月経移動とは?生理を早める・遅らせる方法や何日前から飲むかを解説

「旅行や結婚式・受験と生理が重なりそうで困っている」という方もいるのではないでしょうか?
月経移動とは、ピルを服用して生理の予定日を意図的にずらす方法のことで、大切なイベントと生理の重なりを避けるために婦人科で広く用いられています[1]。
結論から言うと、月経移動には「生理を遅らせる方法(中用量ピル)」と「生理を早める方法(低用量または中用量ピル)」の2つがあり、いずれも医師の診察・処方が必要です。
一方で、服用のタイミングや方法を誤ると月経移動に失敗する可能性もあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
この記事では、月経移動の仕組み・遅らせる方法と早める方法それぞれの手順・何日前から飲むか・副作用・失敗しないためのポイントについてわかりやすく整理します。
月経移動について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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【月経移動の基本】仕組みと服用するお薬

月経移動を理解するためには、まず生理が起こる仕組みを知ることが大切です。

生理はホルモンの変動によってコントロールされており、ピルを服用することでそのタイミングを調整できます[1]

ここでは、月経移動の仕組みと服用するお薬の種類について確認していきましょう。

月経移動の仕組み:ホルモンの分泌タイミングを調整する

月経移動は、ピルに含まれるホルモン成分を利用して生理のタイミングをコントロールする方法です。

生理は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンの分泌量の変化によって起こります。

黄体期の後半でこの2つのホルモン分泌量が同時に低下すると、子宮内膜が剥がれ落ちて生理が始まる仕組みです。

ピルを服用すると体内が擬似的な黄体期のようなホルモン状態になり、本来のホルモン低下が起きないため生理が来なくなります。

そしてピルの服用をやめると「2つのホルモン分泌量が同時に下がる」という状態になり、消退出血(生理)が起きます。

つまり「服用をやめるタイミングを調整すること」で、生理が来る時期をコントロールできるわけです[1]

月経移動に服用するお薬:中用量ピルが主流

月経移動に服用するお薬は、中用量ピル(プラノバールなど)が主流です[1][2]

中用量ピルはエストロゲンの配合量が低用量ピルより多く(0.05mg以上)、ホルモン量が多いため子宮内膜を確実に維持でき、月経移動の成功率が高いとされています。

目的別に服用するピルを整理すると以下のとおりです[1]

目的服用するピル特徴
生理を遅らせる中用量ピル(主流)成功率が高い。イベント中も服用が必要
生理を早める低用量ピルまたは中用量ピルイベント当日は服用不要。準備期間が必要

中用量ピルはホルモン量が多いため、吐き気・頭痛などの副作用が出やすい傾向があります[2][3]

ただし、月経移動のような短期間の服用を目的としたお薬であるため、一時的な服用には適しているでしょう。

ピル以外で月経移動はできる?

ピル以外に生理を確実にずらす方法はありません。

「サプリメント・食事・ツボ押しで生理をずらせる」という情報をインターネットで見かけることがありますが、これらの方法に月経移動の医学的な根拠はありません。

大切なイベントに間に合わない可能性があるため、自己流の方法に頼ることは避けた方がよいでしょう。

月経移動を確実におこなうためには、婦人科またはオンライン診療で医師に相談し、ピルを処方してもらうことが大切です。

【生理を遅らせる方法】中用量ピルの飲み方

大切なイベントの日程がある程度決まっていて、生理予定日を1週間以内後ろにずらしたい場合に有効な方法です。

生理を遅らせる方法は、月経移動の中でも比較的シンプルで、取り組みやすいとされています。

ここでは、具体的な飲み方や注意点について解説します。

生理予定日の5日前から飲み始める

生理を遅らせる場合は、遅らせたい生理の予定日の5〜7日前(遅くとも3日前)から中用量ピルを1日1錠飲み始めます[1]

服用している間は予定日になっても生理が来なくなる仕組みです[1]

生理を避けたい日(イベントの最終日)まで服用を続け、その後服用をやめると2〜3日後に消退出血(通常より軽めの生理)が起きます。

遅らせられる最大日数は7〜10日程度で、それ以上飲み続けてもホルモンバランスの影響で服用中に生理が始まることがあります。

なお、遅らせる方法ではイベントの期間中もピルを服用し続ける必要があるため、副作用対策も事前に確認しておきましょう[2]

生理を遅らせる方法の具体例

具体的なスケジュールをイメージすることで、飲み始めのタイミングが把握しやすくなります。

たとえば生理予定日が8月10日で、8月15日まで旅行に行きたい場合は以下の流れになります[1]

  • 8月5日(生理予定日5日前):中用量ピルを1日1錠服用開始
  • 8月15日まで:服用を継続(旅行最終日まで)
  • 8月15日:服用をやめる
  • 8月17〜18日頃:消退出血が始まる

この場合、生理を約7日間遅らせることができます。

生理周期が不安定な方は予定日の見込みがずれやすいため、1か月以上前に医師に相談することがおすすめです。

遅らせる場合の注意点——妊娠の可能性がある場合は服用不可

生理を遅らせる方法では、排卵日以降(黄体期)からピルを飲み始めることになります[1]

そのため、妊娠の可能性がある場合には中用量ピルを服用できません[2]

妊娠の可能性がある状態での中用量ピルの服用は、添付文書で禁忌とされています[2]

性行為があった場合は医師に伝え、妊娠の可能性を除外したうえで処方の可否を判断してもらうことが必要です。

不安な場合は、遠慮せずに医師に相談してみてください。

【生理を早める方法】低用量ピルまたは中用量ピルの飲み方

「イベントの日より前に生理を終わらせてしまいたい」という場合に有効な方法です。

早める方法はイベント当日にピルを服用する必要がないというメリットがある一方、準備期間が必要になります。

ここでは、具体的な手順とメリット・デメリットを確認していきましょう。

ひとつ前の生理が来たら飲み始める:準備期間が必要

生理を早める場合は、ずらしたい生理のひとつ前の生理が始まってから3〜5日目までに低用量ピル(または中用量ピル)の服用を開始します[1]

低用量ピルの場合は14日以上(2週間以上)継続服用し、生理を来させたい日の2〜5日前に服用をやめます[1]

やめてから2〜3日後に消退出血が始まる仕組みです[1]

中用量ピルで早める場合は10日以上の服用が必要で、服用終了後2〜3日で消退出血が起きます[1]

早められる日数の目安は、生理予定日の約2週間前とされています。

生理を早める方法の具体例

早める方法もスケジュールの具体例を見ると理解しやすくなります。

たとえば生理予定日が5月20日で、5月5日までに生理を開始させたい場合は以下の流れになります。

  • 4月25日まで(4月の生理開始から5日以内):低用量ピルを服用開始
  • 5月2〜3日頃:服用をやめる
  • 5月4〜8日頃:消退出血が始まる
  • 5月9〜13日頃:消退出血が終わる

この場合、通常の生理予定日5月20日よりも約10日早く生理を終わらせることができます。

ただし、消退出血が予定通りに来ない可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールで医師に相談することが大切でしょう。

早める方法のメリット・デメリット

生理を早める方法のメリットは、イベント当日にピルを服用しなくてよい点です。

メリットとデメリットを整理すると以下のようになります。

観点内容
メリットイベント当日にピルを服用しなくてよい / 旅行中の副作用リスクを避けられる
デメリットイベントの約1か月前から準備が必要 / 消退出血が予定通りに来ない可能性 / 月経が1週間以上来ないケースもある

遅らせる方法ではイベント中もピルを飲み続ける必要があり、吐き気・頭痛などの副作用が旅行中に出てしまうリスクがあります[2]

どちらの方法が向いているかは生理周期・残り日数・体質によって異なるため、医師と相談して決めることが大切です。

普段から低用量ピルを服用している場合の月経移動

普段から低用量ピルを服用している方は、手持ちの低用量ピルで月経移動ができる場合があります。

ここでは、低用量ピル継続服用者向けの調整方法と注意点を確認しましょう。

低用量ピル継続服用者向けの月経移動方法

1相性の低用量ピル(マーベロン・ファボワールなど、全錠ホルモン量が均一なもの)を服用中の方は、休薬タイミングを調整することで生理日を移動できます。

生理を遅らせたい場合は、21日間の実薬を飲み終えた後、休薬期間を設けずに新しいシートの実薬を飲み続けます。

生理を避けたい期間が終わったら服用をやめて休薬に入ると、2〜3日後に消退出血が来る仕組みです。

生理を早めたい場合は、生理が来てほしい日の3日前を目安に休薬を開始すると、2〜3日後に消退出血が来るでしょう。

3相性の低用量ピル(トリキュラー・アンジュなど、錠剤ごとにホルモン量が段階的に変わるもの)の場合は調整方法が異なるため、自己判断せず医師に相談してください。

低用量ピル服用者が月経移動する際の注意点

普段の服用スケジュールから逸脱するため、自己判断での実施は避けることが推奨されます。

低用量ピルで生理を遅らせる場合は、中用量ピルと比べてホルモン量が少ないため、途中で出血が始まってしまうリスクが若干高くなります。

「普段の低用量ピルで月経移動をしたい」という場合は、処方クリニックに相談して正確な服用スケジュールを確認したうえでおこなうことが必要です。

不安な点があれば、遠慮せずに医師に確認してみてください。

月経移動で失敗しないためのポイント

月経移動には一定の失敗リスクがあります。

事前に知っておくことでリスクを最小限に抑えることができるため、失敗を防ぐためのポイントは以下の3つです。

  • できるだけ早め(1か月前)に医師に相談する
  • 月経周期を普段から記録しておく
  • 副作用への事前対策をする

ここでは、それぞれのポイントを確認しましょう。

できるだけ早め(1か月前)に医師に相談する

月経移動で重要なのが、早めに医師に相談することです。

生理を早める場合は「ひとつ前の生理が始まってから服用開始」する必要があるため、タイミングが合わなければ間に合わなくなります[1]

目安として、イベントの1か月以上前に婦人科を受診またはオンライン診療で相談することが推奨されます。

生理予定日・生理周期・ずらしたい日程・イベントの期間を正確に伝えることで、医師が自分に合った方法を提案してくれるでしょう。

「急に予定が決まった」という場合でも、生理を遅らせる方法であれば生理予定日の1週間前までに受診すれば対応できる場合があります。

月経周期を普段から記録しておく

月経移動の成否は、生理予定日がどれだけ正確にわかるかに大きく左右されます。

生理周期が不安定で予定日がわからない場合、ピルの飲み始めタイミングが定まらず月経移動に失敗する可能性が高くなります。

スマートフォンの生理管理アプリなどを活用して、普段から生理開始日・期間・周期を記録しておくことが月経移動の成功率を高めるでしょう。

「生理周期が不安定で月経移動が難しい」という場合は、低用量ピルを継続服用して生理周期を安定させてからイベントに合わせて調整する方法も選択肢のひとつです。

判断に迷う場合は、医師に相談することをおすすめします。

副作用への事前対策

中用量ピルはホルモン量が多いため、吐き気・頭痛・倦怠感・乳房の張り・むくみなどの副作用が出やすい傾向があります[2][3]

副作用への主な対策は以下のとおりです。

  • 服用時間を就寝前に変更する:就寝中に吐き気の副作用が出にくくなる
  • 食後に服用する:空腹時の服用より吐き気が軽減することがある
  • 吐き気止めを同時に処方してもらう:処方時に副作用対策として吐き気止めの追加処方を依頼できる

旅行中・海外滞在中にピルを服用する場合は、時差による服用時間のずれに注意が必要です。

前回の服用から24時間ごとに服用できるよう、服用時間の管理を徹底することが大切でしょう。

クリニックフォアのオンライン診療で月経移動の相談ができます

「月経移動をしたいけれど、婦人科に行く時間が取れない」という方には、オンライン診療という選択肢があります。

クリニックフォアでは、スマートフォンやパソコンから医師の診察を受けることができ、月経移動に必要な中用量ピルや低用量ピルの処方が可能です。

自宅にいながら医師に生理周期やイベントの日程を相談でき、お薬は自宅に配送されます。

ただし、オンライン診療は対面での検査が必要な場合や緊急性が高い場合には適さないことがあるため、症状に不安がある方はお近くの婦人科を受診してください。

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※診察の結果、医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

※触診・検査などが必要な場合は、対面での診療をお願いする場合があります。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

よくある質問

Q1. 生理を遅らせるには何日前からピルを飲み始めればいいですか?

遅らせたい生理の予定日の5〜7日前(遅くとも3日前)から中用量ピルを1日1錠飲み始めることが基本です[1]

服用をやめてから2〜3日後に消退出血(通常より軽めの生理)が起きます。

生理予定日が正確にわかることが重要なため、余裕をもって1か月前には医師に相談することをおすすめします。

Q2. 生理を早める方法と遅らせる方法、どちらがよいですか?

状況によって異なるため、一概には言えません。

急な予定で準備期間がない場合は遅らせる方法、1か月以上前から計画できる場合は早める方法が選択肢となるでしょう。

判断に迷う場合は、医師に相談して自分に合った方法を提案してもらうことが大切です。

Q3. 月経移動に失敗することはありますか?

はい、月経移動には一定の失敗リスクがあります。

生理予定日の見込み違い・服用開始の遅れ・服用中の出血などが主な原因です。

失敗リスクを減らすために、早めの受診と普段からの生理周期の記録が重要でしょう。

Q4. 月経移動後、次の生理は通常通り来ますか?

消退出血が終わった後、普段と同程度の周期で自然な生理が再開するのが一般的です。

個人差によっては次の生理が少し遅れる場合もありますが、中用量ピルを服用した月経移動で将来の妊娠に影響が出るという報告はありません。

消退出血後2か月以上生理が来ない場合は、婦人科を受診してみてください。

まとめ

月経移動とは中用量ピル(または低用量ピル)を服用して生理の予定日をずらす方法で、旅行・結婚式・受験などのイベントと生理の重なりを避けるために広く用いられています。

生理を遅らせる場合は生理予定日の5〜7日前から中用量ピルを服用開始し、イベント終了後にやめると2〜3日後に消退出血が来る方法です[1]

最大7〜10日遅らせることができるとされています。

生理を早める場合はひとつ前の生理開始から3〜5日以内にピルの服用を開始し、2週間程度の服用後にやめると消退出血が来る方法です[1]

イベント当日は服用不要という点がメリットになります。

月経移動で失敗しないためには、イベントの1か月以上前に医師に相談すること・普段から生理周期を記録しておくこと・副作用対策を事前に準備しておくことが重要です。

普段から低用量ピルを服用している方は休薬タイミングの調整で月経移動が可能ですが、ピルの種類によって方法が異なるため自己判断せず医師に相談しましょう。

月経移動後は消退出血が終わった後に自然な生理が再開し、将来の妊娠に悪影響が出るという報告はありません。

月経移動を検討している方は、早めに婦人科またはオンライン診療で医師に相談してみてはいかがでしょうか。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

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参考文献

  1. 公益社団法人日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン——婦人科外来編2020」
  2. あすか製薬株式会社「プラノバール配合錠 添付文書」(2024年7月改訂・第4版)
  3. バイエル薬品株式会社「トリキュラー錠21/トリキュラー錠28 添付文書」(2020年6月改訂・第1版)
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