胃腸炎の治し方|自宅でできる対処法・水分補給・食事のポイントを解説

突然の吐き気や下痢に襲われ、「胃腸炎を早く治したい」とつらい症状に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

「特効薬はないのか」「お薬を飲めばすぐ治るのでは」と考えるかもしれませんが、一般的なウイルス性胃腸炎の原因ウイルスを直接退治するお薬はありません。
そのため、胃腸炎を早く治すには脱水を防ぐための水分補給と安静がメインで、医療機関で処方されるお薬も症状をやわらげる対症療法が中心となります。
一方で、下痢止めや抗生物質の自己判断での服用はかえって症状を悪化させる可能性があるため、早く治したい方ほど慎重な判断が必要です。

この記事では、胃腸炎の正しい治し方を解説します。
医療機関を受診すべき目安も紹介しますので、胃腸炎の正しい対処法を講じたい方は、ぜひ最後までお読みください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

 

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※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。

胃腸炎の基本的な治療方針|自然治癒と対症療法が中心

胃腸炎の治療は、からだの回復力を助けながら症状をやわらげることが大切です。

「お薬を飲めばすぐに治るのでは」と思われがちですが、胃腸炎の多くは自然治癒が一般的です。

正しい対処法を知る前に、胃腸炎の基本的な治療方針と症状の経過について理解を深めましょう。

胃腸炎に特効薬はなく自然治癒が基本

胃腸炎には、原因を直接取り除いて速やかに治すような特効薬は存在しません[1]。とくにウイルス性胃腸炎の場合、原因となるウイルスに対する抗ウイルス薬がないのが現状です。

そのため、ノロウイルスやロタウイルスなどに感染した場合は、からだの免疫力でウイルスを排除するのを待つのが基本です。

細菌性胃腸炎の場合も、原因菌の種類や重症度によって抗菌薬が有効なケースと不要なケースがあり、すべての胃腸炎に共通して効くお薬は存在しません。

以上のことから、胃腸炎の治し方はいかに「からだの回復を助けるか」と、いかに「症状をやわらげて楽に過ごすか」がポイントです。

治療の中心は症状をやわらげる対症療法

先述したとおり、胃腸炎の治療は対症療法が中心です[1]

対症療法とは、病気の原因を直接治すのではなく、つらい症状をやわらげる治療法のことです。

具体的には、吐き気を抑える制吐剤、腸内環境を整える整腸剤、発熱や痛みをやわらげる解熱鎮痛剤などが処方されます。

これらのお薬はウイルスや細菌を直接退治するわけではありませんが、症状を軽くして体力の消耗を防ぐ役割があります。

また、嘔吐や下痢で失われた水分を補う水分補給も、対症療法と同じく回復に重要です。脱水症状がひどい場合は回復に時間を要するケースもあるため、点滴治療がおこなわれることもあります。

多くの場合は数日〜1週間程度で自然に回復する

胃腸炎の症状は、多くの場合数日から1週間程度で自然に回復します。

たとえば、ノロウイルスによる胃腸炎は嘔吐や下痢などの主症状が通常1〜2日程度で改善する傾向にあります[1]。ロタウイルスによる胃腸炎では、下痢が3〜8日程度続くことがあります[2]。どちらの場合も、多くは自然に回復します。

細菌性胃腸炎の場合も、原因菌によって期間は前後しますが数日から1週間程度で改善することが多いとされています。

ただし、子どもや高齢者、免疫力が低下している方は重症化リスクが高いため、体調の変化に注意が必要です。

症状が改善しない場合や悪化する場合は、早めに医療機関を受診してください。

胃腸炎の治し方

胃腸炎の治療は、症状をやわらげながらからだの自然回復を助ける「対症療法」が基本です。

特効薬はなく、水分補給・食事・お薬の服用の3点を適切に管理することが回復への近道となります。

脱水を予防する

胃腸炎の治療において重要なのが、脱水の予防です。嘔吐や下痢によって体内の水分と電解質が急速に失われるため、適切な水分補給が回復への第一歩となります。

通常の便に含まれる水分量は限られていますが、胃腸炎による下痢では1回あたりの便中の水分量が大幅に増加します。これが1日に何度もくり返されることで急速に脱水状態に陥るのです。

脱水が進行すると以下のような症状があらわれ、重症化すると意識障害や血圧低下を引き起こすこともあります。とくに子どもや高齢者は脱水を起こしやすいため注意が必要です。

  • めまい・ふらつき
  • 頭痛
  • 尿量の減少
  • 口や皮膚の乾燥

水分摂取に適した飲み物と避けるべき飲み物は、以下を参考にしてください。

項目飲み物の種類
水分補給におすすめの飲み物・経口補水液
・スポーツドリンク
・常温の水
・あたたかいお茶
症状が強い場合に避けるべき飲み物・アルコール
・カフェインを多く含むもの
・柑橘系ジュース
・炭酸飲料
・牛乳、乳製品

水分補給のポイントは「少量ずつ」「こまめに」摂取することです。一度に大量の水分をとると胃が刺激されて嘔吐を誘発することがあります。

吐き気が強いうちはスプーン1杯程度の量から始め、5〜10分おきに少しずつ飲んで吐かないことを確認しながら量を増やしていきましょう。

長時間の絶食を避ける

「胃腸炎のときは絶食した方がいい」と思われがちですが、長時間の絶食は現在では推奨されていません。食事を長期間とらないと体力が低下し、回復が遅れる可能性があるためです。

もちろん、吐き気が強い時期に無理に食べる必要はありませんが、食べられる状態になったら早めに食事を再開することが推奨されています[3]

食事を再開する際は、消化が良く胃腸に優しいものから少量ずつ始めてください。以下を参考に、食べられそうなものから試してみましょう。

  • おかゆ
  • うどん
  • 豆腐(湯豆腐)
  • 白身魚の煮付け
  • 茶碗蒸し
  • すりおろしりんご
  • バナナ
  • 野菜スープ

揚げ物や刺激の強いもの、食物繊維の多い根菜などは、胃腸に負担がかかりがちであるため、胃腸炎の症状があるうちは避けるのが賢明です。

1回の食事量を少なめにして1日数回に分けて食べると胃腸への負担が軽減されます。食材は柔らかく調理し、薄めの味付けを心がけながら、2〜3日かけてゆっくりと普通の食事に戻していきましょう。

自己判断での市販薬の服用を避ける

胃腸炎のとき、市販の下痢止めを自己判断で服用したり、以前処方された抗生物質を自己判断で服用したりすることは推奨されていません[1]。からだの自然な回復を妨げないことが、結果として早期回復につながります。

自己判断での服用を避けるべき理由は以下のとおりです。

服用を避けるお薬避けるべき理由
下痢止め下痢止めの服用によってウイルスや細菌の排出が妨げられ回復が遅れる可能性がある
抗生物質抗生物質はウイルスには無効で、腸内の善玉菌にも影響を与えて下痢が悪化することがある
解熱鎮痛剤(市販薬)種類によっては胃腸に負担をかけるものがある

症状がつらい場合は自己判断せず、医療機関を受診して医師に相談のうえ適切なお薬を処方してもらいましょう。

胃腸炎で処方されるお薬

医療機関を受診すると、症状をやわらげるための対症療法として、以下のお薬が処方されることがあります。

お薬の種類主な目的備考
整腸剤腸内環境を整え、下痢の期間を短縮する比較的副作用が少なく幅広い年齢層に処方される
制吐剤吐き気・嘔吐を抑える内服薬のほか座薬・注射薬もあり
解熱鎮痛剤高熱による体力消耗を抑える胃腸に負担をかける種類もあるため医師に相談
抗生物質原因菌を除菌する医師が原因菌を特定し有効と判断した場合のみ処方

いずれのお薬も、自己判断での服用は避けることが大切です。とくに抗生物質の不必要な服用は薬剤耐性菌の増加にもつながるため、かならず医師の指示に従ってください。

胃腸炎の回復を助ける過ごし方と受診の目安

胃腸炎になったときは、水分補給と食事管理に加えて、安静と感染対策を徹底することが回復を早めるうえで重要です。

一方で、自宅での対応では対処しきれないケースもあるため、受診すべき目安を事前に把握しておきましょう。

安静と感染対策

胃腸炎になったら、安静にして十分な休息・睡眠をとることが大切です[4]

からだがウイルスや細菌と戦うためにはエネルギーが必要であり、無理に動くと体力を消耗して回復が遅れてしまいます。症状がある間はできるだけ横になって休息をとり、十分な睡眠で免疫力を高めましょう。

感染対策も欠かせません。とくにノロウイルスは感染力が強く、家族への感染拡大を防ぐための対策が必要です[1]。以下の点を心がけてください。

  • トイレ後・食事前の手洗いを石けんと流水で徹底する(ノロウイルスにはアルコール消毒の効果が弱い)
  • 嘔吐物や便を処理する際は使い捨て手袋とマスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)で消毒する
  • 入浴は症状が落ち着いてからとし、感染者はシャワーで済ませるか最後に入浴し、浴槽を十分に清掃・消毒する

感染対策は症状が治まった後も、便中にウイルスが排出され続ける期間は継続することが大切です[1]

すぐに受診すべき目安

以下の症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず早めに医療機関を受診してください。

状況理由
水分を口にすると吐いてしまう状態が半日以上続く脱水が急速に進行している可能性があり、点滴が必要になることがある
血便が出る腸の粘膜への損傷や、O157などによる重症化のリスクがある
38.5度以上の高熱が2日以上続く細菌感染など、より重篤な原因が隠れている可能性がある
症状が1週間以上続く・悪化している胃腸炎以外の疾患が隠れている可能性がある

また、以下にあてはまる方は重症化するリスクが高く、気づいたときには脱水が進行している可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

  • 子ども
  • 高齢者
  • 糖尿病や腎臓病などの持病がある方
  • 免疫力が低下している方(抗がん剤治療中など)

夜間や休日で受診できない場合は、救急医療機関や夜間診療所の利用を検討してください。

胃腸炎の症状が気になる方はクリニックフォアのオンライン診療へ

胃腸炎の症状で医療機関への受診を検討している方は、クリニックフォアのオンライン診療の活用も選択肢のひとつです。

クリニックフォアでは、胃腸炎の症状に関するオンライン診療に対応しています。スマートフォンやパソコンから医師の診察を受けられ、処方されたお薬はご自宅へ配送されます。

症状がつらくて外出が難しい場合や、近くに受診できる医療機関がない場合にも利用しやすい受診方法です。

整腸剤や制吐剤などの対症療法のお薬の処方についても相談できます。

【オンライン診療を受ける前にご確認ください】

胃カメラや採血などの精密検査はオンライン診療では実施できません。原因疾患の特定が必要な場合は対面の消化器内科を受診してください。

また、水分がまったくとれない、血便が出る、高熱が続く、意識がぼんやりしているなどのアラームサインがみられる場合は重症化が疑われます。速やかに対面の消化器内科または救急医療機関を受診してください。

まずはクリニックフォアのオンライン診療で医師にご相談ください。

 

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胃腸炎の治し方に関するよくある質問

胃腸炎の治し方で多くの方が疑問に感じる内容にお答えします。回復を助けるヒントとしてご活用ください。

Q. 胃腸炎のとき、医療機関は何科を受診すればよいですか?

発症したのが大人の場合は内科または消化器内科を受診してください。

ウイルス性胃腸炎であれば一般的な内科で対応可能ですが、消化器内科では胃腸炎と症状が似たほかの消化器疾患(虫垂炎・憩室炎など)との見分け方も含めてより専門的な診療が可能です。

子どもの場合は小児科を受診しましょう。とくに月齢が低い子どもは短時間で症状が急変する可能性があるため、発熱や嘔吐が続く場合は早めに受診しましょう。

Q. 症状が治まっても、しばらく人にうつりますか?

症状が改善したあとも一定期間は感染力が続きます。

とくにノロウイルスでは、症状が消失した後も通常1週間程度、長い場合は1か月程度ウイルスが便中に排出され続けることが知られています[1]

そのため、症状が治まったあともトイレ後の丁寧な手洗いの継続、家族とのタオルの共用を避けるなどの対策を続けましょう。

食品を直接扱う仕事に就いている方は、職場の感染対策マニュアルに従った対応が必要です。

Q. 子どもが胃腸炎になったとき、市販薬を使っても大丈夫ですか?

市販の下痢止めは、ウイルスや細菌の排出を妨げて回復を遅らせる可能性があります。また、市販の吐き気止めや解熱鎮痛剤は子どもへの適応年齢や用量に制限があるものも多く、誤った服用は症状を悪化させることがあります。

子どもの症状がつらそうな場合や水分補給ができない場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。受診により整腸剤や座薬タイプの制吐剤など、年齢・体重に合ったお薬を処方してもらえるでしょう。

胃腸炎の治し方で改善が見られない場合は無理せず受診しよう

胃腸炎には特効薬がなく、自然治癒が基本の治療方針であり、治し方の中心は症状をやわらげる対症療法です。

脱水を防ぐための水分補給も欠かせません。経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつこまめに摂取しましょう。食事も厳格な制限は不要です。食べられるようになったらおかゆやうどんなど消化の良いものから少量ずつ再開してみてください。

自宅で安静にして過ごしても水分がまったくとれない、血便が出る、高熱が続く、症状が1週間以上続くなどの場合は早めの医療機関の受診が推奨されます。

正しい対処法を実践して、つらい胃腸炎からの回復を目指しましょう。

 

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※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。

注意 オンラインでお薬の処方ができない場合があります

以下に当てはまる場合はオンラインで処方ができません。

  • 依存性の高い向精神薬(不眠症のお薬を含みます)に分類されるお薬や麻薬は処方できません。
  • 触診・検査などが必要な場合(爪水虫など)、オンラインでは病状を把握するために必要な情報が十分に得られないと医師が判断した場合には、対面での診療をお願いする場合がございます。

参考文献

  1. 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
  2. CDC "Clinical Overview of Rotavirus"
  3. 一般社団法人日本感染症学会・公益社団法人日本化学療法学会「JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015―腸管感染症―」
  4. 東京都感染症情報センター「感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に)」
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