喘息は何科を受診する?診療科別の特徴と選び方
「喘息かもしれない」と感じたとき、どの診療科を選べばよいか迷う方は多いでしょう。
喘息は複数の診療科で対応可能ですが、それぞれ得意とする領域や対応できる検査に違いがあります。
自分の状況に合わせて適切な診療科を選ぶことで、スムーズな診断・治療につながります。
内科(一般内科・かかりつけ医)|迷ったらまずここ
「近くに専門の診療科がない」「喘息かどうかもわからない」という場合は、まずはかかりつけの内科を受診することで問題ありません。
内科ではせき・痰・息苦しさなどの呼吸器症状を診ることができ、必要に応じて専門科へ紹介してもらえます。
「何科に行けばいいかわからなくて受診をためらっていた」という方こそ、まずは内科に相談してみることをおすすめします。
クリニックフォアのオンライン診療では、内科として喘息の症状相談や長期管理薬の継続処方に対応しており、自宅にいながらスマートフォンで受診できます。
「忙しくて通院が難しい」「まず症状を相談したい」という方は、オンライン診療を受診の第一歩として活用してみてください。
呼吸器内科|より専門的な検査・治療を受けたい場合
呼吸器内科は、気管・気管支・肺など呼吸に関する臓器を専門に診る診療科です。
肺機能検査・呼気NO測定など、喘息の診断に必要な専門的な検査機器が揃っている施設が多く、症状の重さや種類を正確に評価してもらえます。
「せきが長引いている」「ゼーゼー・ヒューヒューという音がする」「繰り返し息苦しくなる」という症状がある方は、呼吸器内科への受診を検討してみてください。
症状が重い場合や、近隣のクリニックで対応が難しい場合は、大学病院や専門医療機関への紹介を受けることもできます。
アレルギー科|アレルゲンを特定したい場合
アレルギー科は、ダニ・ハウスダスト・花粉・ペットの毛などのアレルゲンに関する検査と治療を専門とする診療科です。
「アレルギー体質で喘息になったかもしれない」「何がアレルゲンか特定したい」という方は、アレルギー科への受診も良い選択肢です。
「花粉症があって喘息も出てきた気がする」「ペットを飼い始めてから症状が出た」という場合、アレルギー科でアレルゲンを特定してから呼吸器内科を紹介してもらう流れでも問題ありません。
アレルギー科と呼吸器内科の両方を診療しているクリニックも多いため、受診先を検索する際に確認してみてください。
子どもの喘息と緊急受診が必要な状況
子どもの喘息への対応と発作時の緊急受診は、事前に知識を持っておくことで適切な判断ができるようになります。
「大人と子どもで受診する科は同じでいいのか」「発作のときに救急に行くべきかどうかわからない」という不安をお持ちの方も多いとされています。
ここでは、子どもの喘息の受診先・緊急受診のサイン・発作時の応急対処について解説します。
子どもの喘息はかかりつけの小児科へ
子どもが喘息を疑われる場合は、かかりつけの小児科に相談するのが基本です。
小児科ではお子さんの発達段階・体格に合わせた診断と治療がおこなえるため、大人と同じ診療科に行く必要はありません。
アレルギー疾患を得意とする小児科や、小児アレルギー科のある医療機関は、子どもの喘息治療により専門的な対応が期待できます。
「いつもと呼吸が違う」「夜になるとせきこみがひどい」「肩を使って一生懸命息をしている」という様子が見られる場合は、早めに小児科を受診してください。
症状が重い場合や、アレルギーが複数ある場合は、より専門的な医療機関への紹介を受けることもあります。
「子どもが息苦しそうにしている」「ゼーゼーという音がしている」「肋骨の間がはっきりとへこむ(陥没呼吸)」という場合は、自己判断せず速やかに受診することが大切です。
すぐに救急受診が必要なサイン
以下の症状がある場合は、速やかに救急外来を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります[2]。
- 苦しくて眠れない・横になれない
- 発作治療薬(短時間作用性吸入β2刺激薬)を使っても症状が改善しない
- 唇や爪・顔色が紫色になっている(チアノーゼ)
- 意識がぼんやりする・呼吸が弱まる
- (子どもの場合)肋骨の間がはっきりとへこむ陥没呼吸が見られる
「少し様子を見ようかな」という判断が手遅れにつながるケースがあるため、上記に当てはまる場合は迷わず救急を選んでください。
「救急を呼ぶのは大げさかな」と感じる方もいるかもしれませんが、喘息発作は悪化すると短時間で重篤な状態になることがあるため、早めの判断が重要です。
救急車を呼んだ場合は、喘息であること・現在服用しているお薬の名前・いつ発作が起きたかを救急隊員に伝えると、到着後の対応がスムーズになります。
発作時の応急対処と救急車を呼ぶタイミング
発作が起きたときは、以下の手順で対処することが推奨されています[2]。
- 処方されている発作治療薬(短時間作用性吸入β2刺激薬)を吸入する
- 吸入後15分程度様子を見る
- 改善が見られれば、通常の外来受診でも対応可能
- 改善がない場合や症状が悪化している場合は、吸入を繰り返しながら速やかに医療機関へ向かうか救急車を呼ぶ
「発作治療薬を持ち歩いていない」という方は、万が一の発作に備えて常に携帯しておくことが望ましいでしょう。
発作時の対応手順をあらかじめ医師と確認しておくことで、緊急時も落ち着いて対処できるでしょう。
発作のときに一人で対処するのが不安な場合は、日頃から家族や周囲の人に対応方法を共有しておくことも重要です。
喘息を疑ったら早めに受診すべき理由
「せきが続いているけれど、受診するほどではないかな」と感じて様子を見ている方は多いでしょう。
しかし、喘息は放置するほど気道の炎症が慢性化し、気道が元に戻りにくくなるリスクがあるとされています[1]。
早めに受診して適切な治療を開始することが、発作の重症化を防ぐうえで重要な判断となります。
【表:知っておきたいポイント】
| 知っておきたいポイント | 詳細 |
| 放置による気道リモデリング | 炎症を繰り返すと気管支の壁が厚く硬くなり、お薬が効きにくくなる可能性がある[1]。症状が比較的軽い段階での治療開始が重要 |
| 市販のせき止めが効かない理由 | 市販薬はせき反射を一時的に抑えるものであり、喘息の根本原因である気道の炎症には作用しない。2~3週間以上改善しない場合は受診[3] |
| 受診を検討すべき症状 | せきが3週間以上続く/夜間・明け方に症状が強くなる/運動後・寒暖差・ペットのそばでゼーゼーする[3] |
「市販薬が効かない」と感じた時点が受診の目安と考え、気になる症状があれば自己判断で様子を見ずに早めに医療機関に相談することをおすすめします。
受診時におこなわれる主な検査
「受診したら、どんな検査をされるのだろう」「痛い検査はあるの?」と不安に感じている方も多いでしょう。
喘息の診断に用いられる検査は、問診・聴診・呼吸機能検査・血液検査・胸部レントゲンなど複数の方法があり、症状や年齢に応じて組み合わせておこなわれます[4]。
多くの場合、検査は痛みを伴わないものであるため、過度に心配する必要はありません。
以下の表は、喘息の診断で用いられる主な検査をまとめたものです。
| 検査名 | 目的 | 特徴 |
| 問診・聴診 | せきのタイミング・喘鳴の有無・アレルギー歴・家族歴を把握する[4] | 診断の重要な出発点、痛みなし |
| 肺機能検査(スパイロメトリー) | 1秒間に吐ける空気の量を測定し気道の狭窄を評価する[4] | マウスピースをくわえて呼吸するだけ、痛みなし |
| 気道可逆性試験 | 吸入薬使用前後での数値改善を比較する[4] | 肺機能検査とセットでおこなわれることが多い |
| 血液検査(特異的IgE抗体・好酸球) | アレルゲンの特定・炎症の程度を確認する[4] | 採血時に一時的な痛みあり |
| 胸部レントゲン | 肺炎など他の呼吸器疾患との見分けをおこなう[4] | 痛みなし |
| 呼気NO(一酸化窒素)測定 | 気道のアレルギー性炎症の有無を調べる[4] | マウスピースで息を吐くだけ、痛みなし |
問診・聴診
喘息の診断において、問診は重要な出発点となるステップです[4]。
医師は「せきが出るタイミング・期間・痰の色や性質・喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)の有無・息苦しさの有無・アレルギー歴・家族歴」などを詳しく聞きます[4]。
これらの情報が診断の根拠となるため、「受診前に症状の記録をメモしておく」と医師が判断しやすくなります。
聴診(胸の音を聴く検査)では、気道が狭くなっているときの特有の音(喘鳴)を確認します[4]。
症状が出ていない時間帯でも、気道に異常がある場合は聴診で雑音が聞こえる場合があります。
検査を行わずに問診や聴診だけで喘息と診断されることもあるため、症状を正確に伝えることが診断にとって重要です。
肺機能検査(スパイロメトリー)
肺機能検査(スパイロメトリー)は、喘息の診断と重症度評価に用いられる基本的な検査です[4]。
マウスピースをくわえて思いきり吸ったあと一気に吐き出し、「1秒間に吐ける空気の量(1秒量)」「肺活量」などを機械で計測します[4]。
検査自体に痛みはなく、指示通りに呼吸するだけで完了するため、多くの方が問題なく受けられます。
喘息の方は気道が狭くなっているため、1秒量や1秒率が正常値より低くなることが多く、この結果が診断の重要な手がかりとなります。
「吸入薬を使った前後で数値がどのくらい改善するか」を比較する「気道可逆性試験」も喘息の診断に活用されます[4]。
「せきしか症状がないから検査は大げさかな」と感じる方も、肺機能検査を受けることで気道の状態を客観的に把握できるため、検査を提案された場合は積極的に受けることをおすすめします。
血液検査・胸部レントゲン・呼気NO測定
血液検査では、アレルゲン(原因物質)を特定する特異的IgE抗体検査や、炎症に関係する好酸球の数を調べます[4]。
一度に複数種類のアレルゲンを調べられる検査もあり、自分がどのアレルゲンに反応しているかを把握することができます[4]。
胸部レントゲンでは、肺炎などの合併症や、喘息と似た症状をもつ他の呼吸器疾患との見分けをおこなうために撮影します[4]。
呼気NO(一酸化窒素)測定は、マウスピースをくわえて一定の速さで息を吐くだけの簡単な検査であり、喘息の気道では炎症によりNOが多く産生されるため、呼気中のNO濃度が高い場合は喘息の可能性が高いと判断されます[4]。
これらの検査結果を総合的に判断して診断が確定されるため、一回の受診ですべての検査をおこなわない場合もあります。
「検査のために何度も受診しなければならないのではないか」と不安に感じることもあるかもしれませんが、医師の指示に従いながら進めていくことが大切です。
受診時に医師へ伝えておくこと
より適切な診察を受けるために、事前に症状の情報を整理してから医療機関を受診することをおすすめします。
「受診したときにうまく説明できるか不安」という方も、伝えるべき情報を把握しておくことで診察がスムーズに進みます。
| カテゴリ | 伝えておきたい内容 |
| 症状の情報 | せきが始まった時期・続いている期間/ひどくなるタイミング(夜間・明け方・運動後・特定の季節など)/ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音の有無/息苦しさの有無/痰の色と量 |
| アレルギー歴・生活環境 | 花粉症・アトピー・食物アレルギーの有無/ペットの有無/職場環境(化学物質・粉じんなど)/家族に喘息やアレルギーのある方がいるか |
| 服薬歴 | 現在服用しているお薬の名前(とくに解熱鎮痛薬)/過去に喘息・気管支炎と診断されたことがあるか |
| 症状の記録 | 「何曜日に・どんな状況で・どのくらいの強さで症状が出たか」を受診前数週間メモしておく/夜間のせきで目が覚めた回数・運動後のゼーゼーの持続時間なども具体的に記録する |
上記の情報を医師に正確に伝えることが、適切な診断と治療への近道となります。
「こんな情報が必要とは思わなかった」という内容も診断の鍵になることがあるため、受診前に一度まとめて整理しておくことをおすすめします。
喘息の受診・治療についてオンライン診療も選択肢のひとつ
「喘息の症状が気になるが、忙しくて医療機関に行く時間が取れない」「吸入薬の継続処方を受けたいが通院が難しい」という方には、オンライン診療が選択肢のひとつとなりえます。
クリニックフォアのオンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使用し自宅にいながら医師に症状を相談でき、吸入薬の継続処方や喘息のコントロール状態の確認などの相談が可能です。
ただし、初回の確定診断・呼吸機能検査・アレルゲン血液検査などは対面での診察が必要な場合があります。
呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューが続く・吸入薬を使っても楽にならないなど緊急性がある場合は、オンライン診療ではなく速やかに対面の医療機関を受診してください。
喘息は何科を受診するべきかについてよくある質問
喘息の受診先や診療科の選び方について、よく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 喘息は呼吸器内科とアレルギー科のどちらがよいですか?
どちらでも喘息の診察・治療を受けることができます。
「せきや息苦しさの程度・気道の状態を詳しく調べたい」という場合は呼吸器内科が向いており、「アレルゲン(花粉・ダニなど)を特定して対策を取りたい」という場合はアレルギー科が適しています。
両方の診療科に対応しているクリニックも多いため、近隣の医療機関を調べて選ぶのが現実的でしょう。
Q2. かかりつけの内科でも喘息を診てもらえますか?
一般内科でもせきや呼吸器症状の初診・相談は可能です。
「喘息かどうかわからない」「近くに専門科がない」という場合は、まずかかりつけの内科に相談することで、必要であれば呼吸器内科やアレルギー科を紹介してもらえます。
まずは、相談しやすいかかりつけ内科を受診することをおすすめします。
Q3. 受診は予約なしで行っても大丈夫ですか?
急いでいない場合は予約をしてから受診することをおすすめします。
呼吸器内科やアレルギー科は予約が取りにくいクリニックもあるため、電話で確認してから行くと待ち時間を減らせるでしょう。
ただし発作が起きて苦しい場合は予約を待たず、その日のうちに内科やかかりつけ医・救急外来を受診してください。
Q4. 受診時の検査は痛いですか?
喘息の診断に用いる主な検査(肺機能検査・呼気NO測定・胸部レントゲン)は、いずれも痛みを伴いません。
血液検査では採血をおこなうため、針を刺す一時的な痛みがありますが、検査自体は数分で完了します。
「検査が怖くて受診を迷っていた」という方も、安心して受診してみてください。
まとめ
喘息が疑われる場合は、まず呼吸器内科またはアレルギー科を受診することが基本であり、近くに専門科がない場合はかかりつけの内科に相談しても問題ありません。
子どもの場合はかかりつけの小児科(できれば小児アレルギーを得意とする施設)への受診が適しています。
せきが2~3週間以上続く・夜間や明け方に症状がひどくなる・市販薬で多くの場合改善しないという場合は、早めに医療機関を受診することが気道リモデリングの予防につながります[3]。
子どもの場合、「横になれないほど苦しい」「発作治療薬を使っても15分以上改善しない」「唇が紫色になる」という場合は迷わず救急外来を受診するか、救急車を呼んでください[2]。
受診時は「せきが出るタイミング・喘鳴の有無・アレルギー歴・家族歴・職場環境」を事前にメモしておくと、診断がスムーズになります。
検査は問診・聴診・肺機能検査・血液検査・胸部レントゲンなどが組み合わせておこなわれ、多くの場合は痛みのない検査です[4]。
「受診しようか迷っている」という方ほど、早めに医療機関に相談することが喘息の重症化を防ぐ重要な一歩になります。
