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小児科医が警鐘|インフルエンザで「急に走り出す」異常行動が増加中
インフルエンザが例年より早いペースで流行する中、厚生労働省は子どもがインフルエンザに感染した時は、発熱から2日間は特に注意が必要としています。
感染時の異常行動として次のような例を挙げています。
- 突然立ち上がって部屋から出ようとする
- 興奮して窓を開けベランダに出て飛び降りようとする
- 人に襲われる感覚を覚え、外に走り出す
- このような異常行動が確認された場合は、一人にしないことが重要です。
これは、インフルエンザにかかったときに「急に走り出す」「部屋から飛び出そうとする」などの異常行動が起こるリスクへの備えです。
ニュースでも、インフルエンザにかかった子どもがマンションから転落する事故が2025年11月に発生しました。
かつてはお薬の副作用とも疑われましたが、現在ではインフルエンザウイルス自体が脳に影響を与えることが原因と考えられています。厚生労働省も「少なくとも発熱から2日間は、保護者等が子どもを一人にしないよう配慮すること」を呼びかけています。
こうした事態を避けるには、インフルエンザの発症自体を防ぐことが有効です。ワクチン接種に加え、家族が感染した場合や受験・大事な仕事を控えている場合には、「予防投与」という選択肢があります。
インフルエンザの予防投与とは?
インフルエンザ予防投与とは、インフルエンザウイルス感染者と接触した方が、発症前に抗インフルエンザ薬を服用することで感染症の発症を防ぐ方法です[1]。
予防投与で処方されるお薬は、いずれも感染者との接触後48時間以内に服用を開始することが定められています。これは、ウイルスが体内で急速に増殖する時間を考慮したもので、早期の服用が発症抑制に重要とされているためです。
ただし、予防投与はワクチン接種の代わりになるものではありません[1]。ワクチン接種や感染予防対策の徹底に加え、感染リスクが高い状況での緊急的な発症防止策として位置づけられています。
予防投与で処方される主なお薬
インフルエンザの予防投与には、主に4種類の抗インフルエンザ薬が用いられます。それぞれ剤形(内服薬・吸入薬)や服用回数が異なるため、年齢やライフスタイルに合わせて選択できます[2][3][4][5]。
ただし、クリニックフォアでは予防薬として処方できるお薬が限られているため、注意しましょう。
| お薬の種類 | 剤形 | 服用方法 | 予防投与の対象年齢 |
| タミフル(オセルタミビル) | 内服薬(カプセル ・ドライシロップ) | 1日1回×10日間 | 1歳以上 |
| リレンザ(ザナミビル) | 吸入薬 | 1日1回×10日間 | 吸入可能な場合 |
| イナビル(ラニナミビル) | 吸入薬 | 単回吸入 | 吸入可能な場合 |
| ゾフルーザ(バロキサビル) | 内服薬(錠剤 ・顆粒) | 単回服用 | 体重20kg以上 |
内服薬は飲み込むだけで済むため子どもや高齢者にも服用しやすく、吸入薬は気道に直接届くという特徴があります。1回で完了するお薬を選べば、飲み忘れの心配がありません。
タミフル(オセルタミビル):新生児から使える標準的な内服薬
タミフル(オセルタミビル)は、2001年から国内で販売されている抗インフルエンザ薬で、予防投与においても長い実績があります[2]。
カプセル剤とドライシロップ剤の2種類があり、子どもの体重や年齢に応じて用量を調整できる点が特徴です。予防投与では、成人および13歳以上は1回75mgを1日1回、10日間服用します[2]。
イナビル・リレンザ:気道に直接届く吸入タイプ
イナビルとリレンザは、いずれも吸入によって気道に直接お薬を届ける抗インフルエンザ薬です。インフルエンザウイルスは主に気道で増殖するため、吸入薬は感染部位に効率よく作用します。
リレンザ(ザナミビル)は、1日1回10mg(2ブリスター)を10日間吸入します[3]。
イナビル(ラニナミビル)は10歳未満でも吸入可能ですが、やはり「吸入ができること」が前提条件となります。10歳以上の場合は40mg(2キット)を単回吸入するだけで、10日間の予防効果が期待できます[4]。
どちらの吸入薬も、正しく吸入できることが前提となるため、吸入操作が可能な年齢(目安として小学生以上)に適しています。
ゾフルーザ(バロキサビル):1回の服用で完了する新しい選択肢
ゾフルーザ(バロキサビル)は、2018年に治療薬として販売開始され、2020年11月にインフルエンザ予防投与の効能・効果が追加承認された抗インフルエンザ薬です[5]。
従来のお薬とは異なる「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害」という作用機序でウイルスの増殖を抑制します[5]。1回の経口投与で治療・予防が完結する点が大きなメリットです。
<予防投与の用量(体重別)>
| 対象 | 体重 | 用量 |
| 成人 ・12歳以上 | 80kg未満 | 40mg |
| 80kg以上 | 80mg | |
| 12歳未満の子ども | 20kg以上40kg未満 | 20mg |
| 40kg以上 | 40mg |
国内の臨床試験では、ゾフルーザ服用群の発症率は1.9%、プラセボ群は13.6%と、有意な発症抑制効果が確認されました[5]。忙しい方や服用管理が難しい方に適した選択肢です。
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タミフルなどを子どもの予防投与に利用できる?
子どもでも、抗インフルエンザ薬の予防投与を受けることが可能です。ただし、お薬の種類によって対象年齢や体重の条件が異なります。
| お薬の種類 | 予防投与の対象年齢 ・条件 |
| タミフル(オセルタミビル) | 1歳以上から服用可能[2] |
| イナビル(ラニナミビル) | 10歳以上が対象。吸入剤のため、吸入操作ができる5歳以上から服用可能なケースもあり[3] |
| ゾフルーザ(バロキサビル) | 12歳以上が基本。12歳未満は体重20kg以上で予防投与の適応あり[4] |
最も低年齢から利用できるお薬はタミフルで、1歳から予防投与が可能です[2]。
イナビルは吸入剤であるため、正しく吸入できる年齢が推奨されます[3]。
ゾフルーザは2020年に予防投与の適応が追加され、12歳未満の子どもでも体重20kg以上であれば予防投与が認められています[4]。
インフルエンザ予防内服薬の異常行動について
「子どもにインフルエンザ予防薬を服用させて、異常行動が出たらどうしよう」という不安を持つ保護者は少なくありません。
- タミフルなどの副作用と異常行動の関連性について
- 異常行動予防のための対処法
それぞれについて解説します。
タミフルなどの副作用と異常行動の関連性について
タミフル等の抗インフルエンザ薬と異常行動の因果関係については、2025年時点で明確な結論は出ていません。しかし、厚生労働省は予防的な観点から注意喚起をおこなっています。
厚生労働省の通知によると、10歳以上の未成年者については、因果関係は不明であるものの、お薬の服用後に異常行動が発現し、転落などの事故に至った例が報告されています[6]。このため、添付文書では以下の注意が記載されています。
- 10歳以上の未成年者の患者には、合併症やハイリスクと判断された場合を除き、原則として服用を差し控えること
- 子ども・未成年者については、治療開始後は異常行動の発現のおそれがあること
- 療養中は保護者等が一人にしないよう配慮すること
精神神経系の副作用としては、めまい、頭痛、不眠症のほか、激越、振戦、悪夢などが報告されています[2]。
異常行動予防のための対処法
インフルエンザの予防投与を受けた子どもや未成年者を見守る際は、以下の対処法を実践することで、万が一の事故を防ぐことができます[7]。
- 治療(予防投与)開始後、少なくとも2日間は保護者等が子ども・未成年者を一人にしないよう配慮する
- 異常行動の発現のおそれがあることを保護者・家族に説明する
- 自宅で療養する場合は、玄関や窓の施錠を確認する
- 窓に格子のある部屋がある場合はその部屋で寝かせる
- ベランダに面していない部屋で寝かせる
- 一戸建てにお住まいの場合はできる限り一階で寝かせる
厚生労働省の通知では、インフルエンザ罹患時にも同様の異常行動が報告されているため、お薬の服用の有無にかかわらず上記の対応が推奨されています[7]。
異常行動の具体例としては、意識障害、異常行動、幻覚、妄想、せん妄、けいれんなどが挙げられます[7]。これらの症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診してください。予防投与だからといって油断せず、治療時と同様の注意を払うことが大切です。
インフルエンザの予防内服薬のそれぞれの費用
インフルエンザの予防投与は保険適用外のため、自由診療となります。
クリニックフォアでは、インフルエンザの予防内服薬を処方することができますので、各お薬の費用を参考にしてください。
| お薬の種類 | 用量 | 価格(税込) |
| オセルタミビル(タミフル後発品) | 1日1回×10日分 | 8,250円 |
| イナビル(先発品) | 2容器で1回分 | 10,450円 |
| ゾフルーザ(先発品)※80kg未満 | 2錠で1回分 | 11,550円 |
| ゾフルーザ(先発品)※80kg以上 | 4錠で1回分 | 19,250円 |
※診察料:1,650円(税込)、配送料:550円(税込)がかかります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。
※検査が必要と判断した際には、対面診療をご案内する場合がございます。
<例>オセルタミビルを処方してもらう場合
お薬代8,250円+診察料1,650円+配送料550円=合計10,450円(税込)
1回の服用で完了するイナビルやゾフルーザは、お薬代は高めですが、1回きりで完結する点がメリットです。
インフルエンザ予防投与に関するよくある質問
インフルエンザの予防投与を検討する際、多くの方が気になる疑問にお答えします。
服用中に発症した場合の対応や、他のお薬との飲み合わせ、妊娠中・授乳中の方への投与について解説します。
予防投与中にインフルエンザを発症したらどうすればいいですか?
予防投与中にインフルエンザの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。予防投与はインフルエンザの発症リスクを大幅に下げますが、発症を防ぐ効果には個人差があります。
臨床試験では、タミフル予防投与群でも1.2~1.3%の方が発症しています[2]。予防投与中であっても、発熱やせきなどインフルエンザを疑う症状が現れた場合は、医師の判断により治療用量への切り替えが検討されます。
<発症時の対応ポイント>
- 症状が出たら速やかに医療機関を受診する
- 現在服用中のお薬と用量を医師に伝える
- 自己判断で用量を変更しない
予防投与と治療では用量が異なります。
例えばタミフルの場合、予防投与は1日1回75mgですが、治療では1日2回75mg(計150mg)となります[2]。医師の指示に従って適切な対応を取りましょう。
市販の風邪薬や解熱剤との飲み合わせは?
抗インフルエンザ薬と一般的な市販の風邪薬や解熱剤との間に、相互作用は報告されていません。
市販の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)については、添付文書上で特に禁忌とはされていません。ただし、お薬の種類によっては影響が生じる可能性もあるため、併用する場合は受診時に医師または薬剤師に相談してください。
授乳中や妊娠中でも予防投与はできますか?
妊娠中・授乳中の方への予防投与は、医師の判断のもとで行われる場合があります。
- 妊婦への投与:妊婦または妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与ができる場合がある
- 授乳婦への投与:治療の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討すること
妊娠中・授乳中の予防投与は禁止されているわけではありませんが、医師が慎重に判断したうえで処方されます。妊娠中の方や授乳中の方は、必ず医師にその旨を伝え、相談してください。
まとめ
この記事では、インフルエンザ予防投与について、効果的なタイミング、処方されるお薬の特徴、費用、そして子どもへの安心な服用について解説しました。
- タイミング: 感染者との接触後48時間以内に服用を開始することで、発症防止効果が期待できる
- お薬の種類: タミフル、イナビル、ゾフルーザなどがあり、年齢や服用回数(1回完結型など)に応じて選択可能
- 注意点: 原則として自由診療であり、子どもへの投与時は異常行動に備えて少なくとも2日間は見守りが必要
予防投与は、受験や仕事など「どうしても休めない」場面での有効な選択肢となります。
ただし、費用や副作用が起こる可能性もあるため、医師と相談のうえで納得して選択することが大切です。
クリニックフォアでは、インフルエンザの予防内服薬の処方をおこなっています。
周りにインフルエンザの方がいて、自分は発症するわけにはいかないという方、子どもの予防投与を考えている方は、オンライン診療で処方してもらい、流行に備えましょう。
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