インフルエンザのときに食べてはいけないものはある?
インフルエンザの際に「絶対に食べてはいけない食品」というものはありませんが、症状によっては避けたほうがよい食品はいくつかあります。
発熱や全身倦怠感が続くと、胃腸の働きが鈍くなり、通常であればスムーズに消化できるものでも負担を感じやすくなります。そのため、体調が回復するまでは、胃腸にやさしい食事を意識することが大切です[1]。
避けたほうがよい食品は、大きく分けて繊維が固い食品、脂肪の多い食品、刺激が強い食品の3種類に分類されます[2]。これらの食品は、胃腸の負担を増やし回復を遅らせることがあるため、体調が優れない間は控えるのが望ましいでしょう。
具体的な食品を種類ごとに紹介しますので、参考にしてみてください。
繊維が固い食品
- ごぼう
- たけのこ
- コーン
- 山菜
- きのこ
- こんにゃく類
- 海藻類 など
これらはよく噛んでも繊維が残りやすく、胃で分解しにくい特徴があります。とくに食欲が落ちているときには、咀嚼が不十分になりがちで負担が増します。
脂肪の多い食品
- バラ肉
- ベーコン
- うなぎ
- さば
- ぶりなどの脂身が多い魚
- 天ぷら
- フライなどの揚げ物
脂質は消化に時間がかかり、胃内に長く留まるため、気持ち悪さや胃もたれにつながる可能性があります。
刺激が強い食品
- 香辛料(辛子、カレー粉、わさび)
- 味が濃すぎるもの
- 熱すぎる・冷たすぎるもの
このような食品は、胃粘膜を刺激し吐き気や腹部の不快感を増幅させる可能性があります。
インフルエンザのときに飲まないほうがいいものはある?
先述のとおり、刺激が強い飲み物は避けたほうがよいでしょう。
「熱すぎる飲み物」や「冷たすぎる飲み物」も刺激物に分類されます。特にのどが炎症を起こしている場合、極端な温度の飲み物は痛みを強めることがあります。飲み物の温度は人肌程度が適切とされており、温かいスープや白湯などが飲みやすくおすすめです。
炭酸飲料は胃を膨らませて不快感を引き起こすことがありますが、人によっては水よりも飲みやすいと感じる場合もあります[3]。コーヒーやエナジードリンクなどのカフェイン飲料は、胃酸の分泌を促し、胃への刺激となるため控えましょう。
インフルエンザのときにおすすめの飲み物
インフルエンザにかかると発熱や発汗、下痢・嘔吐などによって体内の水分や電解質が失われやすくなります。
ご自身が飲みやすいものを選び、少しずつこまめに水分補給することが大切です。
<おすすめの飲み物>
- スポーツドリンク
- 経口補水液
- スープ類
- お茶(カフェインには利尿作用があるため、飲みすぎには注意)
- 水
スポーツドリンクや経口補水液は、電解質と適度な糖分を含んでいるため、失われた水分や栄養を効率よく補うことができます。
食欲がないときでも、水分だけは意識してとることが大切です。下痢や嘔吐がみられる場合でも、少量ずつゆっくり摂取することを心がけましょう。
インフルエンザを早く治す食べ物はある?
インフルエンザの回復を早める特別な食品はありませんが、体力が落ちている時期に適した食品を選ぶことで、体の負担を減らし回復をサポートすることができます。症状が続いている間は、消化がよく胃腸の負担になりにくい食品を中心に取り入れることが基本です。
胃腸にやさしい食品の特徴として、繊維が軟らかく消化されやすい、脂肪が控えめで胃に長く残らないなどが挙げられます。おかゆや煮込みうどん、鶏むね肉、白身魚といった食材は胃腸への負担が少なく、体調の悪いときでも食べやすい食品です。
また、ビタミンC・D・タンパク質といった栄養素を含む食品(果物、卵、白身魚、豆腐など)は、免疫機能の維持に役立ち、体の修復にも関わるため、適量で取り入れるとよいでしょう。
<胃腸にやさしい食品の例[1]>
| 食品例 | 特徴 ・ポイント |
| ご飯 ・おかゆパンそうめん、うどん | 柔らかく煮ることで消化に時間がかかりにくい |
| 脂肪の少ない肉(鶏むね肉やささみなど)白身魚豆腐 ・納豆卵 | タンパク質を補給できる |
| 大根人参かぶ玉ねぎ皮むきトマト皮むきなすほうれん草キャベツ白菜 | 繊維が柔らかく、煮ることでさらに消化しやすい |
| 芋類 ・じゃがいも ・さつまいも ・長いも ・里芋 | 炭水化物源として消化がよい |
| ヨーグルト牛乳チーズ乳酸菌飲料 | 腸内環境を整えやすい |
| バナナゼリーアイスクリーム | 食欲がないときでも食べやすい |
インフルエンザの回復期は、「消化にやさしい」「少量をこまめに」「水分と電解質を補う」という3つのポイントを意識することが大切です。
症状があるうちは、ご自身が食べやすいものを少しずつ取り入れ、食欲が戻ってきたら徐々に普段の食事へ切り替えていきましょう。
インフルエンザのときに解熱剤は飲まないほうがよい?
解熱剤は、高熱によるつらさや、頭痛・関節痛といった全身症状を和らげるために服用できます。体温だけで判断するのではなく、眠れない、ぐったりして動けない、強い痛みがあるなど、本人の状態に応じて内服薬の服用や坐薬の使用の可否を考えることが望ましいです。
発熱はウイルスと戦うための自然な免疫反応の一部であり、適度な発熱は体を守る役割を担っています。高熱があっても水分を十分にとれており、つらさが軽度であれば、お薬を使わずに休養することで自然な回復を待つという選択肢もあります。
インフルエンザにともなう発熱に対して推奨されている解熱剤はアセトアミノフェンです[4]。アセトアミノフェンは胃への負担が比較的少なく、子どもから成人まで広く服用されています。
お薬の種類によっては空腹時に飲むと胃に負担がかかることもあるため、市販薬を服用する場合は添付文書を確認しましょう。医師から処方されている場合は、指示に従い服用してください。
症状やお薬に関しての不安があるときはオンライン診療が頼りになります
「熱やせきがひどくてお薬を出してもらいたいが、外出するのもつらい」「子どもがいるため、受診するのも大変」といったように、受診したくても思うように行けない方もいるのではないでしょうか。
そのようなときはオンライン診療に頼ってみませんか?
当クリニックのオンライン診療なら、スマートフォンやパソコンから予約・診察ができるので、通院のために時間を割く必要がありません。忙しい方でもすき間時間を活用して受診できます。また、感染症の流行期でも人混みに出ることなく診察を受けられるため、安心して医師に相談できるのも大きなメリットです。
詳しくは当クリニックのホームページからご確認ください。
※インフルエンザの診断および抗インフルエンザ薬の処方は、オンライン診療においても最終的には医師の判断によっておこなわれます。
※症状や状況に応じて、対面での検査や診察をご案内する場合があります。
※診察料1,650円 (税込)、配送料550円 (税込)がかかります。
家族からインフルエンザをうつされる前に予防内服薬も検討を
家庭内での感染対策を徹底しても、同じ空間で生活している以上はウイルスを完全に防ぐことは難しいものです。手洗い・換気・隔離といった対策やワクチン接種に加え、感染リスクをさらに下げるために「インフルエンザの予防内服薬」という選択肢があることをご存知でしょうか。
通常、抗インフルエンザ薬は「発症してから」治療のために使用します。しかし、これを感染前(または潜伏期間中)に服用することで、体内でのウイルス増殖を抑え発症リスクを大幅に低減させることができます。
とくに以下のような「どうしても今は感染できない」という事情がある方は、服用の検討をおすすめします。
- 受験生やそのご家族
- 代わりのきかない重要な仕事を控えている方
- 高齢者や持病のある方と同居している方
- ワンオペ育児中の方
当クリニックでは、来院による対面診療だけでなく、オンライン診療での予防内服薬の処方も実施しています。
オンライン診療は初診の方もご利用いただける上、予約から診察までPCやスマホひとつで完結するため、待ち時間もありません。お薬は最短で当日に発送し、全国どこへでも配送可能です。
「忙しくて病院に行けない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
※保険適用外の自由診療になります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※検査等が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。
- オセルタミビル(タミフル後発品)1日1回 10日分:8,250円
- イナビル(先発品)2容器で1回分:10,450円
- ゾフルーザ(先発品)2錠で1回分 ※ 80kg 未満の方向け:11,550円
- ゾフルーザ(先発品)4錠で1回分 ※ 80kg 以上の方向け:19,250円
※お薬代(税込)
※価格は2025年11月時点のものになります。
※診察料1,650円(税込)と配送料550円(税込)がかかります。
インフルエンザと食事に関するよくある質問
インフルエンザ療養中の食事について、多くの方が疑問を持つポイントを解説します。「食べてもよいのか」「飲んでもよいのか」と迷った際の参考にしていただければと思います。
インフルエンザのときにヨーグルトを食べても大丈夫ですか?
ヨーグルトはインフルエンザの療養中に食べても差し支えありません。
乳製品は消化がよく、胃腸の働きが弱っているときでも負担になりにくいため、牛乳やチーズ、乳酸菌飲料と同様に、ヨーグルトも推奨される食品として挙げられています[1]。
ヨーグルトは食欲がないときでも口当たりが良く、食べやすい点もおすすめできるポイントです。タンパク質が含まれており、体内の代謝を助けて回復を支える働きも期待できます。
スーパーやコンビニでも手軽に購入できるため、体調が優れないときでも取り入れやすい食品といえます。
インフルエンザのときにおすすめの食べ物はコンビニで買える?
消化がよいおかゆやうどん、スープ類、ゼリー飲料、ヨーグルトなどは、食欲がないときでも取り入れやすく、コンビニやスーパーでも手に入ります。
おかゆや雑炊はパウチタイプの商品もあり、保存しやすく手軽に利用できるため、ストックしておくのもおすすめです。
ホットスナックなどの揚げ物や、カップ麺などの胃腸に負担がかかる食品は避けたほうがよいでしょう。
インフルエンザで解熱剤を飲むタイミングは?
解熱剤を服用する際は、まず処方時の指示を確認することが重要です。
お薬は「食前」「食後」「食間」などそれぞれ飲むタイミングの指示が分かれており、それぞれ目的が異なります。たとえば、空腹時に服用すると胃への刺激が強くなるお薬もあるため、注意が必要です。
体調が悪く食事がとれない場合でも、お薬によっては何か軽いものを胃に入れてから服用することが推奨されるものもあります。
また、解熱剤以外にも、症状を和らげるための制吐剤、消化剤、整腸剤、緩下剤などを服用する場合があります。
お薬に関する疑問があるときは、薬剤師や医師に相談しましょう。
まとめ
インフルエンザのときに絶対に食べてはいけない食品はありません。ただし、弱った胃腸に負担をかけないために、脂っこいものや繊維質の多い食品、香辛料などの刺激物は控えることが望ましいです。
食欲がない場合は無理に食べる必要はなく、水分補給をこまめにおこなうことが大切です。食べられるようになったら、お粥やうどん、乳製品など消化のよい食品を少量ずつ取り入れてみましょう。
解熱剤は処方時の指示に従い服用しましょう。お薬の服用に関して心配ごとがある場合は医師や薬剤師に相談すると安心です。
