そもそもトラネキサム酸とは?その効果は?
トラネキサム酸は、人工的につくられたアミノ酸の一種です。
主な作用はプラスミンというタンパク質(酵素)のはたらきの抑制。この抗プラスミン作用によって、止血効果、抗炎症効果などが期待できます。さらに、最近ではシミ予防・改善といった美容目的で使う人も増えています。
まずはトラネキサム酸に期待できる効果や用途について詳しく解説します。
のどの症状改善
トラネキサム酸は、のどの痛み、赤み、腫れなどの改善効果が期待できるため、風邪をひいたときに処方されることがあります。
また、扁桃炎や、口内炎改善のために処方されることもあります。
シミ予防・改善
メラニンの生成や炎症を抑える効果が期待できるため、以下のような症状改善を狙って美容目的で使われることがある
- シミ
- 肝斑
- そばかす
- 炎症後色素沈着
など
なお、メカニズムとしては、メラニンをつくるときに必要となるプロスタグランジンという物質を抑えることや、抗プラスミン作用による炎症・アレルギーの抑制によって、シミ予防や改善につながるとされています。
また、肝斑は、ほほ骨のあたりなどに左右対称に現れるシミの一種です。色は薄めで、もやっと広がっているのが特徴。女性ホルモンの影響によって生じるとされています。肝斑の治療はトラネキサム酸が第一選択薬であり、レーザーよりもお薬による治療が優先されます。
湿疹の改善
肌に対しては、湿疹やじんましんなどの赤み、腫れ、かゆみの改善目的でも処方されることがあります。
止血効果
プラスミンには血液を溶かし、出血を促す作用があるため、トラネキサム酸の抗プラスミン作用によって止血効果が期待できます。そのため、以下のような出血しやすい病気や、異常出血に対して処方されることもあります。
- 白血病
- 再生不良性貧血
- 紫斑病
- 手術中や術後の異常出血
- 肺出血
- 鼻血
- 性器出血
- 腎出血
など
のどの症状改善目的でトラネキサム酸処方を相談する方法
ここからは、トラネキサム酸の処方を相談する方法を症状別に解説します。まずはのどの症状改善目的の場合です。
医療機関を受診する
のどの症状が気になるときは、内科や、普段から行っているかかりつけ医を受診すれば、処方してもらえる可能性が高いです。
ただ、医師の判断によってより適切なお薬が選択されるので、トラネキサム酸を希望しても、必ずしも処方されるとは限らない点に注意が必要です。
なお、風邪などにおけるのどの症状や、口内炎に対する処方の場合は、基本的に保険適用となります。
オンライン診療で受診することも可能
オンライン診療とは、パソコンやスマホなどの電子機器を使い、ビデオ通話などで医師とやり取りしながら診察を受けるものです。お薬は、配送されるか、自分で近隣の薬局に取りに行くかの2択となります。
直接受診することにハードルを感じていたり、時間がなかったり、体調が悪く外出ができなかったりするときには特に重宝します。
なお、オンライン診療でも、直接受診する対面診療と同じ条件で保険適用がなされることが一般的です。
市販薬を購入することも可能
市販薬にもトラネキサム酸が配合されているものがあり、風邪薬や口内炎のお薬として販売されています。
ただし、市販薬よりも、医療機関で処方されるお薬(医療用医薬品)のほうが有効成分の量が多いことが一般的です。トラネキサム酸の場合は1日あたりの上限量が、医療用医薬品は2,000mg、市販薬は750mgと決まっています。
一方で、市販薬には医療用医薬品にはないメリットもあります。市販薬の中には、トラネキサム酸だけでなくビタミンなど他の成分が配合されているものもあり、特に風邪の場合には、のど以外の症状にも総合的に効果が期待できるお薬が選べるのはメリットといえるでしょう。
美容目的でトラネキサム酸の処方を相談する方法
シミ、そばかす、肝斑などの改善を目的にトラネキサム酸を使いたい場合も、直接の受診かオンライン診療の選択肢があります。また、市販薬を購入することも可能です。保険適用ができるのかについても併せて見ていきましょう。
医療機関を受診する
美容目的でトラネキサム酸を使いたい場合は、皮膚科や美容皮膚科で処方してもらえるケースがあります。
なお、美容目的でのトラネキサム酸の処方は、基本的に保険適用外であり、全額自己負担となることが一般的です。
オンライン診療で通院時間の短縮も可能
美容目的でも、オンライン診療でトラネキサム酸を処方してもらえるケースがあります。この場合も、保険適用できるかどうかの条件は対面診療と同じです。
市販薬を購入することも可能
シミやそばかすの改善目的につくられたトラネキサム酸の飲み薬も市販されています。しかし、前述の通り、医療用医薬品よりも有効成分の量は少ないことが一般的です。
ただ、ビタミンCなどの他の美容におすすめの成分が配合されているものもあることはメリットだと言えるでしょう。
また、トラネキサム酸配合の外用薬もあるので、体の中からも外からもアプローチすることができます。
トラネキサム酸の注意点
最後に、トラネキサム酸の服用に当たって知っておきたい注意点をお伝えします。
副作用
どのようなお薬にも効果が期待できる反面、副作用のリスクがあります。トラネキサム酸の内服によって以下のような副作用が生じることがあるため、異常を感じたら服用をやめ、必要に応じて医師や薬剤師に相談しましょう。
- 食欲不振
- 胸やけ
- 悪心、嘔吐
- 下痢
- かゆみ
- 発疹
- 眠気
など
また、人工透析を受けている方が服用すると、痙攣が現れることもあるとされています。
飲んではいけない人
トロンビン(血液を固まり安くするお薬)を使っている方は、トラネキサム酸を飲むことが禁止されています。トラネキサム酸には止血効果があり、トロンビンと作用が似ているため、血栓ができるリスクが高まると考えられるためです。
その他に、以下のような方は注意が必要なので、処方が受けられなかったり、少ない量での処方となったりすることがあります。
- 血栓がある(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など)
- 血栓症があらわれる恐れがある
- 消費性凝固障害(全身の血管に小さな血栓が多発し、血小板などが減少する病気)がある
- トラネキサム酸に対して過敏症の既往歴がある
- 腎機能障害、腎不全になっている
- 人工透析をしている
- 低用量ピルを服用している
- 妊娠している
- 授乳している
- 高齢者
併用してはいけないお薬
前述の通り、血栓ができるリスクが高まるため、トロンビンと併用することは禁止されています。
その他に、以下のようなお薬との併用にも注意が必要とされています。
- ヘモコアグラーゼ(傷や鼻血、臓器などの出血に対して使う注射)
- バトロキソビン(末梢動脈などがつまるなどする慢性動脈閉塞症や、振動病、突発性難聴などの症状改善に使う注射)
- エプタコグアルファなどの凝固因子製剤(出血しやすい病気に対して使う注射)
トラネキサム酸の処方はクリニックフォアのオンライン診療へ
クリニックフォアでは、さまざまなお悩みに対応するオンライン診療を行っています。保険診療の内科では、風邪やのどの痛みに対してトラネキサム酸を処方することがあります。
また、自由診療の美容皮膚オンライン診療では、美容目的でトラネキサム酸の取扱いもあります。
目的に合わせてぜひオンライン診療の受診をご検討下さい。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。