ボトックスってなに?施術方法や効果について、医師が解説します。

美容皮膚科の分野で行われるボトックス治療にはどのような効果があるのか、どうやって施術を行うのかについて詳しく解説していきます。

ボトックス治療が気になるという方や、ボトックス治療を受けようと悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

今回教えてくれるのは…

圓山 尚先生

クリニックフォア新橋院長。お肌の状態に合わせて「内科・皮膚科・美容皮膚科」と幅広い診療科目から最適な治療法を提案。丁寧な問診と、きめ細かな説明にも定評がある、美のかかりつけ医。

ボトックス治療ってどんな治療?

ボトックスは、メスを使わずに小顔になれる、しわをなくすことができると話題の治療方法です。ボツリヌス菌が作り出すタンパク質が筋肉に分布している神経の受容体をブロックすることを利用して、表情筋の過剰な働きを抑え、シワなどお顔のお悩みを改善していきます。エラの張り、肩こり、ふくらはぎの張りにも効果的です。

クリニックフォアで使用しているボトックス薬剤について

クリニックフォアでは、効果と安全性に配慮した、信頼性の高い2つのボトックス薬剤を採用しています。

◇アラガン社「ボトックスビスタ®

アメリカの医薬品メーカー・アラガン社の「ボトックスビスタ®」は30年以上の臨床実験、60カ国以上の使用実績があり、日本でも厚生労働省がシワ治療に対しての治療を認可している安全性の高いお薬です。近年では「ボトックス」をうたった類似薬剤が出回っていますが、本来「ボトックス」とは米国アラガン社のもつ登録商標であり、ボトックスと呼べるのはアラガン社の製品のみになります。

◇Hugel社「ボツラックス」

「ボツラックス」は、韓国のHugel社が製造しているお薬です。アラガン社「ボトックスビスタ®」のジェネリック薬品に相当しますが、KFDA(韓国食品医薬品安全庁)に医薬承認されている安全性の高い製剤です。効果や持続期間も「ボトックスビスタ®」と変わらないとされています。費用を抑えたい方は、こちらを使用していただくことが可能です。

名称は異なりますが、どちらも「A型ボツリヌストキシン製剤」となります。このボツリヌストキシン製剤を注射器を用いて、治療をしたい部分に医師が注入します。

効果の持続時間について

治療は15分程度で終了し、当日からメイクをしていただくことも可能です。部位にもよりますが、治療後2~3日で効果が現れ、3~4ヶ月持続します。1ヶ月間で完全に馴染み、シワもなくなり、より自然な状態になります。効果は少しずつ消失していき、およそ6ヶ月でなくなるため、定期的に治療を受けることをおすすめします。効果のあらわれ方には個人差があり、筋肉量やシワの深さ、注入するボトックスの量などによっても変わります。

ボトックス治療の効果は?

◇エラ・小顔効果

顔のエラが張ってしまう大きな原因は、エラのあたりにある筋肉・咬筋(こうきん)の過剰な緊張にあります。咬筋とは、食事をするときによく使う筋肉のこと。歯ぎしりをする癖のある方、歯をくいしばるようなスポーツをしている方などは、特に咬筋が発達してエラが張ったようなフェイスラインになってしまいることがあります。咬筋にボトックスを注入することで、筋肉の過剰な緊張が緩和され、筋肉の体積が少なくなり、小顔を実感することができます。

◇シワの改善

表情をつくる筋肉は、年齢を重ねるとともに同じ箇所での緊張を繰り返すことでシワが目立つようになり、元に戻りにくくなります。さらにシワが深くなるとお化粧で隠しきれなくなり、人相が悪く見えたり、老け顔の印象を与えてしまう原因にもなります。そこで、気になる部位にボトックスを注射することで、表情をつくる筋肉の緊張がほぐれ、その上にある皮膚のシワが目立たなくなる効果が期待できます。笑ったときにできる表情ジワが気になる方や、目尻、眉間、額のしわ、あごの梅干しジワを目立たなくしたい方にはおすすめです。 

また、深く残ってしまったシワや小ジワそのものを改善するだけでなく、新たなシワを予防する効果や、皮膚のキメが細かくなり若々しく見える効果もあります。継続的に治療を受けることで、エイジングケアに大きな効果を発揮します。

◇肩こりの改善

肩こりは、首から背中にかけて存在する肩の筋肉・僧帽筋(そうぼうきん)の過緊張によって引き起こされます。僧帽筋にボトックスを注入することで、筋肉の緊張を緩める作用により、肩や首のコリを解消させることができます。大きな筋肉であるため、他の部位よりも効果があらわれるのがやや遅くなりますが、およそ1週間ほどで肩が軽くなるのを実感していただけます。マッサージに通っても肩の痛みがなかなか改善されないという方は、ぜひお試しください。

肩ボトックスは慢性的な肩こりでお悩みの方はもちろん、肩のシルエットをスッキリと整えたい方にもおすすめです。女性らしく美しいラインを作ることができ、首が長く見えることによる小顔効果も期待できます。

◇ふくらはぎのスタイルアップ

スポーツをしている方やヒールをよく履く方は、ふくらはぎの筋肉が発達しやすく、筋肉太りにお悩みの方も多いかと思います。発達した筋肉により張った脚を自力で細くするのは非常に難しく、マッサージなどでむくみを取ることはできても、筋肉そのものを細くすることはできません。そこで、ふくらはぎの筋肉・腓腹筋(ひふくきん)にボトックスを注入することで張りをおさえ、スッキリと綺麗なラインを作ることが可能です。今までなかなか脚痩せができずに悩んでいた方は、ぜひ一度ご相談ください。

ボトックス治療後の注意点

続いて、ボトックスの注射後の注意点に関して解説します。

施術後すぐの注意点として、激しい運動・スポーツを行うことや、長風呂やサウナなど、身体を温める事が禁止です。これは、ボツリヌス毒素自体が熱に弱い性質を持つためです。

また施術後1週間は施術部位付近のマッサージを行わないでください。これは、マッサージを行うことによって、注入した薬剤が周囲の筋肉に浸潤してしまう可能性があるためです。

ボトックスで使用する薬剤、危険はないの?

ボトックス治療で使用するA型ボツリヌス毒素。 毒素と聞くと悪い影響があるのではと心配される方もいらっしゃるかもしれません。この治療は、シワ取り以外にも整形外科領域やリハビリテーション領域、内科領域、歯科領域など幅広い領域で治療として用いられており、美容皮膚領域以外では保険適用で行われている治療でもあります。多くの実績や症例がある薬剤ですので、安心してお使いいただくことができます。

また、日本医療美容協会では65歳未満の眉間に使用するボツリヌス製剤は厚生労働省でも認められたとして、適正な薬剤を使用することで安全に治療が受けられるとしています。クリニックフォアグループでも正規購入した薬剤を、診療実績のある医師が使用しており、安全性も高い治療となっておりますので、ご安心ください。

ボトックスの副作用

ボトックス治療には、想定されるいくつかの副作用があります。安心して治療を受けていただくためにも、副作用の内容を把握しておきましょう。また、クリニックフォアグループでは、必要に応じて、医師による診察とアフターフォローをしっかりと行っております。少しでも気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

◇注射による痛み

ボトックス治療の副作用は、ボツリヌス製剤を使用したことによるものよりも、注射をしたことによる痛みや腫れ、内出血が主なものとなります。注射針は極細針を使用し、アイシングを行って痛みを軽減しつつ施術を行っておりますが、それでも注射針による痛みが気になるという方は、麻酔クリームや麻酔テープもご用意しております(別途ご負担となります)。

◇倦怠感

治療後に注射部位の近くで軽い倦怠感、脱力感を感じられることがあります。これは、ボツリヌストキシンの筋肉をゆるめる作用が、一時的に強く感じられるためです。通常は数時間で改善し、長く続くことはありません。

◇治療後の痛みや腫れ

ボツリヌス製剤の影響により赤みや内出血、突っ張った感じがすることがあります。また、部位によっては違和感があったり、硬いものが噛みにくくなったりします。いずれの場合も、数日で改善していくことがほとんどです。

◇薬剤によるアレルギー

ボトックスは安全性が確立されている医薬品になりますが、まれにアレルギー反応を起こす方もいらっしゃいます。これまでにボトックスへのアレルギーを指摘されたことのある方は、施術を受けることができません。他の薬剤などでアレルギーのある方は、医師により施術が可能かを判断させていただきますので、必ずカウンセリングの際にその旨をお伝えください。

ボトックス治療をご希望の方はクリニックフォアへ

クリニックフォアグループの美容皮膚科では、患者さまのなりたい顔のイメージをお伺いし、お顔の筋肉やしわの状態をよく確認したうえで適切な治療をご提案させていただきます。ボトックス治療を受けてみたいという方は、お気軽にご相談ください。


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参考文献

https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/riha/botulinum.html
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/botulinum.pdf