ピルの副作用で下痢は起こる?避妊効果への影響や対処法を解説

「ピルを飲み始めてから下痢が増えた気がする」「下痢をしたら避妊効果はどうなるの?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
下痢はピルの副作用のひとつとして報告されており、お薬の種類によって頻度は異なりますが、飲み始めの時期に起こりやすいとされています。
ただし服用後2時間以内に水様性の下痢が起きた場合は、お薬の成分が十分に吸収されず避妊効果が低下する可能性があるため注意が必要です。
一方で、下痢が続くことでお薬の吸収が不安定になり、不正出血につながるケースもあり、正しい対処法を知っておくことが大切です。
この記事では、ピルの副作用としての下痢の原因や種類別の頻度、避妊効果への影響、下痢が起きた場合の対処法、不正出血との関係まで分かりやすく解説します。
ピルの下痢について正しく理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。

ピルの副作用で下痢が起こる原因

ピルの服用中に下痢が起こる主な原因は、お薬に含まれるホルモンによる体内環境の変化です。

低用量ピルにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(合成黄体ホルモン)が含まれており、これらのホルモンが消化管の働きにも影響を及ぼす場合があります。

ピルの副作用としての下痢は多くの場合一時的なもので、服用を続けるうちに軽減していく傾向にあるでしょう。

ここでは、下痢が起こる原因を詳しく確認していきます。

ホルモンバランスの変化が消化管に影響するため

ピルの服用を始めると、体内のホルモンバランスが急激に変化します。

エストロゲンやプロゲスチンには消化管の運動に影響を与える可能性があると考えられており、腸の動きが一時的に変化することで、下痢や軟便といった症状があらわれる場合があります[1]

体質やお薬の種類によって個人差があり、症状が出ない方もいれば、飲み始めに強く感じる方もいます。

症状が出やすいのは飲み始めの1〜2ヶ月

下痢の症状があらわれやすいのは、服用開始から1〜2ヶ月の間とされています。

この時期は体内のホルモンバランスが大きく変動するため、消化管を含むさまざまな器官が影響を受けやすい状態です[1]

一般的には3ヶ月(3シート)ほど服用を続けるとホルモンバランスが安定し、下痢の症状も軽減していく傾向にあります。

飲み始めに下痢の症状が出ても、日常生活に大きな支障がなければしばらく服用を継続して様子をみることが基本的な対応です。

服用中に下痢が続く場合は、症状の頻度や程度を記録しておくと受診時の参考になります。

3ヶ月以上経っても改善しない場合は医師に相談を

3シート(約3ヶ月)以上服用しても症状が改善しない場合は、お薬が体に合っていない可能性も考えられます。

自己判断で中止せず医師に相談し、ピルの種類変更を含めた対応を検討してください。

ピルの種類別|下痢の頻度

ピルの副作用としての下痢は、お薬の種類によって報告されている頻度が異なります。

添付文書に基づく主なピルの下痢の発現頻度の目安は以下のとおりです。

ピルの種類商品名下痢の頻度
低用量ピルマーベロン[2]0.1〜5%未満
低用量ピルアンジュ[3]0.1〜5%未満
中用量ピルプラノバール[4]頻度不明
超低用量ピルヤーズ/ヤーズフレックス[5][6]1%未満

下痢は吐き気や頭痛と比べると頻度の高い副作用ではありませんが、体質や服用初期にはあらわれることがあります。

下痢の程度による避妊効果への影響

ピル服用中の下痢が避妊効果に影響するかどうかは、下痢の程度やタイミングによって異なります。

軟便程度であれば、お薬の成分は消化管内である程度吸収されていると考えられるため、避妊効果への影響は少ないとされています。ただし個人差もあるため、気になる場合は医師に相談してください。

一方で、避妊効果への影響が懸念されるのは、服用後2時間以内に水様性の下痢が起きた場合です。ピルの成分は服用後一定時間をかけて吸収されるため、このタイミングで強い下痢が起こると、成分が十分に吸収されない可能性があります[7][8]

「軟便か水様便か」の判断が難しい場合は、便にある程度形が残っているかどうかを目安にするとよいですが、不安な場合は自己判断せず医師に確認してください。

吸収不良が続くと排卵が抑えられず妊娠の可能性がある

単発の下痢であれば大きな影響は出にくいと考えられますが、下痢の症状が数日にわたって続く場合は注意が必要です。

ピルは毎日継続して服用することでホルモン濃度を一定に保ち、排卵を抑制するお薬です。下痢による吸収不良が続くと、体内のホルモン濃度を十分に維持できず、排卵の抑制が不十分になる可能性があります。

その結果、排卵が抑制されない可能性があり、避妊効果が十分に得られないことがあります。

避妊を目的としてピルを服用している場合は、下痢が続いている間とその後7日間は他の避妊法を併用することが推奨されています[1]

また、下痢の原因が胃腸炎などピル以外にある場合でも同様に影響が出る可能性があるため、不安な場合は医師に相談してください。

ピル服用中に下痢が起きた場合の対処法

ピルの服用中に下痢が起きた場合は、下痢のタイミングや症状の程度、持続期間によって対処法が異なります。

状況別の対処法の概要は以下のとおりです。ただし、医師から指示がある場合にはそちらに従ってください。

状況対処法避妊の対応
服用後2時間以内に嘔吐・水様性下痢[1]できるだけ早く追加で1錠服用原則不要
服用後2時間以降追加服用不要、通常どおり継続原則不要
24時間以上、嘔吐・重度の下痢が持続(2日以内)症状回復後、飲み忘れ時の対応に準じて再開2日以上吸収不十分の場合は7日間併用
3日以上連続で吸収不良が続く現シートを終了し、生理を待って新しいシートで再開(医師に要相談)新シート開始から7日間は併用、リスク行為があった場合はアフターピルを検討

<状況ごとのポイント>

軽度の下痢

軟便程度であれば、薬の吸収には影響がないと考えられます。そのまま服用を続けてよいでしょう。

服用後2時間以内の下痢

嘔吐や水様性下痢があった場合は成分が十分に吸収されない可能性があります。追加で1錠をできるだけ早く服用し、その後は通常の時間に次の1錠を服用してください。

服用後2時間以降の下痢

成分の吸収は進んでいるため、追加服用は基本的に不要です。ただし、症状が続く場合や不安がある場合は医師に相談してください。

下痢が24時間以上続く場合

長時間の嘔吐や下痢は吸収不良の状態が続く可能性があります。服用を中止して回復後に「飲み忘れ時の対応」と同様に再開します。

・1日分のみ吸収が不十分だった場合→気づいた時点で速やかに1錠服用し、その後は通常どおり継続

・2日連続で吸収が不十分だった場合→正しい服用を再開したうえで、7日間は他の避妊法(コンドーム等)を併用してください

・3日以上連続で吸収が不十分だった場合→現在のシートを終了し、自然に次の生理がきてから新しいシートで服用を再開する対応が必要になる場合があります。判断に迷う際は自己判断せず、必ず医師に相談してください。なお、吸収不良が続いた期間に避妊が不十分な性交渉があった場合は、緊急避妊薬(アフターピル)の服用を検討する必要があるため、できるだけ早く医師に相談しましょう。

症状が長期間続く場合

副作用は通常1〜2ヶ月で出やすく、3シート(約3ヶ月)ほど服用を続けるうちに軽減することが多いとされています。3ヶ月以上経っても下痢が続く場合は、ピルの種類変更で改善するケースもあるため医師に相談してください。

ピル服用中の下痢は、軽度であれば様子を見ますが、重度や長期間続く場合は吸収不良や避妊効果への影響が考えられます。症状の程度と発生時間に応じて適切に対応し、必要に応じて医師に相談しましょう。

ピルの下痢が気になるならオンライン診療が便利

ピルの服用中に下痢の症状が続いていると、「このまま服用を続けてよいのか」「種類を変えたほうがよいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

クリニックフォアのオンライン診療では、スマートフォンやパソコンからビデオ通話で医師の診察を受けられるため、忙しい方でも自宅にいながら相談できます。

下痢などの副作用が気になる場合も、現在の症状を伝えたうえでピルの種類変更や対処法について医師に相談できます。

処方されたお薬は最短翌日に自宅へ届くため、薬局や医療機関に足を運ぶ手間がありません。

ただし、以下のような緊急性の高い症状がある場合は、オンライン診療ではなく対面で医療機関を受診してください。

・激しい腹痛がある場合

・血便がある場合

・脱水症状(口の渇き・めまい・尿量の著しい減少など)がある場合

ピルの副作用に不安を感じている方は、まずはクリニックフォアのオンライン診療にご相談ください。

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※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※対面診療をご案内する場合があります。

※お薬の配送日時は診察時間や配送先により異なります。

※診察料は1,650円になります。

※配送料は550円かかります。

ピルの下痢に関するよくある質問

ピルの服用中に下痢が起きた場合、症状の程度や発生した時間によって薬の吸収や避妊効果への影響が異なります。ここでは、よくある疑問とその対応についてまとめました。

Q1.軟便程度の下痢でも追加で1錠服用する必要がありますか?

軟便程度であれば、お薬の成分は体内に吸収されていると考えられるため、追加で服用する必要はありません。

追加服用が必要なのは、服用後2時間以内に水様性の下痢(水っぽい下痢)が起きた場合です。

判断に迷う場合は医師に相談して対応を確認してください。

Q2.下痢止めとピルを一緒に服用しても問題ありませんか?

下痢止めや整腸剤とピルの併用は基本的に問題ないとされています。

ただし、下痢の症状が重い場合や長く続いている場合は、下痢止めで対症的に抑えるだけでなく、ピルの吸収不良による避妊効果への影響も考慮して医師に相談してください。

Q3.休薬期間中の下痢は避妊効果に影響しますか?

休薬期間中はもともとお薬の成分を服用していない期間(または偽薬を服用する期間)のため、下痢が起きても避妊効果には直接影響しません。

ただし、休薬明けに新しいシートの服用を予定どおり開始することが重要です。

下痢が休薬明けにも続いている場合は、お薬の吸収に影響する可能性があるため注意してください。

まとめ

ピルの副作用としての下痢は、マーベロン、アンジュともに0.1〜5%未満の頻度で報告されています[2][3]

飲み始め1〜2ヶ月に起こりやすく、ホルモンバランスが安定する3ヶ月ほどで軽減していく傾向にあるでしょう。

服用後2時間以内に水様性の下痢が起きた場合は、お薬の成分が十分に吸収されていない可能性があるため、追加でもう1錠の服用を検討してください。

下痢が24時間以上続く場合は、症状が治まった後も7日間は他の避妊法を併用することが推奨されています[1]

3日以上連続で吸収不良が続いた場合は、現在のシートを終了して新しいシートで再開する対応が必要になることがあるほか、避妊が不十分な性交渉があった場合はアフターピルの検討も必要になるため、早めに医師へ相談しましょう。

便秘や下痢が続くことでピル成分の吸収が不安定になり、不正出血が起こるケースもあるため注意が必要です。

3ヶ月(3シート)以上下痢が続く場合は、自己判断で服用を中止せず医師に相談し、ピルの種類変更を含めた対応を検討しましょう。

ピルの下痢や副作用に不安を感じたら、クリニックフォアのオンライン診療を活用して早めに医師に相談してみてください。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会/日本女性医学学会編「OC・LEPガイドライン2020年度版」(2021年3月発行)
  2. マーベロン21・マーベロン28 患者向医薬品ガイド(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
  3. アンジュ21錠・アンジュ28錠 患者向医薬品ガイド(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
  4. プラノバール配合錠 患者向医薬品ガイド(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
  5. ヤーズ配合錠 患者向医薬品ガイド(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
  6. ヤーズフレックス配合錠 患者向医薬品ガイド(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
  7. 日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」
  8. Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare (FSRH) Clinical Guideline: Combined Hormonal Contraception (CHC)
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