ファボワールとは?副作用の前に知っておきたい基本
ファボワールは、女性ホルモンを含む低用量ピルで、避妊や月経トラブルの改善に使われるお薬です。
「避妊のために飲み始めた」「生理痛や生理不順を整えたい」といった目的で処方された方も多いのではないでしょうか。
副作用が気になるときは、ファボワールの特徴を理解しておくと、副作用が出たときも落ち着いて対応できます。
ここでは、副作用を見る前に知っておきたい基本を整理します。
ファボワール(低用量ピル)の特徴と使われ方
ファボワールは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類を少量含む低用量ピルです。
この2つのホルモンが排卵を抑え、妊娠を防いだり、生理周期を整えたりします[1]。
デソゲストレルという黄体ホルモンを含む種類で、含まれるホルモンの量が少ないのが特徴です。
避妊のほか、生理痛が重い月経困難症や、生理不順、経血量の多さ、肌荒れやニキビの改善などを目的に処方されることもあります。
医師の診察を受けて処方されるお薬で、自己判断で使うものではありません。
目的に合わせて使われるお薬だと知っておくと、副作用の出方も理解しやすくなるでしょう。
21錠・28錠の違い
ファボワールには21錠タイプと28錠タイプがあり、飲み方に違いがあります。
どちらも有効成分を含む白い錠剤は21錠で、28錠タイプにはホルモンを含まない緑色の錠剤が7錠加わっています[2]。
錠剤の中身は変わらず、飲み忘れを防ぎやすいかどうかが主な違いです。
21錠タイプは飲み終わったあと7日間休んでから次のシートに進み、28錠タイプは休みなく毎日続けて飲みます。
「休む期間を自分で数えるのが不安」という方は、毎日飲む28錠タイプが向いていることもあります。
どちらが合うかは生活スタイルによって変わるため、迷うときは医師に相談して選ぶとよいでしょう。
ファボワールの主な副作用(マイナートラブル)
ファボワールの副作用の多くは、飲み始めに出やすいマイナートラブルと呼ばれる軽い症状です。
「副作用が強いのでは」と心配で、飲むのをためらってしまう方もいますよね。
これらの症状は一時的なことが多く、体が慣れると落ち着いていくのが一般的です。
ただし、まれに血栓症のような重い副作用が起こることもあるため、区別して知っておくことが大切です。
ここからは、よくみられる副作用を順番に見ていきます。
吐き気・頭痛
ファボワールの飲み始めに多い副作用が、吐き気や頭痛です。
ホルモンのバランスが変わることで、体が慣れるまでのあいだ、こうした症状を感じやすくなります。
飲み始めの時期に出やすく、体が慣れると軽くなっていくことがほとんどです。
つわりに似たムカムカや、こめかみのズキズキした頭痛を感じる方もいますが、多くは一時的です。
寝る前の決まった時間に飲むようにするなど飲む時間を工夫することで症状が緩和できることもあります。
吐き気や頭痛は次第に落ち着くことが多いものの、つらいときはがまんせず医師に相談してみてください。
不正出血(生理以外の出血)
ファボワールを飲み始めると、生理以外のタイミングで出血する不正出血が起こることがあります[1]。
ホルモンの変化に子宮内膜が慣れていない飲み始めの時期や、飲み忘れがあると起こりやすくなることもあります。
茶色っぽいおりものが出たり、生理のような出血がみられたりと、出血の様子は人によってさまざまです。
飲み続けて体が慣れると、しだいに落ち着いてくることが多いといわれています。
少量なら心配のないことも多いものの、出血が多い・長く続くときは、自己判断せず医師に相談しておくと安心でしょう。
乳房の張り・むくみ・気分の変化(太るって本当?)
ファボワールでは、乳房の張りやむくみ、気分の変化といった症状が出ることもあります。
ホルモンの働きで体に水分がたまりやすくなり、むくみや張りを感じやすくなったり、気分が沈みやすかったり、イライラしやすいと感じる方もいるでしょう。
「太ったかも」と感じても、多くは一時的なむくみによるもので、脂肪が増えて太るわけではないと考えられています。
服用を続けて体が慣れると、こうした症状は落ち着いてくることが多いようです。
むくみや気分の変化が気になるときは、水分のとり方を工夫しつつ、つらいときは医師に相談してみるとよいでしょう。
まれに注意したい重い副作用|血栓症
ファボワールでまれに注意したい重い副作用が、血管の中で血が固まる血栓症です[1]。
飲み始めの数ヶ月だけでなく、飲んでいるあいだはいつでも血栓症に注意が必要とされています[1]。
頻度は高くないものの、血栓症は命に関わることもあるため、サインを知っておくことが大切です[2]。
「重い副作用」と聞くと不安になりますが、早く気づいて対応することが何より重要です。
ここでは、血栓症のサインと、特に注意したい時期や人を整理します。
血栓症のサイン(下肢の痛み・息切れ・胸痛・激しい頭痛)
血栓症では、体の一部に急な痛みや腫れ、息苦しさなどのサインが現れます[2]。
血のかたまりが血管をふさぐと、その先に酸素や栄養が届かなくなり、さまざまな症状が出ます。
早く気づいて対応することが、重症化を防ぐうえで大切です。
ふくらはぎの急な痛みや腫れ、突然の息切れや胸の痛み、激しい頭痛、片側の手足のしびれ、見えにくさなどが血栓症のサインとして知られています[2]。
こうした症状が出たときは、すぐに服用をやめて医療機関を受診する必要があります。
サインをあらかじめ知っておくと、いざというとき早く動けて、安心につながるでしょう。
血栓症に特に注意したい時期・人
血栓症は、特に飲み始めた時期や、長く休んだあとに再開したときに起こりやすいとされています。
体がホルモンに慣れていない時期は、血栓ができやすくなると考えられています。
もともとの体質や生活習慣によって、リスクが高まる場合もあります。
飲み始めた最初の数か月や、4週間以上飲むのをやめたあとに再開したときは、特に体調の変化に気をつけたい時期です。
喫煙している方や、長時間同じ姿勢が続くとき、水分が不足しているときも、血栓ができやすくなるといわれています[2]。
心配な時期や体質があるときは、あらかじめ医師に伝えておくと、より安心して服用できるでしょう。
ファボワールの副作用はいつまで続く?
ファボワールの副作用は、多くの場合、飲み始めから数か月で落ち着いていきます。
「この吐き気、いつまで続くの?」と不安になる方も多いですよね。
体がホルモンの変化に慣れると、症状はしだいにやわらぐことがほとんどです。
ただし、症状が強い・長引く場合は、体に合っていない可能性もあります。
ここでは、続く期間の目安と、受診を考えたいタイミングを整理します。
多くは1〜3ヶ月で落ち着く
ファボワールのマイナートラブルは、個人差があるものの、飲み始めから1〜3ヶ月ほどで軽くなっていきます。
体がホルモンの量に慣れるまでのあいだは吐き気や不正出血などを感じやすいですが、症状はしだいに落ち着いていきます。
飲み始めの1〜2ヶ月がつらく、その後は楽になったと感じる方も少なくありません。
不正出血も、飲み続けるうちに減っていくことが多いといわれています。
つらいのは最初の数か月というケースが多いため、対策をしながら様子をみると、乗り切りやすくなるでしょう。
長引く・強いときの受診の目安
副作用が長引く・強いときは、医療機関を受診する目安と考えてよいでしょう。
3ヶ月以上たっても症状が治まらない、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、体に合っていない可能性があります。
我慢して飲み続けると、かえって負担が大きくなってしまいます。
出血が多く長く続く、激しい頭痛や胸の痛みがある、といった場合は、早めの相談が必要なサインです。
「これくらい大丈夫かな」と迷うときも、相談しておくと安心できるでしょう。
つらさを抱え込まず、気になる症状が続くときは医師に相談し、種類の変更なども検討してみてください。
副作用を和らげる・対処する方法
ファボワールの副作用は、飲み方や生活の工夫である程度やわらげられます。
「つらい副作用を少しでも減らしたい」と感じる方も多いでしょう。
飲み方の工夫や飲み忘れへの対応を知っておくと、慌てずに続けられます。
生活面のちょっとした心がけでも、体の負担は軽くできます。
ここからは、自分でできる対処法を整理していきます。
吐き気を抑える工夫と飲み忘れへの対応
吐き気が気になるときは、ファボワールを飲む時間の工夫で症状を抑えやすくなります。
眠っているあいだに吐き気のピークが過ぎるよう、就寝前に飲むと楽に感じる方が多いです。
つらい場合は、医師に相談する方法もあります。
飲み忘れに気づいたときは、1日以内なら気づいた時点で1錠飲み、その日の分も通常どおり飲むのが基本とされています[1]。また2日連続して飲み忘れた場合は気づいた時点で2錠を内服しその後は普段通りの時間に服用しますが、正しく内服している場合に比べて妊娠の可能性は高くなります。
3日以上続けて飲み忘れたときは服用を中止し、次の生理を待って新しいシートから飲み直すとともに、その周期は他の避妊法を使いましょう[1]。
飲み忘れの対応はピルの種類やタイミングで変わるため、迷ったときは自己判断せず医師や薬剤師に確認することをおすすめします。
生活面でできる対策(水分・休息・禁煙・定期検診)
副作用や血栓症のリスクを抑えるには、生活面の対策も役立ちます。
水分をとって体を動かすことは、血栓症の予防につながると考えられています。
喫煙は血栓症のリスクを高めるため、服用中は避けたい習慣です[2]。
長時間同じ姿勢が続くときはこまめに動き、水分をとり、無理をせず休む時間をつくると、体の負担が軽くなりやすいでしょう。
長く服用する場合は、定期的な検診で体の状態を確認しておくと安心です。
生活のリズムを整えながら服用すると、副作用と付き合いやすくなり、続けやすくなるでしょう。
服用前に確認したい注意点(飲み合わせ・避けたい人)
ファボワールは、飲み合わせや体質によって、服用に注意が必要な場合があります。
「持っているお薬と一緒に飲んで大丈夫?」と不安になる方もいますよね。
飲み合わせで効果や副作用が変わることがあり、事前の確認が大切です。
また、体質や持病によっては、服用を避けたほうがよい方もいます。
ここでは、飲み合わせと、服用前に確認したい点を整理します。
飲み合わせに注意したい薬・サプリメント
ファボワールには、一緒に飲むと効果や副作用に影響することがあるお薬やサプリメントがあります[1]。
飲み合わせによっては、ファボワールの効果が弱まって不正出血が増えたり、体への影響が変わったりすることがあるため、注意が必要です。
市販薬やサプリメントでも注意が必要なものがあります。
一部の抗てんかん薬や抗菌薬、セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)を含むサプリメントなどは、影響が知られています[1]。
ほかのお薬を併用したいときも、事前に確認しておくと安心です。
服用中のお薬やサプリメントがあるときは、自己判断で併用せず、医師や薬剤師に伝えておくことが大切です。
服用を避ける必要のある人・注意して服用した方が良い人
ファボワールは、血栓症の既往がある方や妊娠中の方など、服用を避ける必要がある方がいます[1]。
血液が固まりやすい状態や、ホルモンの影響を受けやすい病気がある場合、リスクが高まることがあるためです。
前兆をともなう片頭痛のある方や、35歳以上で1日15本以上の喫煙者などにも投与はしないこと、とされています[2]。
乳がんや子宮内膜癌、診断の確定していない不正性器出血がある方、授乳中の方も、投与はしないこと、とされています[1]。
心配な持病や体質があるときは、処方前にあらかじめ医師へ伝えておくと安心です。
服用を始めたあとで不安を感じても、自分の判断で急にやめず、まず医師に相談して指示を受けるようにしましょう。
ファボワールの副作用に関するよくある質問
Q:ファボワールの副作用はいつまで続きますか?
A:ファボワールの副作用は、個人差があるものの、飲み始めから1〜3ヶ月ほどで落ち着いていきます。
体がホルモンの変化に慣れると、吐き気や不正出血などはしだいにやわらぐことがほとんどです。
3ヶ月以上続く・症状が強いときは、医師に相談すると安心でしょう。
Q:ファボワールで太るのは本当ですか?
A:ファボワールで体重が増えたように感じても、多くは一時的なむくみによるものです。
ホルモンの影響で水分がたまりやすくなるためで、脂肪が増えて太るわけではないと考えられています。
気になるときは、水分のとり方を工夫しつつ医師に相談してみてください。
Q:血栓症はどんなサインに気をつければいいですか?
A:ふくらはぎの急な痛みや腫れ、突然の息切れや胸の痛み、激しい頭痛などが血栓症のサインです[2]。
こうした症状が出たときは、すぐに服用をやめて医療機関を受診してください。
飲み始めの時期や、長く休んだあとの再開時は特に注意しておくと安心です。
Q:副作用がつらいときは自分でやめてもいいですか?
A:つらいときも、自分の判断で急に中止せず、まず医師に相談することが大切です。
飲み方の工夫や種類の変更など、続けやすくする方法を提案してもらえることがあります。
体に合わないと感じるときは、別の選択肢を検討できることもあるでしょう。
まとめ
ファボワールは低用量ピルで、飲み始めに吐き気・頭痛・不正出血・乳房の張り・むくみなどの副作用が出ることがあります。
これらの多くは飲み始めから数ヶ月ほどで、体が慣れると落ち着いていきます。
「太ったかも」と感じても、多くは一時的なむくみによるもので、心配しすぎる必要はありません。
まれに血栓症などの重い副作用が起こることもあり、突然の下肢の痛みや息切れ、胸痛、激しい頭痛などのサインには注意が必要です。
血栓症は飲み始めや、長く休んだあとの再開時に特に起こりやすいため、その時期は特に体調に気をつけておくと安心です。
飲み合わせや持病によっては服用に注意が必要なため、服用中のお薬や体質は医師に伝えておきましょう。
つらい症状を抱え込まず、気になるときは自己判断で中止せず医師に相談することが、安心して続けるいちばんの近道です。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。お薬の服用に関しては必ず医師・薬剤師にご相談ください。
※効果や副作用の現れ方には個人差があります。
※医師の判断により、お薬を処方できない場合があります。
