タミフルってどんなお薬?服用する上で注意することは?医師が解説します。

インフルエンザの治療薬のひとつであるタミフル。インフルエンザと診断されたときに処方されることが多い一方、タミフルについてはさまざまな報道もあったため、使用に関して不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、タミフルについて、詳しく解説していきます。

タミフルってどんな薬?

タミフルは一般名をオセルタミビルといい、抗インフルエンザ薬となります。インフルエンザウイルスの増殖を抑える作用があり、これによってインフルエンザの治療を行います。主にA型インフルエンザ、B型インフルエンザに対して効果のあるお薬です。また、治療としてだけでなく予防としても使うことができるため、インフルエンザの患者と濃厚接触となった方などに発症予防のために使用されることもあります。国内で行われた臨床試験によるとタミフルを服用してから平均して3日程で快方に向かう方が多く見られています。

カプセル錠で処方されることが多いのですが、カプセルを服用することが難しいという場合にはドライシロップで処方されることもあります。

タミフルはすべての方に『処方』できるお薬ではなく、なかには使用できない方もいます。10歳以上の未成年に対しては後述する副作用によりタミフルの処方を見合わされることがほとんどです。また、腎臓の機能が悪い方も、薬がうまく代謝されていかないため、お薬を服用できないことがあります。ほかにも妊婦さんや以前タミフルを服用して過敏症やアレルギー症状を引き起こしているという方も服用することができません。ワーファリンを服用している方は出血がさらにしやすくなる可能性があるため症状を注意して観察しておくことが必要です。

タミフルの服用方法は?

治療でタミフルを用いる際には、通常成人の方および体重37.5kg以上の子どもに対してオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与します。朝と夕に服用するケースが多いです。タミフルは食事への影響を受けないため、食後に服用する必要はありません。朝と夕の決まった時間に服用ができれば問題はありません。ですが、食後に服用する方が空腹時より吐き気、食欲不振、腹痛、下痢などの消化器系の副作用が少ないと考えられています。

ウイルスに対する治療薬ですが、今流行している新型コロナウイルスに対しての効果は認められておりません。

タミフルの副作用はあるの?

タミフルを服用することによる副作用は、軽度のもので下痢 、発疹、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、頭痛、不眠症がみられます。先ほどもお話ししたように消化器症状は特に空腹時にタミフルを服用された方に見られやすい傾向にあります。重症な副作用にはアナフィラキシーショックや蕁麻疹、呼吸困難感、血圧低下、肝炎、腎臓の障害等が見られます。

タミフルを服用したことによって動悸や息苦しさがある、白目が黄色くなる、全身の皮膚の発赤やただれ、水ぶくれ、口内炎がみられる、結膜炎がみられる、尿量の減少やむくみ、出血しやすくなった、血便、意識がぼんやりする、意識がなくなる、うわごとを言ったり興奮したりする、普段と違う行動をとる、幻覚が見えるといった症状が出てきた際には使用を中止してタミフルを処方した医療機関へご相談ください。他にも普段と違う様子が見られた際や不安な症状が見られている際には服用を中止して、医師へご相談ください。

副作用として特にニュースなどで多く報道されたのが、10歳以上の未成年の方の異常行動です。これについては以下で詳しく解説していきます。

タミフルを服用すると異常行動が起こるの?

ニュースなどでたびたび報道されたタミフルを服用したことによる未成年の方の異常行動。タミフルを服用したとみられる10代のインフルエンザ患者様が、自宅で療養中、自宅マンションから転落死したり、タミフルの服用後に10代の患者様が2階から転落して骨折したとする症例が2例報告されたりもしています。

なぜこのようなことが起こったのかの原因は現在も不明であり、タミフルとの因果関係についても不明としています。とくに転落事故につながるような重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年の男性に多く、また発熱から2日間以内の発現例が多いことから、この時期には、親の目の届くところにいてもらうなどの配慮が必要となります。この異常行動による転落事故は、成年の報告はありません。

クリニックフォアグループの内科でも、インフルエンザの患者様にタミフルを処方させていただきます。副作用が不安だという方は、十分な説明もさせていただき安心して服用できるように配慮してまいりますのでご安心ください。

インフルエンザ薬の予防内服とは?

インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を予防目的で使用することです。

例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。

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監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se62/se6250021.html

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/62/6250021M1027.html

https://www.pmda.go.jp/files/000147877.pdf

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/medical/090511-02.html

http://www.hospital-takasago.jp/about/public/kouza/pdf/1202.pdf