ピルをやめる方法
低用量ピルはいつ服用をやめても問題ありません。ただし、周期を乱したくない方は、1シートを全て服用し終わった時点で飲むのをやめるのが最もよいでしょう。
ピルをやめると生理や排卵はどうなる?
低用量ピルをやめたあと、生理は3ヶ月以内に再開することが多く、早ければ1ヶ月以内に再開することもあります。また、ほとんどの人が3ヶ月以内に排卵が再開されるというデータがあります。
ピルをやめたあとの注意点
低用量ピルをやめても大きな支障はありませんが、もともと生理痛やPMS、生理不順などがあった方は、それらの症状が復活する可能性があるため注意が必要です。
生理痛や不快な症状が復活する場合がある
低用量ピルには、月経困難症(生理痛や、生理に伴うさまざまな症状)を改善する効果も期待できるため、服用をやめるとそれらの症状が復活することがあります。PMSや生理不順などがあった場合も同様です。
また、低用量ピルにはニキビを改善する効果も期待できるため、服用をやめると肌荒れが復活することもあります。
飲んだりやめたりを繰り返すと危険
低用量ピルの重大な副作用の一つに、血栓症のリスク上昇があります。血栓症は服用開始から3ヶ月以内の発症リスクが高いため、何度もやめたり再開したりしていると、常に血栓症のリスクがつきまとう状態になってしまいます。
ピルをやめる前に知っておきたいこと
低用量ピルをやめる理由によっては、服用をやめなくても解決できる場合もあります。特に副作用や将来の妊娠に関して不安がある場合は、服用を続けても問題ないかもしれません。詳しく見ていきましょう。
副作用はしばらくすると自然に解消される
低用量ピルの服用中は、不正出血をはじめ、吐き気、頭痛などさまざまな副作用が出ることがあります。しかし、こういった副作用は飲み始めに起こりやすく、飲み続けると自然に解消されることが多いとされています。
副作用が理由でやめたいと考えている場合は、少し様子を見るか、まずは医師に相談してみてはいかがでしょうか。
ピルにはさまざまな種類がある
エストロゲンの配合量が多いほうが副作用が起こりやすいといわれているため、気になる副作用がある場合、ピルの種類を変えることで改善される可能性があります。
また、ピルの費用が負担になっている場合も、種類によってはより価格が安いものもあるため、医師に相談してみましょう。
長期間飲み続けても将来の妊娠確率は変わらない
低用量ピルを長期間飲み続けたからといって、将来の妊娠に影響はないといわれているため心配する必要はありません。あるデータによると、低用量ピルをやめた後、1周期目で約20%が妊娠、1年以内に約80%が妊娠したとされています。
そのため、今すぐ妊娠を希望するわけではない場合は、低用量ピルをすぐにやめなくてもよいでしょう。
時間がない方はオンライン診療の選択肢もある
忙しい方は、薬をもらうための定期的な受診が負担になることもあるでしょう。クリニックによっては、オンライン診療や薬の配送が可能なところもあるので、受診が負担になっている方は検討してみてはいかがでしょうか。
こんな時は服用をやめる必要がある
低用量ピルを続けたいと思っても、以下のような場合は服用をやめる必要があります。
閉経した
低用量ピルが服用できるのは閉経まで、もしくは50歳未満までと決められています。閉経していなくても、40歳以上になると血栓症などのリスクがより高まるため、処方は慎重に検討されます。また、40歳以上で高血圧や高脂血症、糖尿病など、他のリスクも伴う場合は、医師の判断で処方がされないことがあります。
病気になった
低用量ピルの服用中に病気になった場合、病気の種類によっては低用量ピルを飲むことができません。例えば乳がんや重度の肝障害などは、低用量ピルの服用が禁忌とされています。
妊娠した
低用量ピルを服用していても、妊娠する可能性はゼロではありません。低用量ピルは妊婦に対する安全性が不明なため、妊娠がわかったらすぐに服用を中止する必要があります。ただし、妊娠初期に気づかないまま低用量ピルの服用をしていたとしても、胎児に異常所見が見られたというデータはありませんのでご安心下さい。
参考文献
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2020-12/TRQ180901.pdf
Cronin M, Schellschmidt I, Dinger J.: Rate of pregnancy after using drospirenone
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田辺清男: 低用量ピルの中止後の妊孕性の回復 母子保健情報 1997;35:33-36 (III)