赤ニキビってどんなニキビ? 原因・予防・対処法も詳しく解説!

炎症を起こした赤ニキビは見た目に大きく影響したり、痛みを伴うことがあったりするため、一刻も早く治したいですよね。この記事では、やっかいな赤ニキビについて詳しく解説。赤ニキビとはどのような状態のものなのかや、原因、予防・対処法、治療法などについて紹介します。

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赤ニキビは炎症を起こして腫れたもの

ニキビは、毛穴が皮脂や汚れなどでつまるところから始まります。赤ニキビはそこからさらに進行し、アクネ菌が繁殖して炎症を起こして腫れている状態であり、痛みやかゆみを伴うこともあります。

さらに悪化すると、化膿して膿を持った黄ニキビに進行する事もあります。場合によってはニキビ跡になってしまうこともあるため、早めのケアが大事です。

赤ニキビができやすい場所とその特徴とは?

赤ニキビができやすいのは、Tゾーン(額、眉間や鼻の周りなど)、Uゾーン(口周り、顎周り)、首、頬などです。その主な理由は以下の通りです。

・Tゾーン:皮脂の量が多く、前髪の刺激も原因となります。

・Uゾーン、首など:外部からの刺激を受けやすい場所であり、最近では、マスクの刺激も大きな原因となっています。また、ホルモンバランスの乱れや乾燥による大人ニキビもできやすいです。

・頬:寝具や髪の毛、ほおづえなどで汚れたり、刺激を受けたりしやすいです。

赤ニキビができる原因はアクネ菌と皮脂

赤ニキビの主な原因は、皮脂の増加によるアクネ菌の繁殖だとされています。上の図のように、毛穴がつまり、皮脂が外に出られなくなると白ニキビ(コメド、面皰(めんぽう))になります。コメドの中は、皮脂をエサとするアクネ菌にとって快適な環境なので、アクネ菌が増え、これに対抗しようと免疫機能が働き、好中球(白血球の一種)などによって炎症が起きます。この状態が赤ニキビです。

アクネ菌は普段から肌に存在する常在菌

アクネ菌はニキビの原因となる悪い菌なのかというと、それだけではありません。実はアクネ菌はどんな人の肌にも普段から存在している常在菌であり、肌を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を抑えるなどの役割を果たしています。

しかし、皮脂が多くなるとアクネ菌が繁殖して炎症が起こってしまいます。そのため、赤ニキビの予防や改善のためには、アクネ菌が繁殖する環境を作らない、つまり皮脂が過剰にならない状態を保つことが大事です。

皮脂が増加する原因とは?

皮脂分泌の増加には、乾燥、ホルモンバランスの乱れ、食生活などが関わっていると考えられます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

乾燥

油分はニキビの発生や悪化につながるイメージがあるため、できるだけ肌を乾燥状態にさせておきたいと考える方もいるでしょう。しかし、肌が乾燥すると、肌を守るために皮脂が過剰に分泌されてしまいます。肌には適度な水分と油分が必要なので、十分な保湿を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや生活習慣の乱れによるホルモンバランスの乱れも皮脂分泌の増加につながることがあります。特に女性は生理前に黄体ホルモンの分泌が増えることが影響します。黄体ホルモンは男性ホルモンと似た作用を持っているため、皮脂分泌が増えるとされています。

食生活

脂っこい食事やインスタント食品、甘いお菓子などを食べ過ぎると、過剰に皮脂が分泌されるという説があります。しかし、医学的には、特定の食品がニキビに影響するかは結論が出ていない状況なので、基本的には栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。

赤ニキビの予防・対処法

赤ニキビはすでに炎症を起こしているため、セルフケアだけで治すことはせず、早めに皮膚科で治療を受けたほうがよいでしょう。また、ニキビの改善や予防のためにも、治療と並行して以下のようなセルフケアを心がけましょう。

洗顔で皮脂を除去する

ニキビがあるときは、しっかり洗顔をして皮脂を取り除き、清潔にすることが大事です。メイクや日焼け止めを塗った日は、クレンジングも忘れずに行いましょう。

ただし、洗いすぎは肌の刺激になったり、必要な皮脂までなくなってしまい、乾燥して余計に皮脂が分泌されたりするため注意が必要です。日本皮膚科学会によると、洗顔は1日2回が推奨されているため、何度も洗顔するのは控えましょう。

また、洗顔料は十分に泡立てて、強くこすらずなでるようにやさしく洗います。スクラブ入り洗顔料の是非ははっきりしていませんが、刺激になることがあるため、肌に合わないと感じたらスクラブ入りはやめて、低刺激なものに変えるとよいでしょう。

洗った後はすすぎ残しがないように、少しぬるめ(30〜37℃)のお湯を手でかけてすすぎます。シャワーを直接当てたり、熱いお湯を使ったりすると乾燥につながるため注意してください。

十分な保湿で乾燥対策する

乾燥は余計な皮脂分泌の原因となるだけでなく、肌のバリア機能の低下、ターンオーバーの乱れなどにもつながります。バリア機能が低下すると肌を守るために角質が増え、ターンオーバーが乱れると剥がれ落ちるはずの角質が肌に残ってしまい、毛穴が閉じることがあります。

そのため、化粧水と乳液でしっかり保湿する必要があります。特に洗顔後は、肌に残った水分が蒸発すると同時に肌の水分も一緒に蒸発してしまうため、放置しておくと洗顔前よりも乾燥する可能性があります。洗顔後はすぐに保湿するようにしましょう。

保湿には、低刺激のものや、ノンコメドジェニック(ニキビができにくい設計になっているもの)のスキンケア用品を選ぶとよいでしょう。

UVケアをする

紫外線をたくさん浴びると、肌のバリア機能低下や乾燥につながることがあります。そのため、日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線対策をしっかりしましょう。日焼け止めは、紫外線吸収剤が入っていない低刺激のものを選ぶとよいでしょう。

メイクの厚塗りを避ける

メイクの油分が肌の負担になったり、メイクが毛穴をふさいでしまったりするほか、落とすときにも肌に余計な負担がかかるため、厚塗りはよくありません。メイクは薄めを心がけましょう。

また、口元や目元のメイクをしっかりめにするなど、ポイントメイクに力を入れると、ニキビから目線をそらしつつ、肌への負担軽減にもなるためおすすめです。もちろん、メイクをしたら必ずクレンジングをしてください。

物理的な刺激を避ける

皮膚は刺激を受けると、皮膚を守るために角質が硬く厚くなります。すると毛穴が縮み、ニキビにつながることがあります。また、指などで触れることで雑菌が付着し、ニキビの発生や悪化の原因となることもあるため、以下のような刺激に注意しましょう。

ニキビをいじらない

赤ニキビをいじると炎症がひどくなったり、別の感染症につながったりする可能性があります。ニキビの治りが遅くなる、跡になるなどのリスクもあるため、むやみに触ったりつぶしたりするのはやめましょう。

髪の毛やマスクによる刺激を避ける

髪の毛やマスクが刺激になってニキビができたり、悪化したりすることもあります。自宅にいるときだけでもいいので、前髪を分けたり、髪を束ねたりするなどの対策をしましょう。また、マスクは柔らかい素材のものを選び、こまめに交換して清潔なものを使いましょう。

生活習慣を改善する

不規則な生活、睡眠不足、食生活の乱れ、ストレス、過度な飲酒などは、肌のバリア機能低下やホルモンバランスの乱れなどにつながります。

さらに、これらの生活習慣の乱れは肝機能の低下にもつながるとされています。肝臓は体内の老廃物や毒素を無毒化する役割がある臓器なので、肝機能が低下すると老廃物が毛穴につまり、ニキビにつながる可能性があるのです。

以上のことから、規則正しい生活、十分な睡眠、栄養バランスのよい食事、ストレス解消などを心がけましょう。

赤ニキビの治療法

赤ニキビはすでに炎症が起こっている状態なので、皮膚科で早めに治療を受けたほうがよいと考えられます。

皮膚科では、毛穴のつまりを取り除く塗り薬と、抗菌薬の塗り薬、飲み薬などで治療をすることが一般的です。赤ニキビの場合は、アクネ菌の繁殖を抑える必要があるため、抗菌薬が治療の中心となります。

そのほか、ケミカルピーリング(薬品を塗って毛穴につまった角質や膿を排出する治療法)や漢方薬などの選択肢もあります。また、ニキビが治まった状態を維持するための治療や、ニキビ跡に対する治療も受けることができます。

クリニックフォアでは、オンラインでニキビ治療を行っています。オンラインで診察したあと、薬を自宅まで配送します。忙しい方や受診のハードルが高いと感じている方でも受診しやすいシステムとなっています。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「ケミカルピーリング」,皮膚科Q&A