夏風邪とは?まず知っておきたい基本
そもそも夏風邪とは、冬の風邪とどう違う病気なのでしょうか。
夏風邪は、高温多湿を好むウイルスによって夏に流行する風邪の総称で、のどの痛みや発熱に加えて消化器の症状が出やすいのが特徴です。
代表的な病気や原因ウイルスを知っておくと、自分の不調がどういうものかを考える助けになるでしょう。
ここではまず、夏風邪の特徴と、大人がかかったときの注意点から整理していきます。
夏風邪の特徴と原因ウイルス(三大夏風邪)
夏風邪は、高温多湿を好むウイルスによって夏に流行する風邪の総称です。
冬の風邪のウイルスが乾燥を好むのに対し、夏風邪はエンテロウイルスやコクサッキーウイルス、アデノウイルスなど、湿気の多い環境で増えやすいウイルスが原因です。
代表的なものに、ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱(プール熱)があり、「夏の三大感染症」と呼ばれることもあります。
いずれも子どもに多い病気ですが、大人にもうつることが知られています。
夏風邪が高温多湿を好むウイルスによる感染症だと知っておくと、季節ごとの体調管理にも役立つでしょう。
大人もかかる・症状が強く出ることがある
夏風邪は子どもに多い病気ですが、大人がかかることもあります。
大人が夏風邪にかかると、子どもに比べて症状が強く出ることがあるといわれています。
とくに、小さな子どもと接する機会が多い方や、子どものいる家庭では、家庭内でうつる機会も多くなりがちです。
「子どもの病気だから軽いはず」と油断して無理を続けると、回復が遅れてしまうこともあります。
大人もかかり症状が強く出ることがあると知っておくと、軽く見ずに早めに休もうという心構えにつながるでしょう。
夏風邪が流行しやすい時期
夏風邪は、初夏から夏にかけて流行しやすい季節性のある感染症です。
一般には6月ごろから患者が増え始め、7〜8月にピークを迎えることが多いとされています。
高温多湿の時期にウイルスが増えやすく、子どもの集団生活の場を通じて広がりやすくなります。
子どもの間で流行すると、家庭内で大人にうつる機会も増えやすい時期です。
流行しやすい時期を知っておくと、その季節に体調の変化が出たとき、夏風邪を思い浮かべやすくなるでしょう。
夏風邪の主な症状
夏風邪では、具体的にどのような症状があらわれるのでしょうか。
のどの痛みや発熱、だるさといった一般的な風邪の症状に加え、腹痛や下痢などの消化器症状が出やすいのが特徴です。
ウイルスの種類によっては、口や手足の発疹、目の充血などがあらわれることもあるため、症状の幅が広い点も覚えておきましょう。
ここでは、夏風邪の主な症状を整理していきます。
発熱・のどの痛み・全身のだるさ
夏風邪では、発熱とのどの痛み、全身のだるさが代表的な症状です。
多くは発熱が出て、のどの痛みや赤みをともなうことがあります[1][2][3]。
発熱の程度はウイルスによって異なり、高い熱が出ることもあれば、軽い熱にとどまることもあります。
発熱の影響で、頭痛や強い倦怠感が数日続くこともめずらしくありません。
夏風邪では、のどの痛みより先に発熱だけがあらわれる場合もあります。
発熱とのどの痛み、だるさが重なりやすいことを知っておくと、こまめな休養や水分補給を意識しやすくなるでしょう。
腹痛・下痢などの消化器症状(お腹にくる理由)
夏風邪では、腹痛や下痢などの消化器症状が出やすいのが大きな特徴です。
咽頭結膜熱では、発熱やのどの痛みに加えて、下痢などの消化器症状があらわれることがあります[3]。
夏に「お腹にくる風邪」といわれるのは、こうした胃腸の症状を指していることが多いものです。
下痢や嘔吐が続くと水分が失われやすく、脱水につながることもあるため気をつけましょう。
消化器症状が出やすいのが夏風邪の特徴だと知っておくと、お腹の不調を「ただの食あたり」と決めつけずにすみます。
発疹・目の症状が出ることも
夏風邪では、ウイルスによって口や手足の発疹、目の症状が出ることもあります。
手足口病ではのどや手足に水疱性の発疹が出て、ヘルパンギーナではのどの奥に水疱や潰瘍ができます[1][2]。
咽頭結膜熱(プール熱)では、高熱とのどの痛みに加え、目の充血や目やにといった結膜炎をともなうのが特徴です[3]。
こうした発疹や目の症状は、夏風邪の種類を見分ける手がかりになることもあります。
のどや発熱だけでなく、発疹や目の症状もあらわれうると知っておくと、体の変化に早く気づきやすくなります。
冬の風邪・新型コロナ・夏バテとの違い
夏に体調をくずすと、夏風邪なのか、新型コロナや夏バテなのか迷うことも多いのではないでしょうか。
夏風邪は、冬の風邪とは原因ウイルスや症状が異なり、新型コロナや夏バテとも見分けにくいことがあります。
それぞれの違いを知っておくと、自分の状態を整理しやすくなり、受診の判断にも役立つはずです。
| 原因 | 主な症状 | 発熱 | |
| 夏風邪 | 高温多湿を好むウイルス | のどの痛み・発熱+下痢・腹痛などの消化器症状 | あり |
| 冬の風邪 | 乾燥を好むウイルス | せき・鼻水が中心 | 軽いことが多い |
| 新型コロナ | 新型コロナウイルス | 発熱・のどの痛み・せき・倦怠感(夏風邪と似る) | あることが多い |
| 夏バテ | 暑さ・冷房・睡眠不足などによる自律神経の乱れ | だるさ・食欲不振(感染症ではない) | 通常なし |
ここでは、似た不調との違いを整理していきます。
冬の風邪との違い(原因ウイルス・症状)
夏風邪と冬の風邪は、原因となるウイルスと出やすい症状に違いがあります。
冬の風邪のウイルスは乾燥した環境を好むのに対し、夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、夏に流行します。
また、冬の風邪はせきや鼻水などの症状が中心ですが、夏風邪は高熱やのどの痛みに加え、下痢や腹痛などの消化器症状が出やすいです。
夏風邪では、のどの痛みより先に発熱だけが見られたり、高熱が長く続いたりすることも知られています。
季節と症状の違いを知っておくと、夏の体調不良が夏風邪らしいかどうかを考える手がかりになります。
新型コロナとの見分けにくさ
夏風邪と新型コロナウイルス感染症は症状が似ており、見た目だけで見分けるのは難しいとされています。
発熱やのどの痛み、せき、倦怠感などは、どちらにも共通してみられる症状です。
そのため、症状だけで自己判断せず、必要に応じて検査を受けることがすすめられます。
とくに、高齢の方や持病のある方と接する場合は、念のため早めに確認しておくと安心です。
区別がつきにくいときは自己判断に頼らず、検査や医療機関での相談を選ぶと安心でしょう。
夏バテとの違い
夏風邪と夏バテは、原因も症状も異なるものです。
夏風邪はウイルス感染による病気で、発熱やのどの痛み、消化器症状などがあらわれます。
一方、夏バテは暑さや冷房による自律神経の乱れ、睡眠不足や食欲不振などで起こる不調で、通常は発熱をともないません。
夏バテと思い込んで様子を見ているうちに、実は夏風邪だったというケースもあります。
発熱やのどの痛みがあるかどうかが見分けの目安になりますが、迷うときは医療機関で相談するとよいでしょう。
夏風邪の対処法と受診の目安
夏風邪にかかってしまったとき、どのように対処すればよいのでしょうか。
夏風邪はウイルスによるもので特効薬がないため、安静と水分・栄養をとりながら症状を和らげる対症療法が基本です。
多くは1週間前後で回復しますが、種類によってはもう少し長引くこともあり、長引くときや症状が強いときに備え、受診の目安も知っておくとよいでしょう[1][2][3]。
ここでは、夏風邪の対処法と受診の目安を整理していきます。
基本は安静・睡眠・水分と栄養
夏風邪の対処の基本は、しっかり休んで睡眠をとり、水分と栄養を補うことです。
特効薬がないため、体がウイルスと闘って回復するのを、安静と十分な睡眠で支えることが何より重要になります。
暑さで食欲が落ちても、消化のよいものを少しずつとり、こまめに水分を補うことが回復を後押しするでしょう。
とくに、発熱や下痢で水分が失われやすいため、脱水を防ぐようこまめな水分補給が望まれます。
休養と水分・栄養をしっかりとることこそが、夏風邪を乗り切る支えになるでしょう。
市販薬・解熱鎮痛剤・漢方との付き合い方
発熱やのどの痛みがつらいときは、市販薬で症状を和らげる方法もあります。
夏風邪の治療は症状を和らげる対症療法が中心で、解熱鎮痛剤などが用いられます。
市販薬を選ぶときは、総合風邪薬を漫然と使うのではなく、つらい症状に合ったものを選ぶことが大切です。
のどの痛みなどに漢方薬が用いられることもありますが、持病やほかのお薬がある場合は薬剤師に相談しておきましょう。
市販薬はあくまで症状を和らげる手段ととらえ、選び方に迷うときは医師や薬剤師に相談することがすすめられます。
受診の目安と何科にかかるか
高熱が続く、水分がとれないといったときは、早めに医療機関を受診することが大切です。
高熱が1週間ほど長引く、強い頭痛や嘔吐がある、息苦しさを感じる、症状が強くてつらいといった場合は、無理せず受診しましょう。
水分がほとんどとれず、尿が極端に少ない、ぐったりしているといった脱水のサインも、受診の目安になります。
大人は内科、目の症状が強ければ眼科、のどの症状が強ければ耳鼻咽喉科で相談するとよく、子どもは小児科が基本です。
気をつけたいサインを覚えておき、迷うときは早めに受診することが、安心して回復するための支えになります。
夏風邪の予防法
夏風邪をできるだけ避けるには、どのようなことを心がければよいのでしょうか。
夏風邪にはワクチンがないため、手洗いやうがいなどの基本的な対策で感染の機会を減らすことが大切です。
あわせて、冷房の使い方や生活習慣を整えることも、抵抗力を保つうえで役立つでしょう。
ここでは、夏風邪の予防のポイントを整理していきます。
手洗い・生活習慣・冷房の使い方
夏風邪の予防は、手洗いやうがいを中心とした基本対策が柱になります。
外出後や食事の前、とくに排便後は石けんでていねいに手を洗い、タオルの共用を避けることが大切です。
あわせて、十分な睡眠とバランスのよい食事で、暑さに負けない抵抗力を保つことも予防につながります。
冷房は外気との温度差が大きくなりすぎないよう調整し、体を冷やしすぎないことも心がけたい点です。
特別な方法はなくても、手洗いと生活習慣を整える基本対策を続けることが、夏風邪を防ぐうえで役立つでしょう。
発熱やのどの痛み、お腹の不調がつらいときは、クリニックフォアのオンライン診療でご相談いただけます。クリニックフォアのオンライン診療では、医師が症状をうかがい、必要に応じて対症療法のお薬を処方します。
ただし、ぐったりしている、水分がとれない、息苦しい、意識がはっきりしないなどのアラームサインがある場合や、強い脱水が疑われる場合は、オンライン診療では対応できないため、速やかに対面の医療機関を受診してください。
※医師の判断により、お薬を処方できない場合がございます。
※対面診療をご案内する場合もございます。
※診療費は診察内容によって異なります。保険診療の自己負担割合(原則3割)に応じた金額となります。
よくある質問(Q&A)
ここでは、夏風邪について多くの方が気になりやすい疑問を取り上げ、要点を整理しました。
症状や違い、対処法など、検索でよく調べられる内容を中心にまとめています。
気になる項目から読み進め、ご自身や家族の体調と向き合うときの参考にしてみてください。
夏風邪の症状にはどのようなものがありますか?
発熱やのどの痛み、せき、頭痛、倦怠感に加え、腹痛や下痢などの消化器症状が出やすいのが特徴です。
ウイルスによっては、口や手足の発疹、目の充血などがあらわれることもあります。
症状が強い、長引くといった場合は、無理をせず医療機関に相談しましょう。
夏風邪と冬の風邪の違いは何ですか?
冬の風邪のウイルスは乾燥を好むのに対し、夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、夏に流行します。
また、夏風邪は高熱やのどの痛みに加え、下痢や腹痛などの消化器症状が出やすい点も違います。
のどの痛みより先に発熱だけが見られることもあるでしょう。
夏風邪はなぜお腹にくる(下痢する)のですか?
原因となるエンテロウイルスやアデノウイルスが、のどだけでなく腸でも増えるためです。
そのため、発熱やのどの痛みに加えて、腹痛や下痢といった胃腸の症状が出ることがあります。
下痢や嘔吐が続くと脱水につながることもあるので、こまめな水分補給が大切です。
夏風邪と新型コロナの違いは見分けられますか?
発熱やのどの痛みなど症状が似ており、見た目だけで見分けるのは難しいとされています。
区別がつかないときは、自己判断せず検査を受けるのが確実です。
高齢の方や持病のある方と接する場合は、とくに早めの確認が安心につながります。
夏風邪はいつまで続きますか/長引きますか?
多くは数日から1週間ほどで回復しますが、個人差があるものです。
夏は冷房や睡眠不足、脱水などで抵抗力が落ちやすく、長引くこともあります。
1週間ほど経っても改善しない、症状が強いといったときは、医療機関を受診しましょう。
何科を受診すればいいですか?
大人は内科、のどの症状が強いときは耳鼻咽喉科、目の症状が強いときは眼科で相談するとよいでしょう。
子どもの場合は小児科が基本です。
高熱が続く、水分がとれないといったときは、早めに受診してください。
夏風邪の予防法はありますか?
手洗いやうがいを徹底し、タオルの共用を避けることが基本の対策です。
十分な睡眠とバランスのよい食事で抵抗力を保つことも、予防につながります。
冷房による体の冷えすぎや、外気との温度差にも気をつけるとよいでしょう。
夏風邪は子どもから大人にうつりますか?
夏風邪は感染力があり、子どもから大人にうつることがあります。
大人の感染の多くは、夏風邪にかかった子どもを看病する過程での家庭内感染とされています。
子どもの看病をするときは、マスクや手洗いを意識し、タオルの共用を避けると安心です。
まとめ
夏風邪は、高温多湿を好むウイルスによって夏に流行する風邪の総称で、ヘルパンギーナや手足口病、咽頭結膜熱などが代表的です。
主な症状は発熱やのどの痛み、だるさで、これに腹痛や下痢などの消化器症状が加わりやすい傾向があります。
冬の風邪とは原因ウイルスや症状が異なり、新型コロナや夏バテとも見分けにくいことがあるため、迷うときは検査や受診を検討するとよいでしょう。
大人もかかり、子どもに比べて症状が強く出ることがあるとされ、子どものいる家庭では家庭内でうつる機会も多くなります。
ウイルス性で特効薬はないため、安静と睡眠、水分・栄養をしっかりとり、脱水を防ぐことが対処の柱です。
高熱が長引く、水分がとれない、息苦しさがあるといった場合は、重症化や脱水の可能性も考えて早めに受診しましょう。
手洗いや生活習慣、冷房の使い方を整えて予防しつつ、不安な症状があるときは自己判断せず医療機関に相談することが、安心して夏を過ごす近道になります。

