そのしつこい疲れは副腎疲労症候群?詳しい症状や対策方法について、医師が解説します。

最近疲れが取れないという方は、もしかしたら心の疲労や肉体の疲労だけではなく、内臓、特に副腎に疲労がたまっているのかもしれません。

副腎に疲労がたまる副腎疲労とはどのような病態なのでしょうか。

副腎疲労とは?副腎に疲労が溜まるとどんな症状がでるの?

副腎疲労についてご説明する前に、まずは副腎とはどういった臓器なのかをご紹介します。
副腎は身体にとって必須である様々なホルモンを分泌する臓器です。この副腎から分泌されるホルモンは血圧、血糖、水分・塩分量などの体内環境を一定に保つために必要なホルモン群であり、人体が生きていくうえで大変重要なものです。

副腎疲労は近年注目され始めた病態で、その呼び名もさまざまなものがあります。米国高齢医学会ではAdrenal fatigue (アドレナル・ファティーグ)と呼ばれ、医療的な見解から言うと、副腎機能低下症が疑われます。一部のクリニックなどでは副腎疲労症候群と呼ぶこともあるようです。

アドレナル・ファティーグとは病名ではなく副腎が疲労している状態、副腎が疲労していることによって起こる様々な病気の概念という捉え方をしています。

一方、副腎機能低下症とは言葉通り、副腎の機能が低下している状態です。副腎の機能が低下することで副腎ホルモンの分泌が低下し、それによってさまざまな症状を引き起こします。副腎が疲労して機能が低下することによって引き起こされる症状は食欲低下、それに伴う体重の減少、集中力の低下、脱力感、吐き気、下痢などがあります。

さらに副腎の疲労が蓄積され、機能が低下すると血圧や血糖をコントロールするホルモンの分泌が低下するため、低血圧、低血糖などといった症状を引き起こすこととなります。また、副腎の機能が低下し、ホルモンの分泌が低下することによって、アレルギーなどの自己免疫疾患や、性ホルモンの分泌が低下することによって性欲の減退や、PMS(月経前症候群)、更年期などの性に関する症状を引き起こすこともあります。

副腎に疲労を溜めてしまう原因は?

副腎に疲労をためてしまう原因として最も考えられているのがストレスです。副腎はストレスの腺ともいわれ、ストレスを受けることでホルモンを過剰に分泌したり、分泌しなくなったりします。ですので、ストレスによりホルモンの分泌量が不安定になると副腎が疲弊してしまい、先ほどご紹介したような症状が出現してしまうことがあるのです。

副腎に影響を及ぼすストレスは単一なものではなく身体的、精神的、心理的環境などさまざまなストレスが絡み合うことによって影響を引き起こすと考えられています。

他にも睡眠不足や栄養不足も副腎に疲労をためる一因になると考えられています。夜間はホルモンの分泌が最も活発になる時間帯ですが、この時間帯に休息をとらないことでホルモンの分泌量が減り、副腎に疲労が蓄積されると考えられています。また、栄養が不足することでホルモンのいわば材料がなくなるため、分泌ができなくなるということが起こり得ます。また、ストレスを緩和するホルモンも副腎で作られているため、ストレスへの耐久性が弱くなり結果として、ストレスをさらにためやすい体になってしまうのです。

副腎の疲労を改善させるために必要なことは?

副腎の疲労を改善するためには上記の原因を解消するということが必要です。
ストレスが溜まっているという方はストレスを解消する方法を考えて実施しましょう。1日の中でストレスを解消し、翌日に持ち込まないという習慣を作っていけるとよいでしょう。

ストレスに強い体を作るという意味を兼ねても睡眠と栄養も重要です。特に夜間スマホを使う、パソコンで仕事をするという方は、夜はスマホやパソコンを見ないでゆったりと過ごせる習慣に変えることで寝つきも良くなります。入浴やアロマオイルを焚く、ストレッチをするなど自身でストレスを解消できる方法を見つけて実行してみてください。

栄養の面ではバランスのとれた食事をとることが大切です。忙しくてついつい食事を抜いてしまう、同じようなものを食べてしまうという方もいらっしゃるかもしれません。外食やコンビニ食に頼ることも良いですが、その中でもバランスを意識したメニューを組み立てて食べていけるとよいでしょう。

検査方法は?

いろいろな改善方法を試してみたけれどやっぱり調子が悪い、調子が改善されないという場合には副腎にかかわる病気になっている可能性が考えられます。こういった場合、病院などで検査を受けられることをおすすめします。

病院での副腎の検査は主に血液検査となります。血液検査にてホルモンの分泌の程度を調べることで副腎の機能は正常なのか、原因は副腎の疲労なのか、はたまた副腎の病気なのかを判断することができます。

クリニックフォアグループでは血液検査を行なっております。
最近、副腎疲労かなと思う症状がある、それよりももっと症状が重い気がするという方は是非一度クリニックフォアグループの医師へご相談ください。