ACNE

概要

ニキビは尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)とも呼ばれ、思春期にできるニキビを「思春期ニキビ」、それ以降にできるニキビを「大人ニキビ(思春期後ざ瘡)」と言います。思春期ニキビは主におでこが中心で、頬、あご、首、背中、胸にも広がっていきます。「大人ニキビ」の場合には、主に頬、口周り、眉間、あご、首、背中、胸などにできます。

ニキビは、症状や部位、年齢やライフスタイルに合わせて治療やスキンケアを行い、早い段階で治療をすることで、ニキビの跡ができるのを防ぐことが大切です。

症状

ニキビにもタイプや状態が、いくつか種類があります。

面皰(めんぽう)・・・ニキビとはわかりにくい、毛穴に角質や皮脂がたまって盛り上がったりしている状態のものです。白ニキビや毛穴の開いた黒ニキビがあります。

紅色丘疹・・・いわゆるニキビという状態で、炎症が起こって赤みがあり痛みを伴うブツブツになっている状態です。赤ニキビと呼ばれます。

膿疱・・・赤ニキビがさらに悪化して膿をもったニキビで、痛みがあったり内容物が流れ出したりします。膿の部分が黄色く見えるため黄色ニキビと呼ばれます。これを放置するとニキビ跡(瘢痕)になりやすいです。

瘢痕(ニキビ跡)・・・赤ニキビの跡に、盛り上りが残る肥厚性瘢痕や、クレーターのように陥凹が残ることがあります。

さらに酷くなると、皮膚の下に膿が溜まった膿腫や、硬いしこりのような硬結という状態になる場合もあります。

症状が白ニキビだけか、膿疱があるかなど、ニキビの種類によって治療方法やケアの方法が変わってきます。

原因

ニキビの増える原因としては、

ホルモンバランス、ストレス、食事、遺伝性因子、年齢、化粧品などにより、以下の

のことが起こることでニキビができます。

皮脂分泌の増加・・・ホルモンバランスの変化などで皮脂の分泌亢進が起こります。

毛穴の先が詰まる・・・毛穴の先が角質で塞がれることで、毛穴に皮脂がますます貯留します。

アクネ菌の増殖・・皮膚の常在菌(誰でも持っている菌)であるアクネ桿菌(P.acnes)が炎症を起こすことで、ニキビが赤く腫れたり、膿が出てくるようになります。

検査 / 診断


視診で診察し、場合によっては他の病気も疑い、検査を追加していきます。
症状によっては毛包虫(ニキビダニ)の検査をすることもあります。

治療 / ケア

ニキビの症状によって治療が異なってきます。
1 )面皰・・・白ニキビ、黒ニキビ
小さなニキビで、赤く腫れたり、膿を持ったものがない場合。
→夜1日1回洗顔して保湿後、ディフェリンゲル(アダパレンゲル)やベピオゲル(過酸化ベンゾイル)を顔の出やすい部位に塗ります。
日々の洗顔など、スキンケアも見直します。

2 )紅色丘疹、膿疱・・・赤いニキビ、膿を持ったニキビ
赤く腫れたり、膿が出るようなニキビの場合には、抗生剤の外用(塗り薬)や、内服(飲み薬)が必要です。

→夜1日1回洗顔して保湿後、ディフェリンゲル(アダパレンゲル)やベピオゲル(過酸化ベンゾイル)を塗り、その上からニキビが出来ている部位に、抗生剤の塗り薬(アクアチムクリームやダラシンTゲル、ゼビアックスローション)を塗ります。ゼビアックスローション以外の薬は1日2回塗ります。
膿疱が多くある場合には、抗生剤の飲み薬(ビブラマイシン、ミノマイシンなど)を症状に合わせて飲みます。


*注意!:ディフェリンゲルやベピオゲルは、使い方がとても大切です。
使いはじめの2~3週間はヒリヒリや赤みなどの副作用が出やすいので、

全体に塗るのではなく、少しずつ使用するようにしましょう。
ヒリヒリが出やすい場合には、保湿剤を塗ったあとでディフェリンゲルやベピオゲルを塗りましょう。大体2~3週間で慣れることが多いですが、ベピオゲルの場合には、かぶれて赤く腫れてしまう場合もあります。その場合にはすぐに皮膚科を受診しましょう。
また、ディフェリンゲルとべピオゲルでまだ治らない場合には、2つが混ざったエピデュオゲルを使用する場合もあります。

その他の治療方法

保険診療

漢方治療(荊芥連翹湯など)、ビタミン剤内服、ケナコルト局注(膿腫や硬結の場合)、イオウカンフルローション、面皰圧出などがあります。

自費診療 (ニキビ跡に対しても有効)

ケミカルピーリング、光線療法、アゼライン酸外用、ビタミンCローション外用、

CO2フラクショナルレーザー、ケミカルピーリング、ピル(マーベロン)、ダーマペン、水光注射、フォトフェイシャルなどがあります。

当院の美容皮膚科でもニキビやニキビ跡に対する自由診療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

経過

ニキビの症状の経過としては、一般的には、症状の項目でも述べましたが、
微小面皰→面皰(コメド)→紅色丘疹(赤く腫れる)→膿疱 と悪化していきます。
酷い場合には、膿腫、硬結(大きなしこりになり、膿が溜まる状態)、集簇性ざ瘡となる場合もあります。

出来るだけ早く、面皰(コメド)のうちに治療をして、赤く炎症を起こさないことがニキビ治療では大切です。ニキビ跡を残さないためにも、早め早めに治療をしましょう。

クリニックフォアでは保険診療と自由診療を合わせて行うことが可能です。
ニキビが出来た際には早めに受診して治療をしましょう!