デュタステリドの外用薬とは
デュタステリド外用薬とは、内服薬として使われてきた「デュタステリド」を、頭皮に直接塗るタイプに調整したお薬です。
現在、日本で承認されているのは内服薬のみであり、外用薬としての市販製品や承認薬はありません。
一部の医療機関では、医師の判断のもと、院内製剤としてデュタステリド外用薬を調製・処方しているケースがあります。これは保険適用外の自由診療となり、効果や安全性については十分なデータが確立されていない点にご注意ください。
海外においてもデュタステリド外用薬は研究段階にあり、有効性や安全性については十分なデータが確立されていないのが現状です。
デュタステリドの作用の仕組み
デュタステリドは、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制するお薬です。
DHTは、男性ホルモンであるテストステロンが「5αリダクターゼ(5α還元酵素)」という酵素によって変換されることで生成される物質です。
DHTの影響を受けると、髪の成長期は短くなり、十分に太く育つ前に抜けやすくなります。
デュタステリドは5αリダクターゼ(1型および2型)を阻害し、DHTの生成を抑えることで、短縮した成長期を回復させ、AGAの進行を抑制する働きがあります[1]。
デュタステリド内服薬(0.5mg)では、24週時点で血中DHT濃度が90.9%低下したと報告されており[2]、AGAの進行抑制に広く用いられているお薬です。
デュタステリド外用薬の承認状況
デュタステリド外用薬は、AGA治療薬として正式に承認された製品はありません。
効果や安全性について臨床試験で確認された「承認薬」とは位置づけが異なります。
日本では未承認
日本では、デュタステリド外用薬は医薬品として製造販売の承認を受けていません。
国内でAGA治療薬として承認されているおもなお薬は、以下のとおりです[1]。
| 一般名 | 剤形 | 商品名 |
| デュタステリド | 内服薬 | ザガーロ(先発医薬品)など |
| フィナステリド | 内服薬 | プロペシア(先発医薬品)など |
| ミノキシジル | 外用薬 | リアップなど(第一類医薬品) |
日本皮膚科学会のガイドラインでは、デュタステリド内服薬・フィナステリド内服薬・ミノキシジル外用薬がいずれも推奨度A(行うよう強く勧める)とされています[1]。
未承認薬は、効果や安全性が国内基準で確認されていない点に注意が必要です。
使用に伴うリスクやトラブルが生じた場合の対応は、すべて自己責任となる点も理解しておきましょう。
海外での承認・研究状況
デュタステリド外用薬は、FDA(米国食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)などの主要な規制当局でも、正式に承認された製品が存在しません(2026年1月現在)。
海外で販売されているデュタステリド外用薬の多くは、各国の規制に基づいて製造されたものや、医師の処方に基づく院内調剤品です。
日本で承認されているお薬と同等の品質管理が行われているとは限らないため、研究段階のお薬の使用には慎重な判断が求められます。
デュタステリド外用薬と内服薬の違い
デュタステリドは、外用薬と内服薬で体内への吸収経路が異なるため、効果の出方や副作用のリスクにも違いがあると考えられています。
ここでは「吸収のされ方」「副作用」「効果」の3つの観点から、両者の違いを整理します。
体内への吸収のされ方
内服薬と外用薬では、成分が体内に取り込まれる仕組みが異なります。
| 内服薬 | 外用薬 | |
| お薬が吸収される経路 | 消化管から吸収される | 頭皮から取り込まれる |
| 全身への広がり | 成分の多くが血液に入り、全身へと広がる | 血液に入る成分の量は少なく、全身への広がりも少ない |
内服薬は消化管から吸収され、肝臓を経て全身の血液中に分布するため、血中濃度が高くなりやすい特徴があります。
外用薬は頭皮から吸収されるため、内服薬に比べて血中への移行量が少なくなると考えられます。
ただし、外用薬でも一部の成分は血液中に吸収されるため、完全に全身への影響を避けられるわけではありません。
副作用の違い
デュタステリド内服薬では、性機能に関連する副作用が報告されています。国内臨床試験では、以下の副作用が1%以上の頻度で報告されました[2]。
- リビドー減退(性欲の低下)
- 勃起機能の変化
- 射精障害
外用薬は血中移行が少ないため、これらの副作用リスクが軽減される可能性があります。
海外のPhase2試験(135名、24週間)では、0.05%濃度のデュタステリド外用薬を使用したところ、血中ホルモン値の変動がわずかであったと報告されています[3]。
ただし、外用薬を長期間使用した場合にどのような副作用が起こるかについては、十分な研究データがありません。
外用薬では、頭皮のかゆみ・赤み・かぶれなどが起こる可能性があることも想定しておく必要があります。
効果の違い
デュタステリド内服薬では、効果面についての臨床データが豊富です。
国際共同臨床試験(日本人200名を含む917名、24週間)では、デュタステリド0.5mgを服用したグループは、直径2.54cm円内の頭頂部の毛髪数が平均89.6本増加しました[2]。
一方、服用しなかったグループは平均4.9本減少しており、明確な差が認められています。
また、国内で実施された52週間の長期投与試験(120例)では、頭頂部の毛髪数がベースラインから平均68.1本増加したことが確認されています[2]。
日本皮膚科学会のAGAガイドラインでも、デュタステリド内服薬は推奨度Aと高く評価されています[1]。
外用薬については、Phase2試験レベルの研究で効果を示唆するデータはあるものの、大規模な比較試験は行われていません。
デュタステリド外用薬の臨床試験の現状
海外では、デュタステリド外用薬について臨床試験が行われていますが、まだ研究段階です。十分なデータが蓄積されておらず、有効性・安全性の評価は確立されていません。
インドで行われた試験(135名、24週間)では、0.05%デュタステリド外用薬を使用したグループは、頭頂部の毛髪数が増加したと報告されています[3]。
ただし、この試験は被験者数が限られており、観察期間も24週間と短いため、結果の解釈には注意が必要です。
内服薬のザガーロは数百人規模の国際共同試験で有効性が確認されていますが、外用薬では同等のデータがありません[2]。さらに、長期使用した場合の安全性も確認されていません。
安心して治療を続けたい方は、臨床データが蓄積されているお薬を選ぶことをおすすめします。
個人輸入によるデュタステリド外用薬の入手はおすすめできない
デュタステリド外用薬を、海外からの個人輸入で入手しようと考える方もいるかもしれません。
しかし、個人輸入には健康面・金銭面ともにリスクがあることを十分理解しておく必要があります。
偽造品・不良品が届く可能性がある
個人輸入品は正規の流通ルートを経ていないため、届いた製品が本物である保証はありません。
日本国内で流通するお薬は、厚生労働省の厳格な審査を経て製造・販売が許可されています。
一方、個人輸入で入手するお薬は、製造過程や保管状況が不明なケースが多く、成分含有量にばらつきがある可能性も否定できません。外見では判別できない偽造品や粗悪品も存在します。
厚生労働省も、インターネットを通じた医薬品の個人輸入について、偽造品や粗悪品が含まれるリスクがあると注意喚起しています[4]。
個人輸入品では以下のようなトラブルが報告されています。
- 有効成分の含有量が表示より少ない
- 有効成分が含まれていない
- 体に害のある不純物が混入している
成分が不明確なお薬を使用して健康被害が生じた場合、医師に相談しても原因の特定や適切な対応は困難です。
そもそもデュタステリド外用薬は、国内外で正式に承認された治療薬ではありません。
効果や安全性が十分に検証されていないお薬を、厚生労働省の管理下になく、医師の診察も受けずに使用することは、リスクが高い選択といえるでしょう。
トラブルが起きても返金されない可能性がある
個人輸入で入手したお薬でトラブルが起きても、補償や返金を受けられない可能性があります。
個人輸入の代行業者は「手続きの代行」を行う立場であり、商品の品質や届かなかった場合の責任を負いません。
実際に個人輸入では、以下のようなトラブルが報告されています。
- 商品が届かない
- 届いた商品が注文と異なる
- 代行業者が返金に応じない
トラブルが発生した場合、海外の業者と直接交渉する必要がありますが、言語の壁や時差の問題もあり、解決は容易ではありません。
個人輸入は健康面だけでなく、金銭面でもリスクを伴うことを理解しておく必要があります。
安心してAGA治療を受けるためにオンライン診療という選択肢
デュタステリド外用薬は国内外で正式に承認されておらず、個人輸入には健康被害のリスクがあります。
安心してAGA治療を進めたい場合は、医師の診察を受け、国内または海外で承認されているお薬で治療することが推奨されます。
オンライン診療であれば、自宅にいながら医師の診察を受けることが可能です。対面での受診に抵抗がある方や、近くにAGA専門クリニックがない方でも、気軽に治療を始められます。
クリニックフォアでは、デュタステリド内服薬のほか、フィナステリド内服薬やミノキシジル内服薬・外用薬など複数の治療薬を取り扱っています。
デュタステリドの処方をご希望の方や、ご自身に合った治療プランを見つけたい方は、お気軽にご相談ください。
AGA治療に効果が期待できるその他の外用薬
デュタステリド外用薬は未承認ですが、日本ではAGA治療に用いられている外用薬がいくつかあります。
| 外用薬の種類 | おもな働き | 承認状況 | 入手方法 |
| デュタステリド | DHTの生成抑制脱毛進行抑制 | 国内外で未承認(研究段階) | 院内製剤として医師が処方するケースあり |
| フィナステリド | DHTの生成抑制脱毛進行抑制 | 国内未承認(欧州・韓国など一部で承認) | 院内製剤として医師が処方するケースあり |
| ミノキシジル | 発毛促進毛母細胞の活性化 | 国内承認(5%以下:第1類医薬品) | 5%以下:ドラッグストアで入手可能5%超:医師の処方が必要 |
| カルプロニウム塩化物 | 頭皮の血流促進発毛促進 | 国内承認(低濃度:第3類医薬品/高濃度:医療用医薬品) | 低濃度:ドラッグストア高濃度:医師の処方 |
| アデノシン | 発毛促進毛乳頭細胞の活性化 | 国内承認(医薬部外品) | ドラッグストア |
これらのお薬は単独で使われることもありますが、内服薬と外用薬を組み合わせてより効果的に治療を進めることもあります。
医師と相談しながら、ご自身に合った治療方針を見つけましょう。
デュタステリド外用薬に関するよくある質問
デュタステリド外用薬についてよくある質問にお答えします。
未承認薬の位置づけや注意点を正しく理解したうえで、安心できるお薬でAGA治療を進めましょう。
デュタステリド外用薬は日本で買えますか?
現時点では、デュタステリド外用薬は日本国内でAGA治療薬として承認されておらず、医療機関での処方や薬局での販売は行われていません。
インターネット上には個人輸入をうたうサイトも見られますが、これらは正規の流通ルートではなく、製品の品質や安全性が保証されていない点に注意が必要です。
有効成分が含まれていない、あるいは不純物が混入しているなどのリスクが指摘されており、厚生労働省も医薬品の個人輸入について注意喚起を行っています。
AGA治療を行う際は、国内または海外で正式に承認された治療薬を、医師の診察を受けて処方してもらうことが基本となります。
デュタステリド外用薬と内服薬ではどちらが効果的ですか?
デュタステリド内服薬では、効果を裏付ける臨床データが豊富にあります。
デュタステリド内服薬は、国内外の複数の臨床試験でAGA治療に対する効果が確認されています。一方、外用薬は研究段階にあり、内服薬と同等の臨床データは蓄積されていません。
効果が確認されているお薬で治療したい場合は、デュタステリド内服薬を選択するのが望ましいでしょう。
デュタステリド外用薬は副作用が少ないですか?
外用薬は塗布部位から吸収されるため、血液に入る成分の量が少なく、全身性の副作用リスクは軽減される可能性があります。
ただし、デュタステリド外用薬は長期間使用した場合のデータが十分ではなく「副作用が少ない」と言い切れる段階ではありません。
まとめ
デュタステリド外用薬は日本では未承認であり、海外でも正式に承認された製品はありません(2026年1月現在)。また、長期間使用した場合の効果や副作用については、十分なデータが蓄積されていません。
インターネットでは個人輸入をうたう商品もありますが、届いた製品が本物である保証はなく、健康被害のリスクがあります。
AGA治療を進めたい場合は、医師の診察を受け、処方を受けることが推奨されます。オンライン診療であれば、自宅にいながら医師の診察を受けることが可能です。
外用薬を使いたい場合は、発毛効果が確認されているミノキシジル外用薬が選択肢となります。デュタステリド内服薬やフィナステリド内服薬と組み合わせて治療を進めることもできます。
医師とともに、ご自身に合ったAGA治療を見つけていきましょう。
