小麦粉が肌荒れ・ニキビの原因になる?理由や対処法を詳しく解説

肌荒れやニキビの原因はさまざまですが、ときには食べ物が原因となることがあります。中でも小麦粉は肌荒れやニキビの原因として挙げられることがある食べ物です。 今回は、小麦粉が肌荒れやニキビの原因となるのかや、その理由、メカニズム、対処法などについて詳しく解説します。

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小麦粉は肌荒れ・ニキビの原因になる?

結論からお伝えすると、はっきりとはわかっていません。

小麦粉だけでなく、チョコレートやナッツ、甘いものを食べるとニキビができやすくなる、といった説はよく聞く話です。

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」(ニキビ治療などに関するガイドライン)では、ニキビと食べ物の関係について触れられている箇所があります。

ガイドラインでは、特定の食べ物とニキビとの関係は明らかになっておらず、ニキビが気になるからといって特定の食べ物を一律に制限することは推奨しないとされています。ここではチョコレートやカカオ、砂糖などに触れられており、小麦粉についての記載はありません。

ただ、極端な偏食は避け、バランスのよい食事を推奨すると書かれているため、ニキビや肌荒れが気になる場合に、食事に気を配ることは大切だと言えます。

(参考)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf

小麦粉が肌荒れ・ニキビの原因となる理由・メカニズム

小麦粉と肌荒れ・ニキビの関係ははっきりしていませんが、小麦粉に含まれるグルテンを摂りすぎることにはさまざまなリスクがあるとされており、肌荒れやニキビにつながる可能性はゼロではありません。どのような理由やメカニズムがあるのか詳しく見ていきましょう。

なお、グルテンとは、小麦粉に水を加えたときにつくられるたんぱく質の一種です。小麦粉にはもともとグルテニンとグリアジンというたんぱく質が含まれており、水を加えてこねることで、高分子化されてグルテンとなります。水を加えてこねると弾力や粘りが出ますが、そのもととなっているのがグルテンなのです。

グルテンによる腸内環境の悪化

小麦粉に含まれるグルテンには粘りがあるため、腸内で粘膜にくっつきやすいです。グルテンが腸内にくっついてたまると、腸の粘膜がダメージを受けたり、炎症が引き起こされたりするなど、腸内環境が悪化することがあります。

腸内環境が悪化すると、消化不良や便秘によって有害物質が発生し、血液に乗って皮膚まで届き、肌荒れやニキビの原因となることが考えられます。

リーキーガット

リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)とは、腸の粘膜が傷つき、細胞同士の結合部分がゆるんでしまう状態のことです。簡単に言えば腸に穴が開いているということなので、腸内に入った食べ物などの成分が血液や体内に漏れ出てしまう原因となります。

リーキーガットは、食べ過ぎや、糖分、アルコール、カフェインなどの摂りすぎ、ストレスなど、さまざまな原因によって引き起こされることがありますが、小麦粉もその原因になりえると考えられています。

リーキーガットになると有害物質も血液中などに漏れ出てしまうため、肌荒れやニキビの原因となることがあるのです。

血糖値上昇による皮脂分泌の増加

小麦粉には、アミロペクチンAという、血糖値を上げる成分が含まれています。血糖値が上がると、下げるためにインスリンというホルモンが分泌されるのですが、インスリンは男性ホルモンの分泌を促し、皮脂の過剰分泌の原因となることがあります。

ニキビは、皮脂の過剰分泌や毛穴のつまりが原因となるため、小麦粉による血糖値上昇がニキビの原因になりえると言えるでしょう。

なお、グルテンには依存性があるとされています。食べれば食べるほどもっと食べたくなり、食事の摂取量が増えて余計に血糖値が上がることも考えられるでしょう。

栄養バランスの乱れ

肌の健康のためには、ビタミンをはじめとしたさまざまな栄養素が必要です。しかし、小麦粉が含まれているものは、うどんやパンなど、それだけで食事が完結してしまうものも多く、野菜やお肉など、他の食材が不足しがちです。つまり、栄養バランスが乱れやすいと言えます。

また、小麦粉を含む食べ物は、ケーキやクッキーのように糖質や脂質が多く含まれるものもよくあります。糖質や脂質の過剰摂取によって皮脂分泌が増え、ニキビにつながることも考えられるでしょう。

アレルギー反応・アトピー性皮膚炎

肌荒れやニキビとは異なりますが、小麦粉によるアレルギー反応で、湿疹、蕁麻疹などの皮膚症状が現れることがあります。

なお、アトピー性皮膚炎では、小麦粉が関連しているケースがあります。たとえば、以下のようなことがわかっています。

  • アトピー性皮膚炎の乳児は、重症であるほど、小麦などへの経皮感作(皮膚から小麦の成分が侵入し、抗体が作られている)が成立していることが多い
  • 乳児がアトピー性皮膚炎の場合、母親が小麦を摂取すると、母乳を介して小麦の成分が移行し、皮膚炎の症状が悪化することがある
  • 小麦に対する抗体があると、アトピー性皮膚炎の予後が悪いことがある

 など

小麦粉・グルテンの摂りすぎによる症状

小麦粉やグルテンをとりすぎると、肌荒れ以外にも、以下のような症状が現れることがあります。

  • 消化器症状(腹痛、下痢、便秘など)
  • 慢性的な疲労
  • 集中力や注意力の低下

 など

小麦粉・グルテンが多く含まれる食べ物と含有量

小麦粉は、たんぱく質含有量が多いほどグルテンの含有量が多いとされています。小麦粉が含まれる食べ物と、それぞれのたんぱく質含有量は以下の通りです。

食べ物100gあたりのたんぱく質量
焼きふ(車ふ)30.2g
パスタ(乾麺)12.9g
パン(ロールパン)10.1g
食パン9.7g
そうめん(乾麺)9.3g
ピザ生地9.1g
中華麺(生)8.6g
うどん(乾麺)8.5g

そのほか、ケーキやクッキーなどのお菓子にも小麦粉(グルテン)は多く含まれています。

(参考)
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

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小麦粉による肌荒れ・ニキビの予防と対処法

小麦粉による肌荒れやニキビを予防・対処するためには、小麦粉の摂取量を減らしたり、他の素材に置き換えたりするといった方法が考えられます。詳しく見ていきましょう。

小麦粉・グルテンの摂取量を減らす

まず考えられるのが小麦粉の摂取量を減らす、いわゆるグルテンフリーの食事にするという方法です。

グルテンフリーの食事は、小麦だけでなく、ライ麦や大麦も避けることが一般的です。肌荒れが気になる場合は、完全に避けるのではなく、小麦などでグルテンを摂りすぎていると感じる場合に普段よりも少なめにする、といった程度のゆるやかな方法から始めるとよいでしょう。また、パンばかり食べている方はご飯に変えたり、麺類はおそばを選んだりする、といった置き換えをすればよいので、食事量を大幅に減らす必要はありません。

なお、小麦にはビタミンやミネラルなどの必要な栄養素も含まれています。過度に小麦の摂取を避けるとビタミンやミネラル不足になることも考えられるため注意してください。小麦の制限はほどほどにするか、野菜などを積極的に取り入れてビタミンやミネラルを補うとよいでしょう。

小麦粉・グルテンを他の素材に置き換える

グルテンフリーと言っても、「クッキーには小麦粉が入っているから、もうクッキーは食べない」というのは極端です。食事やおやつの楽しみを減らさないためには、他の素材に置き換えるのがよい方法となります。

特に米粉はグルテンを含まず、小麦粉の代用品としてとてもよい選択肢だと言えます。米粉を使ったクッキーやお菓子を選べば、嗜好品を極端に我慢する必要がなくなるでしょう。

グルテンフリー食品の例として、以下のようなものも実際に存在しています。

  • しらたき(海外ではパスタの代わりに使われることがある)
  • 大福(イギリスなどでは大福などの米粉を使った和菓子が好まれている)
  • 米粉パンケーキミックス
  • 米粉麺

グルテンフリーの食事の注意点

小麦粉を避けようとして過度な食事制限をしてしまうと、かえって肌荒れが悪化する恐れが

あります。グルテンフリーの食事をする際は、栄養バランスのよい食事を心がけ、異変があったり合わないと感じたらすぐに中止しましょう。詳しくは以下の通りです。

栄養バランスのよい食事を心がける

小麦粉やグルテンを減らすだけでなく、ビタミンやミネラルなど、肌によい栄養素も積極的に摂りましょう。肌のためには栄養バランスのよい食事を心がけることが大事です。

前述のとおり、小麦粉にもビタミンやミネラルといった有用な栄養素が含まれているため、栄養不足には注意が必要です。

合わないと感じたら中止する

グルテンフリーの食事が体に合わない方もいるでしょう。異変を感じたり、肉体的にも精神的にも合っていないと感じたりする場合はすぐに中止してください。無理に続けるとかえって肌や心身に悪影響を及ぼすことも考えられるためです。

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肌荒れのお悩みは、生活習慣を変えるなどのセルフケアだけではすぐに改善できないことも多いでしょう。

クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。

乾燥、肌荒れ、シミ、くすみ、色素沈着のほか、シワやたるみなど、さまざまなお悩みに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

※自由診療

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参考文献

  1. 日本皮膚科学会ガイドライン「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」
  2. 日本皮膚科学会ガイドライン「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024」
  3. 欧米・豪州等6か国、組織における グルテンフリー表示に係る調査報告書
  4. 食品成分データベース