オンライン診療も保険適用になる?保険診療・自由診療の違いも詳しく解説!

スマホやパソコンで、自宅などにいながら診察が受けられる「オンライン診療」。忙しい方にとってはとても便利な受診方法と言えます。

では、オンライン診療でも保険適用は可能なのでしょうか?保険診療と自由診療の違いなども含めて詳しく解説します。

診療の種類【保険診療・自由診療・混合診療】

まずは、大まかな診療の種類について解説します。診療は、大きく分けると、保険診療、自由診療(保険外診療)、これらを併用する混合診療の3つとなります。

保険診療自由診療(保険外診療)混合診療
概要公的な健康保険が適用される診療保険が適用にならない診療・保険診療と自由診療の併用※原則禁止
・一部、混合診療が認められるケースがある
診察・治療内容国民健康保険法や健康保険法などによって、給付対象として定められている検査・治療医療保険各法等の給付対象とならない検査・治療

費用
同じ診療内容なら、どの医療機関でも同じ同じ診療内容でも、医療機関によって異なる保険診療分も全額自己負担となる場合がある
原則1~3割負担全額自己負担混合診療が認められるケースでは、費用は分けて考える

保険診療

保険診療は、公的な健康保険が適用となる診療のことです。国民健康保険法や健康保険法などで、給付対象に定められている検査・治療を指します。

実施する検査や治療の内容は病気ごとに決まっており、費用も「診療報酬点数」という形で決まっています。

そこから、基本的には3割負担で支払いをしますが、年齢や所得によっては0~2割負担となることもあります。

自由診療(保険外診療)とは

保険が適用にならない検査や治療のことは、自由診療や保険外診療と言います。具体的には、厚生労働省に承認されていない治療法やお薬を用いる場合などに自由診療となります。また、美容目的の治療も自由診療となることが一般的です。

厚生労働省に承認されていないと言うと心配に思うかもしれませんが、海外では承認されているお薬を使ったり、今後保険適用になる可能性がある最新の抗がん剤を使ったりする治療も含まれるため、幅広い選択肢から治療法を選べるというメリットがあります。

自由診療の場合、費用は医療機関ごとに自由に決められており、患者側は全額自己負担で支払いをします。

混合診療とは

保険診療と自由診療を併用することを混合診療と言いますが、これは原則禁止されています。もし併用した場合は、保険診療部分も原則として自由診療扱いとなり、全額自己負担となる場合があります。

ただ、先進医療や治験にかかわる診療など、内容によっては混合診療が認められるケースがあります。混合診療が認められているケースでは、保険診療の費用は保険適用、適用外の診療は自己負担することになります。

オンライン診療における保険診療・自由診療について

オンライン診療とは、スマホ、パソコン、タブレットなどを使い、オンラインで医師の診察などを受けることを言います。オンラインでも、保険適用の診療と自由診療が存在します。

なお、オンライン診療に対し、医療機関に直接足を運んで診察を受ける一般的な受診方法は、対面診療と言います。

オンライン診療と対面診療の主な違いは以下の通りです。

オンライン診療対面診療
受診する場所・自宅など・インターネット環境があればどこでも受診可能医療機関
受診方法スマホなどのビデオ通話を使って診察を受ける(一部電話でも可能)対面(直接足を運ぶ)
予約方法アプリやウェブページ上で予約をする・予約は必須ではない・医療機関で直接、電話、アプリ、ウェブページなどで予約をする
医療機関の専用アプリ必要なケースがある原則不要
お薬の処方・宅配便などで届く・処方箋を発行してもらい、近隣の薬局で処方を受ける方法もある・医療機関で直接もらう・処方箋を発行してもらい、近隣の薬局で処方を受ける
その他特徴・メリット・実施できる検査・治療に制限がある(治療は服薬が中心)・待ち時間が少ない・移動の時間・手間・お金が大幅に節約できる・子育てや介護中の方でも受診しやすい・他の患者さんに会うことがない・院内感染・二次感染のリスクがない・さまざまな検査・治療が可能・直接診察してもらえる安心感がある

保険適用(保険診療)のオンライン診療

一部の病気の診療に限り、オンライン診療でも保険適用が可能です。クリニックフォアでは、以下のような保険診療を行っております。

分類解決できるお悩み・病気・目的
内科・風邪・発熱・喉の痛み・頭痛・不眠症・睡眠障害・胃痛・腹痛・嘔吐・下痢・便秘・生理痛・口内炎・健康診断の結果に関するご相談 など
皮膚科・アトピー性皮膚炎・ニキビ・発疹(湿疹)・かゆみ・かぶれ・虫刺され・肌荒れ・多汗症・乾癬・イボ・円形脱毛症 など
アレルギー科・アレルギー性鼻炎・喘息・長引く咳・じんましん など
花粉症・舌下免疫・花粉症・アレルギー性鼻炎・ダニアレルギー
アレルギー性結膜炎・アレルギー性結膜炎

保険適用外(自由診療)のオンライン診療

保険適用が認められていない病気については、自由診療でオンライン診療を受けることが可能です。クリニックフォアでは、以下のような内容のオンライン診療を、自由診療で行っています。

分類解決できるお悩み・病気・目的取扱いのお薬種類・治療内容・オプションなど
ピル・避妊・月経困難症 など・低用量ピル・月経移動(中用量ピル)・アフターピル
ニキビ治療・ニキビ・自分の症状の重さに合った治療・漢方薬・内服薬・外用薬の取り扱い
美容皮膚・皮膚のお悩み・外用薬・まつ毛外用薬・内服薬・漢方薬など様々・シミ・くすみなど肌悩みの改善
男性AGA/女性AGA・AGA(抜け毛・薄毛)・内服薬・外用薬・サプリメントなどの組み合わせの取り扱い
ED・早漏防止・ED・早漏防止・内服薬を1錠からトライアルセット、30錠セットなど様々な治療プランを展開
肥満症治療・肥満症治療・内服薬・注射薬・漢方の取り扱い
性感染症・クラミジア・カンジダ・性器ヘルペス・トリコモナス・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・尖圭コンジローマ・梅毒など・内服薬・外用薬・膣内挿入薬などの取り扱い・対面診療も行っているクリニックでオンライン診療の受診が可能
禁煙治療・禁煙・内服薬・貼付薬の取り扱い
漢方・せき・むくみ・ニキビ・生理痛・気分の落ち込みや不眠・二日酔い・便秘 など・漢方薬32種類を取り扱う・有効成分含有量たっぷりの医療用漢方・5分程の体質診断サービス
ドライアイ・ドライアイ・点眼液(3種)の取り扱い・初診からオンライン診療受診可能
高血圧・高血圧・内服薬(3種)の取り扱い・現在治療中で血圧が安定している方にも受診可能
脂質異常症・脂質異常症(高脂血症)・内服薬(3種)の取り扱い
高尿酸血症・高尿酸血症・痛風発作・内服薬・発作時のお薬も取扱い
インフルエンザ予防内服薬・インフルエンザ予防・インフルエンザ予防内服薬の取扱い
トラベル診療旅行に伴う以下のような病気・症状を対策するお薬を事前に処方
・胃腸トラブル対策・感染症対策・アレルギー対策・頭痛などの痛み対策・時差ボケ対策・生理・避妊対策・マラリア予防・スタンバイ治療・高山病予防
・内服薬・噴霧スプレーの取り扱い・英文診断書の作成

保険適用のオンライン診療のルール

以前はオンライン診療にはさまざまなルールがありました。たとえば3ヶ月に1回は対面診療が必要だったり、回数制限や、対象患者が限定的といったものです。

しかし、何度かのルール改正を経て、現在は、医療機関が「オンライン診療に係る研修」を受講すれば、オンライン診療を提供できるようになりました。

保険適用のオンライン診療の費用

保険適用の診療にかかる費用は、診療報酬点数として一律に決まっており、1点=10円で計算されます。なお、この金額からどれだけの金額を自己負担するかは、年齢や収入によって異なり、19歳以上70歳未満の場合は3割負担となることが一般的です。

また、オンラインの場合は、対面診療と若干値段が異なり、2024年8月現在では以下のようになっています。

オンライン診療対面診療
初診料253点291点
再診料等再診料75点75点
外来診療料75点76点

なお、初診料や再診料は、病院の規模によって変わることがあります。その他、時間外加算など細かいルールがあります。オンライン診療の場合、システム利用料がかかることが一般的です。

クリニックフォアのオンライン診療の流れ

クリニックフォアのオンライン診療を受ける際は、インターネット環境、通信機器(スマホ、タブレット、パソコン)、必要に応じて検査結果のデータをご用意ください。なお、保険診療では保険証も必要です。予約からお薬到着までの流れは以下の通りです。

予約

クリニックフォアのウェブページで診療予約ボタンを押し、希望の日時を選びます。「予約前の確認事項」をチェックし、予約を確定してください。

説明動画の視聴

診療科によって、SMSなどに、お薬や料金に関する説明動画(5分程度)が届くことがあります。届いた場合は受診前にご覧ください。

事前問診・検査結果のアップロード

SMSなどに事前問診のURLが届くことがあります。受診前に、問診へのご回答や、患部写真のアップロードなどのご対応をお願いします。

診察

スタッフから事前確認の電話が来ることがあります。予約時間の少し前には対応できるよう、準備をお願いします。

その後、予約時間になったら医師の診察が始まります。

お支払い

保険診療の診察料・システム利用料のお支払いは、診察後にクレジットカード決済を行います。診察前にクレジットカード情報の登録をお願いします。

また、自由診療の場合は診察後に、決済URLがSMSなどに届きます。クレジットカード、paidy、Amazon Pay、GMO後払い※、代引きでのお支払いが可能です。

※お薬の到着後に、銀行、コンビニ、LINE payなどいずれかでお支払いをお願いします。

お薬の到着

最短で翌日に、ご指定の住所にお薬が届くので、服薬を開始してください。

なお、保険診療の場合は、予約時に配送受け取りか薬局受け取りが選択できます。配送受け取りの場合は、オンライン薬局の薬剤師から服薬指導を受けて頂いた後にお薬が発送されます。薬局受け取りの場合はお近くの薬局での受け取りが可能です。

※診療時間、お届け先エリアにより異なります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

オンライン診療について知っておきたいこと

最後に、オンライン診療について知っておきたいことをいくつかご紹介します。

初診からオンライン診療が可能

以前は、初診はオンライン診療が原則不可でした。しかし、コロナ禍の特例的な扱いで、医師が可能と判断した場合は初診からのオンライン診療が可能となりました。

その後、2022年には、平時においても初診からオンライン診療が可能となりました。

必要に応じて対面診療に切り替えるケースもある

オンライン診療では、医師が患者に直接触れたりすることができないため、自ずと、対応できない検査や治療が出てきます。そのため、オンライン診療では必要な検査や治療ができないといった理由で、対面診療に切り替えるケースもあります。

保険適用できない病気も多い

オンライン診療でも保険適用が可能な病気は一部に限られています。どのような病気や症状でも、オンライン診療で保険適用が可能というわけではありません。

自由診療でも費用があまり変わらないケースがある

「自由診療」、「全額自己負担」、「10割負担」と聞くと、保険適用の数倍の費用がかかるイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、自由診療では、処方箋料といった、保険診療では必ずかかる費用を徴収する必要がありません。

診察料とお薬代といったシンプルな料金プランになっていることも多く、最終的な金額が自由診療のほうが安くなるケースもあります。

オンライン診療に対応していない医療機関も多い

オンライン診療を行っている医療機関はいまだに全体から見ると少数です。

2021年6月末時点で、オンライン診療などが実施可能な医療機関は全体の15%だったというデータもあります。

クリニックフォアのオンライン診療は保険診療も自由診療もあり

クリニックフォアでは、さまざまなお悩み・症状に対応するオンライン診療を行っています。自由診療の診療科が多いですが、内科、皮膚科、アレルギー科について保険診療も行っています。

ご自身の症状や、希望する治療内容によって診療科をご選択ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

 

 

参考文献

  1. 厚生労働省 -医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る 事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針-
  2. 厚生労働省 -医療費の一部負担(自己負担)割合について-
  3. 厚生労働省 -こどもにとってより良い医療の在り方等-
  4. 厚生労働省 -保険診療と保険外診療の併用について-
  5. 厚生労働省 -オンライン診療等の診療報酬上の評価見直しについて-
  6. 日本医師会 -なるほど診療報酬!-
  7. 厚生労働省 -令和6年度診療報酬改定 【全体概要版】-
  8. 総務省 -情報通信白書刊行から50年 ~ICTとデジタル経済の変遷~-