インフルエンザ予防接種の費用相場はいくら
料金は各医療機関が独自に設定しています。
相場の幅と、料金に含まれるものを先に知っておけば、予約前に総額の見当をつけられます。
注射タイプのワクチンの費用目安
予防接種には公定価格が定められておらず、各医療機関がワクチンの仕入れ価格や運営にかかる費用を踏まえて料金が決まるため、同じ市区町村内であっても差が生じます。
金額の分布としては4,400円前後に設定している施設が中心ですが、ばらつきがあります。
受診を決める前に医療機関のウェブサイトで金額を確認することがおすすめです。
医療機関によって費用が違う理由
予防接種は自由診療に分類されているため、ワクチンの仕入れ値のほか、人件費や予約システムの運営費なども料金に反映されます。
小児への接種に対応している施設では、ワクチンを小分けに扱う手間や待合の配慮が必要になり、その分が価格に上乗せされることもあります。
反対に、接種者数が多い都市部の施設では、まとまった仕入れによって単価を抑えられるケースもあるようです。
値段の違いに理由があると分かれば、安いか高いかだけで判断せずに済み、通いやすさや予約の取りやすさも含めて選べるでしょう。
診察料が別途かかる場合がある
表示されている接種費用のほかに、診察料が別途かかる医療機関もあります。
予防接種の前に行う問診と診察の費用をワクチン代に含めるか別建てにするかは施設によって扱いが分かれます。
自由診療の診察料を毎回徴収する方針の医療機関では、初診時に数千円が加算されることもあるでしょう。
かかりつけ以外の医療機関を初めて受診する場合は、初診料の扱いを電話で確かめておくと安心です。
料金表に「診察料別途」の記載がないか目を通しておくことを心がけてみてください。
インフルエンザ予防接種に健康保険が使えない理由
風邪で受診したときは3割負担で済むのに、予防接種だけ全額自己負担になる点に納得しづらさを感じるのは自然なことです。
予防接種が自由診療にあたる仕組み
健康保険は「療養の給付」として、すでに起きている病気やけがへの診療費を給付する制度です。
発症していない段階で受ける予防接種は療養にあたりません。
健康診断や人間ドックが自己負担となるのと同じ考え方だと捉えると、イメージしやすいかもしれません。
定期接種と任意接種で自己負担が変わる
インフルエンザの予防接種は、対象年齢によって定期接種と任意接種に分かれ、自己負担額が大きく変わります。
予防接種法では、65歳以上の方などが高齢者インフルエンザの定期接種の対象と定められており、自治体が費用の一部を負担します[1]。
対象から外れる年齢の方は任意接種となり、全額が自己負担です。
【年代別】インフルエンザ予防接種の費用の目安
インフルエンザ予防接種には、主に2つの年齢の区切りがあります。13歳未満では原則2回、13歳以上では原則1回の接種とされます。また、65歳以上になると予防接種法上の定期接種の対象となり、自治体による公費負担を受けられる場合があります。
この2つを押さえるだけで、世帯全体の総額をおおよそ把握できるでしょう。
13歳未満の子どもは2回接種で合計費用が変わる
13歳未満のお子さんは2回接種が推奨されるため、費用も2回分を見込んでおく必要があります[1]。
小さな子どもは1回の接種だけでは十分な免疫がつきにくいと考えられており、2〜4週間の間隔をあけて2回接種します[1]。
2回目の予約を取り忘れると効果が十分に得られない可能性があるため、1回目の会計時に次回の日程を決めておくご家庭も多いようです。
子どもの分は自治体の助成が用意されている地域も多く、先に制度を調べてから予約すると負担を抑えられます。
13歳以上64歳以下は1回接種が基本
13歳以上64歳以下の方は、1回の接種で完了するのが基本です[1]。
この年代は過去にインフルエンザにかかった経験や接種歴があることが多く、1回の接種でも免疫の反応が得られやすいと考えられています。
65歳以上は定期接種で自己負担が軽くなる
65歳以上の方は定期接種の対象となり、自己負担が大きく軽くなります[1]。
60〜64歳の方でも、心臓・腎臓・呼吸器の機能や免疫の機能に一定の障害がある場合は、同じ枠組みで接種を受けられるでしょう[1]。
ワクチンの種類による費用の違い
インフルエンザワクチンには注射タイプのほかに、鼻にスプレーする経鼻タイプもあります。
両者は接種できる年齢も回数も異なり、1回あたりの金額にも差があります。
1回の値段だけを比べると判断を誤りやすく、シーズン全体でかかる総額で見る視点が欠かせません。
注射タイプ(不活化ワクチン)の費用と対象年齢
注射タイプの不活化ワクチンは、生後6か月以上であれば年齢を問わず接種できます[1]。
長年にわたって使われてきたワクチンであり、取り扱っている医療機関の数も多いです。
妊娠中の方や免疫の働きが低下している方でも接種できる点も、選択肢としての幅の広さにつながっています。
費用は経鼻タイプと比べると抑えられた設定です。
経鼻タイプ(フルミスト)の費用と対象年齢
経鼻タイプのワクチンは、1回あたり8,000〜10,000円程度と、注射タイプより高めに設定されている医療機関が多いです。
ただし鼻にスプレーする方式のため注射の痛みがありません。
接種対象は2歳以上19歳未満に限られ、1シーズンにつき1回の接種で完了します。
取り扱っている医療機関がまだ限られており、希望する場合は事前の問い合わせが欠かせません。
自治体によっては助成の対象に加えているところもあります。
注射を怖がるお子さんにとっては有力な選択肢になりますが、費用と取り扱い状況を確かめたうえで検討するのが良いでしょう。
子どもの場合はトータルの費用で比べる
13歳未満のお子さんについては、1回の金額ではなくシーズン全体の総額で比べることが大切です。
注射タイプは2回接種が推奨される一方、経鼻タイプは1回で完了するため、回数の違いが総額に直結します。
注射タイプを1回4,000円で2回受ければ8,000円、経鼻タイプを9,000円で1回受ければ9,000円となり、差は1,000円程度にとどまります。
経鼻タイプは接種が1回で済むため、仕事を休む回数や交通費まで含めると、経鼻タイプのほうが負担が軽くなる家庭もあるでしょう。
反対に、自治体の助成が注射タイプのみを対象としている地域では、注射タイプのほうが明らかに安いです。
回数・助成の対象・通院の手間をあわせて見比べたうえで、お子さんに合う方法を医師と相談しながら決めていきましょう。
インフルエンザ予防接種の費用を抑える4つの方法
助成や補助の制度は自分から申し込まないと使えないものが大半で、知らないまま全額を支払っている方も少なくありません。
制度を先に調べてから予約するという順番に変えるだけで、数千円単位の差が生まれます。
住んでいる自治体の助成制度を確認する
多くの自治体が子育て支援や高齢者の重症化予防を目的として、接種費用の一部を負担する制度を設けています。
市区町村の公式ウェブサイトや広報誌、保健センターへの問い合わせで確認できますので、予約前に一度目を通しておくと安心です。
健康保険組合や勤務先の補助を利用する
多くの健康保険組合が加入者と扶養家族を対象に、接種費用の一部を補助しています。
契約医療機関で利用券を提示すると、その場で補助額が差し引かれる方式もあります。
領収書を添えて後日申請する方式では、記載内容の不備で受け取れないケースもあるため、書類の書き方を確かめておきましょう。
社内ポータルや組合からの案内に目を通しておくと、家族分の負担も減らせます。
助成の対象期間と指定医療機関を先に調べる
助成制度には対象期間と指定医療機関の条件があり、外れると全額自己負担になります。
自治体の助成は10月1日から翌年1月31日までといった期間を定めていることが多く、期間外の接種は対象外です[3]。
指定された医療機関以外で接種した場合も、助成を受けられないことが一般的です。
予診票や助成券が必要な自治体もあり、忘れると適用されないこともあります。
対象期間・指定医療機関・持ち物の3点を先に押さえておけば、せっかくの制度を取りこぼさずに済みます。
医療費控除の対象にならない点を知っておく
インフルエンザの予防接種にかかった費用は、医療費控除の対象になりません[4]。
医療費控除は治療や療養に必要な費用を対象とする制度であり、疾病の予防を目的とした支出は含みません[4]。
健康診断や人間ドックの費用が対象外とされているのと同じ考え方です。
控除を当てにせず、自治体や勤務先の助成で負担を減らす方向に切り替えるのが現実的な進め方といえます。
インフルエンザ予防接種を受ける時期と予約のタイミング
流行のニュースを見てから慌てて予約を取ろうとして、希望日が埋まっていた経験がある方もいるでしょう。
流行のピークから逆算して予定を組むことで、同じ費用でもより意味のある接種になります。
流行前の10〜11月頃の接種が推奨される
インフルエンザの予防接種は、流行が始まる前の10〜11月頃に受けておくのが望ましいです[1]。
日本では例年12月から4月にかけて流行し、1月末から3月上旬にピークを迎える傾向があります[1]。
ピークを迎える前に免疫をつけておくことが、接種の目的にかなった進め方です。
11月後半から12月にかけては予約が集中しやすいため、10月に入ったら費用の確認とあわせて予約することをおすすめします。
効果が現れるまで約2週間かかる
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が現れるまでに約2週間かかります[1]。
体内で抗体がつくられるまでに時間を要するため、接種した当日から守られるわけではありません。
受験や出張など大事な予定がある方は、その日から逆算して2週間以上前に予約を入れておくと安心です。
ワクチンを接種しても発症を完全に防げるわけではありませんが、重症化を抑える効果が期待できると考えられています[1]。
インフルエンザ予防接種の費用に関するよくある質問
Q:インフルエンザの予防接種に保険は使えますか?
A:健康保険は使えず、原則として全額自己負担です。
Q:予防接種の費用は医療費控除の対象になりますか?
A:疾病の予防を目的とした費用は医療費控除の対象になりません[4]。
領収書は勤務先や自治体の助成申請で使う場面があるため、確定申告用とは分けて保管しましょう。
まとめ
インフルエンザ予防接種の料金は医療機関ごとに異なり、診察料が別途かかる場合もあります。
13歳未満のお子さんは2回接種が推奨されるため、合計で8,000〜10,000円程度を見込みましょう[1]。
65歳以上の方は定期接種の対象となり、自治体によって無料から2,500円程度の自己負担で接種できます[1]。
経鼻タイプは1回8,000〜10,000円程度と高めですが、1回で完了するため子どもの場合は総額の差が小さくなることもあります。
自治体の助成や勤務先の健康保険組合の補助を利用すれば、実際の負担をさらに抑えられます。
流行前の10〜11月に予約を済ませ、費用と助成の条件を確かめたうえで、ご家族に合った受け方を選んでみてください。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。お薬の服用に関しては医師にご相談ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
