美肌のために!摂取したい栄養素
体の中からキレイになるためには、さまざまな栄養素が必要です。まずは、特に日頃から摂取したい、美肌効果が期待できる栄養素を紹介します。
タンパク質
多く含まれる食べ物 | 肉・魚・大豆など |
タンパク質は脂質・炭水化物とともに、三大栄養素に数えられます。皮膚や髪、爪、筋肉などを構成するだけでなく、ホルモンや酵素、抗体の原料にもなる人体に欠かせない成分です。
また、タンパク質はコラーゲンの原料でもあります。シワやたるみの原因の一つは、コラーゲンの減少です。原料となるタンパク質の不足は、皮膚のハリや弾力の低下につながります。
ビタミンA
多く含まれる食べ物 | 緑黄色野菜など |
ビタミンAは皮膚のターンオーバーやコラーゲン生成を促し、シミやシワの改善に効果が期待できます。
また、ビタミンAの一種であるレチノールは、もともとニキビ治療に使われてきた成分です。皮脂分泌を調整して適度な皮脂量を保つ働きがあるため、ニキビの予防にも有効とされています。皮膚の粘膜や目の健康を保つのにも、ビタミンAは必須です。
ビタミンC
多く含まれる食べ物 | 緑黄色野菜、フルーツ(キウイ、ミカン、イチゴ、レモンなど)など |
コラーゲンの合成に不可欠であり、優れた抗酸化作用や免疫強化作用も持つビタミンC。紫外線ダメージの軽減や、肌のハリを保つなど、美肌づくりには欠かせません。
また、コラーゲンには細胞同士をつなぐ働きもあります。ビタミンCの不足はコラーゲンの生成量低下につながり、血管がもろくなるなど、健康にも影響を及ぼしかねません。
ビタミンCは体内で生成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
ビタミンE
多く含まれる食べ物 | ナッツ類、アボカドなど |
「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEの主な働きは、抗酸化作用と血行促進作用です。 加齢によって起こりやすい疾患の予防に有効とされています。
血行を促進することでターンオーバーを整え、メラニンの排出を促すため、シミやくすみ、色素沈着の改善にも。外的刺激から皮膚を守り、うるおいを保つなど、バリア機能を安定させる働きも見逃せません。
ビタミンB群
多く含まれる食べ物 | ビタミンB1 | 豚肉、青魚、大豆、玄米など |
ビタミンB2 | 豚レバー、うなぎ、牛乳、ほうれん草、モロヘイヤなど | |
ビタミンB6 | 牛肉、鶏肉、カツオ、玄米、赤ピーマン、ブロッコリーなど | |
ビタミンB12 | レバー、青魚、貝類など | |
ナイアシン | 鶏肉(主にむね、ささみ)、マグロ、タラコ、とうもろこしなど | |
パントテン酸 | 鶏肉(主にレバー、ささみ)、卵、納豆、アボカドなど | |
葉酸 | レバー、焼きのり、菜の花、枝豆、モロヘイヤなど | |
ビオチン | レバー、卵黄、牛乳、大豆、ナッツ類、しいたけなど |
ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」といいます。さまざまな働きがありますが、ビタミンB群はお互いに作用しあっているため、併せて摂取することで効果を実感しやすいとされています。
ビタミンB群の主な働きの一つは、エネルギー代謝を助けることです。代謝がスムーズに行われないと、タンパク質や脂質、糖質を摂取してもエネルギーに変換されません。
また、ビタミンB群には皮膚のターンオーバーをサポートし、皮脂分泌を調整する役割もあります。そのため、ビタミンB群の不足は肌荒れなどのトラブルにつながる恐れもあるのです。
ミネラル
鉄や亜鉛、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、健康な体を維持するのに不可欠です。体内で生成できないため、食べ物やサプリメントで摂取する必要があります。
鉄
多く含まれる食べ物 | 赤身の肉、レバー、ほうれん草、バナナなど |
鉄は血液中のヘモグロビンの主要な成分です。ヘモグロビンは全身に酸素を運んでいます。しかし、鉄が不足するとヘモグロビンが十分に生成されません。そのため、血液が酸欠になり、疲れやすくなる、顔色が悪くなるといった症状が表れます。
また、鉄不足による血液の酸欠は、皮膚のターンオーバーの乱れやシミ、しわ、くすみの原因の一つです。
亜鉛
多く含まれる食べ物 | 牡蠣、牛肉、レバーなど |
亜鉛は体の成長と維持に必須のミネラルです。新陳代謝の活性化やタンパク質の代謝の促進、抗酸化作用などの働きがあります。
亜鉛は体内で合成できないため、不足しがちです。亜鉛不足の症状として、味覚異常や皮膚炎になりやすくなることが知られていますが、近年では免疫不全が起こる可能性も指摘されています。食べ物から摂取したり、サプリメントを活用したりしましょう。
ただし、摂りすぎもよくありません。1日の摂取量の上限を把握しておくことが大切です。
カルシウム
多く含まれる食べ物 | 牛乳、乳製品、小魚、小松菜など |
カルシウムは骨や歯を構成するミネラルというイメージがあるかもしれません。しかし、実は皮膚の健康にも関与しているのです。
角質細胞の細胞膜(細胞を包む膜)はほかの細胞より厚くなっています。紫外線などから皮膚を守るバリア機能や、水分を保持する働きの源は、この角質細胞の細胞膜です。
カルシウムは、角質細胞の素である肥厚細胞を生成する酵素に欠かせません。健やかな角質層を作るには、カルシウムが不可欠ともいえるのです。
マグネシウム
多く含まれる食べ物 | ナッツ、海藻類、バナナなど |
マグネシウムは骨や歯を形成するほか、さまざまな代謝を助けているミネラル。健康な体を維持する大切な存在です。
ある研究では、皮膚のうるおいを保つヒアルロン酸や、ターンオーバーを促進するとともに、細胞の増殖などにかかわり、紫外線などの酸化ダメージからも皮膚を保護するポリアミン(スペルミジン)の産生を増やす働きがあることも分かりました。
また、乾燥肌の改善にも効果が期待できるとして注目が高まっています。ただし、マグネシウムは通常の食事で必要量の摂取が可能です。サプリメントなどで過剰に摂ると、下痢を起こすことがあるので注意しましょう。
(参考)
食物繊維
多く含まれる食べ物 | 野菜類、豆類、キノコ類、海藻類、玄米など |
血糖値の急激な上昇を抑えたり、コレステロールやナトリウムを吸着して排出したりする食物繊維。
便通を促し、善玉菌であるビフィズス菌を増やして腸内環境を整える働きが期待できます。その他、生活習慣病や大腸がんの予防に有効として、近年では食物繊維がタンパク質や脂質などの五大栄養素に続く「第六の栄養素」とも呼ばれるようになりました。
そして食物繊維は健康だけでなく、美容効果にも期待ができます。便秘になると有毒ガスや活性酸素が発生し、血液を介して全身に運ばれます。その結果、新陳代謝が滞り、ニキビなどの肌荒れや老化につながりかねません。
食物繊維を摂取することで、腸内環境の改善や肌トラブルの予防に。 代謝をスムーズにして便秘による肌荒れを防ぐことも期待できます。
なお、食生活の変化により、日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあるとされているため、す。美容・健康のためにも意識して摂取しましょう。
必須脂肪酸
多く含まれる食べ物 | アボカド、ナッツ類、青魚など |
体内で合成できない脂肪酸(体内のさまざまな物質と結びついて、三大栄養素の一つ・脂質を構成する)の総称です。
脂質はエネルギー源になるほか、皮下脂肪として外的刺激から体を保護する、ビタミンA・D・E・Kの吸収を促すといった働きがあります。
必須脂肪酸のうち、特に美容にいいと注目されているのがオメガ3脂肪酸。抗酸化作用や血中のタンパク質を増やす働きがあるとされています。
肌にいいおすすめの食べ物を紹介
肌にいいとされる食べ物は、さまざまな栄養素を含んでいます。毎日の食事にバランスよく取り入れることで、美肌効果が期待できるでしょう。
肉類
18歳以上の女性の場合、1日に50gのタンパク質摂取が推奨されています。動物性タンパク質を摂るなら、肉類がおすすめ。牛肉・豚肉・鶏肉など、入手しやすく、種類が多いのでさまざまな料理に使えるのがメリットです。
牛肉は鉄や亜鉛、豚肉はビタミンB群など、肉類からはタンパク質以外の栄養素も摂取が可能です。鶏肉は脂質が少なくカロリーが低めなので、ダイエットにも適しています。
また、タンパク質はビーフジャーキーや生ハム、豚肉由来のゼラチンなど、加工したものでも摂取が可能。「肉は苦手」という方も取り入れてみるといいでしょう。
大豆製品
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、植物性タンパク質が豊富です。加えて脂質や炭水化物、ビタミンB群やミネラル、食物繊維も摂取できます。
味噌や醤油、納豆、豆腐や豆乳、きな粉、油揚げなど大豆を用いた食材も多いため、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。
アボカド
フルーツの中でも特に栄養価が高いアボカド。果肉の約20%が必須脂肪酸(不飽和脂肪酸)です。さらに口あたりが滑らかで腹持ちがいいことから「森のバター」とも呼ばれています。
アボカドはエネルギー産生や皮膚のターンオーバーを促すビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富に含んでいることから、美容にもいいと人気です。
ナッツ類
ナッツ類は「天然のサプリメント」と呼ばれるほど栄養が豊富です。アーモンドやクルミ、カシューナッツなどのほか、日本では栗やギンナンも含まれます。
ナッツ類は特にビタミンE、食物繊維、不飽和脂肪酸に富み、少量でもエネルギーを補給できるのがメリットです。
多くは香りがよく、自然な甘みがあるのでそのまま食べられます。料理やお菓子に使ってもいいでしょう。
魚介類
魚介類からは動物性タンパク質をはじめ、カルシウムやビタミン類といった栄養素も摂取できます。
また、魚の油には不飽和脂肪酸のDHAやEPAが豊富です。特にサバやマグロ、イワシといった青魚に多く含まれています。
コラーゲンも摂取できるため、魚は皮ごと食べるのがおすすめです。
緑黄色野菜
緑黄色野菜とは、可食部100グラム当たりβカロテン含量が600マイクログラム以上のものをいいます。代表的な緑黄色野菜は、人参、かぼちゃ、ブロッコリー、小松菜などです。
トマト、ピーマンなどはβカロテン含量が足りませんが、摂取量や摂取頻度を考慮した上で緑黄色野菜に含まれています。基本的に「中まで色がついているもの」と考えると分かりやすいでしょう。
βカロテンは脂溶性ビタミンのため、炒めたり焼いたりして食べると吸収率が高まります。
また、緑黄色野菜には、βカロテン(ビタミンA)のほか、ビタミンCやビタミンK、葉酸、カリウム、カルシウムなどを含むものもあります。
発酵食品
発酵食品には腸内環境を整える働きがあります。便秘や下痢による肌トラブルの改善も期待できるでしょう。
また、ある研究では、味噌(みそ汁)を食べることで、皮膚のセラミドが増え、皮膚のうるおいやキメが整うといった効果が期待できるとされています。
ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、キムチなど、種類が豊富なため、好みやライフスタイルに合わせて取り入れやすいのも魅力です。
(参考)
フルーツ
キウイやミカン、イチゴ、レモンなどのフルーツは、コラーゲンの合成に不可欠なビタミンCが豊富で、美肌づくりには欠かせません。ビタミンCには抗酸化作用や免疫力を高める作用もあります。
また、バナナには鉄やカリウム、マグネシウムなどのミネラル、リンゴにはポリフェノールなど、さまざまな栄養が含まれています。
ただし、柑橘類(ミカン、オレンジ、レモンなど)には紫外線を吸収するソラレンがあるため、外出前に食べるのは避けるなど注意が必要です。
肌にいい食べ物の効果を高めるポイント
肌にいい食べ物を摂取するなら、食べ方も大切です。効果を高めるために意識したいポイントを解説します。
バランスのいい食事
肌にいいからと特定の食べ物ばかりを食べ続けるのではなく、バランスよく食べることが大切です。一つの食べ物をたくさん食べても摂取できる栄養には上限があります。また、摂りすぎると逆効果になることも。
食事のバランスを考えるときは、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6つの栄養素を意識しましょう。いろいろな食べ物を少しずつ食べるのがポイントです。
水分補給をしっかり
特に汗をかかなくても、人間の体からは排泄や呼吸、汗などによって1日に約2.5Lの水分が失われています。皮膚の水分不足につながるため、こまめな水分補給が必要です。
水分不足は皮膚が乾燥するだけではありません。バリア機能が低下して、外的刺激を受けやすくなる恐れもあるのです。
ただし、水分は食事からも摂取できます。そのため、1日1リットル以上を目安に飲むようにしましょう。
サプリメントを活用するのも手
鉄や亜鉛といった、食事から摂りづらい栄養素はサプリメントを活用しましょう。効率的に必要な量を摂取できます。
ただし、サプリメントだけを摂っていればいいというわけではありません。栄養素は食べ物から摂取するのが基本です。サプリメントはあくまで「栄養補助」として使いましょう。用法用量を守り、続けて飲むことも大切です。
美肌のために避けたい食べ物は?
肌にいい食べ物もあれば、よくない食べ物もあります。おいしいから、手軽だからと日常的に食べることで、肌トラブルにつながる可能性も。ここからは、美肌づくりのために、できるだけ避けたい食べ物を見ていきましょう。
脂質や糖質の多いもの
揚げ物やスナック菓子、ファストフードなどの脂質の多いものや、砂糖をたくさん使った甘い食べ物や飲み物はなるべく食べないようにしましょう。
脂質や糖質は皮脂の原料です。摂りすぎると皮脂分泌が過剰になり、ニキビや肌荒れの原因になる恐れがあります。
また、ファストフードやインスタント食品に含まれるトランス脂肪酸はビタミンB群を消費します。皮膚の酸化やターンオーバーの乱れにもつながりかねません。
カフェインや香辛料等の刺激物
カフェインはビタミンCを破壊したり、ビタミンB群の吸収を阻害したりして、皮膚の乾燥を招く恐れがあります。また、香辛料を多用した辛い食べ物は皮脂分泌を促進するため、肌荒れの原因にもなりえます。
ただし、適量なら気分転換や食欲増進に有効です。摂り過ぎに注意して楽しむようにしましょう。
肌トラブルはまず医療機関で治療を
肌トラブルが気になる場合は、まず皮膚科を受診しましょう。適切な治療を受けずに放置しておくと、症状が悪化したり跡が残ったりする恐れがあります。
そして、治療と並行して肌にいい食べ物を摂取するのがおすすめです。なお、治療中にサプリメントを使いたいときは、必ず医師に相談しましょう。
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※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
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