女性の高血圧は更年期を境に増える
更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間を併せた10年間のことを指します。日本人の平均閉経年齢は50歳頃なので、おおむね45~55歳頃に更年期をむかえることが多いです。
「令和元年国民健康・栄養調査」によると、女性の高血圧の有病率は、30代では3.4%なのに対し、40代で11.8%、50代で26.3%と、更年期頃に急激に増えていることがわかります。
また、更年期を機に生じる「更年期高血圧」というものもあります。
更年期高血圧とは
更年期高血圧とは、更年期を機に生じる高血圧のことです。それまでは低血圧や、正常血圧だった人でも、更年期に入ることで高血圧になることがあるのです。
原因は、女性ホルモンの分泌が少なくなり、自律神経が乱れることで血圧のコントロールがしづらくなるためだとされています。
また、妊娠時に高血圧になった人は、特に更年期高血圧になりやすいといわれています。
更年期高血圧の特徴
更年期高血圧の場合、血圧は不安定で変動しやすい特徴があります。たとえば、病院で測るときだけ高くなったり(白衣高血圧と呼びます)、イライラや寝不足状態のときに血圧が上がったりすることがあります。また、頭痛、めまい、動悸、不安感などの症状を併発することが多いです。
血圧が不安定な理由は、更年期によくあるストレスや不安が原因だと考えられています。
更年期高血圧の対策
最後に、更年期高血圧の対処法を解説します。ポイントは以下の通りです。
- すぐに受診する
- 日ごろから血圧を測る
- 塩分・アルコールは男性よりも少なめに
- 閉経後の筋肉量減少に注意する
詳しく見ていきましょう。
すぐに受診する
血圧が高いと思ったら早めに受診しましょう。「時々血圧が上がる程度だから大丈夫」と思って放置すると、やがて慢性的な高血圧になることがあるためです。
高血圧で病院に行く目安はこちらの記事で詳しく解説しています。
高血圧病院に行く目安
日ごろから血圧を測る
血圧を測ることを習慣化することで、病院では見つかりにくい高血圧(白衣高血圧など)を発見する手がかりになります。そのため、更年期にさしかかってきたら、日ごろから血圧を測ることを心がけましょう。
おすすめの測定タイミングは以下の通りです。
- 起床後と寝る前の決まった時間に毎日測る
- 頭痛やめまいなどの症状が現れたときに測る
症状が出たときは、どんな症状なのかや、血圧の数値、その時の状況(ストレスや睡眠不足の有無など)を記録しておきましょう。診断や、予防、対策に役立つことがあります。
基本的な対処法
血圧を下げるコツは基本的に男女ともに違いはなく、以下のようなポイントがあります。
- 塩分摂取制限をする
- お酒を飲みすぎない
- 運動習慣をつくる
- 肥満の場合は減量に取り組む
- 十分な休息と睡眠をとり、ストレスを解消する
- 禁煙する
医療機関でも、まずは上記のような食事療法や運動療法といった生活習慣の改善から始め、それでも血圧が十分に下がらなければお薬で対応することが一般的です。
塩分・アルコールは男性よりも少なめに
高血圧予防、対策のためには、塩分やアルコールを過剰摂取しないようにすることが大事です。女性の場合、塩分やアルコール摂取の目安量は、男性よりも少ないので注意が必要です。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の1日の食塩摂取の目標量は、6.5g未満となっています。成人男性は7.5g未満なので、1gも少ないのです。ただし、すでに高血圧になっている場合は、性別を問わず1日6g未満が推奨されています。
そして、女性における1日の限度となるお酒の量は、エタノール換算では、10~20ml以下とされています。日本酒なら半合~1合程度です。男性は20~30ml以下とされているので、女性は男性の半分程度が限度となっています。
閉経後の筋肉量減少に注意
閉経後は筋肉量が一気に減ることが多いです。筋肉量が減ると、カロリーを消費しづらくなったり、肥満になったりするなどして、高血圧になるリスクも高まるのです。
そのため、これまで以上にストレッチや有酸素運動を心がけ、筋肉量の維持に努める必要があります。
高血圧治療はクリニックフォアのオンライン診療で
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