毛穴の黒ずみがどうにもならない!原因・ケア方法・治療法などを解説

毛穴の黒ずみがどうにもならないというお悩みは少なくありません。今回は毛穴の黒ずみの種類や原因を徹底解説。正しいケア方法とNGなセルフケアや、予防方法、クリニックでの治療方法までわかりやすく解説します。

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そもそも毛穴のはたらきとは?

毛穴は、皮脂腺から分泌される皮脂や、老廃物の出口となるものです。皮脂は肌の表面を保護して、ほこりをはじめとする異物や刺激から肌を守っています。つまり、毛穴も皮脂も、健やかな皮膚のためにとても重要なものだと言えます。

ただ、顔の中でも特にTゾーンなどの毛穴が多い場所は、皮脂の分泌量も多くなり、黒ずみなどのトラブルに悩まされることがあります。

毛穴の黒ずみの種類

毛穴の黒ずみにはいくつかの種類と原因があります。代表的なものは、角栓のつまりと酸化による黒ずみ、毛穴の開き、クレーター、メラニン毛穴、産毛などです。まずはそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

角栓のつまりと酸化

触るとざらつきがある場合は、つまった角栓が酸化して黒くなっている可能性があります。角栓とは、角質と皮脂が混ざったもので、角栓が酸化すると黒ずんで見えてしまいます。

通常はターンオーバーなどによって角質は自然と取り除かれていきますが、乾燥やターンオーバーの乱れなどによって角栓がたまってしまうと、黒ずみの原因となることがあります。

また、摩擦などの刺激によって角質が厚くなっていることや、皮脂の過剰分泌によって皮脂が毛穴にたまりやすくなっていること、メイクなどの汚れが残っていることなども考えられます。

なお、このタイプの毛穴は、皮脂分泌が多かったり、角質が厚かったりする自覚がある場合によくあるケースです。鼻や額のほか、あご、ほおなどにもできやすいです。

毛穴の開き

毛穴が開いていると、影ができて黒ずんだように見えることがあります。このような毛穴は頬に多い傾向があります。

毛穴の開きの原因としては、皮脂の過剰分泌が挙げられます。ただ、乾燥していると皮脂が分泌されるため、根本原因が乾燥というケースもあります。

また、たるみによる毛穴の開き「たるみ毛穴」ということも考えられます。主に加齢によって肌の弾力やハリがなくなると、たるみによって毛穴が縦に開くことがあるのです。

クレーター(ニキビなどの跡)

ニキビや、角栓を無理やり押し出そうとしたことなどによってクレーター状の凹みができることがあります。クレーターができると、影で黒ずんで見えることがあるのです。

肌にクレーターのような穴が開いてしまうのは、皮膚の奥にあるコラーゲンが破壊されてしまったからだと考えられています。ターンオーバーという新陳代謝の機能があるので、皮膚の表面が傷ついてもまた新しい皮膚が生まれてきますが、奥にある真皮層にはターンオーバーの影響が及びません。そのため、ニキビなどで炎症が起こり、皮膚組織がダメージを負うと回復しにくいのです。

紫外線による色素沈着(メラニン毛穴)

毛穴の中(内側)ではなく、毛穴周辺がドーナツ状に黒ずんでいる場合は、メラニンによる黒ずみの可能性が高いです。このような状態をメラニン毛穴と言います。触ってもざらつきを感じないことが多いのも特徴です。

原因は、紫外線や摩擦、皮脂の酸化といった刺激で炎症が生じ、メラニンがつくられることだと考えられます。また、ターンオーバーの乱れでメラニンが排出されないことも、メラニン毛穴の原因となります。

なお、紫外線によってターンオーバーが乱れ、角質やメラニンが排出されにくくなるといった悪循環にも陥ることがあります。

産毛で黒く見えている

産毛で黒く見えていることもあるでしょう。産毛自体が黒く見えることもあれば、自己処理で断面が目立っていることもあります。また、毛穴がつまって、抜けた産毛が除去されにくくなっていることも考えられます。

毛穴の黒ずみの原因

毛穴の黒ずみのタイプや、それぞれの原因の概要については前述のとおりです。ここからは、ここまでに触れてきた原因について、メカニズムなどをさらに詳しく解説します。

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーが乱れると、古くなった角質が剥がれ落ちにくくなり、毛穴がつまったり、メラニンが排出されにくくなったりします。

ターンオーバーは本来、一定のサイクルで古い皮膚が剥がれ落ち、新しい皮膚細胞が生まれるという新陳代謝が繰り返されているものです。しかし、さまざまな原因でターンオーバーのサイクルが乱れることがあります。

たとえば、睡眠不足になっていると、ターンオーバーに必要な成長ホルモンがじゅうぶんに分泌されなくなってしまいます。また、紫外線によるダメージを受けた場合は、肌が乾燥して、そのダメージから回復しようとターンオーバーが早くなってしまうこともあります。ターンオーバーが早すぎると皮膚な未熟な状態で出てきてしまい、トラブルの原因となるため、ターンオーバーが早ければよいというものでもありません。

このほか、エアコンによる冷えや運動不足などで血流が滞ると、皮膚に栄養が行き渡らなくなってターンオーバーが乱れることもあります。

皮脂の過剰分泌

皮脂を分泌する皮脂線は毛穴の中にあるため、皮脂と毛穴は密接な関係にあります。

皮脂線から分泌された皮脂は、通常は毛穴から排出されて、肌表面を乾燥から守る役割を果たしています。しかし皮脂が過剰に分泌されると、毛穴から排出しきれずにつまって、酸化した皮脂が黒ずんでしまうことがあるのです。

皮脂が過剰に分泌されてしまう原因には、乾燥や肌に合わないスキンケア、不規則な生活、栄養バランスの偏り、睡眠不足などが挙げられます。

メイクなどの汚れ残り

メイクに使われる化粧品は多くが油性なので、適切なクレンジングを行わないと、汚れが残って毛穴につまってしまうことがあります。

また、大気中に漂っている花粉やホコリなどが原因となって毛穴が黒ずむこともあります。

メイクをした日は、メイクに合ったクレンジングを使ってしっかりとメイクを落としましょう。メイクをしない日でも、洗顔料を使って毛穴の汚れを落とすことが大切です。

紫外線

紫外線を受けると、メラノサイトが活性化して多くの黒色メラニンが生成されます。メラニン色素というとシミのもとになる好ましくないイメージがあるかもしれませんが、実はメラニンが黒いのは、日傘のように肌内部を守る役目を持っているからなのです。

また、紫外線は肌の水分を蒸発させるので、乾燥から皮脂の分泌が活発になったり、ターンオーバーが乱れたりすることもあります。

摩擦

肌に摩擦を与えると、その刺激で肌が傷つき、ターンオーバーのサイクルが乱れることがあります。また、毛穴まわりの肌が炎症を起こすと、メラノサイトを刺激してメラニン色素が過剰に生成されてしまうこともあります。

毛穴の黒ずみを改善する方法

毛穴の黒ずみが気になる場合は、黒ずみのタイプに合ったセルフケアをしましょう。

酸化した角栓:毛穴を開かせ角栓を除去する

酸化して黒ずんで見える角栓は、毛穴を開かせて角栓を除去しましょう。まずは蒸しタオルなどであたため、毛穴を開かせます。

その後、クレンジングでメイクや汚れを除去しつつ、角栓をやわらかくします。メイクをしっかり落とし、角栓を柔らかくするには、オイルタイプのクレンジングがよいとされています。そして、クレンジング後に洗顔料でさらに汚れを除去します(正しい洗顔方法は後述)。

毛穴の黒ずみにかかわらず、洗顔後のスキンケアでは保湿が重要となります。ただし、油分が気になるからといって化粧水だけで済ませるのはよくありません。保湿では水分と油分のバランスも重要となるため、乳液やクリームも適切に使いましょう。

なお、収斂化粧水(毛穴を引き締める作用を持つ)で、毛穴を引き締めるのもよいでしょう。

メラニン毛穴:美白ケアをする

市販されているスキンケア化粧品には、さまざまな美白有効成分が配合されたものがあります。新たなシミやシミの悪化を防ぐためには、次のような美白有効成分が配合されたスキンケアアイテムを使うのも一つの方法です。

・ビタミンC誘導体

ビタミンCの浸透性や安定性を高めた成分です。メラニンの生成に必要なチロシナーゼという酵素の活性化を阻害します。

・アルブチン

コケモモに含まれている成分です。シミのもととなるドーパキノンという物質の生成を阻害します。

・トラネキサム酸

もとは抗炎症薬や止血剤として使われていたものです。メラノサイトの活性化に必要なプラスミンの生成を抑えます。

・コウジ酸

日本酒や醤油を製造するときに発生するコウジから得られる成分です。メラニンの生成に必要なチロシナーゼの活性を阻害します。

産毛による毛穴目立ち:脱毛する

産毛はカミソリでは完璧にケアできないことも多いです。また、カミソリで処理することで毛の断面が目立ってしまい、余計に黒ずみがひどくなったと感じることもあるでしょう。特に鼻周辺は凹凸も多く、カミソリでのケアが難しい場所です。

そのため、産毛による毛穴目立ちの場合は、家庭用脱毛器の使用や、医療機関などで脱毛の施術を受けるのも一つの方法です。

毛穴の黒ずみの発生・悪化につながるNGケア・注意点

毛穴の黒ずみを取ろうとして行っているケアが、実は黒ずみの発生や悪化の原因となっているケースもあります。以下のようなケアは避けましょう。

指や爪で角栓を押し出すのはNG

黒ずんだ角栓が見えている場合、指や爪で押し出したくなってしまうこともあるでしょう。しかし、肌を傷つけたり、指などについていた細菌が入って炎症してしまったりする恐れがあります。

また、取り除けるのは表面のほうにある角栓だけで、奥のほうには角栓が残っているので根本的な解決にはならないことが多いです。かえって毛穴の開きなどの原因となりえるため、絶対にやめましょう。

はがすタイプの毛穴パックやスクラブを頻繁に使うのはNG

はがすタイプの毛穴パックを使うと、毛穴の周囲の皮膚など、必要な部分まで除去して皮膚を傷つけてしまうことがあります。パックをしたまま放置すると毛穴が開いたままになる点にも注意が必要です。

また、スクラブの入ったケアアイテムも、頻繁に使うと皮膚を傷つけることにつながるため注意しましょう。

ピーリングなどのケアを頻繁にするのはNG

角栓が多い場合はピーリングによるケアが効果的なケースがあります。ただ、こちらもパックなどと同様に、やりすぎると肌の負担となるため注意しましょう。

洗顔時に強くこするのはNG

皮脂や汚れ、角栓を取り除こうと、洗顔時にゴシゴシこすってしまっている方もいるかもしれません。しかし、過度な刺激を与えると、肌が傷ついてバリア機能が低下したり、乾燥したり、炎症してメラニンがつくられたりすることがあります。洗顔は優しく行いましょう。

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毛穴の黒ずみの予防法

日常生活を少し工夫するだけでも黒ずみの予防が可能です。今日から次の点に注意してみましょう。

クレンジング・洗顔を丁寧に行う

摩擦や刺激は肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱したりメラノサイトを活性化したりする原因となります。クレンジングや洗顔を行うときは、摩擦を避け、体温より低いぬるま湯を使うようにしましょう。

正しいクレンジング方法

①クレンジングを手のひらに取って顔全体にのばします。
②指先を使って力を入れずにクルクルと円を描くようになじませます。
③ぬるま湯で洗い流します。

クレンジングにはオイルやクリームなどのタイプがありますが、オイルタイプのクレンジングは洗浄力が高いため、肌にダメージを与えることもあります。使用するクレンジングは、比較的洗浄力がおだやかなミルクやクリームを検討してみてはいかがでしょうか。

正しい洗顔方法

①清潔な手のひらに洗顔料を取り、泡立てネットなどを使って泡立てます。
②泡を肌にのせ、泡をクッションにするように、手のひらが肌に触れない程度のやさしい力で汚れとなじませます。
③ぬるま湯でしっかりとすすぎます。こめかみなどはすすぎ残しやすいため、鏡で見て確認するとよいでしょう。
④タオルで肌を軽くおさえるようにし、水分をタオルに吸収させます。

洗顔もクレンジングと同様、ゴシゴシこするのはダメージのもととなります。洗顔料はたっぷりと泡立て、肌をこすらないことが大切です。

十分に保湿する

肌が乾燥していると、皮脂の分泌が活発になって、毛穴づまりを起こしてしまうリスクが高まります。スキンケアをするときは、しっかりと水分を補給することが大切です。

ただし、油分で蓋をしないと、せっかく補給した水分がまた蒸発してしまいます。化粧水を使ったら、乳液やクリームで水分を閉じ込めるようにしましょう。

紫外線対策をする

紫外線は、メラノサイトを活性化させて、メラニン色素の生成を促進します。メラニン毛穴が気になる方は、とくに紫外線対策に力を入れましょう。

なお、紫外線は雨や曇りの日も地上に届いていますし、日差しのおだやかな冬でも紫外線は降り注いでいます。日焼けが気になる夏だけでなく、一年を通して紫外線対策をしましょう。

ビタミンなどを積極的に摂る

栄養不足になっていたり、栄養が偏ったりしていると、ターンオーバーの乱れを起こしたり、皮脂が過剰に分泌されたりします。次のような栄養素を積極的に取り入れつつ、栄養バランスのとれた食事を摂ることを心がけましょう。

・ビタミンA

ターンオーバーを整える働きがあります。かぼちゃやニンジンなどの緑黄色野菜、モロヘイヤ、うなぎ、レバーなどに多く含まれます。

・ビタミンB群

皮脂の分泌を調節し、ターンオーバーを整える働きがあります。マグロ、豚肉、鮭、バナナ、大豆などに多く含まれます。

・ビタミンC

皮脂の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。パプリカ、ブロッコリー、アセロラ、レモン、キウイ、オレンジなどに多く含まれます。

・ビタミンE

ターンオーバーを整える働きや抗酸化作用があります。アーモンド、オリーブオイル、うなぎ、卵、アボカド、かぼちゃなどに多く含まれます。

・亜鉛

皮脂バランスを整え、酸化を防ぐ働きがあります。牛肉、豚のレバー、牡蠣、卵などに多く含まれます。

・たんぱく質

皮膚の組織を作り、ハリや弾力をサポートする働きがあります。肉、魚、卵、乳製品、大豆などに多く含まれます。

なお、脂質や糖質は皮脂の分泌を促します。多く摂取すると、皮脂の過剰分泌から毛穴づまりをまねく恐れがあるため、脂質・糖質の摂りすぎには注意しましょう。

水分補給をしっかり行う

肌の表面からの保湿も大切ですが、体の中からの水分補給も重要です。体の水分が不足すると、乾燥肌をまねいて、過剰な皮脂につながってしまう可能性があります。

一般的に、成人は1日に2.5リットル程度の水を排出しているといわれています。失われた水分を補うには、食事や体内で作られる水分のほか、飲み水からの水分補給も必要です。毎日1.2リットル程度は飲み水から摂取するようにしましょう。

十分な睡眠・規則正しい生活

睡眠中は、ターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されます。メラニン色素を含んだ角質を排出するためにも、しっかりと睡眠をとり、規則正しい生活を心がけたいものです。

寝つきが悪い方は睡眠不足になりやすいので、まずは室温を快適な温度に整えましょう。また、光(とくにブルーライト)は目を刺激して寝つきにくくなってしまうため、入眠前にはスマホやテレビを見ないようにすることも大切です。

適度に運動する

運動をすると血行が促進されます。血液は肌に栄養を届ける役目を持っているので、運動をして血流を促すことは、ターンオーバーを整えるのに効果的です。

無理に激しい運動をする必要はないので、ヨガやストレッチ、ウォーキングなどでも血行促進効果が期待できます。運動をする時間がない方は、エレベーターを使わずに階段を使ったり、電車やバスを使わずに歩く距離を増やしたりするとよいでしょう。

毛穴の黒ずみの種類ごとのケア方法とお薬・成分

毛穴の黒ずみはセルフケアだけでは改善されないことも多いため、医療機関を受診し、お薬の処方や施術を受けるのも一つの方法です。ここからは、毛穴の黒ずみの種類ごとのケア方法や、効果が期待できるお薬の成分などについて解説します。

角栓のつまりと酸化:つまりを改善するお薬を使う

角栓のつまりや酸化によって黒ずみが生じている場合は、つまりを改善するお薬が有効なケースがあります。

過酸化ベンゾイル

過酸化ベンゾイルは、角質をはがすなどの効果が期待できる塗り薬です。抗菌作用もあり、ニキビ治療によく使われるお薬です。毛穴がつまった面皰(いわゆる白ニキビ)から、炎症したニキビ(いわゆる赤ニキビ)、治療後の状態の維持など、幅広い状態に使われます。そのため、毛穴のつまり改善にも効果が期待できます。

なお、どのようなお薬や施術にも、効果の反面副作用のリスクはあるため、理解したうえで使用することが大事です。

過酸化ベンゾイルは皮膚のはがれや赤み、刺激感、乾燥などが生じるケースが少なくありません。ただ、使っていくうちに気にならなくなることが一般的です。使用中に紫外線を浴びると皮膚が刺激を感じやすくなることがあるため、治療中は特にUVケアを徹底しましょう。

また、漂白作用があるため、髪や衣類など、患部以外の場所に付着しないように気を付けてください。

アダパレン

アダパレンもニキビ治療によく使う塗り薬です。白ニキビから炎症した赤ニキビ、治療後の状態の維持など、幅広い状態に使われます。

その作用は、表皮角化細胞分化抑制というもので、簡単に言えば、ターンオーバーを調整するということです。また、これによって毛穴のつまり改善も期待できるため、黒ずみ改善にも効果が期待できます。

副作用としては、皮膚の乾燥や不快感、はがれ、赤い斑、かゆみなどが挙げられ、乾燥と不快感に関しては半数程度に生じるとされています。

メラニンの沈着:美白ケアを行う

メラニンが沈着している場合は、美白ケアを行う必要があるでしょう。美白ケアアイテムは市販もされていますが、医療機関では、同じ成分でも濃度が高いものが処方されるケースが多いです。

ハイドロキノン

イチゴや麦芽、コーヒーなどに含まれている成分を配合した塗り薬です。メラニン色素を生成するメラノサイトの働きを抑えるとともに、メラニンの生成に必要なチロシナーゼ酵素の働きを抑えてメラニン色素の生成を防ぐ効果が期待できます。

副作用としては、かぶれやヒリヒリ感などの刺激感の報告があります。濃度が高いほど刺激感も強くなる傾向があるため、医師の指示を守って使うことが大切です。

アルブチン

ハイドロキノンにブドウ糖を結合させたものがアルブチンです。メラニン色素の生成に必要なチロシナーゼ酵素の活性を阻害することから、シミ予防効果が期待できます。

厚生労働省に認められた美白有効成分のひとつで、市販の化粧品にも配合されています。ハイドロキノンの副作用が強く使いにくい場合は、アルブチンを含む市販品を選ぶのも一つの方法でしょう。ただし、副作用としてかぶれが生じたという報告もあるため、市販品だから副作用がないと考えるのは危険です。

トレチノイン

ターンオーバーを促す効果が期待できるビタミンA誘導体の塗り薬です。こちらは基本的に、医療機関で処方を受ける以外に入手する方法はありません。

トレチノインは、皮膚の新陳代謝を高めてメラニン色素を含んだ角質細胞の排出を助けるとされています。メラニンが沈着した黒ずみのほか、紫外線によるシミや肝斑、ニキビ跡の色素沈着などにも処方されます。

副作用として、皮むけ、赤み、ヒリヒリ感などのレチノイド反応と呼ばれる症状が起こることがあります。これらはターンオーバーの促進によって現れる一時的なものと考えられています。

ビタミンC誘導体

ビタミンCは、メラニンの生成阻害、還元のほか、酸化を防ぐ成分としても知られています。市販の化粧品にも配合されていますが、医療機関では、点滴、イオン導入、ダーマペンなどでより効果的に肌に届ける施術を受けることも可能です。

副作用として、赤み、腫れ、吐き気などが現れることがあります。

トラネキサム酸

皮膚の炎症を抑えることで、メラニン色素が合成されるのを阻害する飲み薬です。肝斑の治療に処方されることが多いですが、シミなどのメラニンの色素沈着予防としても効果が期待できます。

副作用として、食欲不振や吐き気などが現れることがあります。

プラセンタ

プラセンタは、胎盤から抽出される成分です。ターンオーバーを促進する効果が期待できることから、色素新着の改善や肌のハリを高める効果があるとされています。化粧品に配合されることも多いですが、医療機関では、筋肉に注射する施術を行っているところもあります。

副作用として、発赤、腫れ、しびれ、しこり、動悸、めまい、悪寒、悪心、肝機能障害、アレルギー反応などが現れることがあります。

毛穴の開き:十分な保湿を行う

毛穴が開いている場合は、皮脂が過剰分泌されていることが多いです。そして、その根本的な原因は乾燥にあることも多いため、十分に保湿して乾燥を防ぎましょう。

皮脂の分泌が多いと、油分を含むスキンケアアイテムを使うことに抵抗を感じることがあるでしょう。しかし、前述のとおり、保湿のためには水分と油分のバランスがとても大事です。化粧水による水分だけでなく、乳液などで油分も与えましょう。仕上げにクリームでふたをすることも大切です。

なお、毛穴の開きが気になるときは、引き締め効果が期待できる収斂化粧水を使うのも一つの方法です。

また、保湿効果が期待できる成分としては、以下のような成分があります。

ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は、肝臓でつくられるヘパリンという物質に似せて人工的につくりだした成分のことです。角質の水分保持を高める作用や抗炎症作用があるとされており、保湿効果が期待できます。

副作用として皮膚炎、かゆみ、発疹、赤み、潮紅などが現れることがありますが、頻度は多くとも5%未満とされています。

セラミド

セラミドは、人間の肌にもともとある成分です。皮膚の細胞の間の隙間を埋めて水分を抱え込み、バリア機能によってうるおいを守るという重要な役目を持っています。

セラミドにはいくつかの種類があり、人のセラミドに近い構造の「ヒト型セラミド」、人のセラミドに近い動物由来の「天然セラミド」、植物から抽出された「植物セラミド」などがあります。

化粧品の成分として知られていますが、サプリメントとして体内から取り入れる方法もあります。副作用はほとんどないとされています。

クレーター:美容皮膚科などで施術を受ける

クレーターのような凹みができてしまった場合は、化粧品などのセルフケアで改善することは難しいと考えられます。改善したい場合は、美容皮膚科などで行っているレーザー治療や、ダーマペンなどで皮膚組織の再生を促す施術を受けることを検討しましょう。

クレーターに適した施術については、このあとくわしく解説します。

産毛:医療脱毛を受ける

産毛が目立つ場合は産毛を除去することが第一です。ただ、カミソリなどで自己処理をすると、毛の断面が現れて、かえって黒さが目立つことがあります。また、ワックス脱毛も皮膚の刺激となる恐れがあるでしょう。

そこで選択肢となるのがレーザーなどによる医療脱毛です。毛を生成する組織を破壊するため、根元から脱毛をすることが可能です。ただし、施術中の痛みや、施術後の一時的な赤みのほか、やけどや炎症などのリスクもあるため、十分に理解したうえで検討しましょう。

毛穴の黒ずみの治療法

毛穴の黒ずみは、原因によって適した治療法が異なります。ここでは、治療法の詳細と適した黒ずみのタイプ、副作用などについて解説します。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に薬剤を塗布してから洗い流し、不要な角質を取り除いたり、皮膚をはがすことで再生力を引き出したりする施術です。

ピーリングの一種であるウーバーピールは、針に極細の針を刺して皮膚の再生力を高めるダーマペンと組み合わせるピーリングで、表皮に薬剤を浸透させるのが大きな特徴です。ケミカルピーリングのなかでも痛みやひりつきが少ないとされており、肌荒れをしていても施術が可能なことが多いです。

・適した黒ずみのタイプ

紫外線によるメラニン毛穴

・副作用やダウンタイム

施術後すぐにメイクが可能です。ただ、副作用として、お肌の乾燥、赤み、皮むけなどが現れることがあります。また、施術してから2〜3日ほどで皮むけが起こることがありますが、これはターンオーバーによるものです。

ダーマペン

極細の針で肌に小さな穴を開け、傷が修復する過程の再生力を引き出す施術です。針を通して肌に美容液を浸透させることもできるため、コラーゲンやエラスチンの産生を促したり、ターンオーバーを促進したりと、幅広い肌悩みへの対応が可能です。

・適した黒ずみのタイプ

ニキビ跡のクレーターのような毛穴、紫外線によるメラニン毛穴

・副作用やダウンタイム

赤み、ひりつき、かゆみ、腫れなどが現れることがあります。これらは数時間から1週間程度で落ち着くことがほとんどです。

イオン導入

美容液を塗布した肌に微弱な電流を流し、角質層のすみずみまで成分を浸透させる施術です。ビタミンCやトラネキサム酸など、肌悩みに合ったさまざまな美容液の浸透を助けます。

・適した黒ずみのタイプ

酸化した皮脂がつまった毛穴、紫外線によるメラニン毛穴

・副作用やダウンタイム

赤み、ひりつき、電気や薬剤のアレルギーによる腫れなどが現れることがあります。施術直後からメイクが可能です。

エレクトロポレーション

肌に電気刺激を与え、一時的に小さな穴を開けて美容成分を浸透させる施術です。さまざまな成分を効率よく浸透させられるため、シミ、ハリ、弾力、シワなど、多くの肌悩みに対応が可能です。

・適した黒ずみのタイプ

ニキビ跡のクレーターのような毛穴、紫外線によるメラニン毛穴

・副作用やダウンタイム

赤み、腫れ、ヒリヒリとした刺激感などが現れることがあります。ダウンタイムはほとんどないとされています。

レーザー治療

レーザー治療とは、レーザー光を肌に照射して肌トラブルの改善をめざす治療です。レーザーの種類によってさまざまな治療が可能です。

Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素に反応する光を照射する施術です。そのため、メラニン色素を原因とするメラニン毛穴のほか、シミ、そばかす、あざなどの治療に向いています。

・適した黒ずみのタイプ

紫外線によるメラニン毛穴

・副作用やダウンタイム

赤み、かゆみ、皮むけ、かさぶたなどが現れることがあります。施術後2日ほどは腫れ・赤みなどが出る可能性がありますが、1週間程度でかさぶたになり、施術跡が気にならなくなるまでは約3ヶ月かかります。

フラクショナルレーザー

レーザーを点状に照射して意図的に皮膚にダメージを与える治療です。ダメージから回復する過程でコラーゲンの生成が促されるため、これを利用してニキビ跡のクレーターの凹凸や開き毛穴の改善を図ります。

・適した黒ずみのタイプ

ニキビ跡のクレーターのような毛穴、開き毛穴

・副作用やダウンタイム

赤み、ひりつき、かゆみ、腫れなどが現れることがあります。これらのダウンタイムは照射した光の強さによって変動しますが、1日~2週間程度で気にならなくなることが一般的です。

毛穴のお悩みはクリニックフォアの美容皮膚オンライン診療へ

毛穴の黒ずみはセルフケアだけでは改善しないケースも多く、お薬や美容施術がよい選択肢となる場合があります。

クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。

毛穴のほか、乾燥、肌荒れ、シミ、くすみ、シワ、たるみなど、さまざまなお悩みに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

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参考文献

  1. 日本皮膚科学会ガイドライン「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」
  2. 尋常性ざ瘡治療剤 尋常性ざ瘡治療剤 ベピオゲル2.5% ベピオローション2.5%
  3. 尋常性ざ瘡治療剤 ディフェリンゲル0.1%
  4. 血行促進・皮膚保湿剤 ヘパリン類似物質 製剤 ヒルドイドクリーム0.3%