顔の脂がすごい!その原因とは
顔の脂がすごい……と感じる場合は、皮脂腺からの皮脂分泌が多い、または、スキンケアなどで油分を与えすぎている可能性が高いです。
皮脂分泌が多くなる原因としては、乾燥やインナードライ、毛穴の開き、紫外線ダメージ、季節の影響、食事、ホルモンバランスなどが挙げられます。詳しく見ていきましょう。
乾燥
実は乾燥は皮脂分泌増加の大きな原因となります。乾燥から肌を守るために、皮脂分泌が活発となるためです。
たとえば、顔の脂を取り除くために洗浄力の強い洗顔料で何度も洗顔してしまう、という方もいるかもしれませんが、皮脂を取り除きすぎると乾燥して、かえって皮脂分泌が増えてしまうため注意しましょう。
インナードライ
インナードライは、肌表面が皮脂でテカっていても、肌内部は乾燥している状態です。皮脂が活発に分泌されるからといって保湿ケアを控えてしまうと、乾燥から肌を守るためにさらに皮脂の分泌が活発になり、かえってテカリ、ベタつきが悪化してしまうこともあります。
脂性肌とインナードライは区別がつきにくいですが、インナードライにはTゾーンは皮脂でベタつくのに、目元や口元は乾燥でつっぱったり粉を吹いたりしやすいという特徴があります。
油分が多いスキンケア
しっかり保湿しようと油分が多いスキンケア化粧品を使いすぎてしまうと、逆にテカリが悪
化してしまうこともあります。皮脂が過剰になっている脂性肌は、水分は不足しているものの、油分はじゅうぶんに足りている状態であることが多いです。
過剰な油分がテカリ、ベタつきを悪化させたり、油分が毛穴につまって肌トラブルを引き起こすこともあるため、肌状態にあったスキンケアをすることが大切です。
毛穴が開いている
皮脂は毛穴の中にある皮脂腺から分泌されています。そのため、毛穴が開いていると皮脂が分泌しやすいことが考えられます。
たとえば、マスクを長時間つけていると、蒸れて毛穴が開き、皮脂の分泌が加速してしまうことがあります。
また、ストレスを感じるとホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が活発になるため、毛穴が開きやすくなりますし、脂質や糖質の多い食事は皮脂分泌を促す作用があることから、毛穴の開きにつながると考えられます。
普段マスクを着用している方のほか、いつも毛穴が開いている方や、ストレスをためやすい方、食生活が偏っている方などは、毛穴の開きにも着目してみましょう。
紫外線のダメージ
紫外線は一年中地上に降り注いでいますが、とくに春から夏にかけては、紫外線量が増加する季節です。紫外線には肌の弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンを破壊する作用があります。これらが破壊されると、毛穴が閉じる力を失って毛穴が開き、過剰に皮脂が分泌されることがあります。
また、紫外線は肌を乾燥させる働きもあることから、乾燥から皮脂の過剰をまねくこともあります。
季節
普段は顔の脂が少ない方でも、春や夏の季節は顔の脂が増えるケースがあります。理由としては、気温が上昇し、体温調節のために皮脂腺が活発になることが考えられます。前述のとおり、紫外線の影響も受けやすくなる季節です。さらに、高温多湿で汗も増え、べたつくことで、脂っぽさを感じやすくなることもあるでしょう。一方で、冬は乾燥によって皮脂分泌が増えることがあります。
そのため、季節に合った対策も必要と言えるでしょう。
脂質や糖質のとりすぎ
食生活は肌に大きく影響します。とくに気をつけたいのは、脂質と糖質です。
脂肪分の多い食事を摂りすぎると、体に吸収しきれなかった脂質が皮脂となって分泌されることがあります。揚げ物やファストフードが好きな方は注意が必要です。
また、糖質は血糖値を上昇させる働きがあります。血糖値が上昇するとインスリンというホルモンが分泌されますが、インスリンには皮脂を分泌させる働きもあるため、皮脂の過剰な分泌をまねきます。甘いものだけでなく、ご飯やパン、麺類などをたくさん食べるという方は注意しましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンと皮脂は密接な関係にあります。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」がありますが、プロゲステロンには皮脂の分泌を促す働きがあります。
生理が近づくとニキビができやすくなるのは、プロゲステロンがエストロゲンより優位になるためです。逆に生理が終わるとプロゲステロンよりエストロゲンが優位になるため、肌トラブルが少なくなるという方も多いのではないでしょうか。
ホルモンバランスは、ストレスや無理なダイエット、食生活、睡眠不足などによっても乱れることがあるため、顔の脂が気になる人はこれらに注意が必要です。
顔の脂がすごい!そんなときの対処法・セルフケア
顔の脂が気になる方は、次のような対処法を試してみましょう。
適切なスキンケアを行う
顔の脂がすごい、とお悩みの方の中には、間違ったスキンケアが原因となっていることも少なくありません。まずは洗顔などのスキンケア方法を見直し、しっかりと保湿をしましょう。スキンケアの際は強くこすりすぎないように注意することもポイントです。
なお、皮脂によるテカリやベタつきが気になってあぶらとり紙をひんぱんに使う方もいるようですが、あぶらとり紙で皮脂を取り除くと、また新たな皮脂が分泌されてしまいます。あぶらとり紙の使い過ぎには注意しましょう。
正しい洗顔を行う
洗顔時は皮脂を落としすぎないことが大切です。
たとえばクレンジング剤には、オイルタイプやクリームタイプ、ミルクタイプなどさまざまなものがありますが、オイルタイプのクレンジング剤は洗浄力が高く、メイク汚れをしっかり落とせる反面、皮脂を落としすぎて皮膚を乾燥させるもととなります。
同様に、洗顔料を選ぶときも、皮脂を落としすぎないように、洗浄力がマイルドなアミノ酸系や弱酸性のものを選ぶとよいでしょう。
なお、クレンジングも洗顔料も、力を入れてゴシゴシこすると肌に刺激となってしまいます。クレンジングや洗顔料は、肌にのせたら指先や手のひらで軽い力でクルクルとマッサージするようになじませてから、短時間で洗い流しましょう。このとき、お湯の温度は、体温よりやや低めのぬるま湯がおすすめです。
しっかり保湿する
洗顔が終わったら、肌を乾燥から守るためにしっかりとうるおいを与えて蓋をします。ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合された化粧水でしっかりと水分を補ってから、油分を含む乳液やクリームでうるおいを閉じ込めましょう。
皮脂によるベタつきが気になる方は乳液やクリームを敬遠しがちですが、乾燥による皮脂の過剰分泌を防ぐためにも、化粧水だけでスキンケアを終わらせてしまうのはおすすめできません。サッパリとした使用感のジェルやノンオイルの乳液なども市販されているので、好みに合うテクスチャーのものを探してみましょう。
摩擦を避ける
肌表面には、肌を刺激から守るバリア機能があります。しかし、スキンケア時などに摩擦を与えてしまうと、バリア機能が低下して水分を保持することが難しくなり、肌が乾燥してしまいます。
乾燥すると肌を守るために皮脂が分泌されるので、肌に摩擦を与えないように注意しましょう。
紫外線対策をする
紫外線は皮膚を乾燥させ、皮脂の分泌を活発にさせます。また、肌の上の皮脂が酸化すると、ニキビや肌荒れの原因となることもあります。
過剰な皮脂分泌を避けるためには、日焼け止めや日傘、帽子などを活用して紫外線から肌を守りましょう。もし日焼けしてしまった場合は、保冷剤などで冷やして炎症を鎮め、化粧水やなどで保湿してください。
生活習慣を整える
食生活は肌に大きな影響を与えます。皮脂が気になる場合は、ビタミンA、B6、Cなどを意識的に摂るようにしましょう。
ビタミンAには、ターンオーバーを整えて皮膚をすこやかに保つはたらきがあります。にんじん、レバー、ほうれん草、うなぎ、卵黄などに多く含まれます。
ビタミンB6には、皮脂バランスを整えるはたらきがあります。バナナ、じゃがいも、玄米、魚、鶏肉などに多く含まれます。
ビタミンCには、皮脂バランスを整えるとともに、抗酸化作用もあるとされています。キウイフルーツ、ピーマン、ブロッコリー、パプリカなどに多く含まれます。
また、睡眠不足やストレスなどは、皮脂の分泌促進につながることもわかっています。顔の皮脂が過剰になっている方は、生活習慣を見直すとよいでしょう。
治療を受ける
顔の脂が気になる場合は、医療機関で治療を受けることも選択肢の一つです。ここでは、主な治療方法について解説します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、肌に薬剤を塗布して古い角質を取り除く施術です。使う薬剤や施術方法にはいくつかの種類がありますが、このうちのひとつ、マッサージピールは皮膚を剥がすことはしません。
薬剤を塗布してマッサージをしながら浸透させ、皮膚の再生を促すため、皮脂バランスを整えたり、肌質改善をしたりする効果が期待できます。
・副作用
お肌の乾燥、赤み、皮剥けなどが現れることがあります。
・ダウンタイム
ほとんどなく、当日からメイクが可能なケースもあります。
ダーマペン
ダーマペンは、機械で肌に微細な穴を開け、ターンオーバーを促す治療です。皮膚の再生を促すため、皮脂腺のはたらきを整え、毛穴詰まりや開き毛穴の改善にも効果が期待できます。
また、針から美容液を注入できるため、注入する美容液によっては、皮脂バランスを整えるほか、小じわやたるみ、ニキビ、美白など、さまざまな治療への応用も可能です。
・副作用
赤み、ひりつき、かゆみ、腫れなどが現れることがあります。
・ダウンタイム
赤み、かゆみ、腫れなどが出る可能性がありますが、多くの場合、数時間~1週間程度で落ち着くでしょう。
水光注射
化粧品などが浸透しにくい真皮層の表面に、ヒアルロン酸を直接注入する治療です。ヒアルロン酸には高い水分保持能力があるとされており、たっぷりとうるおいをもたらすことで、乾燥による皮脂分泌を防ぎます。
また、小じわやほうれい線の改善にも効果が期待できます。やわらかいヒアルロン酸を使用するので、仕上がりが自然なのも水光注射のメリットです。
・副作用
赤み、内出血、注射部位のかさぶたなどが現れることがあります。
・ダウンタイム
赤みやかさぶたなどは2~3日で落ち着きます。
内服薬
内服薬によって皮脂バランスを整えることも可能です。処方されるお薬にはさまざまな種類がありますが、一例として、次のような成分のお薬が処方されることがあります。
・ビタミンC
皮脂バランスを整え、ニキビ予防などの効果が期待できます。
副作用として、胃の不快感・悪心・嘔吐・下痢などが現れることがあります。
・ビタミンB
ビタミンB6などの複数のビタミンが配合されているビタミン剤もあります。脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜をすこやかに保つ効果が期待できます。
副作用として、便秘・嘔気・下痢・めまいなどが現れることがあります。
・ビタミンE
皮脂バランスを整え、皮脂の酸化を防ぐ効果が期待できます。
副作用として、便秘・胃部不快感・下痢・発疹などが現れることがあります。
お肌のお悩みはクリニックフォアの美容皮膚オンライン診療へ
顔の脂がすごい……とお悩みの場合は、セルフケアを行うほか、医療機関で治療を行うのも一つの方法です。
クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。
顔の脂が気になる方向けに、肌質改善効果が期待できるお薬など、お悩みごとに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※自由診療