ニキビがかゆい原因と対処法は? ニキビではない可能性もあるので注意!

一つでもできると見た目にも影響を与えるニキビ。それだけでなく、時にはかゆみを伴うニキビができることも。しかし、かゆいからといってかいてしまうと余計に悪化することもあるので注意が必要です。この記事では、かゆいニキビの原因や対処法を詳しく解説。ニキビがかゆい時の参考にしてみてください。

かゆいニキビの原因は?

ニキビがかゆい原因は、乾燥や炎症、顔ダニのほか、実はニキビではない可能性も考えられます。詳しく見ていきましょう。

乾燥

ニキビがかゆい場合は、乾燥が原因であることが多いです。乾燥すると肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい敏感な状態になるため、かゆみが生じやすくなるのです。

炎症

ニキビのしくみ

炎症を起こした赤ニキビや、さらに進行して膿を持った黄ニキビがかゆい場合、かゆみの原因は炎症にある可能性があります。

毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖して炎症を起こすと赤くはれたニキビになるのですが、毛穴で炎症が起きると、肥満細胞という免疫細胞がヒスタミンという物質を分泌します。そして、ヒスタミンがかゆみに反応する神経に作用することで、かゆみが生じます。

また、アレルギー体質の場合はちょっとした刺激でヒスタミンが分泌され、炎症がなくてもかゆみにつながることがあります。

顔ダニ

顔ダニはどんな人の顔にも存在し、顔全体に200万匹いるとされています。通常は顔ダニがいても問題ありませんが、皮脂をエサに増殖すると、増えた顔ダニや顔ダニの死骸に対するアレルギー反応が起き、かゆみが生じる可能性があります。

ニキビができる状態の肌は皮脂が多いことがよくあるため、顔ダニの増殖に適した環境になっていることが多いです。また、顔ダニが増えると、顔ダニの死骸や抜け殻が毛穴に詰まって、治すのが難しいニキビになることもあります。

ニキビ以外の肌トラブル

ニキビだと思っていたものが、実は別の肌トラブルだったという可能性もあります。間違いやすいものとして、例えば以下のような皮膚の病気があります。

  • あせも:汗をたくさんかくことで汗の排出が妨げられ、汗をかいた部分にかゆみのある小さくて赤い湿疹がたくさん現れる
  • じんま疹:主にアレルギーが原因となって、かゆみを伴う赤くくっきりとした盛り上がりが現れ、しばらくすると消える
  • 脂漏性(しろうせい)皮膚炎:皮脂の分泌が多い顔や頭皮などに、赤みや黄色っぽいフケが現れる
  • マラセチア毛包炎:マラセチアという菌によって毛根を包む毛包の中で炎症が起き、毛穴の赤みや、膿をもった盛り上がりが現れる

このような病気の可能性もあるため、適切な診断、治療を受けるためにも皮膚科を受診するとよいでしょう。

かゆいニキビの対処法とは?

ニキビがかゆいからといってかいてしまうと、ニキビの悪化やニキビ跡につながることもあります。そのため、かゆい時には以下のような適切な対応をとりましょう。

冷やす

冷やすとかゆみが治まることがあります。冷やしたタオルを固くしぼったり、保冷剤をタオルに包んだりしたもので優しく冷やしましょう。

ただし、効果は一時的なもので、根本的な改善には至らないことが多いです。

保湿する

かゆみの大きな原因である乾燥に対処するため、十分に保湿しましょう。洗顔後は化粧水と乳液でしっかり保湿することが大事です。

また、乾燥すると皮脂が過剰に分泌され、ニキビの原因になるため、ニキビ予防のためにも保湿は大切です。

スキンケアアイテムを見直す

ニキビができている肌はバリア機能が低下しており、普段使っているスキンケアアイテムが肌に合わなくなることもあります。これが原因でかゆみが生じることもあるため、低刺激のものや、敏感肌用のスキンケアアイテムに変えるのも一つの選択肢です。パラベンフリー、アルコールフリーなどは、低刺激であるか判断する一つの目安です。また、洗顔後に乾燥やツッパリ感がある場合は、洗顔料も見直してみましょう。

皮膚科で治療を受ける

ニキビのかゆみを改善するためには、皮膚科で治療を受けたほうがよいでしょう。ニキビ自体も皮膚科で治療が可能ですが、かゆみがある場合はヘパリン類似物質(ヒルドイド)、ジメチルイソプロピルアズレン(アズノール)、ステロイドなどの薬を使うこともあります。

また、前述の通りニキビではない可能性もあるため、適切な診断、治療を受けるためにも早めに皮膚科を受診することが大切です。

生活習慣を見直す

直接かゆみ改善につながる見込みは少ないですが、ニキビの予防や改善のためには生活習慣の改善が大事です。栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消、規則的な生活を心がけましょう。

ニキビがかゆい時にやってはいけないこと

ニキビがかゆい時は、絶対にかかないようにしましょう。かくと炎症が悪化して余計にかゆくなったり、肌が傷ついたり雑菌が入ったりすることでニキビの悪化やニキビ跡につながったりすることがあります。

そのため、かゆい時は冷やすなどの対処をし、保湿やスキンケアなどの見直しをしましょう。また、ニキビと似ている皮膚疾患の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診してください。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「にきび」,皮膚科Q&A