この記事を読まれている方は、ハイドロキノンに関して「どんな効果があるの?」「副作用ってある?」「どうやって使えばいいの?」など、気になっているのではないでしょうか。
そこで、今回はハイドロキノンクリームの効果や副作用、正しい使い方について美容皮膚科医が解説いたします。
ハイドロキノンの効果やメカニズム
ハイドロキノンはヒドロキノンと呼ばれる成分を主成分とした処方薬で、高い美白効果が期待できます。
ハイドロキノンの主効果はメラニン生成の抑制
肌の細胞には色素細胞という細胞が存在し、この細胞に紫外線が当たると紫外線から肌を守るという目的でシミの元となるメラニンを作り出します。
ハイドロキノンは、このメラニンが生成される際に必要な酵素を抑制することでメラニンの生成を抑制する作用があります。
ターンオーバーで新たな表皮が出た時にはシミのない綺麗な肌に
肌はターンオーバーを繰り返しており、基底層の肌細胞が徐々に肌の表面に押し上げられていき、古い角質は垢として排出されていきます。
ハイドロキノンを使用することで、基底層でシミを作らなくなるため、結果的に肌表面に押し出された肌の細胞はシミのない美白な肌に生まれ変わるのです。
ハイドロキノンの副作用
ハイドロキノンは濃度が高くなればなるほど効果が高くなる一方で副作用も強く出ます。そのため、市販のクリームや化粧品ではハイドロキノンの濃度は制限されており、処方薬の100分の1程度となっています。
ハイドロキノンで見られる副作用は主に以下の3点です。
- 肌の赤み
- ひりひり感
- かぶれ
ハイドロキノンはアレルギーを起こしやすい
ハイドロキノンはアレルギーを比較的起こしやすいという性質があり、2001年まで市販の化粧品でのハイドロキノンの配合は規制がされていました。また、傷やできものなどがある部分にハイドロキノンを塗布することで傷などが悪化することもあり、使用上には注意が必要です。
ハイドロキノンは長期保存が不可!古いものを使うと刺激を強める可能性も
さらに、ハイドロキノンは安定性が悪いため、長期保存ができません。古いハイドロキノンを使用した場合、ひりひりなどの刺激感を強めてしまう可能性もあります。
処方された分が余ってしまっても、期限をすぎたものは使用しないようにしましょう。
5%以上の濃度のハイドロキノンは発癌性がある
また、5%以上の濃度のハイドロキノンを使用した際、発癌性があることが動物実験で確認されています。そのため病院・クリニックでは効果や副作用などのバランスを考え、4%濃度のハイドロキノンクリームが処方されています。
ハイドロキノンの正しい使い方
ハイドロキノンはシミ治療の際にはビタミンCやトレチノインというお薬と併用することで、単体で使用するよりも肌への浸透率が上昇するため、おすすめです。
以下はシミ治療を目的とした際の使用手順になります。
- まずは洗顔を行い、お肌を清潔に整えます。
- 刺激が少なく高い保水力のある化粧水で肌に水分を与えます。
- より美白効果を高めたい場合は、ビタミンC美容液を肌の広範囲に塗布した後、トレチノインをシミの上に塗布します。
- トレチノインの上から、ハイドロキノンを気になるシミの部分を中心に塗布します。
治療の進捗具合や目的によって塗り方は変化する
この塗り方は治療過程によって変化していきます。また、シミの治療をしている方と美白のために使っている方では塗り方や塗る量が異なることもあります。
具体的な使用方法については、ハイドロキノンを処方している医師の指示に従うようにしましょう。
ハイドロキノンを塗った後に外出する際はSPF20以上の日焼け止めを使用すること
ハイドロキノンを塗った後に外出する際には、SPF20以上の日焼け止めを使用してください。使用直後に紫外線を浴びると、かえってシミが濃くなってしまう可能性があります。
ハイドロキノンのよくある質問
最後にハイドロキノンに関するよくある質問についてまとめています。
Q. ハイドロキノンを顔全体に使用しても問題無いですか?
美白目的の場合には問題ありません。シミ治療を目的とする場合にはシミを重点的に塗るようにしましょう。まぶたなど皮膚の薄い場所はかゆみなど刺激が出やすいため、様子を見ながら使用するようにしましょう。
Q. 使用し始めてから効果がでるまでの期間はどれぐらいですか?
個人差はあるものの、約2~3カ月ほどで効果を実感される方が多くいらっしゃいます。
Q. 使用した際に肌が赤くなったのですが、どうすればいいですか?
赤みや痛みが強い場合には使用する量を減らしましょう。基本的に数週間ほどで、赤みやひりひり感などの副作用は引いていきます。
しかし、お顔全体にぶつぶつとした出来物ができたり、症状が続くようであればハイドロキノンアレルギー反応が起きている可能があります。その際は医師に相談するようにしてください。
Q. ハイドロキノンクリームはAmazonや市販の薬局で購入できますか?
購入自体は可能です。しかし市販で売られているものについては、濃度が低いため、当院で処方するもの等と比べて、効果があまり期待できないものがほとんどです。
効果を求める方は医療機関にて処方されるハイドロキノンクリームを使用されることをオススメします。
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