インフルエンザは病院に行くべき?受診の目安やタイミングを詳しく解説

インフルエンザウイルスの感染によって引き起こされるインフルエンザは、風邪のような軽い症状で済む場合もあれば、重症化する場合もあります。

肺炎やインフルエンザ脳症、中耳炎などの合併症が生じることもあるため、適切なタイミングで病院に行くことが大事です。

そこで本記事では、インフルエンザが疑われるときの受診の目安やタイミング、適切な診療科、受診時の注意点などについて詳しく解説します。

インフルエンザの症状の特徴

インフルエンザは風邪の症状ともよく似ています。インフルエンザの可能性があるのかどうかを考えるために、まずはインフルエンザの症状についてよく理解しておきましょう。インフルエンザの場合は、通常の風邪症状に加えて、以下のような症状が出ることがあります。

  • 高熱(38℃以上)が出る
  • 悪寒がする
  • 強い倦怠感がある
  • 筋肉痛や関節痛がある
  • 強い頭痛がある

 など

インフルエンザの場合は、上記のような症状が比較的急速に生じることが多いです。また、風邪は年間を通して発症することがあるのに対し、インフルエンザは12~3月頃に流行することが多いことも知っておきましょう。

ただ、症状には個人差もあるため、自己判断は難しいことが多いです。気になる場合はまずかかりつけ医などに電話で相談したり、オンライン診療を利用したりするとよいでしょう。

インフルエンザかも?受診の目安は?

インフルエンザかも?と思っても、症状がそこまでひどくない場合は、自宅で様子を見てもかまいません。必要に応じて市販薬を使っても問題ないケースがほとんどです。ただし、持病があったり、症状がひどかったりする場合は、重症化するリスクもあるため注意が必要です。

以下のような症状、状態に当てはまる場合は、重症化リスクや、すでに重症化している恐れがあるため、早めに受診したほうがよいでしょう。

  • 熱が3日以上続いている
  • 呼吸が苦しい(呼吸困難や息切れがある)
  • 胸の痛みが続いている
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 症状が続いており、どんどん悪化している
  • 顔色が青白い
  • 意識状態に異変が起きている
  • けいれんしている
  • 持病がある
  • 妊娠している
  • 乳幼児、高齢者

 など

なお、持病については、以下のような病気がある方は特にご注意ください。

  • 慢性呼吸器疾患
  • 慢性心疾患
  • 代謝性疾患(糖尿病など)
  • 腎機能障害
  • 免疫機能不全

 など

インフルエンザかも?病院に行くべきタイミングは?

インフルエンザの場合、病院に行くタイミングは発症から12時間以降、2日(48時間)以内が良いとされています。理由は以下の通りです。

発症から2日以内がよい

インフルエンザの主な治療法は、抗インフルエンザウイルス薬の使用です。抗インフルエンザウイルス薬は、発症から2日以内に服用を始めることで、発熱期間が短縮するといった効果が期待できます。

一方、発症から2日以上経つと十分な効果が期待できなくなるため、病院に行くのであれば、発症から2日以内の早めのうちに行くのがよいでしょう。

発症から12時間経過後がよい

発症からの時間が短すぎると、インフルエンザであっても、検査で陰性になってしまうことがあります。そのため、正確な検査結果を得るためには、発熱後12時間以上経ってからのほうがよいとされています。

ただし、症状がひどかったり、持病などで重症化リスクがあったりする場合は、12時間を待たずに早めに受診したほうがよいでしょう。

インフルエンザかも?適切な病院・診療科は?

インフルエンザの恐れがある場合は、内科(子どもの場合は小児科)を受診することが一般的です。かかりつけ医がいる場合は、まずかかりつけ医に連絡してもよいでしょう。また、発熱外来が設けられている病院の場合は、そちらに問い合わせたほうがスムーズに行くことが多いです。

その他、喘息がある場合は呼吸器内科、のどの症状がひどかったり、中耳炎を合併していたりする場合は耳鼻咽喉科など、最適な診療科を紹介してもらえるケースもあります。

なお、詳しくは後述しますが、たとえかかりつけ医であっても直接受診することはせず、まずは電話などで連絡し、病院の指示を仰ぎましょう。

インフルエンザかも?受診のポイントと注意点

インフルエンザは他者への感染リスクや重症化リスクに十分に配慮すべき病気です。そのため、受診に当たっては、以下のような点に注意しましょう。

事前に連絡してから受診する

インフルエンザが疑われるような場合は、かかりつけ医や近隣の内科を受診しましょう。感染拡大を防ぐためにも、事前に受診方法などを電話で問い合わせることをおすすめします。病院によっては、発熱患者は車や別の待合室での待機が要請されることがあります。

持病などがある場合はかかりつけ医に相談してから

持病がある方や、妊娠中の方は、まずはかかりつけ医に電話などで相談した上で、病院の指示に従って受診しましょう。より適切な病院や診療科を紹介してもらえるケースもあります。

適切な救急要請を

呼吸が苦しい、意識状態に異変が起きているなど、症状が重い場合は、緊急の受診が必要となることもあります。場合によっては救急車を要請してもよいですが、その場合はインフルエンザの疑いがあることを伝えましょう。

なお、救急車は、緊急性が非常に高い場合にのみ要請するものです。自己判断が難しいときは、#7119に電話をかけることをおすすめします。医師や看護師などが電話で状況のヒアリングを行い、救急出動につないだり、適切な受診のタイミングや病院のアドバイスを行ったりしてくれます。

子どもの場合は、 #8000に電話することで、同じようなサービスを受けることができます。

オンライン診療を活用するのも一つの方法

オンライン診療は、ビデオ通話などで診察を受け、お薬が処方された場合は配送や対面受取などで受け取ることができる診療方法です。

直接受診するわけではないので、他の人に感染させる心配もありません。クリニックフォアのオンライン診療でも、インフルエンザのご相談に対応しているので、気になる症状がある場合は受診をご検討ください。

必要に応じて再診も検討する

受診後にさらに悪化するようなケースもあるため、一度病院に行ったからといって安心しすぎず、必要に応じて再診も検討しましょう。

お薬を飲んでも全くよくならない、症状がどんどん悪化していくといった場合は、再度病院に行くことを検討してください。

病院での検査・治療法

病院では、まず検査を行い、インフルエンザかどうかを調べます。代表的な検査方法は抗原検査です。綿棒を鼻やのどの奥に入れ、採取した検体にインフルエンザウイルスが存在するかどうか調べる方法です。

陽性であれば、抗インフルエンザウイルス薬が処方されることが一般的ですが、解熱剤や咳止めなど、症状に合わせたお薬で対症療法を行うこともあります。

インフルエンザにかかったときの対処法・注意点

インフルエンザかも?と思ったら、病院の受診を検討するとともに、悪化や感染拡大を防ぐために、以下のような点に注意しましょう。

安静にする

インフルエンザにかかっても、必ずしもお薬による治療が必要なわけではありません。お薬を使うにしても、使わないにしても、重要なのは安静にすることです。十分に睡眠をとり、休養しましょう。

なお、体温を上げることでウイルスを排除しやすくなるため、寝るときも含めて、あたたかくして過ごしましょう。

水分補給をする

発熱によって汗をかき、水分が不足しやすくなるので、水分補給をしっかりと行いましょう。スポーツドリンクなどの、吸収がよくミネラル分も豊富なものもよいですが、お茶やスープなど、飲めるものであればなんでもかまいません。

前述の通り、体をあたためることが大事なので、あたたかい飲み物を飲むのもおすすめです。

栄養を摂る

インフルエンザに対抗するために、免疫力を高めることも大事です。食事が可能な場合は、ビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養素もバランスよく取り入れましょう。

咳・鼻水の対策をする

インフルエンザウイルスは、咳やくしゃみによる飛沫で感染することが多いです。そのため、以下のようなポイントを押さえ、咳や鼻水による感染拡大を予防しましょう。

  • マスクをする
  • 他の人に顔を向けて咳やくしゃみをしない
  • 咳やくしゃみが出そうなときは、腕の内側などで口と鼻を覆う
  • 咳やくしゃみを手で受け止めたら、すぐに手を洗う
  • 鼻水などがついたティッシュはすぐに捨てる

人がいるところに行かない

外出して人に会うようなことは避けましょう。人ごみなど、不特定多数の人が集まるような場所に行くのも控えてください。

長ければ、発症から7日程度はウイルスを排出していることがあるため、熱が下がったとしても、しばらくは外出を控えましょう。なお、学校では、発症後5日経過し、なおかつ解熱後2日(幼児の場合は3日)経過するまでは、基本的に出席停止になるというルールがあります。登校や出勤については、医師や学校、勤務先などに確認しましょう。

家庭内での感染拡大に注意する

同居する家族がいる場合は、症状がある人はできるだけ別室で過ごしましょう。特に、子どもや高齢者、妊娠中の方、持病がある方がいる場合は、感染させないように細心の注意を払いましょう。

食器などの共用は避ける必要がありますが、通常の方法で洗浄すれば問題なく使えます。

市販薬は慎重に選ぶ

症状がそこまでひどくなければ、市販薬で様子を見てもかまいません。ただし、解熱剤の選び方には注意が必要です。

解熱剤は、アセトアミノフェンと、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に大別することができます。大人はいずれのお薬も使用できますが、子供の場合はインフルエンザ脳症のリスクがあるためNSAIDsは使用できません。解熱剤はアセトアミノフェンを選ぶようにし、できれば薬剤師などに相談しながら選ぶとよいでしょう。

インフルエンザに関するよくある質問

最後に、インフルエンザにおける受診に関するよくある質問にお答えします。

インフルエンザは保険適用で診療できる?

インフルエンザは保険適用で診療が受けられることが一般的です。診療は、下表のように、保険適用の保険診療と、保険適用外の自由診療に分けることができ、基本的に、発熱や風邪症状があるなど、インフルエンザの疑いがあって診察を受ける場合や、治療の必要性があり、決められた範囲内の治療法を実施する場合は保険適用となります。

保険診療自由診療(保険外診療)
概要公的な健康保険が適用される診療保険が適用にならない診療
主な状況病気の症状があり、治療の必要性がある状況美容目的や、予防目的の場合など
診察・治療内容国民健康保険法や健康保険法などによって、給付対象として定められている検査・治療医療保険各法等の給付対象とならない検査・治療
費用同じ診療内容なら、どの病院でも同じ同じ診療内容でも、病院によって異なる
原則1~3割負担全額自己負担

なお、インフルエンザの予防接種は保険適用外となり、医療機関によって金額が異なります。ただし、以下の方は定期接種(法律に基づき、市区町村が主体となって行う予防接種)の対象であり、自治体によっては費用がかからないこともあります。

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で、心臓、腎臓、もしくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方(おおむね、身体障害者障害程度等級1級相当)
  • 60~64歳で、HIVによる免疫機能の障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(おおむね、身体障害者障害程度等級1級相当)

インフルエンザ治療の費用は?

クリニックフォアでは、保険適用でインフルエンザの治療が可能です。オンライン保険診療の受診にかかる費用は以下の通りです。

なお、別途お薬代がかかります。

初診の場合再診の場合
診察料750〜1,180円(税込)230〜1,250円(税込)
システム利用料1,000円(税込)1,000円(税込)
通常配送料390円(税込)390円(税込)
合計※2,140〜2,570円(税込)1,620〜2,640円(税込)

※3割負担の場合の合計金額の目安。実際の診察内容によっても異なります。診療報酬点数表に基づいて計算され、患者様の自己負担割合(原則3割)に応じて請求されます。

病院に行くとかえって悪化するのでは?

実はインフルエンザではなかったのに、インフルエンザの流行時期に病院に行くことで、かえってうつされてしまうことがあるのでは?と考える方もいるかもしれません。

ただ、院内感染を予防するためにさまざまな対策を講じている病院が多いため、過度に心配する必要はないでしょう。

クリニックフォアの対面診療において、講じている感染対策などがあれば追記しますのでお知らせください

気になる方は、直接受診する必要のないオンライン診療の受診をご検討ください。

インフルエンザの治療はクリニックフォアのオンライン保険診療へ

インフルエンザの疑いがある場合は、感染拡大を防ぐために、事前に連絡したり、車や別の待合室での待機を要請されたりと、通常とは受診の流れが異なることが多いです。オンライン診療であればそのようなことを気にせず受診できますし、他者に感染させる心配もありません。

クリニックフォアでは、さまざまなお悩みに対応するオンライン診療を行っています。発熱や風邪症状があるなど、インフルエンザの疑いがあるような場合は、保険診療の内科で対応が可能です。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

注意 オンラインでお薬の処方ができない場合があります

以下に当てはまる場合はオンラインで処方ができません。

  • 依存性の高い向精神薬(不眠症のお薬を含みます)に分類されるお薬や麻薬は処方できません。
  • 触診・検査などが必要な場合(爪水虫など)、オンラインでは病状を把握するために必要な情報が十分に得られないと医師が判断した場合には、対面での診療をお願いする場合がございます。