※ 2024年7月現在、CureApp SCはメーカーの事情により新規の患者様への処方は停止されております。
喫煙の危険性とは? ニコチン依存症とは?
喫煙は、心臓や肺、がんなどの疾患になる危険性を明らかに高めることがわかっており、日本では年間12〜13万人の死亡に関連する危険因子とされています。さらに周囲からの副流煙による「受動喫煙」でも年間1万5千人が死亡しているとされており、禁煙治療の重要性は高まっています。
1日1箱500円でタバコの喫煙を続けた場合、年間182,500円ほどの費用が毎年かかり続けます。禁煙することは、健康だけでなく経済的なメリットも大きいといえるでしょう。
禁煙の難しい点は、喫煙者本人が禁煙したくてもやめられないところにあります。喫煙者の意思が弱いからではなく、「ニコチン依存症」という薬物依存となっていることが原因です。タバコに含まれるニコチンの依存性は強く、依存症患者がタバコを絶つ難しさは、コカインやヘロインのそれと同程度ともいわれています。(※1)
治療用アプリで禁煙治療とは?
禁煙治療には、これまでは飲み薬や貼り薬が処方されてきましたが、さらに近年の治療方法としてニコチン依存症治療アプリのCureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(以下「CureApp SC」)が2020年8月、厚生労働省に承認されました。
昨今「治療用アプリ」は新しい治療法として国内外で注目されていおり、欧米ではすでに多く使用されています。日本においては「CureApp SC」が治療用アプリとして国内で初めて承認された事例となります。
※ 2024年7月現在、CureApp SCはメーカーの事情により新規の患者様への処方は停止されております。
CureApp SCってどれくらい効果があるの?
CureApp SCは、一般的にスマートフォンで利用されているヘルスケアアプリとは異なり、医学的に適切な治療介入をするために禁煙外来で医師の診断のもとパスワードが発行されて、初めて使用できる医療アプリです。
ニコチン依存症の治療は、「身体的依存」と「心理的依存」の両方を克服する必要があると言われています。
「身体的依存」とはニコチンが切れると集中力が低下する、イライラする、落ち着かない、頭痛がする、気分が落ち込むなどの、不快な離脱症状(禁断症状)が現れるものです。従来の飲み薬や貼り薬といった医薬品を用いることで、症状を緩和することができます。
一方で、タバコを吸わないと口が寂しい、タバコを吸わないと頭がすっきりしない、ストレスが解消できないと思い込んでしまう「心理的依存」は医薬品では治療できません。
禁煙ガイドラインでは、禁煙の成功率を高めるため、薬物療法に加え「行動療法」を併用する必要があるとしています。しかし、医師が診療以外で直接的に治療に介入するのは現実的に難しく、禁煙の成功への大きな障害となっていました。
CureApp SCは、この心理的依存を克服するために研究されて、開発されたアプリです。今まで医師が介入できなかった診療時間以外にも患者さん一人ひとりに応じたアドバイスを行えるようになりました。患者さんが自力で対処しなければならなかった通院間の離脱症状に対してアプローチできるようになり、より効率的な禁煙治療が可能となりました。
利用方法・入手方法は?
※ 2024年7月現在、CureApp SCはメーカーの事情により新規の患者様への処方は停止されております。
ではCureApp SCはどうやって利用すればいいでしょうか。
CureApp SCは「患者アプリ」と「COチェッカー(CO濃度測定器) 」を組み合わせて利用します。
患者アプリ
常に患者の側にあるスマートフォンの特性を生かし、医療者の介入が難しい診察以外の「治療空白期間」をアプリが支援することで、禁煙継続率が明らかに向上します。また、患者用アプリへの入力内容から、前回の診察以降の患者さまの日常の様子を医師が詳細に把握することできるため、より効率的で質の高い禁煙治療を可能にします。
COチェッカー
タバコを吸っている人は呼気中のCO濃度(一酸化炭素濃度)が上昇します。Bluetoothを用いて、機器で測定したCO濃度の数値を治療アプリに反映させる方法で、日々の禁煙の効果を視覚的にフォローすることができます。
CureApp SCは医師の診察を受けた際に、専用の処方コードが発行されます。
利用開始するために患者さん自身のスマートフォンにアプリをインストールし(Android:Google Play、iPhone:App Storeから)、医師から処方されたパスワードを入力し、初期設定を行っていただきます。後日、COチェッカーがご指定のお届け先住所へ届きますので、同封されている取り扱い説明書に従い、利用を開始していただきます。
副作用はあるの?
国内で実施した治験では、CureApp SCの利用による不具合、有害事象は報告されていません。
クリニックフォアの禁煙外来
クリニックフォアグループでも、CureApp SCを活用した完全オンライン禁煙外来を実施しております。(対面診療では、保険適応となりますが、オンライン診療の場合は自費診療のみとなります)
※ 2024年7月現在、CureApp SCはメーカーの事情により新規の患者様への処方は停止されております。
参考文献
※1 Clinical practice. Treatment of tobacco use and dependence. : N Engl J Med. 2002;346(7):506.
CureApp SC医療機関向けサイト:https://sc.cureapp.com/d/