可能性がある
デュタステリドの効果が実感できず心配になったときは、ご自身に当てはまるものがないか確認してみてください。
その1:服用期間が6か月未満で効果を判断するのが早い
デュタステリドの効果を実感するには、最低でも6か月程度の継続が必要です。
ヘアサイクルの乱れが整い、新しい髪が成長し、見た目の変化として現れるまでには時間がかかります。
2〜3か月程度で「効果がない」と判断し中断すると、本来期待できた効果を確認できない可能性があります。
治療効果を正しく評価するためには、焦らずに6か月以上継続することが大切です。
その2:正しい用法用量で服用できていない
デュタステリドは、1日1回継続して服用する必要があります。
飲み忘れが多かったり自己判断で服用量を減らしたりすると、血中濃度が安定せず、十分な効果が得られない可能性があります。
また「早く薄毛を改善したい」と考え、自己判断で飲む量を増やすのも適切ではありません。期待する効果が得られないばかりか、副作用のリスクが増すおそれもあります。
毎日できるだけ同じ時間帯に服用し、用法用量を守ることが効果を得るための基本となります。
その3:AGAではなく別の脱毛症の可能性がある
デュタステリドは男性型脱毛症に対して効果が認められているお薬であり、他の脱毛症には適応がありません[1]。
薄毛の原因はAGA以外にも、以下のような疾患や状態が考えられます[1][6]。
- 円形脱毛症
- 慢性休止期脱毛症
- 甲状腺疾患(慢性甲状腺炎など)
- 膠原病などの全身疾患
- 貧血・栄養不足
- 急激なダイエット・ストレス
これらが原因の場合、デュタステリドを服用しても効果は期待できません。
効果を実感しにくい場合は、そもそもの診断が正しいかどうかを確認する必要があります。
薄毛の原因が明確でない場合は、皮膚科や専門のクリニックで正確な診断を受けることをおすすめします。
デュタステリドの効果を得るために知っておきたい4つのポイント
デュタステリドの効果を十分に得るためには、正しい服用方法と生活習慣への配慮が大切です。
ここでは、治療効果を高めるために知っておきたい4つのポイントを解説します。
ポイント1:用法・用量を正しく守る
デュタステリドは、1日1回決められた量のお薬を継続して服用することが基本です[1]。
飲み忘れが続くと、十分な効果を発揮できなくなります。毎日同じ時間帯に服用する習慣をつけ、飲み忘れを防ぎましょう。
<飲み忘れを防ぐ工夫>
・スマートフォンのアラームやリマインダーを設定する
・歯磨きや食事など、毎日の習慣とセットにする
・目につく場所にお薬カレンダーを設置する
デュタステリドは食事の影響を受けにくいお薬であるため、朝・昼・夜のいずれに服用しても構いません。ご自身のライフスタイルに合った時間を選んで継続しましょう。
ポイント2:最低6か月は継続して効果を評価する
デュタステリドの効果を正しく評価するためには、最低でも6か月間の継続が必要です[1]。
ヘアサイクルは数か月単位で変化するため、短期間では見た目の変化として現れにくい傾向があります。
2〜3か月程度で効果がないと感じても、焦る必要はありません。治療の途中段階であり、効果判定には早い時期です。
6か月以上継続しても改善がみられない場合は、治療方針の見直しが検討されることがあります。医師と相談しながら、ご自身に合うAGA治療を続けていきましょう。
ポイント3:生活習慣を整えて土台を作る
AGA治療の効果を高めるためには、お薬の服用だけに頼らず、生活習慣を整えることも大切です。
睡眠不足、過度なストレス、偏った食生活などは、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。
髪の成長に必要な栄養素をバランスよく摂取し、質のよい睡眠を確保しましょう。
<育毛によい栄養素>
- ビタミンB
- ビタミンD
- 鉄
- 亜鉛 など
また、喫煙は血行不良を引き起こし、頭皮への血流や栄養供給に影響を与える可能性があるため、禁煙を心がけることも検討してみてください。
お薬の効果を最大限に引き出すためにも、生活習慣の見直しを心がけてみてください。
ポイント4:ミノキシジルとの併用療法も選択肢とする
ミノキシジルと併用して治療することも選択肢のひとつです。
デュタステリドの「抜け毛を抑える」働きに対し、ミノキシジルは「発毛を促す」働きを持つお薬です。
進行抑制と発毛促進は役割が異なるため、併用することでより高い効果が期待できます。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、ミノキシジル外用をデュタステリド内服薬と同様に「推奨度A」と位置づけており、併用治療は一般的にも広くおこなわれています[1]。
なお、ミノキシジルには内服薬もあり、デュタステリドとミノキシジル内服薬を併用して治療することも可能です。
内服薬は、有効成分が血液を通じて頭皮全体へ届くため、局所的に作用する外用薬と比べて、より高い発毛効果が期待できるとされています。
併用治療が適切かどうかは体質や症状によって異なるため、医師に相談のうえで判断してください。
デュタステリドの効果に関するよくある質問
デュタステリドの効果について、よく寄せられる質問をまとめました。
治療を進めるうえで気になりやすいポイントを整理していますので、参考にしてください。
ザガーロとジェネリックで効果に違いはありますか?
ザガーロ(先発品)とデュタステリド錠(ジェネリック)は、同じ有効成分を含んでいるため、効果に違いはありません。
ジェネリック医薬品は、先発品と同等の有効性・安全性が確認されたうえで承認されています。
ジェネリックは先発品と比べて費用を抑えられるため、長期継続が前提となるAGA治療では経済面でのメリットがあります。
デュタステリドは危ないお薬ですか?
デュタステリドは医療用医薬品として承認されており、適切に服用すれば安全性が確認されているお薬です。
ただし、副作用が起こる可能性はゼロではありません。どのようなお薬にも副作用のリスクは伴います。
デュタステリドのおもな副作用として、性欲減退、勃起機能の変化、射精障害などが報告されています[2]。これらの性機能に関する副作用は、頻度が1%以上と報告されています[2]。ただし、多くは軽度であり、服用中止後に回復することが一般的です。
安心して治療を続けるためにも、副作用について正しく理解し、気になる症状があれば早めに医師へ相談しましょう。
デュタステリドの服用をやめると効果はどうなりますか?
デュタステリドの服用を中止すると、抑えられていたAGAの進行が再び始まる可能性があります。
デュタステリドはDHTの生成を抑えることで効果を発揮しているため、服用をやめるとDHTの生成が再開され、ヘアサイクルが再び乱れてしまいます。
効果を維持するためには継続して服用することが大切です。もし中止を考えた場合は、まず医師に相談してみてください。
なお、クリニックフォアではオンライン診療を提供しています。
副作用が気になる場合は治療方針の見直し、費用面が負担であればジェネリックへの切り替えなど、継続しやすい方法を一緒に検討できます。お気軽にご相談ください。
※自由診療
※医薬品副作用被害救済制度等の対象外となります。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。医師の診察を受け、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断でお薬の処方可否・お薬の処方日数は変わります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
まとめ:デュタステリドは適切に継続服用して効果を見極めよう
デュタステリドは、AGAの原因となるDHTの生成を抑え、脱毛の進行を防ぐ効果が期待できるお薬です。
5αリダクターゼの1型と2型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも強力なDHT抑制作用があるとされています。
治療効果を正しく評価するためには、用法用量を守りながら最低6か月は継続することが大切です。
服用を中止するとAGAの進行が再び始まる可能性があるため、長期的な視点で治療に取り組みましょう。
ただし、変化の現れ方や感じ方には個人差があります。思うような結果が出ない場合は、ミノキシジルとの併用など治療方法を見直すことも可能です。
不安なことがあれば医師に相談しながら、ご自身に合ったAGA治療を進めていきましょう。
