黄ニキビってどんな状態? 原因や対処法は?

膿を持ったニキビは見た目が気になるだけでなく、痛みを感じることもあってやっかいですよね。膿をもったニキビは黄ニキビと呼ばれ、ニキビの中でもかなり悪化した状態です。早く適切なケアをしなければ数が増えたりニキビ跡になってしまったりするため、注意が必要です。この記事では、黄ニキビとはどんな状態なのかや、原因、ケア、対処法などについて詳しく解説します。

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黄ニキビは膿を持ったニキビ

黄ニキビは膿を持ったニキビであり、ニキビの最終形態とも言えます。痛みを伴うこともよくあります。

黄ニキビに至る流れ

ニキビは、白ニキビ(コメド、面皰(めんぽう)とも呼ぶ)→赤ニキビ→黄ニキビ、と悪化していきます。

毛穴が詰まったところに過剰に皮脂が分泌されると白ニキビとなり、コメドの中でアクネ菌が増え、免疫機能が働いた結果、炎症が起きて赤ニキビとなります。そして、さらに悪化すると化膿して黄ニキビとなります。

黄ニキビになると、アクネ菌だけでなく、黄色ブドウ球菌もニキビに入り込んで増殖することがあります。また、黄ニキビの内側では、アクネ菌が生み出す酵素が毛包(もうほう・毛根を包む組織)の壁を壊し、好中球(白血球の一種で、炎症を起こす細胞)が毛包の外へ出て周りの組織に広がり、周りの組織も壊してしまいます。周りの組織が壊されると、炎症が治まってもシミ、赤み、へこみのようなニキビ跡が残ることがあるため、ニキビ跡を残さないためにも早めのケア、治療が大事です。

黄ニキビの原因とは?

ニキビの原因としくみ

ニキビの大きな原因は、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増加です。毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増加して炎症をおこすと赤ニキビや黄ニキビになります。

ニキビの症状が進行し、毛包の壁が壊れて皮脂や角質などの中身が周りに漏れ出すと、炎症が皮膚の奥の真皮層まで達し、膿が生じて黄ニキビに至ります。

皮脂の過剰な分泌や毛穴の詰まりはさまざまな生活習慣の乱れや肌への刺激などによって引き起こされ、増えた皮脂によってアクネ菌が増加します。

黄ニキビのケア・対策方法

黄ニキビは、重度の炎症を伴っているため、セルフケアだけで治すことは難しいと考えられます。そのため、黄ニキビになる前に、ケアや治療をして黄ニキビを防ぐことが大事です。

すでに黄ニキビができてしまっている場合は、治療とともに日常生活でもさまざまな注意が必要となります。詳しく見ていきましょう。

皮膚科で治療を受ける

黄ニキビはセルフケアだけで治すのは難しいため、まずは皮膚科などで治療を受けるのがよいでしょう。

黄ニキビのように炎症が起こっているニキビの場合は、毛穴の詰まりを取り除く塗り薬と、抗菌薬(抗生物質)の塗り薬・飲み薬などで治療を行うことが一般的です。そのほか、ケミカルピーリング(化学薬品を塗って膿の排出を促す方法)や漢方薬などの選択肢もあります。

また、ニキビ跡ができた場合はニキビ跡に対する治療を行うこともあります。

むやみにいじらない

つぶして膿を出したくなりますが、これは絶対にやめましょう。つぶすとへこんだニキビ跡(クレーター)になってしまうことがあり、こうなると治療で簡単に治すことはできません。

つぶしてしまったら抗菌薬の塗り薬を塗る

黄ニキビをつぶしてしまうと、雑菌が入って症状が悪化する可能性があります。そのため、もしうっかりつぶしてしまったらできるだけ触らないようにして、清潔を保ちましょう。

抗菌薬の塗り薬が必要になることもあるため、できれば医療機関を受診するとよいでしょう。

肌を清潔に保つ

黄ニキビはセルフケアで治すことが難しいとはいえ、悪化を防ぐためにも日常生活の中でさまざまなことに注意が必要です。

まず大事なことが、肌を清潔に保つこと。そのために、正しい方法で洗顔を行いましょう。洗顔前は手を洗い、きれいな手で洗顔します。低刺激の洗顔料をよく泡立てて、こすらずに優しく洗うことが大切です。さらに、30~37℃程度のぬるま湯で、すすぎ残しがないように丁寧にすすぎます。最後にタオルで優しく押さえて水分をオフしましょう。

ただし、洗顔のやりすぎは肌の刺激や乾燥につながるため、日本皮膚科学会は1日2回の洗顔を推奨しています。

適切なスキンケアをする

乾燥すると肌のバリア機能が低下したり、余計に皮脂が分泌されたりするため、保湿をしっかりすることが大切です。

ただし、黄ニキビができているときは、肌が弱っているため、普段のスキンケア用品が肌に合わなくなることがあります。ヒリヒリした感じがあったり、ニキビが悪化したりするような場合は、スキンケア用品を変えることも検討しましょう。ノンコメドジェニック(ニキビのもとができづらいようにつくられた製品)のスキンケア用品も選択肢の一つです。

また、ふき取り化粧水やアルコール配合のスキンケア用品は肌の刺激となるため控えましょう。

紫外線を避ける

紫外線は肌のバリア機能低下や乾燥につながり、毛穴の詰まりや皮脂分泌の増加の原因となります。そのため、日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線対策をしましょう。ただし、日焼け止めが肌の刺激になることがあるため、低刺激のものや、紫外線吸収剤不使用のものを選ぶとよいでしょう。

メイクで肌に負担をかけない

ファンデーションの厚塗りは、毛穴が詰まったり、肌の負担になったりすることがあります。さらに、厚塗りをするとクレンジングの時に余計な負担がかかってしまいます。

そのため、下地やファンデーションは薄めに塗り、ポイントメイクに力を入れるとよいでしょう。目元や口元のメイクをはっきりさせると、ニキビから目線をそらす効果も期待できます。また、ニキビケアをうたっている化粧品を選ぶのもよいでしょう。

規則正しい生活を心がける

十分な睡眠、栄養バランスのとれた食生活、ストレスを溜めないなど、日々の生活にも注意しましょう。皮脂分泌につながる高脂質・高カロリーな食事を避け、健康な肌に欠かせないビタミンや、便秘解消のための食物繊維をしっかり摂るとよいとされています。

黄ニキビは早めのケア・治療が大事!

黄ニキビは重度の炎症を伴っているため、セルフケアだけで治すことは難しいとされています。そのため、黄ニキビになる前に、ケアや治療をして黄ニキビを防ぐことが大事です。もし黄ニキビができてしまったら、早めに受診して適切な治療を受けるとよいでしょう。

クリニックフォアでは、オンライン診療でニキビ治療を行っています。塗り薬や飲み薬の処方以外に、ニキビ向けスキンケア用品も取り扱っています。診察はオンライン、薬などは自宅まで配送するため、忙しい方でもすぐにニキビ治療が始められます。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「ケミカルピーリング」,皮膚科Q&A