新型コロナウイルス感染対策として、マスクとともに当たり前のように使用されるようになっているフェイスシールドとマウスシールド。
まだマスク以外に感染対策をしたことがないという方、興味はあるけれど詳しいことが分からず使用を控えているという方に向けてフェイスシールドとマウスシールドがどのようなものなのかを詳しく解説していきます。
フェイスシールドとマウスシールドってなに?
フェイスシールドとは、個人用防護具の一種で、顔全体に感染性物質や粉じんなどが飛んでくることを防ぐものです。フェイスシールドは、相手からの咳やくしゃみといった飛沫が本人の目に入るのを防ぐために使用されます。マウスシールドは、マスクを着用することによる暑さや蒸れから解放されるため、口元を覆う防護具となります。
フェイスシールドは化学物質を扱う方や粉じんを扱う仕事をされる方、マウスシールドは飲食業をされる方が使用していましたが、新型コロナウイルス感染症の予防のために使用される方が増えてきている防護具となります。
本当に感染対策ができるの?マスクと何が違う?
フェイスシールドにどのくらい感染対策の効果があるのかが気になるという方も多いのではないでしょうか。実は、フェイスシールドやマウスシールドはマスクと同様の感染対策効果があるとは言えません。
フェイスシールドは、相手からの飛沫を防ぐことはできるのですが、自分自身が飛ばす飛沫を予防することはできません。また、マウスシールドに至っては顔に密着しておらず隙間が空いているということから感染予防、感染対策としては活躍できないと言えます。
これらのことは、実験からも証明されており、このことから感染対策として最も活用していただきたいのはマスクということになります。ただフェイスシールドにおいては、マスクと併用することで顔全体に対して高い感染予防の効果が期待できるため、併用での使用は感染対策として高い効果が得られると考えられています。
フェイスシールドとマウスシールドの活用方法とは?
それでは、フェイスシールドとマウスシールドはどのような場面で活用していくべきなのでしょうか。
フェイスシールドにおいては、文科省では教育現場での活用を例に挙げています。例えば、特別支援学級など、人の顔が見えないと不安になってしまう子供の医療的ケアにあたるときに、フェイスシールドの着用をおすすめしています。特別支援学級のみならず子どもは特に低年齢では人の顔が見えないことで不安になってしまいます。そのような機会のある大人はフェイスシールドを活用することが良いと考えられています。
また、口元を見せながら指導をすることが必要な職種においても、口元が見えやすいフェイスシールドの活用を推奨しています。例えば接客業や手話通訳などでは、表情を見ながら会話をした方が相手に自分の意志を伝えやすいため、フェイスシールドを着用することはよいかもしれません。また逆に、医療業、特に外来など新型コロナウイルスにかかっているかどうか不明の患者さんを診なければならないという場合や歯科などでは、フェイスシールドをマスクとともに活用することで二重にガードができるのでよいかもしれません。
マウスシールドに至っては現在、主だった研究が行われておらず、どのような方に適しているものかの判断が難しいと言えるでしょう。ただ、フェイスシールドもマウスシールドも透明なプラスチック部分が当たってけがをしたり、熱がこもったり、視界が遮られることによって事故を起こす可能性があるため、そういった事態を回避することと、感染を確実に予防するという考え方からマスク着用が最も推奨されるといえます。
フェイスシールドやマウスシールドの取り扱い方は?
フェイスシールドやマウスシールドは一度装着したら外すまでは表面を触らないようにしましょう。外すときもなるべく表面を触らないように外し、外した後はしっかりと手を洗うようにしてください。
また、フェイスシールドやマウスシールドは熱がこもりやすいため、こまめに水分を摂取されることをおすすめします。フェイスシールドやマウスシールドを使用した後は水と石けん等で洗浄し、流水でよくすすぎ、乾かすようにしてください。洗浄後のフェイスシールドやマウスシールドであっても他者と共用することは避けるようにしてください。
参考文献
神戸市 https://www.city.kobe.lg.jp/a97852/964660827675.html
滋賀県 https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/school/hokentaiiku/anzenkyusyoku/hoken/312748.html
大阪府医師会 https://www.osaka.med.or.jp/img/doctor/school-doctor-covid19-faceshield-opinion.pdf