毛嚢炎とは?頭にもできることがある?原因・症状・対処法・予防法も詳しく紹介

「ニキビのようだけど、なんだかかゆい」「膿を持っていて痛い」、そんな症状があったら毛嚢炎かもしれません。毛嚢炎は皮膚疾患の一種で、ニキビに似ています。
この記事では、毛嚢炎の特徴やニキビとの違い、対処法などについて解説します。

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毛嚢炎の主な症状

まずは毛嚢炎の主な症状や原因を紹介します。初期の状態が似ているニキビとの違いも知っておきましょう。

かゆみや痛みを伴う赤いブツブツ

毛嚢炎は毛包炎とも呼ばれます。毛穴の奥の毛根を包み込んでいる部分(毛嚢・毛包)の浅い層で起きる炎症です。

主な症状は、毛穴のあるところにできる赤いブツブツ(丘疹)や中心に膿を持ったできもの(膿疱)です。多くの場合、かゆみや圧痛、ピリピリした痛みを伴います。

1個だけぽつんとできる、一度に複数個できるなど、表れ方はさまざまです。

悪化するとしこりや強い痛みが!

毛嚢炎は軽いものなら数日で自然に治ります。しかし、悪化すると毛穴の深い部分まで炎症が広がり、膿がたまってしこりになります。癤(せつ)と呼ばれる状態です。「おでき」と言えば分かりやすいでしょう。腫れや痛みが主な症状です。また、癤のうち、顔の中心部にできたものを特に「面疔(めんちょう)」と言います。

さらに進行して、隣り合った複数の毛穴(毛包)に炎症が広がった状態が「よう」です。「よう」になると強い痛みや発熱、倦怠感などが表れます。

毛嚢炎とニキビは違う?

毛嚢炎とニキビは、見た目がよく似ています。そのため、毛嚢炎にニキビのお薬を塗ってしまう方もいるかもしれません。

実はニキビも毛嚢炎の一種です。しかし、ニキビは皮脂によって毛穴が詰まり、アクネ菌が繁殖することで起こります。毛嚢炎とは原因菌が異なるため、別の皮膚疾患とされています。

毛嚢炎はなぜできる?

毛嚢炎が毛穴の炎症であることは分かりました。では、なぜ炎症が起きるのでしょうか?ここからは、毛嚢炎になる原因や、菌が侵入する理由を解説します。

細菌が侵入して毛穴が炎症を起こす

毛嚢炎は細菌感染症の一種で、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌といった皮膚の常在菌によって起こります。常在菌は皮膚を健康に保つ働きがありますが、炎症を引き起こすこともあるのです。

毛嚢炎のうち、マラセチアという真菌によって起こるものをマラセチア毛包炎といいます。マラセチアもやはり常在菌の一つです。

また、衛生管理が十分でない入浴施設やプールで、緑膿菌に感染して起こる温浴毛包炎もあります。

いずれも自己処理による脱毛や掻きむしり、乾燥などによって皮膚表面にできた傷から、細菌が侵入することが原因です。

毛嚢炎ができるのはどんな時?

人間の皮膚には、外部からの異物の侵入を防いだり、刺激から保護したりするバリア機能が備わっています。皮膚表面を弱酸性に保ち、細菌が繁殖するのを防いでいるのも、その働きの一つです。

しかし、ストレスや生活習慣の乱れ、剃毛や脱毛などの外からの刺激によってバリア機能が低下すると、炎症が起こりやすくなります。本来、皮膚表面を健やかに保つ常在菌も、過剰に繁殖すれば毛嚢炎をはじめとする炎症につながりかねないのです。

毛嚢炎ができやすい部位

毛嚢炎は、毛穴のあるところならどこにでもできる可能性があります。

特に顔や胸、背中など皮脂分泌の活発な部位や、臀部やVIO、脇、太ももといった蒸れやすい部位にできる傾向があります。また、意外かもしれませんが、頭皮も毛嚢炎のできやすい部位の一つです。

服や下着で締めつけたり、擦れたりする部位にも注意しましょう。気づかないうちに傷がつく恐れがあるためです。

毛嚢炎を早く治すための対処法

毛嚢炎は軽いものなら、特別な治療は必要ありません。数日でよくなりますが、できるだけ早く治したい方もいるでしょう。ここからは、悪化させない方法と併せて、症状を改善するポイントを紹介します。

潰したり刺激したりしない

毛嚢炎をつぶすのは厳禁です。つぶした傷からさらに細菌が入り込んで、悪化する恐れがあります。なるべく触らないようにしましょう。

また、刺激を与えるのもよくありません。入浴時にゴシゴシ擦って洗ったり、タオルで強く拭いたりしないよう注意してください。

毛嚢炎ができている時は、患部周辺のムダ毛の自己処理も避けた方が無難です。衣類や肌着も、皮膚への摩擦が少ないものを選ぶなど、刺激を与えないことを第一に考えましょう。

皮膚を清潔に保ちしっかり保湿する

毛嚢炎の予防や対処には、皮膚を清潔に保つことが大切です。

汗をかいた時は、清潔なタオルでそっと押さえます。力を入れて拭き取ると、皮膚への刺激になるためです。

顔や体は優しく洗い、洗顔や入浴の後は保湿をしっかりしましょう。水分と適度な油分を補うことで、乾燥を防げます。すでに毛嚢炎ができている場合は、刺激の少ないスキンケア用品がおすすめです。

また、衣類や肌着だけでなく、パジャマやシーツなどの寝具も小まめな交換を心がけましょう。タオルの共有も避けた方が無難です。

生活習慣を見直す

毛嚢炎をはじめとする皮膚のトラブルは、バリア機能が低下しているためかもしれません。不規則な生活やストレスは、ホルモンバランスの乱れにつながります。その結果、皮脂分泌が過剰になり、バリア機能が正常に働かなくなる恐れがあるのです。

バリア機能が低下すると、常在菌などの細菌が侵入・繁殖して炎症が起こりやすくなります。皮膚のトラブルが起きた時は、日頃の生活や食事などを見直してみましょう。

毛嚢炎を繰り返さないための予防法

毛嚢炎は一度治っても、条件が揃えばまた起こる可能性のある皮膚疾患です。毛嚢炎を繰り返さないために、知っておきたい予防法を紹介します。

スキンケアは丁寧に

肌が乾燥していると少しの刺激でも傷がつきやすくなります。顔だけでなく、体の保湿も習慣づけましょう。肌のバリア機能を整えるのにも効果的です。

化粧水などの基礎化粧品や保湿剤は手で丁寧になじませます。手についた水分を移すイメージで、何回にも分けて押さえるようにするのがポイントです。コットンを使う場合は、たっぷり化粧水などを含ませ、擦らないようにします。

特にムダ毛処理をした後は、保湿だけでなく、紫外線対策も必須です。

皮膚を刺激しすぎない

清潔第一といっても、洗いすぎもよくありません。体に必要な皮脂まで落ちてしまうためです。皮脂不足は乾燥やバリア機能の低下も招きます。清潔にしようとしたことが、逆効果になりかねないのです。

また、擦りすぎによって毛嚢炎がつぶれたり、皮膚に新たな傷がついたりする恐れもあります。洗顔や入浴の際には、刺激しないよう気をつけましょう。

衣類や肌着も、皮膚に負担のかかりにくい綿などの天然素材がおすすめです。

ムダ毛の自己処理は適切に

ムダ毛の自己処理には注意が必要です。皮膚に傷がつくと毛嚢炎につながる可能性があります。脱毛方法や使用する器具、衛生面、脱毛後の保湿に気をつけましょう。

疲れている時や、体調がよくない時に自己処理をするのもおすすめできません。免疫力や肌のバリア機能も低下しており、皮膚のトラブルを起こしやすくなっているためです。

解消しておきたい毛嚢炎の疑問

「毛嚢炎の症状や原因は分かったけど、なぜ何度もできるの?」「皮膚科に行かないとだめ?」など、毛嚢炎に関する疑問を持つ方も多いでしょう。そこで、よく聞かれる内容と回答をまとめました。

毛嚢炎が何度もできるのはなぜ?

毛嚢炎を繰り返す方は、スキンケア用品が肌に合っていない可能性があります。例えば、皮脂分泌の多い方が油分の多いクリームを使うなど、肌タイプに合わないスキンケア用品を使っていると肌トラブルにつながりやすいのです。

また、生活習慣の乱れも毛嚢炎を繰り返す原因の一つとされます。睡眠不足や偏った食事、ストレスなどによる皮膚のバリア機能低下やターンオーバーの乱れにつながります。その結果、細菌が侵入・繁殖しやすくなり、毛嚢炎が起きるのです。

毛嚢炎は市販薬で治せる?

毛嚢炎は軽いものなら抗菌成分配合の市販薬で治療が可能です。ただし、改善が見られない場合や、悪化してきた場合は医療機関を受診しましょう。特に腫れや痛みがある時は、早めに医師の診察を受けたほうがよいでしょう。

症状が長引くことで、色素沈着など跡が残るリスクもあるためです。

毛嚢炎で抜け毛が増えることはある?

毛嚢炎そのものが理由で抜け毛が増えることはありません。

しかし、毛嚢炎ができるような頭皮の状態が、抜け毛につながることは考えられます。普段から頭皮を清潔に保つことを心がけ、傷やかぶれがある時は刺激しないようにしましょう。

爪を立ててシャンプーしたり、力を入れてブラッシングをしたりするのも厳禁です。

毛嚢炎の悩みはクリニックフォアへ

赤みやかゆみ、ピリピリした痛みを伴うできものは、毛嚢炎を疑いましょう。適切な治療をすれば跡を残さず治すことも可能です。

クリニックフォアでは、オンライン保険診療の皮膚科で毛嚢炎の診察が可能です。処方されたお薬の配送も行っていますので、忙しい方や近くに皮膚科のない方でも受診しやすくなっています。

また、クリニックフォアでは薄毛のオンライン診療にも対応しています。毛嚢炎ができていて、頭皮や髪の毛の状態が気になる方もご受診ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※自由診療
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

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