冬になるとインフルエンザも流行しますが、風邪が流行するシーズンでもあります。
今、自分に起こっている症状はインフルエンザによるものか、風邪によるものかを見分ける方法について詳しく解説していきます。
インフルエンザと風邪の違いは?
インフルエンザも風邪も、ウイルスによって症状が出現します。インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症しますが、風邪は主にライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなどが原因ウイルスとなります。ちなみにここでご紹介するコロナウイルスと新型コロナウイルスは異なります。
インフルエンザの症状は、38度を超える高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で改善していきます。
風邪は、感染するウイルスによって症状が異なります。鼻水や鼻づまり、のどの痛みといった症状が主になります。他にも咳、発熱、頭痛、筋肉痛、下痢、嘔吐などの症状が出現します。
風邪とインフルエンザの決定的な違いは、発熱です。インフルエンザの場合には38度を超える高熱が出るのに対して、風邪の場合は38度の高熱が出ることが稀で、37度台の微熱で済むこともあります。また、インフルエンザは、発熱から始まり、一連の症状をたどっていきますが、風邪については発熱もなく、ただの体調不良で終わってしまうこともあります。ここが大きな違いといえます。
また、経過についても違いがあります。インフルエンザは1週間かけて経過していくのに対して風邪は、早ければ4日程度で改善し、平均して1週間程度で完治することが多いです。風邪による発熱の場合、熱は3日以上続かないという特徴もあります。
もう1つの大きな違いは、発症からの経過です。インフルエンザの場合には急激かつ短期間で症状が出現しますが、風邪については1日ごとにゆっくりと症状が出てくることもあります。
インフルエンザと風邪はいつ流行するの?
風邪については、原因となりうるウイルスがたくさんあるため、1年中かかる可能性があります。ですが、風邪の原因ウイルスは特に冬に流行するタイプのウイルスが多いため、冬に風邪をひく方が多い傾向にあります。
一方インフルエンザはA型であってもB型であっても毎年11月下旬から12月上旬頃に感染者が出てき始め、翌年の1~3月頃に患者数が最も増加してピークを迎え、4~5月にかけて減少していくパターンが多く、こちらもやはり冬場が流行シーズンであるといえます。
流行シーズンが同じだからこそ、インフルエンザと風邪のどちらにかかっているのかを見分けることが難しいのかもしれません。また、インフルエンザはあくまで平均的なデータとなり、このデータ以外の時期にも流行することがあります。
インフルエンザと風邪は治療法も違うの?
インフルエンザの場合は感染したことが検査で分かれば、抗インフルエンザ薬を使用しつつ対処療法で経過を見ます。
一方、風邪については、どのウイルスに感染しているかを逐一病院で検査するということはありません。そのため、風邪の抗ウイルス薬はなく、対処療法のみが治療方法となります。
また、インフルエンザについては第2種の感染症に定められており、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで出席停止とされています。学校に通っている方だけでなく、仕事をされている方も職業によってはこの法律に則って欠勤させるところもあります。
ですが、風邪については、風邪を引いたら何日休む、あるいは休まずに活動をするというのは、法的な決まりがないため本人の判断にゆだねられます。基本的には風邪もウイルス感染症のため、ゆっくりと休養を取られることがおすすめですが、熱が下がったら、あるいは自分の体調が良好になったタイミングから薬を服用しながら、仕事や学校に行く方が多く見受けられます。この治療期間中の過ごし方についてもインフルエンザと風邪は異なります。
インフルエンザと風邪に共通していることは?
インフルエンザも風邪もウイルスによる感染症という点以外にも共通している点があります。それは、悪化すると命の危険にさらされる可能性があるということです。
インフルエンザも風邪も特に子供と高齢者においては抵抗力が弱いということもあり、気づいたら重症化していたというような例も多くあります。風邪の場合には肺炎や呼吸困難を併発する可能性があり、インフルエンザの場合には特に乳幼児の場合、インフルエンザ脳症となったり喘息になったりする可能性もあります。両者とも悪化をしないようにすることが重要です。
インフルエンザと風邪の予防法は違う?
インフルエンザも風邪も接触感染、飛沫感染が感染経路となるため、手洗いやマスクの着用、人混みを避けるなど予防方法は共通しています。特に冬になると乾燥によって咽頭の防御機能が低下してウイルスに感染しやすくなるため加湿も心掛けることが必要です。
インフルエンザと風邪の唯一異なる予防方法はワクチンの有無です。
インフルエンザにはワクチンがあるため、流行シーズン前に接種をしておくことで健康な65歳以下の方のインフルエンザの発病割合を70〜90%減少させることができ、かつ重症化を予防することができます。ですが、風邪については特定のウイルス感染ではないため、ワクチンはありません。そのため、手洗いなど自分でできる対策に講じて、感染を予防していくことが必要となります。高齢者や基礎疾患がある方は特に重症化する可能性があるためインフルエンザワクチンの接種が励行されています。
クリニックフォアではインフルエンザのワクチン接種を行なっております。クリニックフォアのホームページ(https://www.clinicfor.life/)からweb来院予約に進み、いずれかのクリニックを選び、予約をお取りください。
インフルエンザ薬の予防内服とは?
インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を予防目的で使用することです。
例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。
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監修:クリニックフォアグループ医師
参考文献
第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/01_kaze/
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu090828-02.pdf
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/10/dl/02-01-05.pdf
国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html日本調剤 https://www.nicho.co.jp/column/14239/