タミフルの効果はいつから?正しい飲み方・副作用・飲み忘れ時の対応を解説

「タミフルを処方されたけれど、いつから効果が出るのだろう?」「飲んでいるのに熱が下がらない」と不安を感じていませんか?
高熱でつらい中、お薬がいつ効くのかわからず焦りを感じる方もいるでしょう。
タミフルはインフルエンザウイルスの増殖を抑えるお薬で、発症から48時間以内に服用を開始することで発熱期間を1〜2日程度短縮する効果が期待できます。
ただし、効果を実感できるまでには1〜2日かかるのが一般的であり、服用してすぐに熱が下がるわけではありません。
また、症状が落ち着いたあと途中で服用を中止するとウイルスが再び増殖するおそれがあります。処方された分を最後まで飲み切ることが大切です。
この記事では、タミフルの効果があらわれるタイミングや正しい飲み方、飲み忘れたときの対応を解説します。
タミフルと異常行動の関係についても解説しますので、正しい知識を身につけて安心して療養しましょう。

タミフルとは?インフルエンザへの効果と作用の仕組み

タミフル(一般名:オセルタミビルリン酸塩)は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬です。

A型・B型インフルエンザウイルス感染症の治療および予防に用いられます[1]

発症してからできるだけ早く服用を開始することで、症状が続く期間の短縮が期待できます。

<タミフルの基本情報[1][2]

項目内容
一般名オセルタミビルリン酸塩
効能A型
・B型インフルエンザウイルス感染症の治療および予防
剤形カプセル(75mg)、ドライシロップ(3%)
用法
・用量(大人)
治療:1回75mgを1日2回、5日間服用予防:1回75mgを1日1回、7〜10日間
服用開始の目安発症から48時間以内(24時間以内が望ましい)
おもな効果罹患期間を約1日(約23時間)短縮
おもな副作用下痢、腹痛、悪心(吐き気)など

タミフルは、ウイルス表面にある「ノイラミニダーゼ」という酵素の働きを抑えます。

ノイラミニダーゼはウイルスが感染を広げるために必要な酵素であり、その働きがタミフルによって弱まることで、ウイルスは体内で感染を広げられなくなります。

国内の臨床試験では、タミフルを服用した場合に、罹患期間(症状が続く期間)が平均で約23時間(約1日)短くなることが確認されています[1]

<タミフル服用による罹患期間の比較[1]

  • タミフルを服用したグループ:約70時間
  • タミフルを服用しなかったグループ:約93時間

発熱している期間が短くなることも確認されています[1]
このようなタミフルの効果を十分に引き出すには、発症後できるだけ早く服用を開始することがポイントです。

「単なる風邪だろう」と放置すると、タミフルの効果を発揮できる服用タイミングを逃してしまう可能性があります。

インフルエンザは風邪と症状が似ており、検査をしなければ区別が難しいケースもあります。

少しでも「インフルエンザかもしれない」と感じる症状があれば、迷わず医療機関を受診しましょう。

タミフルの効果はいつからあらわれる?解熱までの目安

タミフルを服用すると、解熱までの時間が短くなる効果が期待できます。

「からだが楽になってきた」と感じるようになるまでには、服用開始から1〜2日程度かかります。

「つらい状態から早く解放されたい」と思うかもしれませんが、焦らず安静を保ちながら処方どおりに服用を続けましょう。

発熱期間を1〜2日程度短縮する効果が期待できる

発症から48時間以内にタミフルの服用を開始すると、発熱期間はおよそ1〜2日程度の短縮効果が期待できます[3]

ウイルスの増殖が抑えられることで高熱が続く期間が短くなり、体力の消耗も軽減されます。

国内第2相試験と国内第3相臨床試験では、タミフルの解熱効果について以下の結果が確認されました。

<タミフルの解熱効果[4]

大人平熱(37.0℃未満)に回復するまでの時間:33.1時間
子ども平熱(37.4℃以下)に回復するまでの時間:35.3時間(約21.3時間で37.8℃未満に解熱)

つまり大人も子どもも、タミフルの服用開始から平均して約1日半で平熱に戻ることが確認されています。

また大人は、タミフルを服用しない場合より発熱期間が27.4時間短縮したことも確認されました。

タミフルを服用することで、発熱だけでなく症状全般が軽くなる傾向もあります。

ただし、発症から時間が経つほどウイルスは増殖するため、効果を最大限に引き出すにはできるだけ早く医療機関を受診することが大切です。

効果を実感できるのは服用開始から1〜2日後

タミフルの効果を実感できるまでには、一般的に1〜2日程度かかります。

タミフルはウイルスの増殖を抑えるお薬であり、ウイルスを直接死滅させることはできません。

すでに体内で増えたウイルスは免疫の力で減らす必要があるため、症状の改善には時間差が生じます。

服用初日に熱が下がらなくても、お薬が効いていないわけではありません。ウイルスの量が減るにつれて、からだは少しずつ楽になっていきます。

なかなか楽にならず不安になるかもしれませんが、焦らず安静にして様子を見ましょう。2〜3日経っても症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。

タミフルの正しい飲み方|治療と予防で用法が異なる

タミフルは、治療目的だけでなく予防目的でも処方されることがあります。

治療と予防では服用方法が異なります。

処方された際に正しく服用できるよう、目的ごとの飲み方を確認しておきましょう。

タミフルを治療で服用する場合:1回75mgを1日2回・5日間

大人(および体重37.5kg以上の子ども)がインフルエンザの治療でタミフルを服用する場合、用法・用量は以下のとおりです。

<タミフルを治療で服用する場合(大人・体重37.5kg以上の子ども)[1]

1回量75mg
服用回数1日2回(朝と夜などおよそ12時間間隔)
服用期間5日間

決められたとおりに服用しないと、ウイルスが完全に抑制されず症状がぶり返したり、お薬が効きにくい耐性ウイルスが出現したりする可能性があります。

早い回復を目指すためにも、タミフルは処方された用法・用量を守って最後まで飲み切ることが大切です。

タミフルを予防で服用する場合:1回75mgを1日1回・7〜10日間

大人がインフルエンザの予防目的でタミフルを服用する場合、以下のように服用します。

<タミフルを予防で服用する場合(大人)[1]

1回量75mg
服用回数1日1回
服用期間7〜10日間
服用開始感染者と接触後48時間以内
効果が持続する期間服用期間中のみ(服用をやめると予防効果はなくなる)

タミフルの予防服用は、おもにインフルエンザ患者と接触した方が発症を抑える目的でおこなわれます。

国内の臨床試験では、タミフルを服用しなかったグループの発症率が8.5%であったのに対し、服用したグループでは発症率は1.3%に抑えられたと報告されています[4]

一般的に予防服用の対象となるのは、インフルエンザ患者と同居する人のうち、おもに重症化リスクの高い方です[1]

<タミフルの予防服用のおもな対象者[1]

  • 高齢の方(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患の方
  • 糖尿病などの代謝性疾患をもつ方
  • 腎臓の病気がある方

ただし、クリニックフォアでは仕事や受験など大切なイベントを控えている方にもインフルエンザの予防内服薬を処方することが可能です。

ご家族や会社の同僚など、身近な方がインフルエンザにかかりご不安な方もいるでしょう。
クリニックフォアではご自宅から診察を受けられますので、お気軽にご相談ください。

※診察料:1,650円(税込)、配送料:550円(税込)がかかります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。
※検査が必要と判断した際には、対面診療をご案内する場合がございます。

なお、インフルエンザ感染予防の基本はワクチン接種であり、タミフルはワクチンの代わりにはなりません[1]
タミフルを予防服用する場合でも、手洗いや換気、マスク着用といった基本的な感染対策を徹底しましょう。

小児の用量|体重に応じた調整が必要

子どもには基本的にドライシロップが処方され、年齢と体重に応じて以下のように用量が調整されます[2]

<タミフルの小児用量:治療の場合[1][2]

年齢
・体重
1回量服用回数服用期間
37.5kg以上75mg1日2回5日間
幼小児(1歳以上
・37.5kg未満)
2mg/kg(最大75mg)1日2回5日間
新生児
・乳児(1歳未満)
3mg/kg(最大75mg)1日2回5日間

<タミフルの小児用量:予防の場合[2]

体重1回量服用回数服用期間
1歳以上の子ども2mg/kg(最大75mg)1日1回10日間

※予防投与は1歳以上が対象です。

タミフルドライシロップはやや苦みがあり、服用を嫌がる子どももいます。

「嫌がるから、少しくらい減らしてもいいかな…」と思う保護者の方もおられるかもしれませんが、自己判断での減量は推奨されません。飲みにくい場合は、以下の飲食物に混ぜることで苦みをカバーできます。

クリニックフォアではインフルエンザ予防薬としてタミフルドライシロップは取り扱っておりません。体重37.5kg以上の小児には大人と同じタミフルの処方が可能です。

<タミフルドライシロップの苦みが軽減できる飲食物[5]

  • チョコレートアイス
  • ココア
  • オレンジジュース
  • スポーツドリンク
  • ヨーグルト

バニラアイスやりんごジュース、乳酸菌飲料に混ぜると苦みが強くなることがあるため避けてください。

これらの工夫を取り入れて、処方されたお薬を最後まで飲み切りましょう。

タミフルは発症から48時間以上経ってからでは効果がないのか?

タミフルは発症からできるだけ早く服用を開始することが大切です。

「48時間以内」の服用がポイントになりますが、それ以降でも服用が検討されるケースはあります。

ここでは、48時間以内の服用開始が推奨される理由と、48時間を過ぎた場合の対応について解説します。

48時間以内の服用開始が推奨される理由

タミフルはウイルスの増殖を抑えるお薬であり、すでに増えてしまったウイルスを排除する力はありません。

ウイルスが増殖のピークを迎える前に服用を開始しなければ、タミフルの効果が十分には発揮されないのです。

インフルエンザウイルスは発症から1〜3日後に増殖のピークを迎えます[7]

ピークを迎える前に服用を開始し、ウイルスの増殖を抑え込むことが症状緩和に重要です。

海外の研究では、発症後24時間以内に服用を開始した場合、症状が和らぐまでの時間が44%短縮されたと報告されています[6]
服用開始が遅れるほどこの短縮効果は小さくなるため、48時間以内であっても早めの受診が大切です。

「もしかするとインフルエンザにかかったかもしれない…」と少しでも感じたら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

48時間を過ぎた場合の考え方

発症から48時間を過ぎても、医師の判断でタミフルを処方されることがあります。

インフルエンザは重症化すると、肺炎や気管支炎などの合併症を起こす可能性があるためです。

とくに次のような方は重症化リスクが高く、合併症を防ぐ目的で48時間以降でも服用が検討される場合があります。

<48時間以降でもタミフルの服用が検討される方の例>

  • 高齢の方や慢性疾患のある方
  • 妊娠中の方
  • 症状が重い、または悪化している方

症状によっては経過観察となることもありますが、合併症の兆候がないかを専門家に確認してもらうことは健康を守るために大切です。

インフルエンザが疑われる場合は、症状が出はじめた時期にかかわらず医療機関を受診しましょう。

タミフルを飲み忘れた・多く飲んでしまった場合の対応

「タミフルを予定どおりに飲めなかった」または「誤って多く服用してしまった」といったことも起こるかもしれません。

そのようなときでも慌てずに対処できるよう、状況に応じた対処法を把握しておきましょう。

飲み忘れに気づいたときの対応

タミフルを飲み忘れた場合、気づいた時点で1回分を服用してください。

ただし次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は飛ばし、次の時間に1回分服用してください。2回分を一度にまとめて服用してはいけません。

飲み忘れが続くと、ウイルス抑制効果が十分に得られない可能性があります。

「服用のたびに記録をつける」「スマートフォンのアラーム機能を活用する」といった工夫を取り入れ、できるだけ飲み忘れないよう気をつけましょう。

1日3回など多く服用してしまった場合

タミフルを誤って多く服用してしまった場合、まずは落ち着いてからだの状態を確認しましょう。

とくに以下の症状がないか様子を見てください。

  • 嘔吐
  • 傾眠(眠気でぼんやりする)
  • めまい など

このような症状があらわれた場合は、ただちに医師に連絡しましょう。「いつ・何回・どのくらいの量」を服用したかを正確に伝えることが重要です。

体調変化がない場合も、今後の服用について医師の指示を仰ぐことが望ましいでしょう。

自己判断で次回以降の服用を減らしたり、中止したりしないでください。

症状が改善してもタミフルを途中でやめてはいけない理由

熱が下がり症状が軽くなっても、タミフルは処方された5日分(予防目的であれば7〜10日分)を最後まで飲み切ってください。

途中で服用をやめてしまうと、からだの中に残ったウイルスが再び増殖し症状がぶり返す可能性があるためです。また、周りの人に感染を広げるおそれもあります。

不完全な治療は「耐性ウイルス」を生み出すリスクも指摘されています。

タミフルが効きにくいインフルエンザウイルスを生み出さないためにも、処方どおり最後まで服用しましょう。

タミフルの副作用|よくある症状と注意すべき症状

多く報告されているタミフルの副作用は、下痢や腹痛などの消化器症状です[1]

<タミフルのおもな副作用[1]

  • 下痢:0.9%
  • 腹痛:0.6%
  • 悪心(吐き気):0.5%

消化器症状の多くは一時的であり、服用を続けるうちに治まる傾向があります。

万が一これらの症状が起こった場合は、脱水にならないよう水分補給を心がけながら様子を見ましょう。症状が強まったり長引いたりする場合は、医師に相談してください。

重大な副作用としては、ショックやアナフィラキシー、肝障害、腎障害などが報告されています[1]

以下のような症状があらわれた場合は、すぐに医師に相談してください。

<すぐに受診が必要な症状>

  • じんましんが出る
  • 顔や唇が腫れる
  • 呼吸困難
  • 高熱が続く
  • 血便が出る
  • 皮膚や白目が黄色くなる
  • 尿の量が極端に減る

これらの重篤な副作用が起こる可能性は低いため、過度に心配する必要はありません。

ただし万が一のときに適切に対応できるよう、どのようなお薬についても注意すべき症状を知っておくことは大切です。

安心して治療を続けるために、タミフルについても理解を深めておきましょう。

異常行動について|インフルエンザにかかったときの注意点

過去にインフルエンザにかかった未成年者で異常行動が報告されており、タミフルを子どもに飲ませることに不安を感じる保護者の方もいるでしょう。

タミフルと異常行動の因果関係は明確には認められておらず、異常行動はタミフルの服用にかかわらず起こりうるとされています。

インフルエンザ療養中のお子さまがいるご家庭では、安心して見守れるよう異常行動の特徴や注意点を理解しておきましょう。

異常行動はお薬の種類にかかわらず報告されている

厚生労働省によると、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類にかかわらず、インフルエンザにかかったときに異常行動があらわれた例が報告されています[3]

<報告されている異常行動の例>

  • 突然走り出す
  • 部屋から飛び出そうとする
  • 興奮して話しかけても反応しない
  • ベランダに出て飛び降りようとする

これらはインフルエンザ脳症の症状としてあらわれる場合もあります。タミフル特有の副作用ではなく、インフルエンザそのものによる影響と考えられています。

タミフルだけでなく、他の抗インフルエンザウイルス薬を服用していても同様の注意が必要です。

また、お薬を服用していない場合でもインフルエンザ罹患中は異常行動のリスクがあるため、発熱中はお子さまから目を離さないようにしましょう。

発熱から2日間はとくに注意が必要

異常行動は、発熱から2日間以内に起こりやすいことがわかっています[3]
高熱による意識障害や幻覚が起きやすいのは、発症初期の高熱期間といわれています。

発熱から少なくとも2日間は、子ども・未成年者がひとりにならないよう、周囲の大人は注意して対策を徹底してください。起きている時間だけでなく、就寝中も見守るようにしましょう。

解熱した後も油断せず、お子さまのからだの変化に気を配りながら回復するまで見守りを続けてください。少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐに医療機関に連絡しましょう。

転落事故を防ぐための具体的な対策

異常行動による転落事故を防ぐため、厚生労働省では以下の対策を推奨しています[3]

<家庭でできる事故防止策>

対策具体的な方法
施錠の徹底玄関や窓のカギを確実にかけ、簡単に開けられないようにする
療養場所の工夫できるだけ1階の部屋で療養させる
窓まわりの対策補助錠を取り付ける、ベランダに面した部屋を避ける
寝具の選択ベッドではなく布団で寝かせる
見守り体制療養中は常に大人が近くにいるようにする

マンションの高層階にお住まいの場合は、窓やベランダから離れた部屋で療養するようにしましょう。万が一に備えて、発熱中はお子さまを目の届く範囲で過ごさせるようにしてください。

インフルエンザを早く治すための対策・セルフケア

タミフルでウイルスの増殖を抑えつつ、免疫力を高めることで回復を早められます。

十分な休養と水分補給を基本に、室内環境の管理や周囲への感染対策もあわせておこないましょう。

十分な休養と水分補給を心がける

インフルエンザの回復には、十分な休養とこまめな水分補給が欠かせません。

発熱によりからだは多くのエネルギーを消耗しています。無理に動くと回復が遅れる原因になります。

また、高熱が続くと脱水症状を起こしやすいため、意識的に水分を摂ることも大切です。

<回復を早めるためのポイント>

  • 無理をせず安静に過ごし、十分な睡眠をとる
  • 水やお茶、経口補水液などを少量ずつこまめに摂取する
  • 食欲がなくても水分は意識して摂る
  • 消化のよい食事で栄養を摂る

しっかり休養をとり水分・栄養を補給することで、免疫機能が働きやすくなり回復を早められます。

「早く治したい」と焦る気持ちもあるかもしれませんが、まずはからだを休めて安静を保ちましょう。

適切な湿度を保ち感染拡大を防ぐ

室内の湿度は50〜60%程度に保ちましょう[8]。空気が乾燥するとのどや鼻の粘膜の防御機能が低下し、症状が長引く原因になります。

適度な湿度を保つことで、ウイルスの活動を抑える効果も期待できます。

<室内環境を整えるためのポイント>

  • 加湿器を使用する
  • 濡れタオルを干して湿度を調整する
  • 1日数回、窓を開けて換気をおこなう

家族との生活スペースを別にすることも大切です。ご自身の回復はもちろん、ご家族への感染を防ぐためにも、室内環境に配慮しましょう。

解熱後も外出を控える期間の目安

熱が下がっても、すぐに外出するのは避けましょう。解熱後もからだの中にはウイルスが残っており、周囲に感染させる可能性があります。

学校保健安全法では、出席停止期間について以下のように示されています。

<学校保健安全法に基づく出席停止期間[3]

小学生以上発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで
幼児(保育園
・幼稚園児)
発症後5日を経過し、かつ解熱後3日を経過するまで

大人の場合、インフルエンザによる出勤停止期間を定めた法律はありません。
ただし上記の学校保健安全法の日数を参考にして、療養期間を定めている会社も多く見られます。

復帰のタイミングに迷ったら、まずは職場の規定を確認してみましょう。

何より大切なのは、からだを十分に休めることです。ご自身の回復のためにも、そして周囲への感染を防ぐためにも無理をせず療養を続けてください。

よくある質問

タミフルの効果や服用方法について、よく寄せられる疑問にお答えします。

つらい症状は長く感じやすいため、インフルエンザの療養中は不安になる方も多いでしょう。

心配なポイントを解消し、安心して療養を続けましょう。

タミフルは何日間飲み続ける必要がありますか?

治療目的の場合、タミフルは大人も子どもも5日間服用を続けます[1][2]。予防目的の場合は、大人は7〜10日間、子どもは10日間の服用が基本です。

治療目的の場合、途中でやめるとウイルスが完全に抑えられず症状がぶり返す可能性があります。症状が改善しても、処方された期間は最後まで飲み切ってください。

予防目的の場合も、効果が持続するのは服用している期間のみです。服用をやめると予防効果はなくなるため、処方された期間はしっかりと飲み続けてください。

タミフルと他のお薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

タミフルでは一部併用が注意とされているお薬・ワクチンがあります。

<タミフルとの併用が注意なお薬[1]

  • ワルファリン(血液を固まりにくくするお薬):血液が固まりにくくなる可能性がある
  • 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン:タミフルがワクチンの効果を弱める可能性がある

これらに当てはまる場合でも、医師の判断のもと併用されることがあります。服用中のお薬や持病がある場合は、受診の際に医師へ正確に伝えましょう。

アセトアミノフェン(カロナールなど)の解熱鎮痛薬は、タミフルと一緒に処方されることがあります。高熱でつらい場合は服用して問題ありません。

ただし、一部の解熱鎮痛薬(ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸、ロキソプロフェンナトリウムなど)はインフルエンザ脳症との関連が指摘されています。

医師から解熱鎮痛薬が処方されていない場合は、自己判断で市販のお薬を服用することは控えましょう。

もし熱が下がらずつらい場合は、クリニックフォアをご活用ください。

クリニックフォアでは、対面診療だけでなくオンライン診療にも対応しており、自宅にいながら医師の診察を受けられます。

安心してお薬を服用するために、インフルエンザ罹患中の方も見守っている保護者の方もお気軽にご相談ください。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※触診・検査が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。

タミフルを飲んでも熱が下がらない場合はどうすればよいですか?

2〜3日経っても熱が下がらない場合は、医療機関を再受診してください。

インフルエンザ以外の感染症や合併症が起きている可能性もあります。

検査や診察を受け、症状や状態によっては新たな治療が必要な場合もあります。自己判断せず、医師の指示を仰ぎましょう。

まとめ

タミフルは、発症早期に服用を開始することで発熱期間を短縮し、インフルエンザの回復を早める効果が期待できるお薬です。

発症から48時間以内、できれば24時間以内に服用を開始することで、1〜2日程度の発熱期間短縮が期待できます。

治療では1日2回・5日間、予防では1日1回・7〜10日間の服用が基本です。症状が改善しても、処方された期間は最後まで飲み切りましょう。

異常行動はタミフル特有の副作用ではなく、インフルエンザそのものによる影響と考えられています。お子さまが療養中の場合は、発熱から少なくとも2日間は目を離さないようにしてください。

副作用や飲み忘れなど、服用中に心配なことがあれば自己判断せず医師に相談しましょう。

クリニックフォアでは、対面診療だけでなくオンライン診療にも対応しています。インフルエンザが疑われる場合、自宅にいながら医師の診察を受けられます。

インフルエンザの予防内服にも対応していますので、ご家族に感染者がおられてご不安な方はお気軽にご相談ください。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※触診・検査が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。
※抗インフルエンザウイルス薬の予防内服は自費診療となります。

参考文献

  1. 中外製薬株式会社「タミフルカプセル75 添付文書」
  2. 中外製薬株式会社「タミフルドライシロップ3%添付文書」
  3. 令和6年度インフルエンザQ&A丨厚生労働省
  4. タミフル医薬品インタビューフォーム
  5. タミフルドライシロップ指導箋
  6. Effects of oseltamivir treatment on duration of clinical illness and viral shedding, and household transmission of influenza virusーPMC
  7. CDC. Pink Book:Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases ーChapter 12:Influenza.
  8. インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」政府広報オンライン