毛穴がない人はいる?
毛穴は誰にでもあるものです。たとえば赤ちゃんの毛穴はほとんど見えないため、毛穴がないと感じることがあるかもしれませんが、毛穴がない人は存在しません。ただ、毛穴が目立たない人がいることは事実です。
なお、毛穴が目立つと気になるものですが、毛穴は人間にとって必要不可欠なものです。毛穴の奥には皮脂腺があり、皮脂腺と毛穴を介して分泌される皮脂によって、肌の潤いが保たれたり、外部の刺激から守られたりしているためです。
角栓がない人はいる?
角栓が全く存在しないことは珍しいかもしれませんが、角栓が全く見えないことはありえるでしょう。
そもそも角栓とは、たんぱく質(角質)と皮脂が混ざったもののことです。
角栓がどのようにでき、進行していくのかというと、まず、皮脂と角質が混ざり合って微小面皰(びしょうめんぽう)と呼ばれる状態になります。これはニキビの前段階でもあり、外から肉眼で確認することは難しい状態です。その後、さらに皮脂がたまるといわゆる角栓となってぽつぽつと目立つようになります。そしてさらに角栓が酸化すると、黒ずみとして目立つようになるのです。
このように、角栓を放置するとどんどん大きくなって目立つようになるため、早めに適切な対応をするのがよいでしょう。
毛穴や角栓が目立つ人・目立たない人の違いは?
では、毛穴や角栓が目立つ人と、目立たない人の違いは何なのでしょうか。毛穴や角栓が目立たない人は、ターンオーバーが正常で角質も蓄積しておらず、毛穴が引き締まっていることが考えられます。
逆に、毛穴や角栓が目立つ人はターンオーバーが乱れがちで角質がたまって厚くなっており、毛穴も開きやすくて角栓もつまりやすい傾向があります。
また、毛穴や角栓が目立たない人は、それらの原因となる乾燥、皮脂の過剰分泌が少なく、肌にハリと弾力があり、毛穴トラブルも少ない傾向がありです。詳しくは以下の通りです。
ターンオーバーが正常
毛穴や角栓が目立たない人は、肌の生まれ変わりであるターンオーバーが正常に行われることで、古い角質が蓄積しにくくなっている可能性が高いでしょう。
角質がたまると皮脂などと混ざって角栓となり、毛穴目立ちにもつながるのです。
<h3>毛穴が引き締まっている
角栓もなくきゅっと引き締まっていると、毛穴が目立ちません。また、毛穴が引き締まっているので、皮脂や角質もたまりにくいといった好循環になっているケースもあるでしょう。
乾燥や皮脂の過剰分泌がない
皮脂分泌が多いと、角栓ができやすくなります。そして、角栓によって毛穴が開くと毛穴が目立ってしまいます。
また、乾燥すると、それを補おうとして皮脂の過剰分泌につながるほか、乾燥が肌のターンオーバーの乱れの原因になったり、キメの乱れから毛穴目立ちにつながったりすることもあります。つまり、毛穴や角栓が目立たない人は、乾燥や皮脂の過剰分泌などがない可能性が高いと言えます。
肌にハリと弾力がある
肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンやエラスチンが減少したり、劣化したりすると、ハリがなくなってたるみが生じます。すると、毛穴も引っ張られて開いてしまい、目立ちやすくなるのです。このような毛穴はたるみ毛穴とも呼ばれます。
つまり、毛穴が目立たない人は、肌にハリと弾力がしっかりとあることが多いでしょう。
なお、コラーゲンやエラスチン減少の原因としては、加齢や紫外線といった外部からの刺激などが挙げられます。
その他の毛穴トラブルがない
毛穴はさまざまなトラブルによって目立つことがあります。代表的な毛穴トラブルには以下のようなものがあります。
・つまり毛穴:毛穴に角栓がつまっている状態
・黒ずみ毛穴:つまった角栓が酸化して黒く見える状態
・たるみ毛穴:肌のたるみによって毛穴も引っ張られて開いた状態
・メラニン毛穴:毛穴の周りにメラニンが沈着し、黒く見える状態
・クレーター毛穴:ニキビなどが原因で毛穴部分が大きくへこんだ状態
毛穴が目立たない人は、このようなトラブルが少ない人だと言えるでしょう。
毛穴や角栓がひどくなることも!やってはいけないNG行為
毛穴ケアをしようと思ってやっていることが、かえって毛穴や角栓をひどくしているケースもあります。たとえば、角栓を押し出したり、いじったりすることや、毛穴パックの使用、頻回な洗顔や、ゴシゴシとこするような洗顔、スクラブ入りの洗顔料の使用などは、毛穴目立ちにつながることがあるのです。詳しく見ていきましょう。
角栓を押し出す・いじる
角栓が気になると、つい爪で押し出したり、手で触ったりしたくなるかもしれません。
しかし、角栓を無理に爪で押し出すと、毛穴が傷ついてしまいます。一時的には角栓がなくなってスッキリするかもしれませんが、無理やりこじ開けられた毛穴が開いて、さらに皮脂や汚れなどがつまりやすくなってしまうリスクもあります。
また、何度も角栓を触ると、摩擦から乾燥をまねき、ターンオーバーが乱れて毛穴の中で皮脂汚れがつまってしまう原因になります。さらには、手についた雑菌が毛穴に付着して炎症を起こしてしまうこともあるでしょう。
毛穴パックを使う
毛穴パックは、手軽に角栓を取れることから、やみつきになってしまう人もいるようです。しかし、毛穴パックで取れるのは角栓だけではないことをご存じでしょうか?
毛穴パックを使うと、肌の表面にある角質や皮脂膜までも無理やりはぎ取られてしまいます。そのダメージが原因で、炎症が起こったり、乾燥から皮脂の分泌が過剰になったりすることがあります。
頻繁な洗顔・強い力での洗顔
洗顔のときに、汚れをしっかり落とそうとゴシゴシこすってしまうことはありませんか?摩擦を与えると、肌のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能は肌の水分を守る役目も持っているので、肌を乾燥させ、乾燥から皮脂の分泌が活発になってしまうことがあります。
スクラブ入りの洗顔料を使う
スクラブは毛穴の中の汚れをしっかり落とせるようなイメージがあるかもしれませんが、実はスクラブは毛穴の中に入るほど小さなサイズではありません。スクラブ入りの洗顔料を使うと、スクラブによって肌が傷つき、かえって毛穴の開きを悪化させてしまうことがあります。
毛穴や角栓を予防・改善する方法
毛穴や角栓がこれ以上目立たないように、できることからケアしていきましょう。方法としては、以下のようなものがあります。
正しい方法でクレンジング・洗顔を行う
角栓や、そのもととなる角質や皮脂の予防や除去などのためには、クレンジングと洗顔で汚れをしっかりと落とすことが大事です。
下準備として、まずは蒸しタオルなどで顔をあたため、毛穴を開かせましょう。
クレンジングは油性汚れを取るために重要な工程です。少なくとも、メイクをした場合は必ず行いましょう。さらに、ほこりなどの汚れや余計な角質を落とすためには洗顔が必要です。押さえるべきポイントとしては、以下のようなものがあります。
強くこすらない
前述のとおり、洗顔時に強くこするとバリア機能が低下して、紫外線などの外部からの影響を受けやすくなり、乾燥や弾力の低下にもつながることがあります。また、刺激から肌を守るために、メラニンが生成されることも考えられます。
洗顔時は洗顔料をよく泡立て、泡でなでるようなイメージで洗うと、肌への負担を最低限にできます。
洗顔料を長くのせすぎない
十分に洗えたらすみやかに洗顔料をすすぎましょう。洗顔料を皮膚の上に長くのせておくと、乾燥や肌の負担につながるためです。
ぬるま湯で十分にすすぐ
すすぎ残しがあると、肌の負担や刺激となり、肌荒れなどの原因となることもあります。そのため、洗顔後は十分にすすぐことが大事です。
また、熱いお湯を使うと皮脂が取れすぎて乾燥の原因となるため、ぬるま湯ですすぎましょう。
十分に保湿を行う
乾燥による皮脂分泌の増加や、バリア機能低下、肌の弾力低下などを防ぐためには保湿が重要です。
まず、水分を補うためには化粧水をたっぷりとつけることが大事です。2回に分けてつけるとよりよいでしょう。化粧水の後には、美容液を使ってもよいです。乾燥が気になる場合は保湿成分配合、シミやくすみが気になる場合は美白成分配合など、肌悩みに合わせて成分を選びましょう。
その後、乳液とクリームをつけることも欠かせません。とくに脂性肌の方は、油分をプラスすることに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、保湿においては水分と油分のバランスもとても大事です。乳液で油分を補い、クリームでふたをして、水分が蒸発しないようにしましょう。
保湿成分の一例
化粧品などに配合される保湿成分には、次のようなものがあります。
・セラミド
セラミドはもともと肌に存在する成分で、肌の細胞と細胞の間の隙間を埋め、しっかりと水分を抱え込む役割を持っています。
・ヒアルロン酸
わずか1gで6リットルもの水分を保持するとされる成分です。肌表面の水分を守って肌に潤いをもたらします。
・グリセリン
水分を引き寄せる性質があり、角質層の水分量を増やします。
・コラーゲン
皮膚を構成する成分のひとつです。角質層の水分を抱え込んでうるおいを保ちます。
・スクワラン
油性の保湿成分です。皮膚の水分の蒸発を防ぎます。
・アミノ酸類
水分を引き寄せて肌にうるおいをもたらします。
・BG(ブチレングリコール)
水分と結びつく性質があり、肌にうるおいを与えます。
紫外線対策をする
紫外線は、乾燥、ターンオーバーの乱れ、コラーゲンやエラスチンの破壊などの原因となります。これらは角栓や毛穴目立ちの原因となるため、紫外線対策をすることが大事です
代表的な方法は日焼け止めです。紫外線は雨の日でも冬でも、屋内でも影響を受けるものなので、天気や季節を問わずに日焼け止めを使うとよいでしょう。
ただし、日焼け止めにはSPFやPAで表されるように、ものによって効果の強さが異なります。必要以上に強いものを使うと肌の負担となるため、活動場所や時間などを考慮して適切なものを選びましょう。
また、帽子やマスク、日傘などを使って物理的に紫外線を遮断するのも一つの方法です。
食生活を見直す
食生活で注意したいのは、脂質や糖質が多い食品を摂りすぎないことです。これらは皮脂の分泌を促すため、毛穴に角栓ができる原因となることがあります。
逆に、積極的に摂取したい栄養素には、次のようなものがあります。
・たんぱく質
肌や髪、爪などをつくるもととなる栄養素です。卵、肉、乳製品、豆類などに多く含まれます。
・ビタミンC
コラーゲンの合成を助けます。ピーマン、イチゴ、キウイ、ブロッコリー、芽キャベツなどに多く含まれます。
・ビタミンE
脂質の酸化を防ぎ、血流を促してターンオーバーを整える働きがあります。ほうれん草、トマト、ブロッコリー、キウイ、オリーブオイルなどに多く含まれます。
・亜鉛
ターンオーバーを整える働きがあります。赤身肉、牡蠣、エビ、カニ、チーズ、卵黄などに多く含まれます。
十分な睡眠をとる
睡眠中は、肌のダメージ修復などにかかわり、ターンオーバーにも必要な成長ホルモンが活発に分泌されます。そのため、睡眠不足が続くとターンオーバーが乱れてしまうため、毛穴トラブルにつながることがあります。
また、睡眠不足は自律神経にも影響します。自律神経には、身体が活発に動いているときに優位になる「交感神経」と、身体が休息している時に優位になる「副交感神経」があります。睡眠中は本来、副交感神経が優位になることでスムーズなターンオーバーにつながるのですが、睡眠不足になると交感神経が優位のままとなり、ターンオーバーが乱れやすくなります。
毛穴トラブルを予防・改善するには、十分な睡眠をしっかりととることが大切です。寝つきが悪い人は、寝室の温度や湿度を快適にし、入眠前にはスマホなどの光を見ないなどの工夫をすると質のよい睡眠を得やすくなります。
ストレスをためない
ストレスは自律神経のバランスを乱し、男性ホルモンが優位に働くようになります。男性ホルモンは皮脂の分泌を促す働きがあるため、皮脂の過剰分泌から毛穴づまりをまねき、角栓ができる原因ともなります。
また、ストレスは体内の活性酸素を増加させる作用もあります。活性酸素は、皮脂を酸化させて毛穴をつまらせたり、コラーゲンを分解したり、肌の回復を妨げたりすることがあります。
毛穴や角栓を改善する美容医療
毛穴づまりや角栓などは、医療機関の施術で改善できることがあります。ここでは毛穴改善に効果が期待できる代表的な施術方法であるケミカルピーリング、レーザー治療、IPL治療について紹介します。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、肌に薬剤を塗布し、角質を溶かして落とす施術です。ケミカルピーリングに使われる薬剤や方法にはさまざまな種類がありますが、そのうちのひとつであるウーバーピールは、ピーリングのなかでも刺激が少なく、トラブルが起きているときでも施術可能とされる方法です。
ウーバーピールは、微細な針で皮膚に穴を開けるダーマペンと組み合わせて行われるピーリング。この針を通してピーリングの薬剤を皮膚に浸透させて角栓などの肌トラブルの改善をめざします。
・副作用やダウンタイム
肌の乾燥、赤み、皮剥けなどが起こることがあります。施術後2〜3日で皮むけが起こることがありますが、これはターンオーバーによるものなので、無理にはがさないよう注意が必要です。
レーザー治療
レーザー治療は、レーザーをあてて皮膚トラブルを改善する治療です。使用する機械にはさまざまな種類があり、効果もシミ改善や、シワ・たるみ改善、コラーゲン再生促進などの多くのものがあります。
レーザー治療のひとつ、CO2フラクショナルレーザーは、皮膚にレーザーを点状に照射して皮膚にダメージを与える施術です。ダメージから修復する過程でコラーゲンの生成が促されるため、毛穴の開きやニキビ跡のクレーターなどの改善が期待できます。
・副作用やダウンタイム
赤み、ひりつき、かゆみ、腫れなどが現れることがあります。これらは治療直後からあらわれますが、おおむね2~5日程度で消失します。ダウンタイムは照射するレーザーの強さにもよりますが、軽めの照射では1~3日程度、強めの照射では1~2週間程度が目安となります。
IPL治療
IPL治療は、光エネルギーを照射する治療です。メラニン色素を排出したり、コラーゲンの再生を促したり、皮脂の分泌をを抑えたりする作用があります。そのため、毛穴の開きやシミ、そばかす、ニキビ跡などの改善に効果が期待できます。
・副作用やダウンタイム
ダウンタイムはほとんどないと言われていますが、赤みやほてりなどがあらわれることがあります。これらは数時間程度で落ち着くことがほとんどです。
毛穴のお悩みはクリニックフォアの美容皮膚オンライン診療へ
クリニックフォアでは、医学的効果のある外用薬や内服薬を使って肌悩みにアプローチする美容皮膚オンライン診療を行っています。
毛穴のほか、乾燥、肌荒れ、シミ、くすみ、シワやたるみなど、さまざまなお悩みに適したお薬を用意しています。お肌のお悩みをお薬で改善したい方は、まず受診をご検討ください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※自由診療