喘息の市販薬は何を選べばいい?使える成分・使ってはいけない成分を解説

「喘息のせきがつらいが、すぐに医療機関に行けない」「ドラッグストアで買えるお薬で一時的に対処したい」と感じている方もいるのではないでしょうか。

喘息の市販薬については情報が少なく、「どれを選べばよいか」「服用してはいけないお薬があるのか」を正しく把握できていない方も多いでしょう。
喘息に使える市販薬は存在しますが、吸入ステロイドなど喘息治療の根本となるお薬は市販されていません。市販薬はあくまで一時的な症状の緩和を目的とした「つなぎ」にとどまります。

一方で、コデイン・NSAIDs系解熱鎮痛薬など、喘息を大きく悪化させるリスクのある成分が配合された市販薬もあり、成分を確認せずに服用することは危険です[2][4]。

この記事では、喘息のせきに使える市販薬の成分・選び方・服用を避けるべきお薬など、詳しく解説します。
喘息と市販薬の関係について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※診療費は診察内容によって異なります。保険診療の自己負担割合(原則3割)に応じた金額となります。

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※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。

喘息の市販薬について知っておくべき前提

市販薬を探す前に、喘息と市販薬の関係について正しく理解しておくことが大切です。

「ドラッグストアで喘息に効くお薬を買えばいい」という考えのもとで自己判断を続けることが、症状の悪化につながるケースもあるため、まず前提を確認しましょう。

ここでは、吸入ステロイドが市販されていない理由・市販薬でできることの限界・受診を優先すべきタイミングについて解説します。

吸入ステロイドなど処方薬は市販されていない

喘息治療の中心となる吸入ステロイド薬(ICS)は、現在市販されていません。

吸入ステロイドは気道の炎症そのものを抑える根本的な治療薬です。ただし、医師の診断と処方が必要なため、ドラッグストアでは入手できません。

「吸入薬が市販で買えると思っていた」という方も多いですが、喘息の吸入薬(アドエア・シムビコート・フルティフォームなど)はすべて医師による処方が必要な薬剤であり、医療機関を受診しなければ入手できません[1]

「すぐに吸入薬が必要で手元にない」という緊急の場合でも、市販薬では代替できないため、症状が重い場合は救急医療機関への受診が必要です。

処方されている発作治療薬をお持ちであれば、まずそれを服用し、速やかに医療機関を受診してください。

市販薬はあくまで医療機関に行くまでの一時的な対処に限られることを理解しておくことが、喘息管理の安心につながる第一歩といえます。

市販薬でできることには限界がある

市販薬でできることは、せきを一時的に和らげたり、痰の粘り気を薄めて痰を出しやすくすることなどの対症療法にとどまります。

喘息の根本原因である気道の慢性的な炎症を抑える作用は、市販薬には期待できません。

市販薬だけに頼り続けると気道の炎症が進行し、気道の線維化が進んで硬くなり、気道が狭い状態のまま元に戻らなくなる「気道リモデリング」のリスクが高まります[3]

気道リモデリングが進むとお薬の効きが悪くなり、症状が固定化して日常生活に影響が出やすくなります[3]

「市販薬でせきが落ち着いたから医療機関に行かなくていい」という判断が、長期的に喘息を悪化させることにつながる可能性があります。

市販薬は「すぐに医療機関に行けないときの一時対処」として活用し、数日以内に医療機関を受診することをおすすめします。

市販薬を使いながら受診を優先すべきタイミング

市販薬を使っても症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

症状の緊急度に応じた受診の目安は、以下を参考にしてください。

【速やかに救急医療機関を受診すべき症状】

  • 呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューが続く
  • 横になれないほど息苦しい
  • 市販薬を服用しても数十分以上症状が改善しない

【市販薬の使用と並行して、早めに医療機関受診を検討すべき症状】

  • 発熱はないがせきが数週間以上続いている
  • 夜間や明け方だけせきがひどくなる
  • 市販薬で一時的に落ち着いても繰り返す

「忙しくて医療機関に行けない」という方でも、かかりつけ医への電話相談から始めることがひとつの方法です。

市販薬は橋渡し役として正しく活用し、継続的な喘息管理は医療機関でおこなうことをおすすめします。

喘息のせきに使える市販薬の成分と選び方

「ドラッグストアに行っても、どれを選べばよいかわからない」という方は多いでしょう。

喘息のせきには、症状に合わせた成分の選び方があります。

以下の一覧表で、症状に合った成分を確認してから商品を選ぶことが大切です。

成分カテゴリ代表的な成分作用向いている症状
気管支拡張成分メトキシフェナミン塩酸塩/ジプロフィリン/マオウエキス気道を広げて呼吸を楽にするゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)を伴うせき
去痰成分グアイフェネシン/L-カルボシステイン/ブロムヘキシン塩酸塩痰の粘り気を薄めて排出を促す痰が絡んでスッキリしない
鎮咳成分(非麻薬性)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物/ノスカピンせき中枢に作用してせきを抑える乾いたせきが続く

気管支拡張成分

喘息のせきがあるときに選ぶと良いのが、気管支拡張成分を含む市販薬です。

気管支拡張成分は気道を広げる作用があり、「ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)を伴うせき」に対して、症状を一時的に和らげる効果が期待できます。

  • メトキシフェナミン塩酸塩:気管支の筋肉をゆるめて、気道を広げる成分
  • ジプロフィリン:キサンチン系の気管支拡張成分で、気管支を広げる作用をもつ成分
  • マオウエキス:生薬成分のひとつで、せきを鎮める作用と気管支を広げる作用がある

これらの成分が、市販のせき止めや喘息薬に配合されていることがあります。

喘息のせきに市販薬を選ぶ際は、これらの気管支拡張成分が含まれているかどうかを、パッケージの成分表示で確認してから購入することをおすすめします。

成分表示の読み方が難しいと感じる場合は、ドラッグストアの薬剤師に「喘息があります。気管支拡張成分が入っているものを教えてください」と伝えてみてください。

去痰成分

「痰が絡んでスッキリしない」という症状がある場合は、去痰成分を含む市販薬が効果的です。

代表的な去痰成分として、グアイフェネシン(痰の粘り気を薄めて排出を促す)、L-カルボシステイン(痰の性状を変化させて出やすくする)、ブロムヘキシン塩酸塩(痰をサラサラにして排出を助ける)などがあります[5]

去痰成分は気道の炎症を抑えるものではありませんが、「痰が絡んで苦しい」という症状の緩和に効果が期待できます。

気管支拡張成分と去痰成分の両方が配合された複合タイプの市販薬も多く、「ゼーゼーするせきに痰も絡む」という方にはこうした複合成分の商品を薬剤師に相談しながら選ぶとよいでしょう。

ただし、去痰成分だけのお薬では喘息の気道収縮を改善することはできないため、気管支拡張成分とのセットで選ぶことが大切です。

鎮咳成分は非麻薬性のものを選ぶ

鎮咳成分(せきを止める成分)を選ぶ際は、成分の種類に注意が必要です。

  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物:せき中枢に作用して、せきを抑える非麻薬性の鎮咳成分
  • ノスカピン:非麻薬性のせき止め成分で、比較的使用しやすい鎮咳成分

上記の成分は、コデイン系の中枢性鎮咳成分とは異なり呼吸抑制の作用が乏しいため、喘息のせきに対しても用いられることがあります。

「せき止めのお薬を買えばいいだろう」と思いがちですが、せき止めのお薬の成分によっては喘息を大きく悪化させるリスクがあるため、成分の確認が非常に重要です。

喘息の方が避けるべき鎮咳成分については次の章で詳しく解説しますが、コデイン系成分の含まれるお薬は服用を避けることが原則です[4]

「成分表示を読むのが難しい」という場合は、ドラッグストアの薬剤師に「喘息があります。コデインが入っていないか確認してください」と伝えることで、安心して服用できるお薬を選んでもらえるでしょう。

喘息の方が服用を避けるべき市販薬の成分

喘息がある方が特定の市販薬を服用すると、症状を大きく悪化させたり、重篤な発作を起こしたりするリスクがあります[2]

「市販薬だから安心だろう」という思い込みが、重篤な発作のリスクにつながることがあるため、以下の成分は購入前に確認してください。

避けるべき成分の一覧は以下の通りです。

避けるべき成分分類含まれる代表的な市販薬リスク
コデインリン酸塩/ジヒドロコデインリン酸塩中枢性鎮咳成分総合感冒薬・せき止め薬の一部呼吸抑制で喘息発作が悪化する可能性
アスピリンNSAIDsバファリンの一部などアスピリン喘息の誘発リスク
ロキソプロフェンNSAIDsロキソニンSなど同上
イブプロフェンNSAIDsイブなど同上
エテンザミドNSAIDsノーシン・セデスなど同上
ケトプロフェン/フェルビナクNSAIDs外用湿布・塗り薬外用でも発作誘発の可能性

コデイン・ジヒドロコデインは避けるべき成分

「リン酸コデイン」「ジヒドロコデインリン酸塩」が含まれるせき止めのお薬は、喘息の方は服用を避けなければなりません[4]

これらは中枢性鎮咳成分(脳のせき中枢に作用してせきを抑える成分)であり、呼吸を抑制する副作用があるため、喘息発作中に服用すると息苦しさがさらに悪化する可能性があります[4]

コデイン・ジヒドロコデインは市販の「総合感冒薬(風邪薬)」や「せき止めのお薬」に配合されていることがあるため、パッケージの成分表示を確認することが大切です。

「風邪のついでにせき止めも一緒に買った」というケースで、知らずにコデイン系成分を服用してしまう方が多いため、注意が必要です。

「せきに効くお薬ならなんでも良い」ではなく、成分表示を確認するか薬剤師に「喘息があります。コデインが入っていないか確認してください」と伝えてから購入してください。

アスピリン・NSAIDs(解熱鎮痛薬)は喘息発作を誘発するリスクがある

アスピリンをはじめとする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、成人喘息患者の約5〜10%に、服用後、強い鼻づまりや顔面紅潮・重篤な喘息発作を引き起こす可能性があります[2]

これを「アスピリン喘息(解熱鎮痛薬喘息)」といい、以下の方はとくにリスクが高いとされています。

  • 成人後に喘息を発症した方
  • 鼻ポリープのある方・手術歴のある方
  • 過去に解熱鎮痛薬で発作が起きたことがある方

注意が必要な成分として、アスピリン(バファリンの一部など)、ロキソプロフェン(ロキソニンSなど)、イブプロフェン(イブなど)、エテンザミド(ノーシン・セデスなど)が挙げられます[2]

過去に解熱鎮痛薬を飲んで喘息発作が起きたことがある方は、その後も同じリスクが続くため、解熱鎮痛薬を服用する際は医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

「発熱や頭痛のときに何を飲めばいいのかわからない」という場合は、喘息への影響が比較的少ないとされるアセトアミノフェン(カロナールなど)について、かかりつけ医に確認しておくことが大切です[2]

湿布・外用薬・目薬にも注意が必要

アスピリン喘息の方は、飲み薬だけでなく、NSAIDs成分を含む「湿布・塗り薬・目薬・坐薬」でも発作が誘発される可能性があります[2]

「湿布を貼っただけで発作が起きた」というケースも報告されているため、外用薬でも成分確認が必要です[2]

「湿布を選ぶとき、喘息のことを考えたことがなかった」という方も多いですが、NSAIDsを含む湿布(ケトプロフェン・フェルビナクなど)にも注意が必要です。

外用薬・目薬・市販薬を購入するときは、喘息があることを薬剤師に伝えることを習慣にしておくと安心です。

「アスピリン喘息かどうかわからない」という場合は、喘息を発症してから初めて解熱鎮痛薬を服用する前に、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

喘息の市販薬について迷ったらクリニックフォアのオンライン診療に相談を

「すぐに医療機関に行けないが、喘息の治療を続けたい」「吸入薬の継続処方を受けたいが通院が難しい」という方には、オンライン診療が選択肢のひとつとなりえます。

クリニックフォアのオンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら医師の診察を受けられます。吸入薬の継続処方はもちろん、喘息のコントロール状態の確認や、症状に関する相談も可能です。

ただし、初回の確定診断・アレルゲン検査などは対面での診察が必要な場合があります。

呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューが続く・吸入薬を服用しても楽にならないなど緊急性がある場合は、オンライン診療ではなく速やかに対面の呼吸器内科や救急医療機関を受診してください。

 

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※対面診療をご案内する場合もございます。
※診療費は診察内容によって異なります。保険診療の自己負担割合(原則3割)に応じた金額となります。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

喘息の治療薬に関するよくある質問

喘息の治療薬の種類や使い方・市販薬との違いについて、よく寄せられる質問をまとめました。

お薬に関して不安な点や判断に迷う場合は、自己判断で中止・変更せず医師または薬剤師に相談することをおすすめします。

Q1:喘息の吸入薬は市販で買えますか?

現在、喘息治療に使う吸入ステロイド薬・気管支拡張薬の配合剤(アドエア・シムビコート・フルティフォームなど)はすべて処方薬であり、市販されていません。

処方してもらうには医師の診察が必要です。

「手元の吸入薬がなくなった」という場合は、かかりつけ医に連絡して処方を受けることが可能です。

Q2:市販のせき止めのお薬で喘息のせきを止めてもよいですか?

市販のせき止めのお薬の中には、喘息の症状を悪化させる「コデイン」「ジヒドロコデイン」を含むものがあるため、成分を確認せずに服用することは危険です[4]

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物やノスカピンなどの非麻薬性の鎮咳成分のものを、薬剤師に相談しながら選ぶことが大切です。

「せき止めならなんでもいい」という判断は避け、成分を確認してから購入してください。

Q3:ロキソニンなどの痛み止めを飲んでも大丈夫ですか?

アスピリン・ロキソプロフェン・イブプロフェンなどのNSAIDs系解熱鎮痛薬は、喘息患者の一部(約5〜10%)に重篤な発作(アスピリン喘息)を誘発するリスクがあります[2]

アスピリン喘息のリスクがとくに高い方は以下の通りです。

  • 成人後に喘息を発症した方
  • 鼻ポリープのある方・手術歴のある方
  • 過去に解熱鎮痛薬で発作が起きた方

解熱鎮痛薬が必要なときは、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

Q4:子どもの喘息に市販薬を服用しても大丈夫ですか?

子どもの喘息の場合、市販薬を自己判断で服用することはとくに注意が必要です。

年齢によって服用できる成分が制限されており、服用できるお薬とできないお薬があります。

子どもの喘息は重症化しやすいため、市販薬での対処よりも速やかに小児科または小児アレルギーに詳しい医療機関を受診することをおすすめします。

まとめ

喘息の吸入ステロイドなどの根本的な治療薬は市販されておらず、ドラッグストアで入手できる市販薬は症状の一時的な緩和に限られます。

喘息のせきには、気管支拡張成分(メトキシフェナミン・ジプロフィリン・マオウエキスなど)を含む市販薬が症状の緩和に役立つ場合があります。

一方、コデイン・ジヒドロコデインを含むせき止めのお薬は喘息を悪化させるリスクがあるため、成分表示を確認してから購入することが重要です[4]

アスピリン・ロキソプロフェン・イブプロフェンなどのNSAIDs系解熱鎮痛薬は、一部の喘息患者に重篤な発作を引き起こすリスクがあり、湿布・外用薬でも同様の注意が必要です[2]

市販薬は根本治療ではなく、一時的な対処であり、数日以内に医療機関を受診することが気道リモデリングの予防につながります。

市販薬を選ぶ際は喘息があることを薬剤師に伝えることで、安心な成分の商品を選んでもらえるでしょう。

「市販薬で症状が落ち着いているから大丈夫」という自己判断が喘息の悪化につながるため、継続的な治療は医療機関でおこなうことが大切です。

 

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注意 オンラインでお薬の処方ができない場合があります

以下に当てはまる場合はオンラインで処方ができません。

  • 依存性の高い向精神薬(不眠症のお薬を含みます)に分類されるお薬や麻薬は処方できません。
  • 触診・検査などが必要な場合(爪水虫など)、オンラインでは病状を把握するために必要な情報が十分に得られないと医師が判断した場合には、対面での診療をお願いする場合がございます。

参考文献

  1. 独立行政法人環境再生保全機構「治療 ぜん息の薬|成人ぜん息」
  2. 独立行政法人環境再生保全機構「アスピリンぜん息(解熱鎮痛薬ぜん息)」
  3. 独立行政法人環境再生保全機構「はじめてぜん息と診断された方へ(成人ぜん息)」
  4. KEGG MEDICUS 医薬品情報(JAPIC医薬品添付文書データベース)「コデインリン酸塩」
  5. Ohar JA, Donohue JF, Spangenthal S. 慢性気管支炎に伴う慢性粘液過剰分泌の管理におけるグアイフェネシンの役割:包括的レビュー. Chronic Obstructive Pulmonary Diseases. 2019;6(4):341-349.
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