インフルエンザにかかるのを防ぐには?予防と対策法について、医師が解説します。

インフルエンザは、適切な対策を取ることで、感染を予防することができます。新型コロナウイルスの感染が蔓延していることもあり、インフルエンザの感染はなんとしても防ぎたいところです。

今回はインフルエンザの予防法について詳しく解説をしていきます。

インフルエンザの予防にはどんな方法がある?

インフルエンザを予防するためには主に6つのことを意識しておきましょう。

マスクの着用

1つ目は、マスクの着用です。インフルエンザウイルスも飛沫感染によって感染しますので、マスクを着用することで感染を予防することができます。外出時には不織布マスクを着用するようにしましょう。

手洗い

2つ目は手洗いです。インフルエンザは飛沫による感染だけでなく、ウイルスのついた手で口などを触り、そこからウイルスに感染する接触感染もあります。ですので、手洗いうがいは感染を予防するためには非常に重要です。

流水で15秒手洗いをするだけでも手に残っているウイルスは約1%程度まで減少します。石鹸で30秒ほどもみ洗いをして15秒ほど流水ですすぐと手に残るウイルスの量は約0.01%程度になる等、手洗いによってウイルスの量を減らせることが厚生労働省から報告されています。

また、インフルエンザはエンベロープという脂質の膜に覆われています。このエンベロープはアルコールによって破壊することができるため、ウイルスにダメージを与えることができます。ですので、手洗いの後にはアルコール消毒をすることも効果的です。手洗いがすぐにできないという場合にはアルコール消毒だけでも行っておくとよいでしょう

また、風邪の予防としてよく手洗いとセットで推奨されるのがうがいです。(通常の風邪であればうがいも効果的な予防方法なのですが、インフルエンザにおいてはうがいが効果的な予防方法であるという科学的な根拠はありません。)

免疫力をつける

3つ目は免疫力をつけることです。バランスのとれた食事を摂取し、十分に睡眠をとるなどして体力、免疫力をつけておくことで感染を防ぐことが期待できます。

加湿

4つ目は加湿です。インフルエンザが流行する冬の時期は乾燥しやすい時期です。空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って湿度を50~60%に保つようにしましょう。

人混みへの外出を控える

5つ目は人混みへの外出を控えるということです。インフルエンザはウイルスに感染していても症状が出ない方もいます。症状が出ていなければ自分がインフルエンザに感染していると自覚ができずに外出してしまいます。そういった方から感染してしまうこともあるため、流行期には人混みや繁華街への不要不急の外出を控えるようにしましょう。

ワクチンの接種

6つ目はインフルエンザウイルスを予防するためのワクチンの接種です。インフルエンザワクチンはインフルエンザを発症する可能性を減らすだけでなく、感染後に重症化することを防ぐことができます。厚生労働省では、インフルエンザは日本において例年12月~4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えるとしています。そのため、接種したワクチンの効果が出るまでの期間を考えても12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいとしています。

抗インフルエンザ薬の予防内服ってなに?どのようなときに使えるの?

抗インフルエンザ薬の予防内服とは、インフルエンザに罹っていない方が、インフルエンザを発症しないように(予防目的で)、抗インフルエンザ薬を服用することを言います。

抗インフルエンザ薬の予防内服は、あくまで「予防」目的であり、治療ではないため、保険を使うことはできません。基本的には全て、自己負担での自費診療で処方されるお薬となります。

自費での処方の場合、医師が診察を行い、アレルギーや既往歴を確認、問題なければ処方させていただくことは可能です。

例えば、

・家族あるいは同僚がインフルエンザと診断されてしまった。まだ症状はないが、インフルエンザの発症はしたくない

・受験や大事な会議など、どうしても重要なイベントが有り、インフルエンザに感染して欠席するわけに行かない

・ご高齢のご家族と同居されており、感染すると命の危険性もあるので、自分がインフルエンザをうつすわけに行かない

というようなご事情で処方をご希望されるケースがあります

上記のように、抗インフルエンザ薬の予防内服では、お薬を飲まれたご本人がインフルエンザに感染しない効果と同時に、他の人への感染拡大を予防するという効果も期待できます。


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新型コロナウイルスとインフルエンザの予防方法は同じ?

インフルエンザの感染予防法を見て、新型コロナウイルスと予防方法が同じではないかと思われた方もいらっしゃるかもしれません。新型コロナウイルスもインフルエンザと同様にウイルスであること、エンベロープという脂肪の膜を持っていることから、感染対策は基本的に同じです。

こんな人はインフルエンザ予防に力を入れましょう

健康な方ももちろんですが、特にインフルエンザの予防に力を入れていただきたいのは、高齢者、妊娠中の方、喘息のある人、慢性呼吸器疾患(COPD)、慢性心疾患のある人、糖尿病など代謝性疾患のある人です。

上記に該当する方は、インフルエンザの予防のために是非ワクチンを接種していただきたいです。国内の研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。ですので、積極的にワクチンを活用していきましょう。

クリニックフォアグループの内科でもインフルエンザのワクチン接種を行っております。またインフルエンザと思わしき症状が見られた方は、クリニックフォアグループで検査が可能ですのでご相談ください。

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監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

内閣府 

https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/influenza.html

https://pro.saraya.com/kansen-yobo/bacteria-virus/influenza.html

厚生労働省 

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

大塚製薬 

https://www.otsuka.co.jp/b240/column/column003.html

政府広報オンライン 

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html