※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります
ミノキシジルと眼圧の関係
ミノキシジルと眼圧の関係については、眼圧が上昇する可能性と低下する可能性の両方が報告されています[1][2]。
相反する報告がある理由は、ミノキシジルの血管拡張作用が眼球内の血流動態に影響を与える可能性があるためと考えられています[2]。
実際に、ミノキシジルを使用した人を対象にした調査では、外用ミノキシジル使用後に眼圧上昇を認めた症例報告がありました[1][3]。一方、動物実験ではミノキシジルを局所投与したウサギで眼圧低下が認められました[2]。
いずれも報告数は限られており、主に少数の症例報告や動物実験の結果に基づくものです。そのため、現時点では、ミノキシジルが眼圧に与える影響について確定的な結論は得られていません。
ミノキシジルの【眼圧上昇・眼科関連】副作用
ミノキシジルには、外用薬・内服薬があり、ともに眼に関連する副作用報告があります。
ミノキシジル外用薬では、眼圧上昇の副作用がありました[1][3]。眼圧上昇以外の眼科関連副作用では、眼痛、眼充血などがあります。
ミノキシジル内服薬では、眼圧上昇の報告はありませんが、網膜中心静脈閉塞症や一過性の色覚異常が報告されています[4][5]。
◎ミノキシジル外用薬/内服薬の眼科関連副作用
| ミノキシジルの種類 | 眼圧上昇の副作用 | 眼科関連副作用 |
| 外用薬 | 報告あり | 眼痛眼充血かすんで見える(霧視) |
| 内服薬 | 報告なし | 網膜中心静脈閉塞症一過性の色覚異常 |
※網膜中心静脈閉塞症:網膜の中心部の血管(静脈)が詰まり、眼底出血が起こる病気。視力が低下したり、視界がぼやけたりする。
※色覚異常:赤・緑・青の色の判別がつきにくくなる病気。
それぞれの副作用についてくわしく見ていきましょう。
外用薬
ミノキシジル外用薬を使用後に、眼圧上昇・眼科関連副作用を認めた報告が複数あります。なお、外用薬の主な副作用としては、頭痛、めまい、血圧低下、心拍数の増加、頭皮の発疹・赤み・かゆみといった症状も報告されています。
ミノキシジルの血管拡張作用が眼圧に影響を与えている可能性が示唆されています。
国内で実施されたミノキシジル外用薬の販売後調査(3,072例対象)では、眼圧上昇の副作用が1件報告されました[1]。
また、外用ミノキシジルの長期使用後に、眼圧上昇した症例も報告されており、ミノキシジル中止と点眼治療により改善しています[3]。
眼圧上昇以外の眼に関する副作用としては、以下のような症状も報告があります[1]。
- 眼が痛む
- 眼が充血する
- かすんで見える
外用薬は一般的には体内への影響が少ないと考えられがちです。しかし、使用後に眼に関連した副作用が報告されていることをふまえると「外用薬でも眼への影響がある」ことに注意が必要といえるでしょう。
内服薬
ミノキシジル内服薬は、AGA治療目的での処方は国内では承認されておらず、医師の管理下での処方となります。
ミノキシジル内服薬では、添付文書上は眼圧上昇は副作用として記載されていませんが、眼に関する症例報告が複数あります[4][5]。なお、ミノキシジル内服薬には、眼以外にも血圧低下、心拍数の増加、頭痛、めまい、体重増加、手足のむくみといった全身性の副作用が報告されている点には注意が必要です。
具体的には、ミノキシジル内服薬を0.5mg/日の低用量で約1年間服用していた34歳女性が、網膜中心静脈閉塞症を発症した事例が報告されています[4]。
また、ミノキシジル内服薬(2.5mgを1日2回、計5mg/日)とミノキシジル外用薬(5%)を併用した20代男性の症例において、一過性の視力低下と色覚異常の報告もあります[5]。
いずれの症例でも、高血圧や糖尿病、凝固系などほかの発症要因は認められませんでした。ミノキシジル中止後に回復したことから、ミノキシジルの関連性が疑われています。
ミノキシジル使用後に異変を感じたら早めに医師へ相談するようにしましょう。
緑内障患者がミノキシジルを使用する際の注意点
緑内障診療ガイドラインには、ミノキシジルと眼圧上昇の関連についての記載はありません。
また、緑内障の既往歴がある方にミノキシジル使用前の眼科受診が一律に推奨されているわけではありません。
しかし緑内障の状態に少しでも不安がある方は事前に眼科医と相談するとよいでしょう。
少ないながらも眼圧上昇の症例報告があり、緑内障患者では視神経への影響が懸念されるためです[1][2]。
治療中に注意すべき症状と対応
ミノキシジル使用中に以下のような症状が生じた場合は、速やかに眼科を受診しましょう。
- 急に見えにくくなる
- 目の奥が痛む
- 視界がかすむ、ぼやける
- 視野の一部が欠ける、暗く見える
- 色の見え方がおかしい
眼圧上昇以外にも、眼に関連する疾患の症状として上記のものが報告されています[1]。
症状が現れた場合は自己判断で服用や使用を中止せず、まず医師に相談して判断することが重要です。
AGA治療と眼の健康を両立させる3つの方法
ミノキシジルには眼に関連する副作用が報告されているため「眼の病気があるから、AGA治療は難しいのでは…」と不安に思われるかもしれません。
しかし、適切な薬剤選択と医師間の情報共有により、AGA治療と眼科疾患の管理は両立可能です。
眼科医・AGA治療医へ相談
眼科関連の疾患がある方がAGA治療を始める際は、眼科医とAGA治療の担当医それぞれに相談するようにしましょう。
医師間で情報共有ができていれば、副作用を避ける治療ができたり、副作用発現時に早期発見できたりするメリットがあります。
それぞれの医師に伝えるべき内容を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
【AGA治療医へ伝える内容】
- 眼科疾患の既往
- 現在服用中の治療薬
- 眼圧値
- 眼科疾患の家族歴
- 眼に関する自覚症状
【眼科医へ伝える内容】
- AGA治療内容
- AGA治療薬
- AGA治療歴
正確な情報提供は、医師が適切な治療方針を立てるのに役立ちます。
お薬手帳や眼科の検査結果を持参すると、医師との相談がスムーズに進むでしょう。
定期的な眼科検診
眼科関連の疾患がある方がミノキシジルを使用する場合、定期的に眼科検診を受けましょう。眼圧や視野の変化を早期発見するためです。
もともと眼科疾患がない場合でも、以下の症状が現れた場合はミノキシジルの影響が考えられます。
- 視力低下
- 眼の痛み
- 見え方の変化(かすみ、ゆがみなど)
職場などの健康診断などでは「視力検査」しかおこなわれないこともありますが、早期発見のためには「眼底検査」が推奨されます[6]。
眼の病気を早期発見するために、定期的に「眼底検査」もおこなうと安心です。
ミノキシジル以外のAGA治療薬の選択
眼圧上昇が心配な方は、ミノキシジル以外のAGA治療薬を医師へ相談してみましょう。
ミノキシジル以外のAGA治療薬には、5α還元酵素阻害薬のフィナステリドやデュタステリドというお薬があります。これらは抜け毛の進行を抑える「守り」の役割を担うお薬であり、発毛を促す「攻め」の役割を担うミノキシジルとは作用機序が異なります。
これらのお薬はミノキシジルと異なる作用で働くため、血管拡張作用がなく、眼圧上昇との関連を示すエビデンスは報告されていません。
緑内障や高眼圧を指摘されている方にとっては、眼圧への影響がないフィナステリドやデュタステリドが選択肢になる可能性があります。
ただし、眼圧以外の眼関連副作用として以下の報告がある点には注意が必要です。
◎5α還元酵素阻害薬(フィナステリド・デュタステリド)の眼関連副作用
- 術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)[7]
- 黄斑異常[8]
※術中虹彩緊張低下症候群:白内障手術中に虹彩が弛緩し、手術を複雑化させる合併症。虹彩がひらひらと動く、瞳孔が縮小する、虹彩が切開部から脱出するといった症状が起こる。※黄斑異常:網膜の中心部(黄斑)に嚢胞様の空洞ができる病態。多くは無症状だが、進行すると視力低下やものがゆがんで見える(変視症)ことがある。
白内障手術を予定している方や黄斑部の疾患がある方は、AGA治療薬の選択について医師に相談することを推奨します。
まとめ:眼の病気がある方は、ミノキシジル使用前に医師へ相談を
ミノキシジルと眼圧の関係は現時点で確定的な結論は出ていませんが、眼圧上昇の症例報告があるため、眼科疾患のある方は注意が必要です。
外用薬では眼圧上昇・眼痛・かすんで見える(霧視)、内服薬では網膜中心静脈閉塞症や色覚異常などの眼科関連副作用が報告されています。
緑内障の既往や眼圧高値を指摘されたことがある方は、ミノキシジル使用前に眼科医へ相談しましょう。
AGA治療と眼の健康を両立させるためには、眼科医とAGA治療医の両方に情報共有し、定期的な眼科検診を受けることが大切です。
使用中に視力低下・眼痛・見え方の変化などの症状が現れた場合は、自己判断で中止せず、速やかに医師に相談してください。
※自由診療
※医師の判断によりお薬の処方ができない場合があります

