クレーターのニキビ跡の種類・原因・対処法とは? 予防法も解説!

ニキビの炎症が悪化するとニキビ跡になることがあります。ニキビ跡にはクレーター、赤み、シミのような色素沈着、ケロイドなどいくつか種類がありますが、とくに肌に凹凸ができるクレーターは気になる方が多いでしょう。そこで今回は、クレーターのニキビ跡の種類や原因、対処法や予防法などについて解説します。

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クレーターのニキビ跡とは?

クレーターのニキビ跡とは、皮膚の奥の真皮までニキビの炎症が影響したことが原因で、肌に凹凸ができてしまった状態のことです。正式には萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)や陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)と呼ばれており、重症化したニキビの炎症がある程度落ち着いてきたころに現れることがあるものです。

クレーターのニキビ跡にも治療法はありますが、皮膚が硬くなっている場合、もとの肌質に戻すのは難しいことが多いです。

クレーターのニキビ跡の種類

クレーターのニキビ跡は、凹みの状態によってボックス型、アイスピック型、ローリング型などに分類されます。

ボックス型とは、皮膚が垂直に凹んでおり、凹みの辺縁がはっきりしたニキビ跡のことです。大きさはさまざまで、クレーターのニキビ跡としては多いタイプです。アイスピック型は、アイスピックで刺したような小さく細かいクレーターのニキビ跡をさします。見た目が小さいため、ほかのタイプより軽症と思う人もいるかもしれません。しかし、実際には真皮の奥の深いところまで到達している重症のニキビ跡であり、治療がむずかしいタイプです。

また、ローリング型は、緩やかにくぼんでいて角がない、直径が4〜5ミリ以上のニキビ跡のことです。クレーターの底が癒着で引っ張られて皮膚が凹んでいるため、ひきつれたように見えることもあります。

クレーターのニキビ跡ができる原因は?

クレーターのニキビ跡ができてしまう原因は、ニキビによって真皮層がダメージを受けることです。

皮脂が過剰に分泌されて、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖すると、皮膚に炎症が起こって皮膚組織が破壊されます。そのまま放置し症状が進むと、真皮層まで破壊されてしまうのです。

真皮層は表皮(皮膚の1番外側)とは異なり、ターンオーバーによって生まれ変わることがありません。そのため、炎症が落ち着いてもダメージが残り、クレーターになることがあります。

また、ニキビが原因で毛穴周辺の組織が破壊されると、皮膚を修復するためにたくさんのコラーゲンが生成されます。その結果、皮膚に癒着が起こってクレーターになることもあります。

ニキビの症状が悪化するほど真皮がダメージを受け、クレーターになりやすくなるため、ニキビができたら早めにケアや治療をすることが大切です。

クレーターのニキビ跡の対処法・治療法

真皮へのダメージが原因で起こるクレーターのニキビ跡は、セルフケアで治すのが難しい肌トラブルです。自然治癒する可能性も低いため、クレーターのニキビ跡が気になったら、早めに皮膚科や美容皮膚科で治療を受けたほうがよいでしょう。治療法としては、以下のようなものが挙げられます。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、皮膚に薬剤を塗って古い角質を除去し、ニキビ跡や肌荒れ、毛穴の黒ずみなどの改善を目指す治療法です。

ニキビ治療ガイドラインでは、クレーターのニキビ跡の治療にトリクロロ酢酸や高濃度グリコール酸を用いたケミカルピーリングを行ってもよいとされています。

  • トリクロロ酢酸:水に溶けやすい強酸性の薬剤。角質を剥離させて皮膚の再生力を高める。
  • グリコール酸:パイナップルなどに含まれる天然由来のフルーツ酸。角質を剥がれやすくして皮膚に弾力を与える

マッサージピール(コラーゲンピール)

マッサージピール(コラーゲンピール)とは、高濃度トリクロロ酢酸、低濃度過酸化水素、コウジ酸が配合された薬剤を使用するピーリングです。

  • 過酸化水素:トリクロロ酢酸より早く皮膚に浸透して皮膚を保護する。
  • コウジ酸:コウジ菌の発酵によってできる成分。シミやそばかすの原因となるメラニンを生成する酵素の働きを抑制する。

マッサージピール(コラーゲンピール)は通常のケミカルピーリングとは異なり、真皮層まで働きかけて、コラーゲンの生成を促すとされています。主にローリング型、ボックス型のクレーターのニキビ跡の治療で用いられます。

成長因子注射

成長因子注射とは、細胞の増殖や成長ホルモンの分泌に関わるタンパク質の一種(成長因子)を注射し、皮膚組織の再生を促す治療法です。

ヒアルロン酸注射などのように薬剤で隙間を埋めるのではなく、皮膚のコラーゲンを増成させて修復します。主にボックス型のクレーターのニキビ跡の治療で用いられます。

ダーマペン

ダーマペンとは髪の毛よりも細い針を肌に当てて、肌にごく小さな穴を一時的に作り、肌の回復力を向上させる治療法です。コラーゲンやエラスチンが増成され、肌の弾力がアップします。ダーマペンは症状が重いアイスピック型のクレーターのニキビ跡にも効果が期待できるとされています。

CO2フラクショナルレーザー

CO2フラクショナルレーザーとは、レーザーによって表皮に小さな穴をあけ、そこに成長因子などを浸透させることで皮膚の再生やターンオーバーを促す治療法です。皮膚が再生する際にコラーゲンが生成されるため、アイスピック型のクレーターのニキビ跡の改善も期待できます。

フィラー注射

フィラー注射とは、皮膚の内部にヒアルロン酸を注入して、皮膚を持ち上げてハリを出す治療法です。ニキビ治療ガイドラインでは、クレーターのニキビ跡を改善するために、コラーゲンやヒアルロン酸の注射を行ってもよいとされています。

クレーターのニキビ跡が治るまでの期間

クレーターのニキビ跡は、一度できてしまうと完全に治すのは難しく、治療後も跡が残る可能性があります。しかし、きちんと治療すれば、目立たなくなっていくでしょう。真皮がダメージを負っているため治療には最低でも3カ月、長ければ数年かかる可能性があります。

クレーターのニキビ跡を隠すメイク方法

クレーターのニキビ跡は、セルフケアでは改善しません。また、治療後も多少跡が残る可能性がありますが、メイクを工夫して隠すことはできます。クレーターのニキビ跡を隠すメイクのポイントは、以下の通りです。

  • 薄付きのリキッドファンデーションを下地として使う
  • ニキビ跡にコンシーラーを重ね塗りする
  • 仕上げにファンデーション、またはフェイスパウダーを押し当てるようにしてつける
  • チークはマット系のものを使う

下地のリキッドファンデーションは、クレーター部分に多めに塗るようにしましょう。ニキビ跡に使うコンシーラーは、ファンデーションよりも1トーン明るめのものにすると自然に仕上がります。

コンシーラーを塗ったあともクレーターが気になる場合は、さらにリキッドファンデーションを重ねても構いません。ダークカラーやパール入りの光沢が出るチークを使うと、クレーターが目立つことがあるので、使用は避けたほうがよいでしょう。

ただし、ニキビ跡を目立たなくするためにはリキッドファンデーションやコンシーラーを重ねる必要がありますが、メイクが厚すぎるとニキビの発生・悪化につながる可能性があります。そのため、ニキビができやすい場合やすでにニキビが発生している場合は、悪化するのを避けるためにもファンデーションなどを濃く塗り過ぎないようにしましょう。

クレーターのニキビ跡の予防法

クレーターのニキビ跡は改善が難しいため、そもそもクレーターができないようにすることが重要です。クレーターのニキビ跡の予防方法を知っておきましょう。

ニキビができたら早めに対処する

クレーターのニキビ跡はニキビが悪化した結果できるものなので、ニキビができたら早めに対処し、悪化させないようにすることが重要です。

皮脂などが毛穴に詰まってできる初期のニキビ(白ニキビ)の段階では、まだ炎症が起きていないため、ここでしっかり治せばクレーターのニキビ跡になることはほぼありません。

皮膚科では白ニキビでも治療が受けられるので、悪化する前に治療を始めましょう。生活習慣の改善や丁寧なスキンケアなど、自分で基本的なニキビケアを行うことも大切です。

ニキビができたらいじらない

ニキビを手で触るなどして不衛生な状態にしたり、気になるからとつぶして刺激を与えたりすると、ニキビが炎症を起こしやすくなります。

炎症が長引くとクレーターのニキビ跡になりやすくなるので、ニキビを触ったりつぶしたりするのは避けましょう。

クリニックフォアではオンライン診療でニキビ治療を行っています。クレーターを予防するためにも、ニキビができたら、ぜひオンライン診療を受けてみてください。

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