インフルエンザの潜伏期間や症状は?後遺症、治療薬などについても解説

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによって発症する病気です。感染後に潜伏期間を経て発症し、さまざまな症状が現れます。

風邪と同じようなものと考えている方もいますが、風邪とは原因になるウイルスや症状が異なるため、対策や治療法も異なります。今回は、インフルエンザの潜伏期間や症状、後遺症、治療薬などについて解説します。

インフルエンザの初期症状

A型・B型のインフルエンザウイルスに感染すると、1~3日程度の潜伏期間を経て初期症状が現れます。風邪と比較して、急速に症状が現れるのが特徴です。ここでは、インフルエンザの主な初期症状を紹介します。

高熱

多くの場合、インフルエンザに感染すると38度以上の高熱が出ます。

インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫細胞がウイルスを攻撃し始めます。ウイルスは体温が上がると勢いが落ち、免疫細胞は体温が上がると活性化するため、高熱を出すことで免疫細胞が戦いやすい環境を作っているのです。

ただし、加齢などで免疫機能が低下している場合や、インフルエンザの予防接種を受けている場合は高熱が出ないこともあります。

頭痛

インフルエンザウイルスなどに感染すると、体内で「プロスタグランジン」という物質が生成されます。プロスタグランジンとは、体温を上げる作用がある物質です。

ウイルスの増殖を抑制し、免疫細胞の攻撃力を上げるために、プロスタグランジンを分泌して体温を上げると考えられています。

免疫細胞にとって重要な物質ではあるのですが、プロスタグランジンには痛みを発生させる作用もあるため、インフルエンザにかかると頭痛が起こることがあります。

筋肉通・関節痛

インフルエンザに感染すると、筋肉痛や関節痛を感じる場合があります。筋肉痛や関節痛を感じるのも、頭痛と同じくプロスタグランジンが原因と考えられています。

全身の倦怠感

インフルエンザ感染時に、体全体がだるくなることもあります。これまでインフルエンザの症状として、全身の倦怠感が生じる原因はわかっていませんでした。しかし、近年の研究によって、だるさを感じるのは脳内炎症が原因だということがわかってきています。

脳内炎症の原因は、体内で免疫細胞が放出する「サイトカイン」という物質です。ウイルスに感染すると、免疫細胞がウイルスを攻撃するためにサイトカインを分泌しますが、サイトカインはウイルスだけでなく体内の細胞も刺激するため患部で炎症が起こります。

インフルエンザに感染するとサイトカインが脳神経に炎症を起こし、それが倦怠感を覚える原因になるとされています。

インフルエンザの後期症状

インフルエンザに感染すると、急速に高熱や頭痛などの初期症状が出た後に、風邪と同じような症状が出る場合があります。ここからは、インフルエンザの初期症状につづいて現れることがある症状について解説します。

喉の痛み

インフルエンザの症状というと高熱や関節の痛みというイメージがありますが、それらの初期症状に続いて喉の痛みなどの症状が出ることもあります。

喉の痛みを感じる理由は、インフルエンザが上気道(鼻から喉まで)の感染症であるためです。インフルエンザウイルスが鼻や喉に感染したことが原因で咽頭炎や喉頭炎(のどの炎症)などを起こすと、喉が痛くなります。

鼻水

インフルエンザは上気道の感染症なので、インフルエンザウイルスに感染すると鼻炎を起こすこともあります。その結果、インフルエンザの症状として鼻水が出る場合があります。

インフルエンザに感染すると、咳や痰などの急性気管支炎の症状が出る場合があります。急性気管支炎とは、何らかのウイルスや細菌が気管支に感染して炎症を起こすことで生じる病気です。

インフルエンザウイルスによる炎症が、上気道だけでなく気管支まで広がることで急性気管支炎の症状が現れるとされています。

腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状

インフルエンザの症状として、腹痛・吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状が現れることもあります。消化器症状が出るのは、インフルエンザウイルスが腸まで入り込んで増殖することが原因です。

とくにB型インフルエンザウイルスは、消化器症状が起こりやすいといわれています。また、抗インフルエンザウイルス薬の副作用で腹痛が出る場合もあります。

味覚障害

インフルエンザにかかったときに、味覚障害を起こす方もいます。舌や頬の裏、喉の奥などにある、味を感じるための「味蕾(みらい)」という器官が、「舌苔(ぜったい)」に覆われてしまうためです。

舌苔とは白い苔のようなもので、インフルエンザに感染して免疫力が低下したり高熱が出たりすると、舌の表面に発生します。実際に苔が生えているわけではなく、細菌や舌の粘膜などが付着して苔のように見えるのです。

また、味覚には香りも影響するため、インフルエンザに感染したことで鼻に炎症が起きて香りを感じにくくなると、味に違和感を覚える場合もあります。

インフルエンザが重症化した場合の症状

インフルエンザが重症化すると、ここまでに解説した以外の症状が出る場合があります。万が一のときに適切に対処できるように、どのような症状が出るのかを把握しておきましょう。

中耳炎

中耳炎とは、喉や鼻についた細菌やウイルスが耳に入り込んで炎症を起こす病気です。中耳炎の原因の多くが、インフルエンザウイルスや肺炎球菌といわれています。

急性中耳炎を発症すると、激しい耳の痛みや耳だれ、発熱などの症状が出ます。さらに症状が悪化すると鼓膜が破れ、耳から膿が出てくる恐れもあります。

放置すると症状が長引いたり慢性化したりする恐れがあるため、医療機関を受診して治療を受けることが重要です。

熱性けいれん

熱性けいれんとは、頭蓋骨内の病気以外の病気が原因で発熱し、けいれんを起こすことです。38度以上の高熱が出たときに、24時間以内に発生することが多い傾向にあります。

熱性けいれんは、主に生後5~6ヶ月ごろから5~6歳の子どもに起こる症状を指しますが、インフルエンザが原因の場合は、年長から小学生くらいの子どもでも熱性けいれんを起こすことがあります。

熱性けいれんが起きたときは、大声で呼びかけたり体をゆすったりしてはいけません。5分以内にけいれんが治まり、意識もはっきりしたのであればそれほど慌てる必要はないので、夜間に発生した場合は翌朝受診するとよいでしょう。

ただし、5分以上経過してもけいれんが治まらない、けいれんが治まっても意識が戻らない、1度治まったものの再度けいれんが起きたなどの場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

気管支喘息

インフルエンザに感染して気管支が炎症を起こすと、もともと気管支喘息を患っている場合は、インフルエンザが悪化したり、重症化しやすいとも言われています。

呼吸困難を起こす場合もあるので、息苦しさや喘鳴(ぜんめい:呼吸時にヒューヒュー・ゼーゼーと音がする)などの症状が出ている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

異常行動・言動

子どもがインフルエンザに感染した際に、異常行動・言動を起こすケースもあります。異常行動・言動とは、下記のような状態です。

  • ウロウロと歩き回る
  • いきなり走り出す
  • 部屋から飛び出したり飛び降りたりする
  • 意味のわからないことを話し出すなど

異常行動・言動が起こるのは、抗インフルエンザウイルス薬の服用が原因とされていましたが、最近はお薬の服用の有無にかかわらず異常行動・言動を取る場合があることがわかっています。

転落事故なども発生しているため、子どもがインフルエンザにかかった場合は保護者が見守る、転落や飛び出しの危険がない部屋に寝かせるなどの対策をすることが重要です。異常行動・言動は発熱から2日間以内に現れることが多いため、とくに最初の2日間は目を離さないようにしましょう。

インフルエンザ脳症

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスの感染が原因で起こる脳の病気です。インフルエンザ脳症を発症すると、けいれんや意識障害、異常行動・言動などの症状が急速に進行します。

症状の進行が非常に速いため、下記のようなインフルエンザ脳症が疑われる症状が現れた場合は早急に医療機関を受診することが大切です。

  • 意識障害を起こしており、呼びかけや頬をつねるなどの刺激に反応しない
  • けいれんが15分以上続く
  • けいれんが繰り返し発生する
  • 左右非対称にけいれんする
  • 保護者を認識できない
  • 幻覚が見えるなどの異常行動・言動が出ているなど

これまでインフルエンザ脳症を起こす原因も明らかになっていませんでした。しかし、近年の研究により、インフルエンザウイルスが脳血管内の細胞に感染すること、ウイルスがもつタンパク質が蓄積することで脳内細胞が破壊され、インフルエンザ脳症が発症することがわかっています。

毎年50~100人程度が発症しているといわれており、インフルエンザ脳症を発症した患者さんのうち約10~30%が死亡しています。

子どもが発症するケースが多いですが、大人でもインフルエンザ脳症の発症が確認されているため、年齢にかかわらず注意が必要です。

インフルエンザの後遺症

インフルエンザに感染した後に、いつまでも発熱が続くことがあります。この場合は、二峰性発熱(にほうせいはつねつ:発熱のピークが2回来る)や肺炎、気管支炎、中耳炎などの合併症を起こしていることが考えられます。

また、痰や咳などの呼吸器系の症状は長引きやすいですが、あまりに長期間続く場合は気管支炎などの合併症を発症している恐れがあります。

インフルエンザ脳症を発症した場合は、身体障害や精神障害などの重篤な後遺症が残る恐れがあります。いずれにしても医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。そのため、インフルエンザを予防するには、人ごみを避ける、不織布マスクを着用する、外出後の手洗いを徹底するなどして、ウイルスに接触しないようにする必要があります。

飛沫感染

  1. インフルエンザ感染者がくしゃみや咳などをしたときに、ウイルスが含まれた飛沫が放たれる
  2. その飛沫を鼻や口から吸い込むことで、インフルエンザウイルスに感染する

接触感染

  1. インフルエンザ感染者が触れたものにインフルエンザウイルスが付着する
  2. インフルエンザウイルスが付着したものを触り、その手で鼻や口を触ることでインフルエンザウイルスに感染する

医療機関でのインフルエンザ治療

インフルエンザに感染すると高熱や頭痛、消化器症状などが出るだけでなく、重症化して合併症を起こすリスクがあります。

そのため、インフルエンザを発症した場合は、医療機関を受診するのが基本です。ここでは、医療機関でのインフルエンザ治療について解説します。

抗インフルエンザウイルス薬を使う

一般的に医療機関でのインフルエンザ治療では、抗インフルエンザウイルス薬が使用されます。主な抗インフルエンザウイルス薬は下記のとおりです。

  • オセルタミビルリン酸塩(タミフル等)
  • ザナミビル水和物
  • ペラミビル水和物(ラピアクタ)
  • ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)
  • アマンタジン塩酸塩(シンメトレル等)※A型にのみ有効)
  • バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)など

どのお薬を使用するかは、医師の判断によって決定されます。

治療は48時間以内が原則

抗インフルエンザウイルス薬は、インフルエンザ発症から48時間以内に服用しないと十分な効果が得られません。そのため、医療機関での治療を受ける場合は、症状が出始めてから48時間以内に受診する必要があります。

ただし、発熱してから12時間以内だと、インフルエンザウイルスに感染していても検査で陽性反応が出ない場合があるため、発熱後12時間以上経ってから受診するようにしましょう。

48時間以上経過したらどうする?

インフルエンザ発症後48時間以上経過している場合、抗インフルエンザウイルス薬の効果が下がることから、自宅で療養するのが一般的です。感染拡大防止のために他者と接触しないようにしつつ、しっかりと体を休ませましょう。

カロナールなどのアセトアミノフェン配合の解熱剤が処方されることもある

インフルエンザのときに高熱が出るのは、体がウイルスと戦うための反応です。無理に解熱剤で熱を下げると、免疫細胞の防御反応を押さえつけてしまう可能性があるため、むやみに解熱剤を使用するのはおすすめできません。

しかし、患者さんの状態によっては、アセトアミノフェン配合の解熱剤が処方されることがあります。アセトアミノフェンとは、中枢神経に作用して放熱させる作用があるお薬です。

アセトアミノフェン配合の解熱剤で代表的なものがカロナールです。胃への負担が少なく、眠くなる成分が入っていないという特徴があります。

インフルエンザのときに市販薬は使える?

インフルエンザはウイルスによる感染症であるため、市販の風邪薬は効果がありません。症状を抑えるには、医療機関で抗インフルエンザウイルス薬を処方してもらう必要があります。

また、無理に熱を下げると免疫細胞の働きが低下する可能性があるため、基本的には解熱剤の使用もおすすめできません。しかし、どうしても医療機関を受診できない場合は、薬剤師がいる薬局やドラッグストアなどで解熱剤を選んでもらうことも検討してみましょう。

ここでは、インフルエンザのときに使える市販薬と注意すべき市販薬について解説しますので、服用前にチェックしておきましょう。

アセトアミノフェン配合の市販薬を使ってもよい

医療機関で処方されることもあるアセトアミノフェン配合の解熱剤であれば、インフルエンザのときでも使用可能です。

ただし、市販薬でも副作用が出る場合があるので、用法・用量を守り、問題が出た場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

NSAIDsには注意が必要

解熱鎮痛剤は、アセトアミノフェン配合のものと、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)に大別することができます。NSAIDsの代表的な成分が、イブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物などです。

大人であれば、インフルエンザのときにイブプロフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物配合の解熱剤を使ってもよいとされています。

ただし、子どもの場合、アセトアミノフェン以外の解熱剤は、インフルエンザ脳症を引き起こすリスクが高まるといわれているため、できれば避けたほうがよいでしょう。

NSAIDsの中でも特に、アスピリンやジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸配合のものは、インフルエンザの重症化やインフルエンザ脳症を引き起こすリスクが高いので避けましょう。

そもそもインフルエンザで解熱剤を使用するかどうかは、体の状態などで異なります。自己判断で市販薬を使用するのは避けて、医療機関を受診して医師の判断に従うことが大切です。

インフルエンザが1日で治る方法はある?

通常、インフルエンザの症状は1週間程度続きます。体内のウイルス量のピークは感染から2~3日後です。しかし、ピークを過ぎればウイルスが消えるわけではなく、発症から5日間ほどはウイルスが排出され続けます。

抗インフルエンザウイルス薬を服用した場合は、ウイルスの排出スピードが速くなります。たとえば、タミフルを服用した場合、ウイルスが排出される期間が72時間程度に短縮されるとされています。(小児服用のドライシロップは罹病期間中央値として)

また、2018年に承認を受けたゾフルーザは、ウイルスが排出される期間が24時間まで短縮されたとの結果が出ています。

ただし、ゾフルーザはタミフルなどのほかの抗インフルエンザウイルス薬と比較すると実績が少ないのがデメリットです。抗インフルエンザウイルス薬にはさまざまな種類があるので、どの薬を服用するかは医師と相談のうえ決定しましょう。

また、抗インフルエンザウイルス薬を服用したからといって自己判断で活動を再開するのは避け、出勤・出席停止の期間についても医師の指示に従いましょう。

インフルエンザにかかった場合の対策

インフルエンザは高熱や頭痛などの症状が出るだけでなく、重症化したり合併症を発症したりするおそれがあるため、そもそも感染しないようにすることが重要です。

しかし、気をつけて生活していても、インフルエンザに感染してしまうこともあります。そのようなときに、自分でできる対策を紹介します。

ただし、長期間高熱が続いている、息苦しい、意識状態に異常があるなどの場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

自宅隔離や出勤・出席停止を徹底する

インフルエンザに感染したときは、感染拡大を防止することが重要です。自宅隔離や出勤・出席停止を徹底し、ほかの人と接触しないように心がけましょう。

インフルエンザにかかると、発症前日から発症後3~7日間はウイルスを排出するといわれています。

学校保健安全法では、発症から5日間経過かつ解熱後2日間(幼児は3日間)は出席停止とされています。

(参考)

令和3年度インフルエンザQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

学校保健安全法施行規則|e-GOV 法令検索
https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018

咳エチケットを心がける

インフルエンザは飛沫感染するため、インフルエンザに感染した場合は咳エチケットを意識しましょう。

咳エチケットとは、咳やくしゃみをする際にハンカチやティッシュ、服の袖などで鼻や口を押えて飛沫が飛ばないようにすることです。不織布マスクを着用することも含まれます。

咳やくしゃみをするときに手で押さえると、その手で触れたものにウイルスが付着してしまうため、手は使わないようにしましょう。

しっかりと休息を取る

インフルエンザにかかったら、とにかくしっかりと体を休めることが重要です。睡眠が不足すると、免疫細胞の生成や細胞の修復に必要な成長ホルモンの分泌量が低下します。すると免疫細胞の働きが低下してしまうため、しっかり睡眠を取って免疫細胞を活性化させましょう。

熱が高いときは首・脇・足の付け根を冷やしながら休み、汗をかいたらこまめに着替えるようにしてください。自宅療養中に体調が悪化した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

こまめに水分補給する

インフルエンザにかかったときは、こまめに水分補給することも大切です。とくに嘔吐や下痢などの症状が出ている場合は、脱水状態にならないようにしっかりと水分を取る必要があります。

ただし、消化器症状が出ているときに、水だけを大量に飲むのは避けましょう。水だけでは失った電解質が補給できないため、体内の水分と電解質のバランスが乱れて体液が薄くなります。

すると、体が喉の渇きを感じにくくなるようになり、さらに大量に尿を出して水分を排出しようとし始めます。その結果、余計に脱水状態が進行してしまうため、スポーツドリンクや経口補水液などの水分と電解質を同時に接種できるものを飲むようにしましょう。

インフルエンザの予防接種について

インフルエンザ予防接種は、感染・発症を100%防ぐものではありません。しかし、流行前にインフルエンザの予防接種を受けておくと、インフルエンザの重症化や合併症の発症予防に役立ちます。

ここでは、インフルエンザ予防接種の対象者や接種回数について解説します。

インフルエンザワクチンの定期接種の対象者は高齢者や持病がある方

インフルエンザ予防接種には、「定期接種」と「任意接種」があります。

  • 定期接種:法律にもとづき、自治体主体で実施する予防接種
  • 任意接種:定期接種の対象者に該当しない方が、任意で受ける予防接種
  • インフルエンザワクチンの定期接種の対象者は、下記に該当する方です。
  • 65歳以上の高齢者
  • 60~64歳で心臓・腎臓・呼吸器機能に問題があり身の回りの生活に制限がある方(身体障害者障害程度等級1級相当)
  • 60~64歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害があり、日常生活が困難な方(身体障害者障害程度等級1級相当)

子どもや妊婦さんは任意接種

子どもや妊婦さんをはじめ、先述の対象者に当てはまらない方は、インフルエンザワクチンの定期接種対象外なので、ワクチン接種を希望する場合は任意接種することになります。

子どもは生後6ヶ月以上であれば、インフルエンザワクチンを接種できます。妊婦さんは生ワクチンの接種は原則禁忌とされていますが、インフルエンザワクチンなどの不活性化ワクチンの接種は可能です。不安な場合は、念のため産婦人科医に相談してみましょう。

子どもや妊婦さん以外の方でも、希望すればインフルエンザワクチンを任意接種できます。

インフルエンザワクチンの接種回数は1~2回

インフルエンザワクチンの接種回数は年齢によって異なります。

  • 0~13歳未満:2回
  • 13歳以上:1回

ただし、医師の判断により接種回数が変わる場合があります。たとえば、13歳以上でも基礎疾患によって免疫力が著しく落ちている場合は、2回接種になるケースがあります。インフルエンザワクチンの接種回数については、医師の指示に従いましょう。

インフルエンザの予防接種はどうやって予約すれば良いの?

クリニックHPからのオンライン予約をお願いしております。

「WEB来院予約」から「インフル予防接種」を選択してご予約ください。

 

 

インフルエンザは保険適用で診療できる?

インフルエンザは保険適用で診療が受けられることが一般的です。診療は、保険適用の保険診療と、保険適用外の自由診療に分けることができ、基本的に、高熱などの症状があり、治療の必要性があり、決められた範囲内の治療法を実施する場合は保険適用となります。

保険診療自由診療(保険外診療)
概要公的な健康保険が適用される診療保険が適用にならない診療
主な状況病気の症状があり、治療の必要性がある状況美容目的や、予防目的の場合
診察・治療内容国民健康保険法や健康保険法などによって、給付対象として定められている検査、治療医療保険各法等の給付対象とならない検査、治療
費用同じ診療内容なら、どの医療機関でも同じ同じ診療内容でも、医療機関によって異なる
原則1~3割負担全額自己負担

なお、インフルエンザワクチンの任意接種については、治療ではなく予防目的なので費用は自己負担となります。

インフルエンザの治療はクリニックフォアのオンライン診療へ

インフルエンザに感染すると、高熱や頭痛などの症状が現れます。なかには重症化して合併症を発症するケースもあるため、インフルエンザと思われる症状が出た場合は医療機関を受診しましょう。

医療機関では抗インフルエンザウイルス薬を処方されるのが一般的ですが、抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に服用する必要があります。48時間を超えると効果が期待できなくなるので、早めに受診することが大切です。

クリニックフォアでは、さまざまなお悩みに対応するオンライン診療を行っており、保険診療の内科では、インフルエンザの診療にも対応しています。

また、インフルエンザワクチンの接種や、抗インフルエンザウイルス薬の予防内服薬(※)の診療にも対応可能です。インフルエンザワクチンを接種したい方、インフルエンザに感染した可能性があり不安な方は、お気軽にお問い合わせください。

※抗インフルエンザウイルス薬の予防内服薬:インフルエンザ感染者の濃厚接触者となった場合に、予防のために抗インフルエンザウイルス薬を服用すること(保険適用外)
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

 

 

注意 オンラインでお薬の処方ができない場合があります

以下に当てはまる場合はオンラインで処方ができません。

  • 依存性の高い向精神薬(不眠症のお薬を含みます)に分類されるお薬や麻薬は処方できません。
  • 触診・検査などが必要な場合(爪水虫など)、オンラインでは病状を把握するために必要な情報が十分に得られないと医師が判断した場合には、対面での診療をお願いする場合がございます。

参考文献

  1. 令和3年度インフルエンザQ&A|厚生労働省
  2. インフルエンザの基礎知識|厚生労働省
  3. インフルエンザとは|国立感染症研究所
  4. ウイルス感染に伴う疲労倦怠感は脳内炎症が引き金|理化学研究所
  5. けいれん、ひきつけ|白クマ先生の子供診療所
  6. 新型インフルエンザ対策|厚生労働省
  7. インフルエンザ脳症ガイドライン|日本小児科学会
  8. インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」|政府広報オンライン
  9. 市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省
  10. 抗インフルエンザ薬タミフルをめぐる状況の報告について|医薬品医療機器総合機構
  11. 抗インフルエンザウイルス剤 ゾフルーザ錠10mg・錠20mg・顆粒2%分包|SHIONOGI
  12. ゾフルーザ錠10mg・錠20mg|医薬品医療機器総合機構
  13. 咳エチケット|厚生労働省
  14. 季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い|厚生労働省
  15. 妊娠・産褥期女性にとって重要な 妊娠・産褥期女性にとって重要な ワクチンの知識 ~最近の話題と今後の課題について~|日本産婦人科医会