胃もたれは何科を受診すればいいか
胃もたれで受診する際は、消化器内科・内科・胃腸科のいずれかが選択肢となりますが、それぞれ対応できる検査や専門範囲が異なります。
「どの診療科を選べばよいか分からない」と迷っている方に向けて、ここでは3つの診療科の違いと選び方、消化器内科を優先すべき理由、心療内科の検討が必要なケースについて整理します。
消化器内科・内科・胃腸科の違いと選び方
胃もたれで受診できる診療科には「消化器内科」「内科」「胃腸科(胃腸内科)」の3つがあり、それぞれ対応できる範囲が異なります。
| 診療科 | 専門範囲 | 検査対応 | おすすめ度 |
| 消化器内科 | 食道・胃・腸・肝臓・胆嚢・膵臓など消化器全般 | 胃カメラ・腹部エコー・CT等が充実 | ◎ 第一選択 |
| 一般内科 | 風邪・生活習慣病など全般(消化器疾患にも対応) | 施設による。必要に応じて紹介状あり | ○ 最初の相談先として可 |
| 胃腸科(胃腸内科) | 消化器内科に近い対応が可能 | 肝臓・胆嚢・膵臓への対応は施設による |
「消化器内科が近くにない」という場合は、まず一般内科に相談して消化器内科への紹介を受けることも選択肢の一つです。
消化器内科を第一選択に選ぶべき理由
みぞおちから臍(へそ)のあたりには胃以外にも十二指腸・小腸・膵臓・肝臓・胆嚢など多くの消化器臓器が存在しており、これらすべてを専門的に診断・検査できる消化器内科が専門性の高い受診先です。
胃もたれの背景に胆石・膵炎・胃がんなどが隠れている可能性があるため、「胃の症状だから胃だけ診てもらえればいい」という考えは隠れた疾患を見落としてしまうことがあります[1][2][3]。
心療内科を検討すべきケース
胃の症状と同時に「ストレスが非常に強い」「眠れない」「強い不安・抑うつがある」という精神症状が重なっている場合は、消化器内科での検査と並行して心療内科への受診を検討することも選択肢の一つです。
ただし、まず消化器内科で器質的な疾患がないことを確認してから心療内科を検討することが、重大な疾患の見落としを防ぐうえで重要な順序です。
心療内科と消化器内科の並行受診も可能なため、両方の症状が重なっている場合は遠慮せずに医師に相談することをおすすめします。
胃もたれを引き起こす原因と関連する疾患
胃もたれの原因は食べ過ぎやストレスといった日常的なものから、機能性ディスペプシアや胃潰瘍などの消化器疾患までさまざまです。
原因によって対処法や受診の緊急度が異なるため、「どのような原因で胃もたれが起きるのか」を把握しておくことが適切な判断につながります。
ここでは、日常的な原因・関連する消化器疾患・見落としやすい胃がんや膵臓疾患との関連について整理します。
日常的な原因(食生活・ストレス・加齢)
食べ過ぎ・飲み過ぎは消化が追いつかず、脂っこい食べ物・揚げ物は胃に長時間残留します。
ストレスや自律神経の乱れは胃の運動を低下させて消化力が落ちるため、慢性的なストレスが続く状況で胃もたれが習慣化しやすくなります[4]。
加齢による消化機能の低下や睡眠不足・不規則な生活による自律神経の乱れも原因となります。
食べ過ぎが原因で時間とともに自然に解消される場合はそれほど心配ありませんが、「数週間以上症状が続く」という場合は消化器疾患が原因となっている可能性があるため、受診を検討することが重要です。
胃もたれが症状としてあらわれる主な消化器疾患
慢性胃炎(とくにピロリ菌感染性) 胃の粘膜に長期間の炎症が続く状態で、放置すると「萎縮性胃炎」に進行して消化機能が低下します[5]。
機能性ディスペプシア(FD) 胃カメラで異常が見つからないにもかかわらず胃もたれ・早期満腹感・みぞおちの痛みなどが慢性的に続く疾患で、日本人の約11〜17%が罹患するとされています[6]。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 胃潰瘍は胃もたれに加えて食後に痛みを感じることがある一方で、十二指腸潰瘍では夜間に痛みを感じることがあります[7]。ピロリ菌感染やNSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの鎮痛薬)の長期服用が主な原因です[7]。
逆流性食道炎 胃酸が食道に逆流して粘膜に炎症が起きる疾患で、胸やけ・呑酸・のどの違和感などが伴います[8]。
胃がん・胆嚢・膵臓などの疾患との関連
胃がんは早期では多くの場合自覚症状が乏しく、胃もたれがあらわれるのは進行した段階が多いため「胃もたれだから大丈夫」と放置しないことが重要です[3]。
40歳以上・ピロリ菌感染の既往がある・喫煙などのリスク因子がある場合は、定期的な胃カメラ検査が推奨されます[9]。
膵臓は胃のすぐ裏側に位置するため膵臓の疾患が胃の症状として感じられることもあり、腹部超音波検査やCT検査で周辺臓器を含めた確認が重要です[2]。
こんな胃もたれは要注意|医療機関を受診するタイミング
胃もたれは日常的によくある症状ですが、なかには消化管出血や胃潰瘍穿孔など緊急性の高い疾患が隠れているケースもあります。
「いつもの胃もたれだから」と自己判断で放置することで、重要な疾患の発見が遅れるリスクがあるため、受診が必要なサインを事前に把握しておくことが大切です。
以下の表で、ご自身の症状がどの段階に該当するかを確認してください。
| 緊急度 | 該当する症状 | 対応 |
| すぐに救急受診 | 吐血・黒いタール状の便/突然の激しいみぞおちの痛み/顔色が悪い・冷や汗・意識がぼんやりする/繰り返す嘔吐・嘔吐物に血が混じる | 救急外来を受診または119番に連絡[10] |
| 数日〜数週間以内に受診 | 思い当たる原因がないのに胃もたれが続く/市販のお薬で改善しない・すぐぶり返す/数週間以上胃もたれが続いている/食後に毎回胃もたれが起きる/体重が自然に減っている/胸やけ・のどの違和感・げっぷが同時にある | 消化器内科を受診 |
受診の際は「いつ頃から・どのような感じ方か・食後か空腹時か・他の症状・服用中のお薬・生活習慣」を具体的に伝えることで、正確な診断につながりやすくなります。
受診したらどんな検査をおこなうか
年齢・病状や受診する医療機関によっても異なりますが、消化器内科での一般的な診察の流れは「問診→腹部診察→血液検査→腹部超音波検査→必要に応じて胃カメラ・CT検査」です。
胃カメラ(上部内視鏡検査)は胃粘膜を直接観察できる専門的かつ確実な検査の一つで、胃炎・潰瘍・胃がん・ポリープなどの有無を確認しピロリ菌感染の有無を一度に調べることができます。
腹部超音波検査は膵臓・胆嚢・胆管・肝臓などの異常を確認するために実施され、血液検査では炎症・貧血・肝機能・膵酵素などをチェックします。
「体重減少がある」「吐血・黒い便がある」「高齢の方で新たに症状が出た」などのアラームサインがある場合は、優先的に胃カメラ検査を受けることが推奨されます[6]。
器質的な疾患がないと確認された場合は機能性ディスペプシアとして診断・治療が進められ、ピロリ菌感染が確認された場合は除菌治療(ピロリ菌を取り除く治療)が優先されます[6]。
胃もたれのセルフケアと受診前にできること
胃もたれがある時期は以下の食品・飲料を控えて、消化に負担をかけない食事を心がけることが基本です。
- 脂っこい食べ物・揚げ物
- アルコール・カフェイン
- 辛い食べ物・炭酸飲料
胃への負担が少なく選びやすい食品には以下のようなものがあります。
- お粥・やわらかく煮たうどん
- 白身魚・豆腐
- バナナ・ヨーグルト
1日の食事を、一回あたりは少量で、回数を多頻度にして、よく噛んでゆっくり食べるようにしたり、食後数十分〜数時間は上体を起こしておくことなどで胃への負担が軽減されます。
規則正しい睡眠・食後の軽い散歩・ぬるめの入浴・禁煙など自律神経を整える生活習慣も胃の機能維持に役立ちます[4]。
市販の胃腸のお薬は症状に合わせて選ぶことで一時的な緩和が期待できますが、数日服用して改善が見られない場合は消化器内科を受診することが重要です。
クリニックフォアのオンライン診療で胃もたれを相談する
「胃もたれが数週間以上続いているが消化器内科に行く時間がない」「市販のお薬を飲んでも改善しない」という場合、医師によるオンライン診療での相談が一つの選択肢となります。
クリニックフォアでは機能性ディスペプシア・慢性胃炎などの消化器症状に対するオンライン診療をおこなっており、通院の時間や手間をかけずに医師に相談することが可能です。
「吐血・黒いタール状の便」「突然の激しいみぞおちの痛み」「顔色が悪く冷や汗がある」などの緊急症状がある場合は、オンライン診療ではなく速やかに対面での救急受診をおこなってください。
胃カメラ検査など対面での精密検査が必要と判断されたケースでは、対面の医療機関への受診を案内する場合があります。
「胃もたれを繰り返す」「消化の良いものを食べても改善しない」「数週間以上症状が続く」という方は、オンラインで医師に相談することをおすすめします。
※医師の判断により、お薬を処方できない場合がございます。
※対面診療をご案内する場合もございます。
※診療費は診察内容によって異なります。保険診療の自己負担割合(原則3割)に応じた金額となります。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
胃もたれの受診科に関するよくある質問
胃もたれの受診先や検査について、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
受診の判断や診療科選びの参考にしてください。
胃もたれは何科を受診すればいいですか?
胃もたれで受診する場合の第一選択は消化器内科(または胃腸内科)です。
消化器内科は消化器全般を専門に診療し必要な検査を一か所で受けられるため、原因を正確に調べるうえで専門性が高い診療科です。
胃もたれが数日続いたら医療機関に行くべきですか?
食べ過ぎ・飲み過ぎが原因で1〜2日以内に自然に解消される胃もたれはとくに心配ありませんが、「とくに原因がなく数週間以上続く」「市販のお薬を飲んでも改善しない」という場合は早めに消化器内科を受診することが推奨されます。
「体重が自然に落ちている」「吐血・黒いタール状の便」「激しいみぞおちの痛み」がある場合はすぐに受診が必要な緊急サインです。
消化器内科と内科はどう違いますか?
消化器内科は消化器全般を専門に診療する科で、胃カメラや腹部超音波などの専門的な検査・治療が充実しています。
一般内科は幅広く診療しますが専門検査は施設によって異なり、必要に応じて消化器内科への紹介となることがあります。
胃もたれで受診したら何を調べますか?
病状や医療機関によって異なりますが、消化器内科での一般的な診察の流れは「問診→腹部診察→血液検査→腹部超音波検査→必要に応じて胃カメラ・CT検査」です。
胃カメラは胃粘膜を直接観察でき、炎症・潰瘍・腫瘍(がん)などの病変を確認できるほか、ピロリ菌感染を示唆する所見の評価や生検による診断も可能な検査です。
まとめ
胃もたれで受診する際の第一選択は消化器内科(または胃腸内科)で、消化器全般を専門に診療し胃カメラ・腹部エコー・ピロリ菌検査など必要な検査が一か所で受けられるため、原因を正確に調べるうえで専門性が高い診療科です。
「数週間以上続く」「市販のお薬を飲んでも改善しない」「体重が自然に落ちている」という場合は消化器内科を受診するタイミングであり、「吐血・黒いタール状の便」「激しいみぞおちの痛み」「顔色が悪く冷や汗がある」という場合はすぐに受診が必要な緊急サインです[10]。
胃もたれは食べ過ぎ・飲み過ぎの一時的なものから慢性胃炎・機能性ディスペプシア・胃潰瘍・逆流性食道炎・胃がん・胆嚢・膵臓の疾患まで幅広い原因が関係しており、「ただの胃もたれ」と自己判断で放置し続けることで重大な疾患の発見が遅れるリスクがあります[1][2][3][5][6][7][8]。
セルフケアとして脂っこいもの・アルコール・カフェインを控えて少量多頻度食・食後は横にならないなどを習慣づけることも有効ですが、数日経過しても改善しない場合は消化器内科への受診を検討してください。
胃の病気は早期発見・早期治療によって治療成績が改善する可能性があるため、気になる症状が続く場合は消化器内科に相談することが胃の健康を守るうえで重要です。
症状が続く・不安を感じる場合は、まずは医師に相談してみてはいかがでしょうか。
※医師の判断により、お薬を処方できない場合がございます。
※対面診療をご案内する場合もございます。
※診療費は診察内容によって異なります。保険診療の自己負担割合(原則3割)に応じた金額となります。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。


