すり鉢毛穴ができる原因とは?改善方法や予防法についても紹介

「最近、毛穴が大きく開いて目立つ」と悩んでいる場合、すり鉢毛穴になっている可能性があります。何とかしたいと思ってはいるものの、どうすればよいのかわからず困っている方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、すり鉢毛穴ができる原因や改善方法、予防法などについて解説します。

すり鉢毛穴(開き毛穴)とは?

すり鉢毛穴とは、毛穴の出口が大きく開いてすり鉢状になり、目立ってしまっている状態のことです。

何らかの理由で皮脂が過剰に分泌されると、余分な皮脂が毛穴につまることがあります。毛穴に皮脂がつまると、それを解消するための酵素が分泌されます。すると酵素に分解された皮脂が、「不飽和遊離脂肪酸(ふほうわゆうりしぼうさん)」という物質に変わります。

不飽和遊離脂肪酸は毛穴周辺の皮膚にダメージを与えるため、毛穴がすり鉢状に広がってしまうというメカニズムです。

すり鉢毛穴とたるみ毛穴・つまり毛穴の違い

たるみ毛穴とは、加齢によって肌の弾力が低下してたるみ、毛穴が引き伸ばされている状態です。そしてつまり毛穴とは、毛穴に余分な皮脂や古い角質がつまっている状態です。

一方、すり鉢毛穴は毛穴周辺の皮膚がダメージを受けて開いている状態で、たるみ毛穴やつまり毛穴とは異なります。ただし、毛穴のつまりはすり鉢毛穴につながるため、つまり毛穴とすり鉢毛穴は無関係とはいえません。

また、たるみ毛穴も、毛穴が引き伸ばされて広がっているため角質などがつまりやすく、すり鉢毛穴につながる場合があります。

すり鉢毛穴ができやすい部位

すり鉢毛穴は、額や鼻、あごなどの皮脂の分泌量が多い部位にできやすい傾向にあります。いわゆるTゾーンやUゾーンと呼ばれる部位です。

TゾーンやUゾーンは皮脂腺が発達していて、皮脂が過剰に分泌されやすい傾向にあります。そのため皮脂が毛穴につまりやすく、不飽和遊離脂肪酸によって毛穴周辺の皮膚がダメージを受けてすり鉢状に開くトラブルが起こりやすいのです。

すり鉢毛穴はなぜできる?原因を解説

すり鉢毛穴は、過剰に分泌された皮脂で毛穴がダメージを受けることで生じます。しかし、なぜ皮脂が必要以上に分泌されてしまうのでしょうか。ここでは、すり鉢毛穴ができる主な原因を解説します。

乾燥・摩擦による肌のターンオーバーの乱れ

肌が乾燥したり、摩擦によるダメージを受けたりすると、肌のターンオーバーが乱れやすくなって角質が蓄積します。また、乾燥した肌にうるおいを与えようとして、必要以上に皮脂が分泌される場合があります。

すると皮脂や角質が毛穴に溜まりやすくなり、毛穴が広がって目立ってしまうことがあります。

毛穴のつまり・角栓

過剰な皮脂や落とし切れないメイク汚れなどが毛穴につまると、角栓ができることがあります。その角栓をケアせずに放置すると、今ある角栓に皮脂や汚れが積み重なって大きくなり、毛穴を押し広げてしまいます。

さらに毛穴につまった角栓を分解しようと酵素が分泌され、皮脂が不飽和遊離脂肪酸に変わるため、毛穴周辺の皮膚がダメージを受けてすり鉢毛穴になることがあります。

すり鉢毛穴を自力で治す方法はある?

すり鉢毛穴は目立つので、何とかしたいと思う方も多いでしょう。そこで、すり鉢毛穴改善のためのセルフケアを紹介します。

肌のターンオーバーを整える

肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が溜まってすり鉢毛穴になる場合があります。そのため、すり鉢毛穴を改善するには、肌のターンオーバーを整えることが大切です。

スキンケアを見直す

肌のターンオーバーを整えるには、日頃のスキンケアを見直す必要があります。刺激の強いスキンケア製品の使用を避けたり、しっかりと保湿したりすることを心がけましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の乱れもターンオーバーの乱れにつながるため、睡眠不足や栄養の偏りにも注意が必要です。

皮脂の過剰な分泌を予防する

皮脂が過剰に分泌されると毛穴がぽっかりと開きやすくなるため、皮脂の過剰分泌を抑えることも、すり鉢毛穴改善に役立ちます。

保湿を徹底する

肌が乾燥すると皮脂が必要以上に分泌されやすくなるので、すり鉢毛穴が気になるときは保湿ケアを徹底しましょう。

摩擦を避ける

摩擦によるダメージも皮脂の過剰分泌の原因になります。洗顔の際に肌をゴシゴシ洗うなどして、肌を強くこするのも避けましょう。

レチノール配合のスキンケア製品を使う

レチノールには皮脂の分泌を抑える働きがあるとされており、すり鉢毛穴改善の効果が期待できます。毛穴の開きに困っているなら、スキンケア製品をレチノール配合のものに変えてみるのもよいでしょう。

すり鉢毛穴改善なら美容皮膚科の受診検討を

すり鉢毛穴を改善したいなら、美容皮膚科を受診することも検討してみてはいかがでしょうか。美容皮膚科では、美肌に導くためのさまざまな施術を取り扱っており、毛穴トラブル向けの施術も受けられます。

また、豊富な経験と専門知識をもつ医師の診察や施術が受けられるので、自分で対処するよりも効果を感じやすいのも魅力です。自己判断で誤ったケアを行い、すり鉢毛穴が悪化するリスクも軽減できます。ここでは、すり鉢毛穴改善に役立つ美容皮膚科の施術を紹介します。

CO2フラクショナルレーザー

CO2フラクショナルレーザーとは、細かな点状にレーザーを照射し、あえて肌にダメージを与えることで美肌を目指す施術です。

ダメージを受けた肌が回復しようとする力を利用し、コラーゲン生成を促進させて、毛穴の開き・黒ずみやニキビ跡などの改善を目指します。

【副作用・リスク】肌の赤み・ヒリヒリ感・腫れ・かゆみ など

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、専用の薬剤を肌に塗布して古い角質を剥がす施術です。不要な角質が除去されて、肌のターンオーバーが促進されるため、乱れたターンオーバーを整えるのに役立ちます。

【副作用・リスク】肌の赤み・肌の乾燥・皮むけ など

ダーマペン

ダーマペンとは、極細の針で肌に小さな穴をあけ、美容液を浸透させる施術です。針でできた傷を修復する力を利用し、コラーゲンやエラスチンの生成を促す効果も期待できます。シワやたるみ、毛穴の開き、毛穴のつまりなどの改善が期待できるといわれています。

【副作用・リスク】肌の赤み・ヒリヒリ感・腫れ など

ポテンツァ

ポテンツァとは、マイクロニードルと呼ばれる非常に細い針で肌に微細な穴を開け、ダメージを受けた肌を修復する力を使って毛穴の開きやシワ、ニキビ跡などを改善に導く施術です。

ダーマペンと似ていますが、ダーマペンは針で穴をあけた後に薬剤を塗布するのに対し、ポテンツァは針先から高周波(RF)を照射して薬剤を浸透させるという違いがあります。

【副作用・リスク】肌の赤み・熱感・むくみ など

水光注射

水光注射とは、肌に直接ヒアルロン酸を注入する施術です。肌のうるおいをアップさせるので、乾燥による毛穴の開き改善に役立つとされています。

【副作用・リスク】肌の赤み・内出血・かさぶた など

トレチノイン配合の外用薬

トレチノインとは、肌のターンオーバー促進の効果が期待できる、医療機関だけが扱える成分です。シミ・シワの改善だけでなく、毛穴の開きやつまり改善にも役立つとされています。

美容皮膚科では、トレチノイン配合の外用薬の処方にも対応しているケースが多いので、気になる方は相談してみましょう。クリニックフォアでもトレチノイン配合の外用薬が処方可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

【副作用】肌の乾燥・刺激を感じやすくなる など

すり鉢毛穴の予防法

セルフケアや美容皮膚科の施術ですり鉢毛穴が改善しても、再発する可能性があります。すり鉢毛穴につながる習慣を見直して、再発予防に努めましょう。ここでは、すり鉢毛穴の予防法を紹介します。

クレンジング・洗顔はやさしく丁寧に行う

摩擦によって肌がダメージを受けると、すり鉢毛穴になる可能性があります。クレンジングや洗顔は、肌をこすらないようにやさしく丁寧に行うことが重要です。洗顔料はしっかりと泡立てて使い、タオルでゴシゴシと顔を拭くのは避けましょう。

しっかり保湿して乾燥を防ぐ

肌が乾燥するとターンオーバーが乱れるので、すり鉢毛穴が生じやすくなります。洗顔後はしっかりと保湿して、肌の乾燥を防ぐよう心がけましょう。

ちなみに肌を保湿するには、化粧水だけでなく乳液やクリームも使うことをおすすめします。化粧水をつけた後に乳液やクリームなどでフタをすると、水分が蒸発しにくくなるためです。

フェイスマスクやパックも、肌の保湿に役立ちます。ただし、シートが乾燥するまで乗せ続けると、逆に肌の水分が奪われてしまうので注意しましょう。

紫外線対策を怠らないようにする

紫外線を浴びると肌がダメージを受けて、すり鉢毛穴などの毛穴トラブルが起こりやすくなります。毛穴が気になるときは、紫外線対策を怠らないようにすることが重要です。

日焼け止めは季節を問わず使用しましょう。また、効果を持続させるために、2~3時間に1回を目安に塗り直すようにしてください。日傘や帽子を活用し、肌に直接紫外線が当たるのを防ぐのも有効です。

栄養バランスのよい食事を摂る

脂質や糖分が多い食事が続いていると、皮脂が過剰に分泌されて毛穴が開き、すり鉢毛穴につながります。すり鉢毛穴を予防するには、乱れた食生活を改善し、栄養バランスを意識した食事を摂ることが大切です。

また、すり鉢毛穴が気になるときは、とくに以下の3つの栄養素を積極的に摂取しましょう。

・タンパク質:肌を作る材料になる

・ビタミンC:皮脂の過剰分泌を抑制する

・ビタミンE:皮脂の酸化を防ぐ

これらの栄養素を豊富に含む食材として、以下のようなものがあります。

・タンパク質が多い食材:肉類・魚介類・卵・牛乳や乳製品・大豆や大豆製品 など

・ビタミンCが多い食材:パプリカ・ブロッコリー・イチゴ・キウイフルーツ など

・ビタミンEが多い食材:卵・アーモンド・アボカド・かぼちゃ・オリーブオイル など

質のよい睡眠を確保する

睡眠時間が不足していたり、睡眠の質が悪かったりすると、肌のターンオーバーが乱れやすくなります。ターンオーバーが乱れると、毛穴の開きなどのトラブルが起こりやすくなるので、十分な睡眠時間を確保すること、睡眠の質を高めることを心がけましょう。

なお、「十分な睡眠時間」は人によって異なります。長すぎず短すぎず、しっかりと休息感を得られていれば、その人に取ってちょうどよい睡眠時間といえます。何時間くらい眠るとスッキリ目覚められるかチェックしてみましょう。

また、睡眠の質を上げるには、以下のような習慣を身に付けるのがおすすめです。

・朝食を抜かない

・カフェインやアルコールの摂取量を減らす

・寝る前にスマートフォンやパソコン、TVなどを見るのを避ける

・光や音が入らず、ちょうどよい温度の快適な環境で眠る など

適度に運動する

あまり身体を動かさないと血流が低下し、肌のターンオーバーが乱れやすくなるので、すり鉢毛穴などの毛穴トラブルが起こりやすくなります。

血行を促進させて肌のターンオーバーを整えるためにも、適度に運動する習慣を身に付けましょう。

ストレスを溜め込まないようにする

ストレスを溜め込むとターンオーバーが乱れたり、皮脂が過剰に分泌されやすくなってしまいます。すり鉢毛穴を予防するなら、こまめにストレスを解消することも重要です。

ストレス解消法は人それぞれですが、深呼吸したり身体を動かしたり、歌を歌ったりすることはストレス解消に役立つといわれています。手間もお金もかからない方法なので、今日からでも始めてみましょう。

すり鉢毛穴のお悩みはクリニックフォアの美容皮膚オンライン診療へ

すり鉢毛穴は開き毛穴がさらに悪化した状態であり、より毛穴が目立ちやすくなります。誤った方法でのスキンケアや乾燥、ターンオーバーの乱れなどがすり鉢毛穴の原因となるため、日頃の生活習慣やスキンケアの方法を見直してみましょう。

ただし、自力での対処には限界があります。より効果を実感したいなら、美容皮膚科の施術を受けることも検討してみてはいかがでしょうか。

クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。

乾燥、肌荒れ、シミ、くすみ、色素沈着のほか、シワやたるみなど、さまざまなお悩みに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

参考文献

  1. トレチノインによるしみの治療の原理
  2. Types of Skincare Cosmetics and Their Usage Miki MINAMINO
  3. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員会
  4. 成人のためのGood Sleepガイド 第2回 健康日本21(第三次)推進専門委員会
  5. こころと体のセルフケア 厚生労働省