プラセンタ注射とは
プラセンタ注射とは、ヒトの胎盤(Placenta)から抽出した有効成分(プラセンタ注射・ペプチドなど)を含む医療用医薬品を注射する治療法です。妊娠中に胎児へ栄養を届ける胎盤には、多彩な生理活性物質が豊富に含まれており、その働きを人体に応用することでさまざまな薬理作用が期待されています。
国内で医療用として使用できるプラセンタ製剤は、厚生労働省が承認した「メルスモン®」(1956年承認)と「ラエンネック®」(1959年承認)の2種類のみ[1][2]です。どちらもヒト胎盤由来で、医療機関でのみ注射を受けることができます。
更年期障害や肝機能障害の治療として保険適用があるほか、美容・疲労回復・アンチエイジングを目的とした自由診療としても広く用いられています。なお、プラセンタ注射は性別を問わず受けることができ、女性だけでなく男性の更年期障害(LOH症候群)にも効果が期待されています。[3]
プラセンタ注射の効果・メカニズム
プラセンタエキスに含まれる成長因子やアミノ酸などの生理活性物質は、注射によって血流に乗り全身に届けられます。これらの成分が抗炎症作用、抗酸化作用、組織修復作用などをサポートすることで、さまざまな症状の改善が期待できると考えられています。
プラセンタ注射で期待される主な作用・効果は以下のとおりです。
- 自律神経・ホルモンバランスの調整サポート[1]
- 新陳代謝の促進・疲労回復(慢性的な疲れ・倦怠感の改善)[4][5]
- 肝機能へのアプローチ(アルコール性・ウイルス性の慢性肝障害)[2]
- 免疫機能のサポート
- 抗酸化作用(活性酸素の抑制)
- 皮膚のターンオーバー促進による美容効果(シミ・くすみ・肌荒れ・しわ・たるみの改善)[3]
- 更年期症状の緩和(女性・男性ともに対応可)[1][3]
- 肩こりなどの不定愁訴の改善[3]
※ 上記の効果はすべての方に同様に現れるものではなく、個人差があります。
プラセンタ注射の副作用・治療期間
プラセンタ注射は比較的副作用の少ない治療法とされていますが、以下のような副作用が報告されています。[1][2]
症状が出た場合は速やかに担当医にご相談ください。
- 注射部位の疼痛・硬結(通常2〜3日で改善することが多いです)
- 過敏症(発疹・発熱・掻痒感)
- まれにショック反応(本剤はヒト組織由来成分を含むため)
- 最初の数回は一時的な倦怠感・眠気を感じる場合があります(代謝の変化による一時的な反応と考えられており、多くの場合、数日で改善されます)
治療頻度の目安として、効果を実感するまでの初期段階では週1〜2回の注射を5〜10回程度継続されることが多いです。[1] その後は症状や目的に応じて、月1〜2回のペースに移行するケースが一般的です。効果の現れ方には個人差があり、2〜3回目から変化を感じる方もいれば、数週間かけて徐々に改善される方もいます。
治療期間についても個人差がありますので、担当医と相談しながら継続の可否を判断されることをお勧めします。
クリニックフォアのプラセンタ注射治療
※保険適用外の自由診療となります。
※医師の判断により、施術を行えない場合があります。
Point.1
更年期障害によるさまざまな症状の改善
更年期は一般的に閉経前後の約10年間(45〜55歳頃)を指し、この時期には女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により、のぼせ・ほてり・ホットフラッシュ(突然の発汗)・動悸・息切れ・めまい・不眠・イライラ・気分の落ち込みなど、さまざまな不定愁訴が現れることがあります。
プラセンタ注射は「更年期障害」に対して保険診療が適用されており(概ね45〜59歳の女性が対象)、[1]自律神経やホルモンバランスの調整をサポートする働きが期待されています。国内第4相試験では更年期障害患者31例を対象に有効率77.4%が示されています。
ホルモン補充療法(HRT)に比べてホルモンの直接補充を行わないため、ホルモン感受性腫瘍のリスクが気になる方の選択肢として言及されることがありますが、プラセンタ注射がHRTの代替となるものではなく、治療法の選択については担当医にご相談ください。
クリニックフォアでは、更年期に関するお悩みを丁寧にお伺いしたうえで、プラセンタ注射単独または他の治療との組み合わせも含めて、患者様の状態に合わせたアプローチをご提案しています。
Point.2
免疫機能のサポートにアプローチ
プラセンタエキスには、肝臓の働きをサポートする働きを持つアミノ酸などの成分が含まれています。[2]
これらの成分が全身の代謝を整え、免疫機能のサポートにつながると考えられています。
また、プラセンタには抗酸化作用もあるとされており、活性酸素による細胞へのダメージを軽減することで、からだのコンディション維持に役立つ可能性があります。慢性的な疲れや体力の低下が気になる方、季節の変わり目に体調を崩しやすい方などにも選ばれている治療法です。[4][5]
Point.3
肌のコンディションを整え、美容面にも
アプローチ
皮膚は常に新しい細胞が生まれ、古い細胞が剥がれ落ちるサイクル(ターンオーバー)を繰り返しています。加齢やストレス、生活習慣の乱れなどによりターンオーバーが遅くなると、古い角質が肌に残り、くすみ・シミ・肌荒れ・毛穴の目立ちといったトラブルが起きやすくなります。
プラセンタエキスに含まれるペプチドやアミノ酸は、皮膚のコンディション維持やターンオーバーをサポートすると考えられています。また、メラニン色素の蓄積を抑制する可能性もあり、シミやくすみの改善につながる期待ができるほか、コラーゲン生成や肌の水分量の改善を示した報告もあり肌のハリや弾力を保つ効果も期待されています。[3]
継続的な投与によりしわの幅や肌の水分量が改善する可能性が小規模な臨床研究で報告されています(更年期症状を有する日本人女性を対象とした研究では、24週時点でしわの幅が対照群と比べ低下した例が報告されています)。[3]
クリニックフォアでは、美容目的のプラセンタ注射を自由診療として提供しており、ニキビ・肌荒れ・くすみ・シミでお悩みの方から、アンチエイジングを目的とした方まで幅広く対応しています。
また、更年期に伴うほてり・発汗・倦怠感・不眠などの諸症状に対し、プラセンタ製剤(メルスモン)を用いた注射療法が健康保険の対象となっており、クリニックフォアでも処方を受けることができます。
ただし保険適用となるには、診察時に更年期障害と診断される必要があります。医師による問診・検査を経て適応と判断された場合に限り、保険診療として受けることが可能です。
※ 美容効果の現れ方には個人差があります。効果を実感するまでには継続的な治療が必要な場合があります。
プラセンタ注射は男性にもお勧め
プラセンタ注射は女性だけでなく、男性も受けることができます。「女性ホルモンが含まれているのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、プラセンタ製剤は女性ホルモン剤ではなく、女性化等の影響を示す報告はありません。ただし、個人の体質により副作用が生じる可能性があるため、事前に医師にご相談ください。
男性の更年期障害(LOH症候群・加齢男性性腺機能低下症候群)は、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の低下により起こる心身の不調です。[3] 40〜50代以降の男性に多く見られますが、女性の更年期と違い自覚しにくく「単なる疲れ」と見逃されがちです。
以下のような症状にお心当たりの方は、ぜひご相談ください。
- 慢性的な疲れ・だるさ・倦怠感
- 不眠・睡眠の質の低下
- イライラ・気分の落ち込み・意欲減退
- 突然の発汗・ほてり
- 集中力・記憶力の低下
プラセンタ注射を受けられない方・
注意が必要な方
以下に該当する方は施術をお受けいただけない場合があります。事前に医師へご申告ください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 心臓機能が低下している方・透析治療中の方
- 過去にプラセンタ製剤でアレルギー反応が出たことがある方[1][2]
- タンパク質アレルギーのある方
【2026年2月 重要なお知らせ】[6]
厚生労働省は令和8年(2026年)2月、プラセンタ注射剤使用歴を有する方の献血制限を撤廃する方針を通知しました(令和8年秋頃に正式撤廃予定)。これはvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)伝播のリスクを評価した結果、制限を解除することが適切と判断されたためです。[6]
正式撤廃後は「投与後3か月延期」の取り扱いに準ずる形となる見通しです。最新情報は厚生労働省・日本赤十字社の公式ホームページをご確認ください。[6]














