乾燥肌でお悩みのあなたへ!医師がスキンケアの方法を解説

スキンケアしているのに肌が乾燥する……。そんな方は、スキンケアの方法が間違っているのかもしれません。誤ったスキンケアは、乾燥肌を悪化させる恐れがあります。 そこで今回は、正しいスキンケア法と併せて、取り入れたい美容成分の選び方やインナーケアについて解説します。

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乾燥肌のためのスキンケア方法

乾燥肌の予防・改善には、正しいスキンケアが不可欠です。まずはしっとり肌を実現するためのお手入れ方法を見ていきましょう。

クレンジング&洗顔のポイント

スキンケアの基本は、クレンジングと洗顔です。メイクの落とし残しや皮脂、ホコリなどの汚れが残った肌にスキンケアをしても、十分な効果は期待できません。そこで、乾燥が気になるデリケートな肌をフラットな状態にするクレンジングと洗顔のコツを紹介します。

手を清潔にする

クレンジングや洗顔を始める前に、必ず手を洗いましょう。手に雑菌や汚れがついたままスキンケアを行うと、肌に悪影響を与えてしまう恐れがあるためです。

石けんを使って指の間や爪の間までしっかり洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。洗った後は清潔なタオルで優しく押さえるように水気を取りましょう。

低刺激で保湿成分が配合されたアイテムを選ぶ

乾燥肌には、アルコール(エタノール)や界面活性剤が含まれたものは不向きです。

アルコールは皮脂や汚れを浮かせて落としたり、さまざまな成分を溶かして均一にしたりする働きがあります。肌を引き締める収れん効果やさっぱりした使用感があるのも特徴です。

一方、界面活性剤は水分と油分をなじませて落としやすくします。洗顔料の泡立ちをよくするのも、界面活性剤の働きの一つです。

しかし、アルコールや界面活性剤にはデメリットもあります。アルコールや界面活性剤は洗浄力が高い分、肌に必要な水分や油分まで落としてしまいかねません。乾燥がひどくなったり刺激を感じやすくなったりする可能性も考えられます。

そのため、乾燥肌にはセラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が配合されたアイテムがよいでしょう。肌に必要なうるおいを守りながらやさしく洗い上げることができます。クレンジング剤や洗顔料は、成分表示を確認して自分の肌に合ったものを選びましょう。

手早く優しく洗う

クレンジング剤や洗顔料が肌の負担になる恐れがあるため、クレンジングと洗顔は手早く行いましょう。

メイクをしている場合は、目元や唇など、ポイントメイクは専用のリムーバーであらかじめ落としておきます。通常のクレンジングではオフするのに時間がかかり、その分クレンジング剤を肌に長く載せておくことになるためです。

また、クレンジング剤は手のひらで少し温めてから顔に伸ばし、指の腹で手早くなじませましょう。くるくると円を描くように、優しくするのがポイントです。

洗顔は顔を水やぬるま湯で濡らしてから始めます。洗顔料を手のひらいっぱいに泡立て、泡を肌に転がすように優しく洗います。指が肌に触れないぐらいを目安にし、間違ってもごしごしと強くこすってはいけません。

ぬるま湯で優しくすすぐ

洗顔後のすすぎも重要なポイントです。お湯の温度は30~35度くらいがよいです。熱いお湯を使うと、皮脂が取れすぎてしまうためです。肌をこすらないよう気をつけながら、手のひらで優しく包み込むようにして洗い流します。

タオルで拭き取る際も、ゴシゴシと強くこすらないようにしましょう。洗顔後の肌は角質層が柔らかくなっており、敏感な状態なので、清潔なタオルを軽く押し当てるようにして水分を吸収させてください。

スキンケアの順番とコツ

汚れを落としたら、水分と油分を補っていきます。スキンケア用品を使う順番を守って、しっとり肌に仕上げましょう。

①ブースター(導入美容液)

乾燥が気になるときは、スキンケアのはじめにブースター(導入美容液)を取り入れるとよいでしょう。

ブースターは角質層を柔らかくし、化粧水や美容成分の浸透を高めてくれるアイテムです。洗顔後すぐ、肌が乾燥する前に素早くなじませるのがポイントです。

②化粧水

化粧水は肌に水分を補給する役割があります。乾燥肌には、セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの成分が含まれた保湿効果の高い化粧水がよいでしょう。

一回分の量を手に取り、手のひらで押し込むように(ハンドプレス)して、肌に優しくなじませます。浸透させようとパンパン叩いたり、コットンでこすったりするのは肌への負担になるので注意しましょう。また、一度で済ませようとせず、2〜3回に分けて重ねづけすると、しっかりと保湿できます。

③美容液

美容液を使う場合は、肌悩みに合わせたものを選びましょう。たとえば、乾燥による小じわにはレチノール、毛穴の開きにはナイアシンアミド、ハリ不足にはペプチドなどがよいでしょう。ただし、乾燥肌にはレチノールが刺激になることがあるなど、合わない成分もあるので注意が必要です、

使い方は、化粧水のあとに1回分の美容液を手に取り、丁寧にのばします。手のひらで押し込むようになじませると、より浸透力がアップするでしょう。

④乳液・クリーム

乳液やクリームは適度な油分で化粧水や美容液で補った水分を肌に閉じ込める役割があります。肌を優しく包み込むようにして塗布し、最後に手で軽く押さえることで密着度が高まります。

最後に、必要に応じて目元や口元などポイントケア専用の美容液やクリームを使ってもよいでしょう。

乾燥肌におすすめの美容成分

乾燥肌には、水分を浸透しやすくしたり肌に留めたりする美容成分が必要です。今使っているものや、購入を検討しているものの成分表示をチェックしてみてくださいね。

セラミド

細胞間脂質の主成分とされるセラミドには、角質細胞同士をつなぎとめる働きがあります。皮膚の水分と交互に層を作ることで、肌のうるおいも保たれているのです。

慢性的な乾燥肌や敏感肌は、何らかの原因でセラミドが少なくなっていることが多いです。その結果乾燥しやすくなり、さらにセラミドが失われるという悪循環に陥りやすいのです。

また、セラミドは加齢や間違った洗顔などでも減少します。乾燥が気になる肌には、化粧水や美容液で補いましょう。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は人間の体にもともと備わっている保水成分です。真皮(表皮のいちばん奥)に存在し、ハリにかかわる成分のコラーゲンと、コラーゲン同士をつなげるエラスチンのすき間を埋めています。

しかし、ヒアルロン酸は20代頃をピークに減少します。肌からうるおいやハリが失われるのもこのためです。

なお、ヒアルロン酸配合のスキンケア用品は単にうるおいを補うだけでなく、空気中の水分をつかまえて留める働きも期待できます。

アミノ酸

肌にもともと備わっている保湿成分であるNMF(天然保湿因子)や、NMFを支えるケラチン線維はアミノ酸でできています。

ハリや弾力の源であるコラーゲンの原料もアミノ酸であり、みずみずしい肌のためには、アミノ酸が不可欠だと言えます。

逆を言えば、アミノ酸不足は肌の乾燥やシワ、たるみなどの衰えを招く恐れがあるということ。NMFも年齢とともに減少していくため、アミノ酸配合のスキンケア用品もよいでしょう。

さらに、肉や魚などタンパク質の豊富な食べ物を積極的に取り入れることで、体の中からもアミノ酸不足改善に努めていきましょう。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は水になじみやすく、保水力もあります。高い保湿効果が期待でき、皮膚科で乾燥肌の治療に用いられることもあります。

また、ヘパリン類似物質には血行促進作用や抗炎症作用もあり、ターンオーバーの促進や炎症の緩和も期待できるとされています。

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乾燥肌を改善するインナーケア

乾燥肌の改善は、体の内側からのケアも重要です。詳細は以下の通りです。

栄養バランスのよい食事を心がける

タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維などをバランスよく取り入れた食事を心がけましょう。

特にタンパク質は人間の体を構成する主要成分で肌の土台としても重要な栄養素です。肉や魚、卵、大豆製品などに豊富に含まれています。

また、肌を健康に保つためには、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEが欠かせません。それぞれの働きと含まれている食品は以下の通りです。

ビタミンA:皮脂分泌をコントロールし、免疫力を高める。レバー、うなぎ、緑黄色野菜など。

ビタミンC:メラニンの生成を抑える。高い抗酸化作用で老化の原因となる活性酸素を取り除く。イチゴ、レモン、オレンジなどの果物、ブロッコリー、パプリカなど。

ビタミンE:抗酸化作用、肌のバリア機能を整える。卵、ナッツ類、かぼちゃ、アボカドなど。

腸内環境を整える

肌トラブルの予防には、腸内環境を整えることも大切です。

悪玉菌が優勢になると、腸内で有毒物質が発生します。人間の体には、血液に溶け込んだ有毒物質を排出する働きがありますが、このとき肌にも負担がかかり、ターンオーバーの乱れや肌荒れなどのトラブルにつながるため、腸内環境は肌にとってとても大事です。

「腸内環境を整える」とは、腸内に善玉菌を増やすことを指します。善玉菌を含む発酵食品(納豆やヨーグルト、キムチなど)や、善玉菌のエサになる食物繊維(野菜、海藻類、キノコ類など)を積極的に取り入れましょう。

こまめに水分をとる

こまめな水分補給も、乾燥肌対策に有効です。水分は汗や呼気、皮膚からの蒸発によって自然に減少します。水分不足は乾燥肌の悪化につながりかねません。肌だけでなく、健康のためにも、1日1.2リットル程度の水分摂取を心がけましょう。

そもそも乾燥肌とは?

乾燥肌を改善するために、そもそも乾燥肌とはどのような状態なのかも知っておきましょう。

皮脂や水分が不足した状態

乾燥肌とは、肌の皮脂や水分が慢性的に不足している状態です。本来、肌の表面(角質層)は適度な皮脂と水分が混ざった「皮脂膜」で保護されています。皮脂膜の役割は、肌の水分を守り、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐことです。

乾燥肌の場合、水分が足りないため皮脂膜が正常に形成されず、ますます肌の水分が失われてしまいます。その結果、かさつきや皮むけ、ピリピリ感などの症状が表れる恐れも。

化粧品メーカーのカウンターやドラッグストアなどで、肌の水分量を測定してもらうと自分の肌の状態が分かります。

目安だけでも知りたいときは、洗顔後、何もつけずに数分待ってみましょう。顔がつっぱってくるようであれば、乾燥肌の可能性があります。

乾燥肌と普通肌の違い

適度な皮脂と十分な水分のある理想的な状態を「普通肌」と呼ぶことがあります。皮脂膜と角質細胞同士をつなぐ細胞間脂質、水分を抱え込む働きのあるNMF(天然保湿因子)がバランスよく整っている状態ともいえます。肌のバリア機能が正常に働いているため、トラブルも起きにくいでしょう。

乾燥肌の場合、皮膚の水分が不足しているため、バリア機能も低下している可能性があります。外的刺激を受けやすい状態といえるでしょう。乾燥によって角質層が剥がれたり傷ついたりすることで、さらに乾燥が進むという悪循環に陥りやすいため注意が必要です。

乾燥肌の主な原因

乾燥肌の原因には気候や空調などの外的なものと、肌質や加齢など内的なものがあります。それぞれの主な原因を知っておき、できることから改善していきましょう。

外的要因:空気の乾燥・エアコン・紫外線など

冬は特に肌が乾燥しやすいことはよく知られています。空気が乾燥していると皮膚の水分も減少するためです。

しかし、近年では湿度の高い季節でも乾燥肌になる人が少なくありません。屋内では空調が整っていることが多いためです。

皮膚には皮脂分泌や発汗を調節して乾燥から守る働きがあります。しかし、エアコンなどで一定温度に保たれていると防御機能が働きにくいのです。

また、エアコンは空気中の水分を吸収します。そのため空気が乾燥しやすく、肌の水分も奪われる恐れがあるため、夏でも乾燥対策は必須といえるでしょう。

紫外線も皮膚の水分が減少する原因の一つです。紫外線を浴びることで角質層が傷つき、バリア機能低下につながります。そのため、日焼け止めを塗るなど、紫外線対策は一年を通じて行いましょう。

内的要因:加齢・睡眠不足・食事内容・ストレスなど

肌が乾燥する主な内的要因は加齢です。年齢とともに、肌そのものの水分だけでなく、バリア機能の基となる皮脂の分泌量や細胞間脂質、NMFの量も自然に減少していきます。つまり、バリア機能も徐々に衰えるということです。

また、年齢が若くても、睡眠不足や偏った食事、ストレスなど、生活習慣の乱れはホルモンバランスを崩し、ターンオーバーの乱れや過剰な皮脂分泌につながり、乾燥の原因となります。そのため、生活習慣を整えることも乾燥肌改善の重要なポイントとなるのです。

間違ったスキンケア

毎日のスキンケアが乾燥肌を招く可能性もあります。

たとえば、クレンジングや洗顔でゴシゴシこすって洗ったり、熱いお湯で洗い流したりすると、皮膚に必要な皮脂まで取り除かれてしまいます。バリア機能が損なわれるだけでなく、角質層が傷ついてますます乾燥が進むことにもなりかねません。

オイルタイプなど、洗浄力の強いものも皮脂が取れすぎる原因の一つです。乾燥が気になるときは、ミルクタイプや泡タイプのクレンジング剤・洗顔料がよいでしょう。

肌タイプに合ったスキンケア用品を選ぶことも大切です。合わないものを使っていると、乾燥だけでなくニキビなどの肌トラブルにつながることもあるため、季節に合わせてスキンケア用品を変えるなど、肌の状態もチェックしながら使いましょう。

乾燥肌を招くNG習慣

毎日の習慣が乾燥肌を招いていることもあります。間違ったスキンケアもその一つですが、そのほかにも、何気なくしていることが乾燥肌につながることがあるため、普段の習慣を振り返ってみましょう。

熱いお湯での洗顔・長風呂

乾燥肌でなくても、汚れをしっかり落としたいからと熱いお湯で洗顔するのは厳禁です。皮脂が取れすぎてしまい、乾燥する原因になります。

湯船につかるときも、熱いお湯に長時間つかっていると、皮脂膜が取れて保湿成分が流れ出てしまうため注意しましょう。

また、熱いお湯で急に血行がよくなるとかゆみが出ることもあります。かきむしって角質層が傷つき、刺激を受けやすくなってさらにかゆみがひどくなる……という負のループに陥らないためにも、湯温と湯船につかる時間には注意が必要です。

アルコール成分の多いスキンケア用品

アルコール(エタノール)には、収れん(引き締める)作用や清涼感があるため、アルコールを配合している化粧水も少なくありません。特に使用感の軽い春夏用や拭き取り化粧水に多く見られます。

しかし、乾燥肌にアルコール含有のスキンケア用品はおすすめできません。揮発性が高いため、蒸発するときに皮膚の水分も奪われてしまう恐れがあるためです。

また、乾燥肌は外部からの刺激に弱い傾向があります。アルコールが刺激になり、赤みやかゆみを引き起こすこともあるため注意しましょう。

スキンケアを省略する

化粧水で水分をたっぷり補給するのはもちろんですが、水分だけでなく油分もしっかり補わなければなりません。乳液やクリームなどの油分がないと、水分はどんどん蒸発してしまうため、スキンケアはしっかりとライン使いしましょう。

使う量や方法も大事なので、説明書を読んで適量を確認し、丁寧に肌にのせていきましょう。さっと塗って終わりにせず、手で押し込むようにプレスしたり、少量ずつなじませたりすることで、もっちりとしたみずみずしい肌に仕上がります。

乾燥肌のお悩みはクリニックフォアのオンラインショップへ

今、乾燥肌に悩んでいる方はもちろん、予防のためにもスキンケアは重要です。自分の肌に合ったスキンケア用品で水分と油分を適度に補い、乾燥から守りましょう。

クリニックフォアのオンラインショップでは、乾燥肌のお悩みにアプローチするスキンケアアイテムを取り扱っています。

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※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。

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