【A型・B型・C型】インフルエンザの種類とそれぞれの症状について、医師が解説します。

インフルエンザにも種類があるということをご存知でしょうか。

今回はインフルエンザの種類や、種類によってどんな違いがあるのかについて、詳しく解説していきます。

インフルエンザA型とは?

インフルエンザA型とは数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られるウイルスで、日本で冬場に流行するインフルエンザもこのA型が原因の1つとなります。インフルエンザA型は、ウイルス表面から突き出たタンパク質の2つの種類の組み合わせによってさまざまな亜型ができるのですが、この亜型によって流行する年と流行しない年があるとされています。

インフルエンザA型の症状とB型の症状は基本的に同じです。インフルエンザA型またはB型のウイルスに感染すると、1~3日間ほどの潜伏期間を経て発症します。症状は38度以上の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などです。これらの症状が突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状が続いて起こります。インフルエンザの中で最も高い熱が出るのが特徴で、症状は通常約1週間ほどで軽快していきます。

インフルエンザA型はヒトだけでなく、ブタ、ウマなどの哺乳類やカモ、ニワトリなどの鳥類に感染することもあります。

インフルエンザB型とは?

インフルエンザB型は、インフルエンザA型と同様に、世界的に大流行を見せるウイルスで、冬場に流行します。症状もインフルエンザA型と基本的に同じです。インフルエンザA型と大きく異なることは、インフルエンザB型は人にしか感染をしないという点です。そのため、A型のように鳥類などに感染するということはありません。

インフルエンザウイルスは基本的に一度かかれば、感染した型のウイルスに対してはしっかりと抗体ができるため、同じ型に再度感染することはかなり稀です。冬場にインフルエンザに2回かかるというお声を聞くこともありますが、これはインフルエンザA型とB型の両方に感染したためと考えられます。

インフルエンザC型とは

インフルエンザC型はこれまでご紹介したインフルエンザA型やB型と異なり、一度かかると基本的に一生かからないウイルスです。そのため、子どもだけがかかるインフルエンザウイルスとなります。インフルエンザC型は、6歳未満の子どもではほぼ全員がかかっている可能性があるという調査結果もあります。インフルエンザC型は検査できる医療機関が少なく、通常のウイルス性の風邪と診断され、気がついたら治っていたということが多いようです。

インフルエンザC型は1月~6月が流行期となり、インフルエンザA型やB型とは時期がずれる傾向にあります。症状は発熱、咳、鼻水となり、感染者の約6割にこの症状が見られます。熱は38度代の熱が出ますが、2日程度で解熱するとしています。C型インフルエンザはA型とB型と比べて高熱は出にくい傾向にあります。また、約1割の方に吐き気や下痢、嘔吐、発疹が見られることがあります。

大人の患者数が少ないため、症状がA型とB型に比べて違いがあるのかどうかの評価が難しいものの、A型、B型と比べて症状は軽い傾向にあると言えるでしょう。

インフルエンザは型ごとに感染予防策は異なるの?

インフルエンザは型ごとにワクチンや治療薬が異なるということもありません。ですので、感染予防策も型ごとに異なるということはありません。特に流行を見せるA型とB型は流行するシーズンも同じです。そのため、インフルエンザ流行のシーズンにしっかりとインフルエンザ感染対策を行うことで、感染を防ぐことができます。

インフルエンザを予防するための方法は、手洗いやマスクの着用、ワクチンの接種です。

ワクチンは、その年にどのインフルエンザが流行するかを予測してワクチンを供給します。ワクチンを打ってもインフルエンザにかかることはありますが、重症化のリスクを抑えることができるため、ワクチンを接種することが推奨されます

こんな人はインフルエンザ予防に力を入れましょう

健康な方ももちろんですが、特にインフルエンザの予防に力を入れていただきたいのは、高齢者、妊娠中の方、喘息のある人、慢性呼吸器疾患(COPD)、慢性心疾患のある人、糖尿病など代謝性疾患のある人です。

上記に該当する方は、インフルエンザの予防のために是非ワクチンを接種していただきたいです。国内の研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。ですので、積極的にワクチンを活用していきましょう。

クリニックフォアグループの内科でもインフルエンザのワクチン接種を行っております。またインフルエンザと思わしき症状が見られた方は、クリニックフォアグループで検査が可能ですのでご相談ください。

抗インフルエンザ薬の予防内服とは?

抗インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を、感染予防目的で使用することです。例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。(自費での処方となります)

↓↓全国どこでも受診可能!

クリニックフォアのインフルエンザ予防内服薬オンライン診療

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/file/dl/File01.pdf

国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html

シオノギ製薬 http://www.shionogi.co.jp/wellness/diseases/influenza.html

http://sakai24.org/publics/index/38/detail=1/b_id=39/r_id=391/

http://www.jspid.jp/journal/full/02003/020030317.pdf