痒みが生じる性病は?病名と特徴を医師が解説します。

性器に痒みが生じる代表的な性病「性器カンジダ症」

女性が性器カンジタ症にかかると、腟や外陰部が赤く腫れ、強い痒みを起こし、白いカッテージチーズのようなおりものが増加します。

男性の場合は尿道炎や包皮炎などの症状が主に見られます。加えて、包茎の方は雑菌が溜まりやすいため、性器カンジタ症にかかるリスクが高いとされています。

原因・感染経路潜伏期間男性の症状女性の症状
  • ホルモンバランスの乱れ(女性の場合)
  • 不良な衛生状態
  • きつい下着の着用
  • 風邪や疲労他
  • 感染者との性交渉
1日~1週間前後
  • 尿道炎
  • 包皮炎
  • 陰部に強いかゆみを感じる
  • おりものが白くなる
  • おりものがカッテージチーズの様にぽろぽろとした固形物になる
  • 腟・外陰部が赤く腫れる
  • セックスの際に痛みを感じる

皮膚と皮膚の接触で感染する「毛じらみ」

原因・感染経路潜伏期間症状
 感染者との皮膚の接触タオルなどを介した間接感染1ヶ月〜2ヶ月皮膚に痒みを伴う赤い発疹ができる
褐色の粉のようなもの(毛じらみの血糞)が見受けられる

毛じらみはヒトに寄生する昆虫で、性行為の際の陰毛への直接接触や、タオルの共有などによって感染します。

たった数匹が寄生しただけでも、強い痒みを起こします。その痒みは接触した部分だけではなく、毛が生える部分であれば体全体に広がることがあります。

日本国内で感染報告数が最も多い「クラミジア感染症」

原因・感染経路潜伏期間男性の症状女性の症状
オーラルセックスを含む感染者との性行為1~3週間
  • 排尿時にむず痒さや痛みを感じる
  • 濁った分泌液が出る
  • 頻繁に尿意を感じる
  • おりものが増える
  • 頻繁に尿意を感じる
  • 軽い痛みを感じる

日本国内で最も感染報告が多い「クラミジア感染症」。ほとんどの場合が無症状で発見が遅れてしまうことも多いが、男女ともに生殖器のかゆみや排尿時の軽い痛みやむず痒さを感じることがあります。

治療をせずに放置していると、合併症を引き起こしてしまうことがあります。少しでも思い当たる方は、すぐに診療を受けるようにしましょう。

合併症として見つかることの多い性病の種類と症状

先に紹介した性病にかかっている方に、よく見られる合併症が以下の性病です。

  • 淋菌感染症
  • トリコモナス症
  • 性器ヘルペス

それぞれ詳しく解説していきます。

淋菌感染症

原因・感染経路潜伏期間男性の症状女性の症状
感染力が非常に強く、菌は、喉、直腸、尿にも出るので、口、肛門、尿を使ったセックスも危険です。 喉(のど)では症状がでないまま他の人に感染させることがあります。膿(うみ)や分泌物の付いた手で、目をこすると結膜炎になることもあります。症状がはっきりしないことが多く、潜伏期間は明確ではない
  • 排尿時に痛みを感じる
  • 膿や粘液性の分泌物が出る
  • 緑黄色の濃いおりものがでる
  • 進行すると子宮内膜炎や不妊症を引き起こす

淋菌感染症はクラミジア感染症に次いで、報告件数の多い性病の一つです。生殖器への感染だけでなく、喉や直腸にも感染することがあります。

クラミジアと同様に自覚症状が無いケースが多くあり、治療が遅れた場合には男性は前立腺炎や精巣上体炎、女性は子宮内膜炎や卵管炎や骨盤腹膜炎などの合併症を引き起こすことも。

トリコモナス症

原因・感染経路潜伏期間男性の症状女性の症状
  • オーラルセックスを含む感染者との性行為
  • 感染者の使用した下着やタオル、便器、浴槽などの共同使用
1~3週間
  • 陰茎から泡状の分泌物が出る
  • 排尿時に軽度の痛み・不快感を感じる
  • 頻尿になる
  • 腟の入り口周辺が炎症を起こして腫れる
  • 黄緑色の生臭いおりものが出る(分泌量はわずかな場合もある)
  • 腟が過敏になり性交時に痛みを感じる
  • 排尿時に痛み・不快感を感じる
  • 頻尿になる

トリコモナス症はトリコモナス原虫が腟や尿道に入り込むことで引き起こされる性感染症です。腟が過敏になったり分泌物がでる他、排尿時に痛みを感じたりします。

またトリコモナス症は性行為だけでなく、感染者の使用した下着やタオルなどを経由して感染を引き起こすことがあります。そのため、性行為をしていなかったり、子供であったりしても感染することも。

性器ヘルペスウイルス感染症

原因・感染経路潜伏期間症状
  • 保菌者との性行為(オーラルセックスを含む)
  • 保菌者とのキス
3~7日間
  • 性器に小さい水ぶくれやただれができる
  • 激痛のため排尿困難や歩行困難を生じることがある

性器ヘルペスウイルス感染症は性器に痛みを伴う、小さな水疱が繰り返し発生する性感染症です。ヘルペスウイルスは性器に留まらず、皮膚や口、唇、目にも感染することもあります。

また、現代では完治させる薬がありません。抗ウイルス薬などを用いて、一時的に活動を抑え込むことはできますが、体調不良や、精神的ストレスなどをきっかけに再発する恐れのある病気です。

少しでも性病の心当たりがある方はすぐ診察&治療をすること

性感染症は初期段階では自覚症状の無い病気が多くあります。そのため、治療が遅れてしまい、その間に病気が進行し悪化してしまうだけでなく、合併症を引き起こすことも。さらに、感染力が強い病気も多く、知らぬ間に自分自身が性病を周りに拡げかねません。

少しでも「性病かな・・・?」と感じたり、感染者と接触した覚えがある方は、すぐに診察を受けて治療を行いましょう。

性感染症の治療はクリニックフォアのオンライン診療で!

クリニックフォアでは、オンライン診療と対面診療でクラミジアの検査・治療を行っています。

治療では抗菌薬の飲み薬を使いますが、オンライン診療の場合は薬は自宅などに配送するため、忙しい方でも治療が受けやすくなっています。診察も、PCやスマホで簡単に受けられるので、直接の受診はハードルが高いと感じている方は受診をご検討ください。

また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。