コラーゲンの効果とは?摂取量・取り入れ方も詳しく解説!

コラーゲンとは、皮膚、骨をはじめ、さまざまな臓器や組織に存在するタンパク質。体内にあるタンパク質の約3割はコラーゲンだと言われています。美容にもいいとよく聞きますよね。

この記事では、コラーゲンの種類や効果、取り入れ方などについて詳しく解説します。

【引用】奥山健二, コラーゲンの構造, 日本結晶学会誌 54,263-269(2012) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcrsj/54/5/54_263/_pdf

コラーゲンの種類と特徴

コラーゲンには29種類のタイプがあります。なかでも代表的なコラーゲンは以下の通りです。

コラーゲンのタイプ主に存在する場所役割
I型コラーゲン(線維性コラーゲン)・体内に一番多く存在する・皮膚、骨、腱、靭帯、角膜など



・骨や皮膚の形成・弾力を与える
II型コラーゲン(線維性コラーゲン)関節、軟骨、眼の角膜、硝子体の成分
III型コラーゲン(線維性コラーゲン)皮膚、血管壁、臓器・肌のダメージを回復・血管などの組織に柔軟性を与える
IV型コラーゲン(非線維性コラーゲン)皮膚の基底膜(外側の表皮、内側の真皮の間に位置する)・細胞をつなぎ合わせる・細胞の成長を促す
V型コラーゲン(線維性コラーゲン)血管、筋肉、胎盤I型、III型の存在する組織にともに含まれている

コラーゲンの効果とは?

コラーゲンは、肌のうるおいや弾力、骨・腱・筋肉などの健康に大きくかかわっています。まずはコラーゲンの効果について詳しく見ていきましょう。

肌のうるおい・弾力

皮膚の内側の、真皮という層の大部分をコラーゲンが構成しており、皮膚のうるおい、ハリ、弾力、皮膚の形が整えられるという重要な役割を果たしています。

このことから、コラーゲンはしわやたるみの予防・改善にもつながると言われています。

また、外側の表皮と内側の真皮の間の基底膜に存在して両者をつなぎとめ、肌のきめの形成にもかかわっています。

骨の健康

骨においては、有機物の9割以上がコラーゲンだとされています。骨を構成しているのはカルシウムというイメージがあるかもしれませんが、実際は、コラーゲンの繊維にカルシウムなどが付着しているのです。

骨、腱、靭帯においては、I型コラーゲンが主要成分となっており、組織の強度や柔軟性を維持する役割を果たしています。

そして、しっかりした骨をつくり、骨折予防にも寄与しています。コラーゲンが骨に柔軟性を与えることで、外部からの衝撃を軽減しているのです。そのため、コラーゲンが不足したり、質が悪くなったりすると、骨の柔軟性が低下して骨折しやすくなることも。

また、コラーゲンが不足すると骨にカルシウムが付着しづらくなって骨粗鬆症の原因となることもあります。

さらに、骨密度に問題はなくても骨折しやすい場合は、コラーゲン不足であることも考えられます。

関節の動きをなめらかにする

関節や軟骨の主要な成分がII型コラーゲンです。関節のコラーゲンがクッションのような役割を果たし、曲げ伸ばしに伴う摩擦から骨を守り、関節がなめらかに動いたり、ダメージを予防したりしています。

また、関節の痛みの軽減に効果があるという説もあります。

腱や筋肉の健康

骨と筋肉をつなぐ腱の主成分もコラーゲンで、筋肉にもコラーゲンが含まれています。

激しい運動などをすると、腱や筋肉が損傷することがありますが、損傷した筋肉が回復するときにコラーゲンの合成が活発になり、さらに丈夫な筋肉がつくられると考えられています。

コラーゲンの1日の摂取量

コラーゲンの摂取量に、厚生労働省が決めた公的な基準はありません。ただ、一般に、1日5~10g程度摂るとよいとされています。

コラーゲンが不足するとどうなる?

コラーゲンが不足すると、以下のようなトラブルが生じることがあります。

  • しわ、たるみ
  • 骨粗鬆症
  • 骨折しやすくなる
  • 関節の炎症
  • 動脈硬化
  • 老眼、眼精疲労

コラーゲンを摂りすぎるとどうなる?

コラーゲンを摂りすぎたからと言って、直接健康に悪影響が及ぶことは少ないです。ただ、1種類の栄養素だけを過剰に摂れば、代謝するために臓器に負担がかかったり、代謝しきれず脂肪としてたくわえられたりしてしまうことがあります。

また、コラーゲンが多く含まれる食べ物は、脂質が多いものも多いため、体重増加や、過剰な皮脂分泌によるニキビなどのトラブルにもつながるでしょう。

コラーゲン以外にも言えることですが、「この成分を取り入れたい!」と思った時は、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大事です。

コラーゲンの取り入れ方

コラーゲンを取り入れる方法は、食べ物、サプリメント、スキンケアアイテムの利用などがあります。詳しく見ていきましょう。

コラーゲンを多く含む食品をとる

実は以前は、コラーゲンを食べ物から摂取しても体内で分解されてしまい、効果は期待できないと言われていました。しかし最近では、消化吸収されたコラーゲン由来の物質が、コラーゲン産生にかかわる可能性があるという説も出てきています。

コラーゲンの主成分であるグリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンが多く含まれる食品は以下の通りです。


食品
100gあたりの含有量
グリシンプロリンヒドロキシプロリン
ほたて貝柱の煮干し7300mg1800mg80mg
するめ4900mg2800mg600mg
干しエビ4300mg2300mg230mg
くるまふ1100mg4100mg
エダムチーズ560mg3800mg
脱脂粉乳650mg3600mg
干しあわび3700mg2000mg1100mg
うなぎ(白焼き)2000mg1200mg590mg
鳥もも(焼き)2100mg1500mg530mg

(参考)食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

サプリメントを利用する

食事だけで十分な量のコラーゲンを摂取するのは難しいです。そのため、サプリメントを利用するのも一つの方法です。

体に吸収されやすいように、分子の小さなコラーゲンが配合されたサプリやドリンクを活用するとよいでしょう。

スキンケアアイテムを利用する

コラーゲンが配合されているスキンケアアイテムもあります。ただし、スキンケアアイテムに含まれているコラーゲンと、肌に存在するコラーゲンは別物。スキンケアで肌に塗ったからといって、肌のコラーゲンが増えるわけでもありません。

しかし、スキンケアに含まれるコラーゲンには保湿効果が期待できるため、うるおいのある肌に導いてくれるでしょう。

コラーゲンを取り入れるときのコツ

コラーゲンを取り入れるときは、ビタミンCや鉄分と一緒に摂ること、寝る前に摂取すること、しっかり睡眠をとることなどが大事です。詳しく見ていきましょう。

ビタミンCや鉄分と一緒に摂る

ビタミンCや鉄分はコラーゲンの生成をサポートしてくれる栄養素なので、一緒に摂るとよいでしょう。サプリメントを選ぶときも、コラーゲンに加えてビタミンCや鉄分が含まれているものがあれば、そういったものを選ぶのがおすすめです。

それぞれ、多く含まれる食品には以下のようなものがあります。

  • ビタミンC:青汁(ケール)、のり、ピーマン、アセロラ、レモンなど
  • 鉄分:のり、あゆ、あさり、レバーなど

寝る前の摂取を習慣化する

コラーゲンを摂っても吸収されてから24時間ほどで体からなくなるため、毎日摂ることが大事です。

そして、寝ているときに皮膚や筋肉などの組織がつくられるので、寝る前に摂取すると効率よく効果が期待できるでしょう。

しっかり睡眠をとる

寝ている間に成長ホルモンが分泌されることで、皮膚や筋肉などの組織が円滑につくられます。不規則な生活や、睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が減ると、体内でコラーゲンがつくられる量が減るため、十分な睡眠をとることが大事です。

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※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 
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参考文献

  1. 奥山健二, コラーゲンの構造, 日本結晶学会誌 54,263-269(2012)
  2. 網塚ら, 骨の細胞における組織学的・微細構造学的知見, 顕微鏡Vol.50, No.3(2015)