そもそも風邪薬って何?
風邪薬は風邪によるさまざまな症状を緩和するお薬です。
実は、風邪を治すお薬はありません。風邪の原因は主にウイルスですが、インフルエンザやコロナのように、特定の風邪ウイルス以外にも、原因となるウイルスは200種類以上あると言われています。そのため、原因を特定するのは困難で、当然、原因となるウイルスに対抗するようなお薬もありません。
風邪薬の種類
風邪薬を細かく分類すると、おおむね以下のようになります。
使用する主な症状 | 分類 | 成分の例 | 効果など |
---|---|---|---|
熱・痛み | 解熱鎮痛剤 | ・アセトアミノフェン・イブプロフェン・ロキソプロフェンナトリウム水和物 | ・熱を下げる・のどや関節の痛みを緩和する・鼻症状にも効果が期待できる |
のど | 鎮咳薬 | ・ジヒドロコデインリン酸塩・デキストロメトルファン臭化水素酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | ・咳を緩和する |
去痰薬 | ・アンブロキソール塩酸塩・カルボシステイン・グアイフェネシン・ブロムヘキシン塩酸塩 | ・痰を緩和する | |
抗炎症薬 | トラネキサム酸 | ・のどの痛み、はれを緩和する | |
鼻 | 抗ヒスタミン薬 | d−クロルフェニラミンマレイン酸塩 | ・くしゃみ、鼻水、鼻づまりを緩和する |
抗コリン薬 | ヨウ化イソプロパミド | ・鼻水を緩和する |
また、上記の成分を複数配合した総合かぜ薬(総合感冒薬)や、ビタミン剤、漢方薬を使うこともあります。
分類・成分など | 期待できる効果 | |
総合かぜ薬(総合感冒薬) | ・複数の成分が配合され、さまざまな症状に効果が期待できる | |
ビタミン剤 | ・チアミン(ビタミンB1)・リボフラビン(ビタミンB2)・アスコルビン酸(ビタミンC)・ヘスペリジン(ビタミンP) | ・風邪のときに消費しがちなビタミンを補充する・傷んだのど粘膜の修復促進 など |
漢方薬 | ・麻黄湯・葛根湯 | ・風邪のひき始めの症状(節々の痛み、寒気、発熱など)の緩和 |
・桔梗湯 | ・のどの痛み、せきなどの緩和 | |
・小青竜湯 | ・くしゃみや鼻水の緩和 | |
・麦門冬湯 | ・風邪がよくなった後も続く咳や痰の緩和 |
抗生物質は基本的に使わない
風邪には抗生物質と思っている方もいるかもしれませんが、前述の通り、風邪の原因の多くはウイルスです。
抗生物質は主に細菌感染に対して効果が期待できるお薬なので、ウイルス性の風邪には効果がありません。
ただ、咽頭炎や扁桃炎、気管支炎、中耳炎など、風邪をこじらせて細菌感染が生じているときには抗生物質が処方されることがあります。
風邪薬を処方してもらう方法
風邪薬を処方してもらいたい場合は、医療機関を直接受診するか、オンライン診療を利用する方法があります。また、市販薬を活用するのも一つの方法です。詳しく見ていきましょう。
医療機関を受診する
内科や普段から行っているかかりつけ医を受診すれば、症状に応じてお薬が処方されることが一般的です。風邪の症状があれば、保険適用も可能です。
ただし、ビタミン剤は風邪に対しては保険適用外なので、処方されないことが多いでしょう。
オンライン診療で通院時間の短縮も可能
オンライン診療とは、自宅などにいながら、スマホやパソコンのビデオ通話などを使って医師の診察を受けるものです。
直接受診するほどではないけれど医師に相談したい、体調が悪く外出したくない、忙しくて時間がないといったときにはメリットの大きい受診方法となります。
最終的には医師の判断になりますが、オンライン診療でも、直接受診をした場合と処方されるお薬に変わりがないことが一般的です。主なお薬の受け取り方法は、配送か、発行された処方箋をもとに自分で薬局に出向くかの2つがあります。事前に確認し、自分の希望に合った医療機関を選びましょう。
市販薬を購入することも可能
風邪薬には市販薬も数多くあるため、市販薬で様子を見るのも一つの方法です。
処方薬と市販薬の違いについては次項で再度まとめますが、基本的には医療機関で処方されるお薬(医療用医薬品)のほうが有効成分の量が多いことが一般的です。
また、市販薬は複数の成分が配合されており、風邪症状全般に効果が期待できることが多いメリットがある一方で、不要な成分まで飲まなければいけない点はデメリットともいえます。
風邪薬は市販薬でよい?処方してもらうべき?
では、風邪薬は市販薬と処方薬のどちらがよいのでしょうか?
結論を言うと、どちらがよい悪いというものではなく、ご自身の状況に応じて適切に選択することが大事です。
まずは市販薬で様子を見つつ安静にする
風邪のひきはじめにお薬を飲みたいときや、症状が軽いときは、市販薬で様子を見てもよいでしょう。
そもそも風邪は、お薬を飲まなくても数日で治ることが多いので、セルフケアが大事だとされています。まずは安静にする、水分・栄養を十分に補給するといったことを心がけ、症状をしっかり抑えたいと感じたときにお薬を検討しましょう。
医療機関を受診する目安
単なる風邪だと思っていても、場合によっては風邪が悪化していたり、風邪ではなくインフルエンザなどの他の感染症だったりする恐れもあります。そのため、以下のような状況では受診を検討したほうがよいでしょう。
- 市販薬を数日飲んでも改善されない
- 38℃以上の熱が続いている
- 症状がひどい
風邪薬に関するよくある質問
最後に、風邪薬に関する質問にお答えします。市販薬を自分で選んで飲むときは特に気をつけましょう。
市販の風邪薬はどうやって選べばよい?
特定の症状が強い場合はその症状に特化したお薬を選びましょう。また、対象年齢や、運転や高所作業をするような方は眠気などの副作用がないかなども確認することが大事です。
また、効き目が長続きしてほしい場合は、服用回数が1日2回でよいものがよいでしょう。常備薬として置いておく場合は、どのような症状にも効果が期待できる総合かぜ薬を選ぶと、どのようなときでも使いやすいです。
風邪薬の服用に注意が必要な人はいる?
年齢によっては飲めない成分があったり、飲む量が違ったりすることがあります。特に市販薬では15歳未満は飲めない成分もあるため注意しましょう。添付文書や注意書きをよく確認することが大事です。
若年者以外では、特に以下のような方は服用に注意が必要なケースが多いです。
- お薬でアレルギー症状が出たことがある
- 治療中の病気がある
- 妊娠中・授乳中
- 高齢者
風邪薬を飲むタイミングは?
風邪薬は食後に飲むものが多いです。解熱鎮痛剤の中には胃に負担をかけるものもあるので、食後の指示がある場合は必ず食後に飲みましょう。
また、最も大事なことは、それぞれのお薬ごとの用法用量を守ることです。なお、「食間」という指示があるお薬もありますが、これは食事と食事の間のことで、食事中ではないので注意しましょう。
風邪薬の服用中にお酒を飲んでもよい?
風邪薬を服用中の飲酒は禁止ではありませんが、体調が万全ではないので飲まないほうがよいでしょう。
また、お薬と同時に飲むと、眠気やめまいなどの症状が出たり、体に悪影響が生じたりする恐れがあるので避けてください。
風邪薬の服用中に栄養ドリンクを飲んでもよい?
一口に栄養ドリンクと言っても、商品によって配合されている成分はさまざまです。ものによっては飲み合わせが悪く、体に悪影響が出ることも考えられるので、医師や薬剤師に確認してからのほうがよいでしょう。
なお、アルコールやカフェインの成分が入っているものは避けるのが無難です。風邪薬にもカフェインが配合されているものがあり、過剰になる恐れがあるためです。また、体調が悪いときや服薬中にアルコールを摂取するのはおすすめできません。
風邪薬の処方はクリニックフォアのオンライン保険診療へ
クリニックフォアでは、さまざまなお悩みに対応するオンライン診療を行っており、保険診療の内科では、発熱や喉の痛みなど、風邪症状を改善するお薬もご用意しています。
診療時間が幅広く、受診する場所も問わないため、忙しい方でもスキマ時間に受診しやすくなっています。直接受診するほどではないけれど、医師の診察を受けたいときなどは、ぜひご検討ください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。