高血圧の原因とは?
高血圧には、原因のわからない「本態性高血圧」と、病気やお薬の副作用が原因となる「二次性高血圧」があります。
高血圧と診断される人のほとんどが本態性高血圧であり、その背景には生活習慣があるとされています。たとえばよくない食生活や運動不足、睡眠不足などが挙げられます。
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高血圧の対策の基本
本態性高血圧(以下「高血圧」)の発症には生活習慣が大きくかかわっています。そのため、高血圧改善のためには、食事や運動といった生活習慣の改善が大事です。
医療機関で治療を行う場合も、まず生活習慣の改善をし、それでも血圧が改善されなければお薬の服用というステップを踏むことが多いです。
高血圧対策の基本的なポイントは以下の通りです。
- 食事の見直し
- 適度な運動
- 禁煙
- ストレスや疲れをためない
- 十分な睡眠をとる
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
高血圧の対策①食事
高血圧対策のための食事の基本は、カロリー(特に糖分や脂肪分など)・食塩の過剰摂取を控え、栄養バランスがとれた食事をすることです。
特に塩分の過剰摂取は高血圧の大きな原因となるので、塩分摂取量に注意しましょう。
また、規則正しく食べることも大事です。
食事のポイントは以下の通りです。
栄養素・食材など | 内容・目安量 | 注意点 |
適切なカロリー量 | 標準体重×活動量に応じた数値(右参照) ※標準体重=(身長m)× (身長m)×22 | ・軽い(デスクワークが主な人や主婦):25~30・中程度(立ち仕事、外回りなどが多い):30~35・重い(力仕事が多い):35~40 |
塩分(食塩) | ・男性:7.5g未満・女性:6.5g未満 | すでに高血圧状態の場合は1日6g未満 |
糖分 | できるだけ控える | |
脂肪分 | ・動物性脂肪を控える・植物性脂肪や魚油を摂取する | |
野菜・果物 | ・積極的に摂取する・カリウムの多い食材が特におすすめ | ・重篤な腎障害がある場合は推奨されないので医師に相談を・糖分の多い果物に注意 |
アルコール | ・過度の飲酒を控える・エタノール換算で男性20~30mL/日以下、女性10-20mL/日以下 |
ただし、体質や持病によっては、食事のとり方によって体に悪影響を及ぼすことがあるので、医師や栄養士に相談した上で食事の見直しを行いましょう。
高血圧の対策②運動
高血圧対策のためには、全身を使う有酸素運動を行うとよいとされています。たとえば、ウォーキング、早歩き、ランニング、ステップ運動(台を使って昇り降りする運動)、水泳、水中歩行、サイクリングなどを無理のない範囲で行いましょう。強度はややきついと感じる程度がよいとされています。
また、有酸素運動にプラスして、ストレッチやスクワットなどを行うのもよいでしょう。スクワットは、足の血管が広がり、血圧の安定につながるとされています。
一方で、負荷を大きくかける筋トレなどの無酸素運動は避けましょう。息を止めて力むことで、血圧が急激に上がってしまうことがあるためです。
なお、高血圧治療ガイドラインでは、1日30分以上の運動を毎日行うか、週180分以上の運動を行うとよいとされています。そして、血圧が下がったからといって運動をやめるのではなく、継続することが大事です。
(参考)
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf
高血圧の対策③禁煙
喫煙は、高血圧のリスクを高めます。さらに、脳血管疾患、心疾患、がんなどのさまざまな病気のリスクとなるため、禁煙に努めることが非常に重要です。また、受動喫煙にもリスクがあるので注意しましょう。
喫煙と高血圧の関係ですが、紙たばこを1本吸うと、血圧の上昇が15分以上続くことがわかっています。喫煙によって交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧が高くなることや、喫煙を続けると動脈硬化にもつながることが報告されています。
なお、禁煙後に体重が増加し、むしろ血圧が上がるケースもあります。これは、禁煙によって食生活などが変化し、体重が増えることが原因と考えられています。そのため、禁煙後は食事などにも十分注意が必要です。
ちなみに、電子タバコと血圧の関係はまだわかっておらず、今後研究が進んで行くと思われます。そのため電子タバコもできるだけ控えたほうがよいでしょう。
(参考)
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1317911/
高血圧の対策④十分な睡眠をとる
1日7~8時間の睡眠をとりましょう。睡眠不足になると、自律神経のバランスがくずれ、血管が収縮して血圧が上がりやすくなるためです。
また、浅い睡眠も高血圧につながるとされています。そのため、自分に合った寝具を使う、寝る直前の食事・入浴・ブルーライトを避けることなどを心がけ、質の高い睡眠がとれるようにしましょう。
十分な睡眠はストレスや疲れの解消にもつながります。
高血圧の対策⑤ストレスや疲れをためない
ストレスや疲れがたまると、自律神経のバランスが崩れ、血圧が上がることがあります。特に精神的ストレスが高血圧につながりやすいとされています。
そのため、ストレスの原因がはっきりしている場合は距離を置きましょう。体を動かしたり、リラックスしたりする時間をとり、ストレス解消に努めることも大事です。
高血圧の対策⑥その他の注意点・ポイント
ゆったりと深い呼吸を心がける
高血圧の場合、呼吸が浅くて回数が多い人が多いといわれています。腹式呼吸を心がけ、ゆったりと深い呼吸をするとよいでしょう。
深い呼吸をすることで、血圧を下げる物質が体内で増えたり、自律神経が整って血圧が下がりやすくなったりするメリットがあります。
急激な冷えを避ける
血圧は温度差によって変動します。温度が10度以上低い場所に移動して急激に体が冷えると、神経の収縮によって血圧が上がるため注意しましょう。
たとえば、温かいお風呂場から寒い脱衣所への移動、暑い屋外から冷房のきいた室内への移動は要注意です。
特に温度変化に敏感な首はいつもあたためておきましょう。マフラーやネックウォーマー、首元が隠れる服などを身につけるのもおすすめです。
熱すぎるお湯に注意する
お風呂の湯加減は40℃前後のぬるめがよいでしょう。お風呂のお湯が熱すぎると血管が収縮し、血圧が上がるためです。
ぬるめのお湯は、リラックスにもつながります。
定期的な健康診断も大切
高血圧は、初期は自覚症状がほとんどなく、気がつかないことも多いです。そのため、毎年健康診断を受けたり、自宅で毎日血圧を測ったりして、自分の血圧を定期的に確認するとよいでしょう。異常に気づいたら早めに受診する必要があります。
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