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胃腸炎に使われるお薬の種類
胃腸炎の治療では、症状に合わせたお薬を使い分けることが基本となります。
ウイルスや細菌が原因の感染性胃腸炎には特効薬がないため、症状をやわらげる対症療法が中心です[1][2]。
ここでは、胃腸炎に使われる代表的なお薬の種類と、それぞれの特徴について解説します。
整腸剤|腸内環境を整えて自然な回復をサポート
整腸剤は、胃腸炎の治療で最も基本となるお薬です。
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が配合されており、乱れた腸内環境を整えることで下痢や軟便の改善が期待できます[3]。
代表的な整腸剤として、以下のお薬が挙げられます。
- ビオフェルミン
- ラックビー
- ビオスリー
医療機関で処方されるほか、市販薬としても手に入ります。
整腸剤は下痢を無理に止めるのではなく、腸の働きを正常に戻すことを目的としたお薬です。
感染性胃腸炎では病原体を体外に排出することが大切なため、下痢止めよりも整腸剤が優先されるケースが多いでしょう[1]。
副作用が少なく、小さな子どもから高齢の方まで幅広く服用できる点も整腸剤の特徴といえます。
制吐剤(吐き気止め)|嘔吐がつらいときに処方されるお薬
制吐剤は、嘔吐や吐き気がつらいときに処方されるお薬です。
胃腸炎では嘔吐によって水分が摂れなくなり、脱水症状を起こすリスクがあるためです。
嘔吐が強く水分補給が難しい場合には、吐き気を抑えるお薬が処方されることがあります。
医療機関で処方される制吐剤として挙げられるのは、以下のお薬です。
- ドンペリドン(ナウゼリン)
- メトクロプラミド(プリンペラン)
市販薬では五苓散や半夏瀉心湯といった漢方薬が、吐き気や嘔吐の症状に用いられることがあります。
嘔吐も下痢と同様に体内の病原体を排出する働きがあるため、症状が軽い場合は無理に止めず様子をみることも選択肢の一つです。
胃薬(制酸剤・胃粘膜保護剤)|胃痛や胸やけをやわらげるお薬
胃薬は、胃痛や胸やけ、胃もたれといった症状があるときに服用されます。
胃腸炎では胃の粘膜が炎症を起こし、胃酸の刺激で痛みを感じることがあります。
制酸剤は出過ぎた胃酸を中和し、胃粘膜保護剤は胃の粘膜を守ることで症状の軽減が期待できるでしょう。
市販薬ではガスター10やスクラートなどが知られており、ドラッグストアでも手に入ります。
胃痛が強い場合や食欲がまったくない場合は、医療機関で症状に合った胃薬を処方してもらうと安心です。
なお胃薬は胃の症状に対するお薬であり、下痢や嘔吐には直接の効果がない点を覚えておいてください。
解熱鎮痛剤|発熱や頭痛・関節痛がある場合に服用
解熱鎮痛剤は、発熱や頭痛、関節痛といった全身症状がつらいときに服用されます。
胃腸炎では軽度の発熱を伴うことがあり、体のだるさや痛みで休息が取りにくくなる場合があるためです[4]。
アセトアミノフェン(カロナール、タイレノールなど)は胃への負担が少なく、小さな子どもや妊娠中の方にも服用しやすい解熱鎮痛剤として知られています。
一方で、ロキソプロフェンやイブプロフェンといったNSAIDsは、胃腸への刺激が強いため胃腸炎の際には避けた方がよいでしょう。
発熱は体がウイルスや細菌と戦っているサインでもあるため、38℃台前半程度であれば無理に下げる必要はありません。
高熱が続いてつらい場合や水分が摂れない場合は、医療機関を受診して適切なお薬を処方してもらうことをおすすめします。
抗菌薬(抗生物質)|細菌性胃腸炎に対して医師が処方
抗菌薬は、細菌が原因の胃腸炎に対して医師が処方するお薬です。
ウイルス性の胃腸炎には抗菌薬の効果がないため、医師の診断を受けた上で必要な場合にのみ処方されます。
<抗菌薬が処方されるケース>
- カンピロバクター
- サルモネラ
これらは、症状や重症度に応じて抗菌薬が処方されることがあるでしょう。
抗菌薬を自己判断で服用すると、耐性菌が生まれるリスクや腸内環境の悪化につながる可能性があります。
過去に処方された抗菌薬が残っていても、自己判断で服用することは避けてください。
細菌性かウイルス性かの判断は難しいため、症状が重い場合や長引く場合は医療機関で検査を受けることが大切です。
胃腸炎で下痢止めは使わない方がいい?注意すべきケース
胃腸炎で下痢が続くと「早く止めたい」と感じる方は多いでしょう。
しかし感染性胃腸炎の場合、下痢止めの服用が推奨されないケースがあります[1]。
下痢は体内に侵入したウイルスや細菌を排出するための防御反応であり、無理に止めると回復が遅れる可能性があるためです。
ここでは、下痢止めを控えた方がよいケースと服用しても問題ないケース、そして整腸剤との違いについて解説します。
感染性胃腸炎で下痢止めを控える理由
感染性胃腸炎では、下痢止めの服用を控えた方がよいとされています。
下痢は体内のウイルスや細菌、毒素を体外に排出するための自然な反応であるためです[1]。
下痢止めで腸の動きを抑えてしまうと、病原体が腸内に長くとどまり、症状が悪化したり回復が遅れたりする可能性があります。
ロペラミド(ロペミン)やロートエキスといった腸の動きを強く抑える成分を含む下痢止めは、感染性胃腸炎では避けることが望ましいでしょう。
ノロウイルスやロタウイルスなどによる胃腸炎では、下痢止めを使わずに整腸剤と水分補給で対応するのが一般的な治療方針です[1]。
つらい症状であっても、体が病原体を排出している過程と考えて無理に止めないことが大切といえるでしょう。
下痢止めを服用しても問題ないケース
感染性ではない下痢の場合は、下痢止めを服用しても問題ないケースがあります。
- 冷えやストレス
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ
これらが原因の下痢であれば、体内に排出すべき病原体がないため下痢止めで症状を抑えることが期待できます。
緊張や不安からくる過敏性腸症候群による下痢も、下痢止めの服用が適しているケースの一つでしょう。
市販の下痢止めには、腸の動きを調整する木クレオソート(正露丸の主成分)や、腸内の水分バランスを整える成分を含むものがあります。
ただし下痢の原因が感染性かどうかを自分で判断するのは難しい場合もあるでしょう。
発熱や嘔吐を伴う場合、生ものを食べた後に症状が出た場合は感染性の可能性があるため、下痢止めの服用は控えて医療機関に相談することをおすすめします。
整腸剤と下痢止めの違い
整腸剤と下痢止めは、どちらも下痢のときに使われるお薬ですが働き方が大きく異なります。
下痢止めは腸の動きを抑えることで、下痢を止める即効性のあるお薬だからです。
一方で整腸剤は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、結果として下痢を改善していく穏やかな作用のお薬です[3]。
整腸剤は病原体の排出を妨げないため、感染性胃腸炎でも安心して服用することができるでしょう。
下痢止めは効果が早い反面、感染性胃腸炎では服用を避けるべきケースがある点を理解しておきましょう。
症状や原因に応じて適切なお薬を選ぶことが、スムーズな回復につながります。
胃腸炎の症状別|市販薬の選び方
胃腸炎の症状は人によってさまざまで、下痢が中心の方もいれば吐き気や胃痛が強い方もいます。
市販薬を選ぶ際は、自分の症状に合ったお薬を選ぶことが大切です。
感染性胃腸炎が疑われる場合は、下痢止めや吐き気止めの安易な服用は避けた方がよいでしょう[1]。
ここでは、症状別に適した市販薬の選び方を解説します。
下痢・軟便が続くとき
下痢や軟便が続くときは、整腸剤を選ぶのが基本です。
乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤は腸内環境を整え、自然な形で便の状態を改善していくためです。
<市販薬で入手できる整腸剤>
- 新ビオフェルミンS錠
- ザ・ガードコーワ整腸錠
感染性胃腸炎の可能性がある場合は、腸の動きを止めるタイプの下痢止めは避けてください。
冷えやストレスが原因と分かっている場合は、木クレオソートを含む正露丸なども選択肢となるでしょう。
下痢が3日以上続く場合や血便がみられる場合は、市販薬での対応を続けず医療機関を受診しましょう。
吐き気・嘔吐がつらいとき
吐き気や嘔吐がつらいときは、漢方薬が選択肢の一つとなります。
| 五苓散 | 体内の水分バランスを整える作用があり、嘔吐や下痢、むくみなどに効果が期待できる |
| 半夏瀉心湯 | 胃腸の調子を整え、吐き気や胃もたれ、下痢などの症状を改善する効果が期待できる |
市販の吐き気止めは種類が限られているため、症状が強い場合は医療機関で制吐剤を処方してもらう方が確実でしょう。
嘔吐が続いて水分が摂れない状態は脱水のリスクが高いため、早めの受診をおすすめします。
吐き気が落ち着いてきたら、経口補水液などで少しずつ水分を補給することが大切です。
胃痛・腹痛があるとき
胃痛や腹痛があるときは、症状に合わせた胃腸薬を選びましょう。
胃酸が出過ぎて胃痛や胸やけがある場合は、ガスター10などのH2ブロッカーや制酸剤が適しています。
胃の粘膜が荒れている感覚がある場合は、スクラートなどの胃粘膜保護剤を選ぶとよいでしょう。
腹痛を伴う下痢には鎮痙成分を含む胃腸薬もありますが、感染性胃腸炎では腸の動きを止めることで症状が悪化する可能性があります。
お腹を温めて安静にすることで痛みが和らぐ場合もあるため、まずは体を休めることを優先してください。
痛みが激しい場合や痛む場所が右下腹部に限られている場合は、虫垂炎など別の病気の可能性もあるため早めに医療機関を受診しましょう。
複数の症状があるとき
下痢・嘔吐・胃痛など複数の症状が同時にある場合は、総合胃腸薬や漢方薬が選択肢となります。
総合胃腸薬には複数の成分が配合されており、さまざまな胃腸の不調に対応できるためです。
<複数の胃腸症状があるときの漢方薬>
- 柴苓湯
- 胃苓湯
これらは胃腸炎による複合的な症状に用いられることがあるでしょう。
ただし複数の症状が強く出ている場合は、市販薬だけで対応しようとせず医療機関を受診することをおすすめします。
高熱を伴う場合や水分が摂れない場合は、点滴などの治療が必要になることもあります。
自己判断で複数の市販薬を組み合わせて服用することは避け、迷った場合は薬剤師に相談しましょう。
胃腸炎で医療機関を受診すべき目安
胃腸炎は多くの場合、自宅での安静と水分補給で数日以内に回復します。
しかし症状が重い場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
脱水症状や高熱、血便などがみられる場合は、他の病気が隠れている可能性もあるでしょう。
ここでは、医療機関を受診すべき具体的な目安について解説します。
すぐに受診した方がよい症状
以下のような症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
| 症状 | 受診を急ぐ理由 |
| 水分を摂っても吐いてしまい、ほとんど水分が摂れない | 脱水症状のリスクが高く、早急な対応が必要 |
| 血便や黒色便がみられる | 腸管出血性大腸菌感染症や他の重篤な病気の可能性がある |
| 38.5℃以上の高熱が続く・激しい腹痛が治まらない | 細菌感染や他の疾患が疑われる |
| 意識がぼんやりする・尿がほとんど出ない | 脱水が進行しているサイン |
これらの症状がみられたら自己判断で様子をみず、すぐに医療機関を受診しましょう。
受診を検討すべき状態・対象者
症状が軽くても、以下に当てはまる方は早めの受診を検討してください。
| 対象者・状態 | 理由・推奨される対応 |
| 乳幼児・高齢者 | 脱水症状を起こしやすく、重症化するリスクが高い[1] |
| 糖尿病・腎臓病などの持病がある方、免疫力が低下している方 | 症状が悪化しやすいため早めの受診が望ましい[2] |
| 妊娠中の方 | 服用できるお薬が限られるため、自己判断せず医師に相談 |
| 下痢や嘔吐が3日以上続いている場合 | 一度医療機関で診てもらうと安心 |
| 周囲で同じ症状の人が複数いる場合 | 集団感染の可能性があるため、保健所への相談も検討[1] |
不安な場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
胃腸炎で受診する場合の診療科
胃腸炎の症状で医療機関を受診する場合は、内科または消化器内科を選びましょう。
小さな子どもの場合は小児科を受診してください。
内科では胃腸炎の診断と対症療法を受けることができ、必要に応じて点滴による水分補給もおこなわれます[4]。
消化器内科では、胃腸の専門的な診察や検査を受けることが可能です。
症状が重い場合や他の病気が疑われる場合は、血液検査や便検査がおこなわれることもあるでしょう。
夜間や休日に症状が悪化した場合は、救急外来や夜間診療をおこなっている医療機関を受診してください。
胃腸炎の症状がつらいときはクリニックフォアへ
胃腸炎の症状がつらいとき、外出して医療機関を受診するのは大きな負担です。
嘔吐や下痢が続いている状態では、待合室で長時間過ごすことも難しいでしょう。
クリニックフォアのオンライン診療なら、自宅から医師の診察を受けてお薬の処方を受けることができます。
初診からオンラインで受診でき、お薬は最短翌日にご自宅に届くため、外出が難しいときでも安心です。
お近くの薬局での受け取りも可能です。
土日祝も診療をおこなっているため、忙しい方でも受診しやすいでしょう。
<クリニックフォア オンライン保険診療の概要>
| 項目 | 内容 |
| 診察料+システム利用料(税込) | 初診:1,840円〜2,370円 / 再診:1,280円〜2,510円 |
| 診療時間 | 9:00〜17:30(日によって異なります |
| 診療日 | 平日・土日祝 |
| お届け | 最短当日発送・翌日届け |
| 対象年齢 | 内科・アレルギー科:10歳以上 / 皮膚科:6歳以上 |
※上記は3割負担の場合の目安です。お薬代は薬局にて別途お支払いとなります。
※17時までに服薬指導を完了した場合、東京23区・川崎市は当日受け取りオプションあり(別途配送料)。
※医療証はお住まいの都道府県のみでご利用が可能です。東京都以外の在住の方は、後日ご自身で自治体での還付手続きをしていただく必要がございます。
※お薬の配送は、診察時間や配送先により異なります。
※お薬の処方がない場合は診察料1,650円(税込)がかかります。
市販薬では対応できない症状や、どのお薬を選べばよいか分からないときも医師に直接相談できるため安心でしょう。
ただし水分が摂れないほどの脱水症状や高熱が続く場合は、対面での診察や点滴が必要になることもあるため、症状が重い場合は救急外来の受診を検討してください。
胃腸炎の症状でお困りの方は、クリニックフォアのオンライン診療をぜひご活用ください。
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胃腸炎のお薬に関するよくある質問
胃腸炎のお薬について、よく寄せられる疑問をまとめました。
お薬の服用や受診のタイミングで迷ったときの参考にしてください。
胃腸炎はお薬を飲まなくても自然に治りますか?
ウイルス性の胃腸炎は、多くの場合は数日で自然に回復するとされています。
体がウイルスを排出すれば症状は治まっていくため、安静と水分補給が基本的な対処法です。
ただし脱水症状を起こさないよう、こまめな水分摂取を心がけることが大切でしょう。
症状がつらい場合は整腸剤や解熱剤などで症状をやわらげながら回復を待つことをおすすめします。
胃腸炎のときに市販の下痢止めを飲んでも大丈夫ですか?
感染性胃腸炎が疑われる場合は、市販の下痢止めの服用は避けた方がよいでしょう[1]。
下痢は体内の病原体を排出するための防御反応であり、止めてしまうと回復が遅れる可能性があります。
冷えやストレスなど感染以外が原因であれば、下痢止めを服用しても問題ありません。
原因が分からない場合は、下痢止めではなく整腸剤を選ぶか、医療機関に相談してみてください。
胃腸炎で処方されるお薬と市販薬に違いはありますか?
整腸剤や解熱鎮痛剤など、胃腸炎の対症療法に使われるお薬は処方薬と市販薬で大きな差はありません。
ただし制吐剤の一部や抗菌薬は医師の処方が必要であり、市販では手に入りません。
医療機関では症状に合わせた適切なお薬を選んでもらえるほか、点滴による水分補給も受けられます。
症状が重い場合や市販薬で改善しない場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
子どもや高齢者が胃腸炎になった場合、とくに注意することはありますか?
子どもや高齢者は脱水症状を起こしやすく、胃腸炎が重症化するリスクが高いとされています[1]。
乳幼児は数時間で症状が悪化することもあるため、嘔吐や下痢が続く場合は早めに小児科を受診してください。
高齢者はのどの渇きを感じにくいため、周囲が水分摂取を促すことが大切です。
尿の量が減っている、ぐったりしているなどの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
まとめ
胃腸炎に使われるお薬には、整腸剤・制吐剤・胃薬・解熱鎮痛剤・抗菌薬などさまざまな種類があります。
感染性胃腸炎には特効薬がなく、症状をやわらげる対症療法と水分補給が治療の基本となるでしょう[1]。
下痢止めは感染性胃腸炎では服用を避けた方がよい場合があり、整腸剤を優先することが推奨されています。
市販薬を選ぶ際は自分の症状に合ったものを選び、感染性が疑われる場合は下痢止めの服用を控えましょう。
水分が摂れないほどの嘔吐や高熱、血便などがみられる場合は、早めに医療機関を受診してください。
胃腸炎は適切なセルフケアをおこなうことで、多くの場合は数日で回復が期待できます。
症状がつらいときや受診を迷ったときは、クリニックフォアのオンライン診療もぜひご活用ください。
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※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
